兵庫県宍粟市 松の木公園〜鍋ヶ谷渓谷〜船木山〜後山〜板馬見渓谷



- GPS
- 07:56
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,121m
- 下り
- 1,119m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:55
歩行距離21km、歩行時間7時間20分、歩行数35,600歩、消費カロリー3,880Kcal
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
なお、後山登山口<写真62>の駐車場手前には落石や倒木があり、自動車は通行不可能です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
松の木公園<写真01>から西河内公民館<写真24>を経て鍋ヶ谷林道入口まで、および、後山登山口<写真62>から松の木公園まではアスファルトやコンクリート道です。 台風の翌日でしたが、雨の影響はあまりなかったようで、渓谷が少し増水している程度でした。道は多少滑りやすい箇所がありますが、気を付ければ大丈夫です。 風は強かったらしく、船木山登山道に少し倒木がありましたが、通行に支障はありません。むしろ、後山登山口<写真62>の登山案内図や不動明王ののぼりなどが倒れているほうが気になりました。 後山<写真46〜49>から板馬見(いたばみ)渓谷に下る道は、石小屋<写真57>を中心に石がゴロゴロしてわかりにくい箇所がありますが、ピンクテープや道標をよく見れば大きく外れることはありません。濡れていると崩れやすい細道や渡渉点(通常水深1〜3cm程度)があるので、雨天や大雨後は避けた方がいいでしょう。 鍋ヶ谷林道入口から船木山登山口<写真42>、船木山<写真43,44>を経て後山<写真46〜49>までは、一部に倒木がありますが、道ははっきりして歩きやすいです。 鍋ヶ谷林道入口から船木山登山口<写真42>までは砂利道です。登山口手前に小さな木の枝などが散乱している以外は、とてもきれいになっていました。路肩に石が転がっているのは以前からです。 船木山登山口<写真42>からは、最初だけ石埋まり道です。滑りやすい粘土道にはステップが切ってあります。標高1200m辺りからシダやササの間の細道になりますが、足元は見えます。 倒木はすぐにまたいでよけられます。唯一、標高1230m辺りのだけは巻きましたが、前方に道が見えているので迷うことはないでしょう。標高1270〜1275mは濡れると上りでも滑りやすく、倒木で道の一部が崩れています。今回は問題なく通行できました。 稜線に出て船木山<写真43,44>から後山<写真46〜49>までは、一部に石埋まりや濡れていると少し滑りやすい箇所がありますが、歩きやすいです。 後山<写真46〜49>から後山登山口<写真62>を経て松の木公園<写真01>までは、一部、石がゴロゴロしてわかりにくい箇所、濡れていると崩れやすい幅30cm程の細道、渡渉点(通常水深1〜3cm程度)があります。 後山<写真46〜49>から標高1260mの一般&行者コース分岐(西側分岐)を経て標高1253m峰の上乢(かみだわ)&笛石山分岐までは、ササの間の細道で足元は見えます。倒木はまたいですぐによけられます。 標高1253m峰の上乢(かみだわ)&笛石山分岐から標高1165m辺りの笛石山&おごしき山分岐(東寄りから北寄りに進路を変える地点)を経て、標高965m辺りの一般&行者コース分岐(東側分岐)までは、最初は歩きやすいのですが、そのうちに濡れていると崩れやすい細道になります。かなり細かくジグザグしているので、ピンクテープを見つけても無理にそちらへ直行せず、足元をよく見ればコースアウトしません。 標高965m辺りの一般&行者コース分岐(東側分岐)から標高900m辺りの平成之大馬鹿門(おごしき山)&一般コース分岐を経て石小屋<写真57>を過ぎるまでは、石がゴロゴロしてわかりにくい箇所が続きます。ピンクテープや道標をよく見ながら石の上を歩き、あまり沢に下りすぎなければ大丈夫です。標高930〜920m辺りでピンクテープが少し下る方向に続いているのに無視してしまい、途中で崩れやすい所を無理に下りました。標高910m辺りで土石流の跡らしき「石の沢」のような所を横断すると、いったん土道が復活しました。石小屋<写真57>の前後はまた石がゴロゴロしていますが、さほどわかりにくくはありません。 石小屋<写真57>から松の木公園<写真01>までは、次第に石が少なくなり、歩きやすくなります。後山登山口<写真62>からはコンクリート道で、一部、落石や倒木で自動車は無理ですが、歩くのに支障はありません。標高630mでは常に水が道を横断していますが、水深はごく浅く、今回も靴底が濡れる程度ですみました。 |
その他周辺情報 | 今回のルート上に何か所か名水があります。また、松の木公園から南下すると、「エーガイヤちくさ ふれあいサロン」があります。温泉は火曜定休、レストランは月・火定休です。 |
写真
石彫「そよそよと東風」
中岡慎太郎&アノ・シーベルト両氏による作品です。林立する13個の自然石は千種町の13の集落を意味し、それぞれの集落から集められたメッセージが収められているようです。
ヨコジマオオヒラタアブ♀
アケボノソウは二年草なので、次年度以降はまた新たなものが咲いているでしょう。ヨコジマオオヒラタアブは、複眼の間が少し離れているのでメスです。動画も撮りました。
サトウラギンヒョウモン♀
サトウラギンヒョウモンは、ヤマウラギンヒョウモンに似ていますが、前翅の縁にくびれがあります。吸蜜シーンを動画に撮りました。近くに鍋ヶ森神社がありますが、秋祭りで人が多かったので参拝は遠慮しました。
道仙寺奥の院を見下ろせるスポットですが、木々で見えにくくなっていました。ふと足元を見ると、太さ2cm程の細いシマヘビがいました。黒い縞模様がかなり薄いので、顔を近づけて覗き込んでいると、完全にフリーズしてしまいました。ごめんなさい(>_<)
名札が立っていますが、下山時は気づきにくいかもしれません。1m程渡渉するとすぐに狭い岩の間をお行儀よく流れているのが見えます。今回は水量が多かったので、岩の間からはみ出していました。動画を撮り、しばらく進んで標高930m辺りの渡渉点の玉垂れ滝は動画だけにしました。
不動明王の岩
女人禁制の結界門が未だ残る後山は大峰山を「前山」として、その後ろにある西の大峰になぞらえて「後山」といいます。手前に見えている小さな淵は、身を清める垢離(こり)取場です。その奥に見えている岩の裏側に不動明王像<写真61>があります。
お堂は無事でしたが、「後山・平成之大馬鹿門登山案内図」の根元が折れて倒れていたのが気になりました。ここは舗装林道の終点で後山登山口になっており、駐車場もありますが、少し下ると、落石や倒木で自動車は通行不可能な状態でした。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
“コースの約3分の2は渓谷沿い 水の都ちくさ!”
今回のメインとなる後山は四方からアプローチができます。(ただし、北側はほとんどヤブですが・・・)
風が強かったこともあり、稜線歩きを極力避け、21km近くにも及ぶ全行程中、約3分の2にあたる約14kmは、千種(ちくさ)川、鍋ヶ谷渓谷、板馬見(いたばみ)渓谷沿いを歩くことにしました。
渓谷沿いだけでも高度差は400mほどありますが、舗装道路がほとんどで山を登ったり下ったりしている感覚がほとんどありません。時々、轟音を頼りにすぐ近くまでアプローチしてみると、目の前に広がる渓谷美を堪能できることもしばしばでした。マイナスイオン効果で心が常に癒され続け、長距離の割に精神的には楽でした。
“タタラ製鉄に貢献した修験道!?”
千種町は、製鉄神「金屋子神」(かなやごかみ)が降臨し、日本で初めて製鉄技術が伝わったとの伝承が残っており、古代より砂鉄を利用した「タタラ製鉄」が盛んに行われました。現在把握されている千種川沿いの製鉄遺跡だけで八十五ヶ所を超えます。
千種の山の土からとれる良質の「真砂砂鉄」から生み出された「千草鉄(ちくさはがね)」は高い品質を誇り、現岡山県瀬戸内市の長船(おさふね)の刀匠たちに珍重されました。また、砂鉄を取った後の「真砂土」はクリンソウが育つ土として最適となりました。
※クリンソウについてはこちら↓でレポート
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1471276.html
また、千種町と岡山県美作(みまさか)市の境にある後山は西大峯(おおみね)山とも呼ばれ、古くから修験道の中心地として栄えた山の一つでもあります。
この修験道がタタラ製鉄に大きく寄与していたという説があります。修験者は修行する山の中で発見した鉱脈に関する情報を製鉄集団に伝え、開発を促したと考えられています。
後山に行場(修験道の修行道場)が開かれてから五十年ほど後に、後山周辺でタタラの炎が燃えはじめたようです。
現在はタタラ製鉄は廃れていますが、鉱物への変わらぬ関心は、後山東北東のおごしき山&東南東の笛石山にある平成之大馬鹿門をはじめとする石彫群に表れています。
今回は千種川と後山というタタラに関係深い場所を周回することで、今まで個々に見ていた史跡が時空を飛び越えて繋がった気がしました。
地元(西河内)の方が驚くほど、歩く人がいないコースでしたが、歩くことで今まで見えなかった美観が何度も目に飛び込んできて、想定外のサプライズを楽しむことになりました。
気が付けば行動時間は8時間近く(*_*;夕暮れに鳴く鹿の声に深まる秋を感じながら、無事に山行を終えました(*^^*)
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