【中ア】黒沢山(2127m)

- GPS
- 09:39
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 1,196m
- 下り
- 1,184m
コースタイム
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:39
●スーパー;DELICIA伊那インター店
●大芝の湯(\500)
| 過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
感想
<起>・・・ふたたび伊那インターへ
見事に新雪に苦しめられた先週の山行。あのまま黒沢山に突っ込んで行っても、タイムレースに終始して楽しめなかったでしょう。撤退の判断は間違っていなかったと思います。
リベンジという言葉はマイナスの含みがあって使いたくありません。改めて登り直すのはある意味、好印象で登山を締めくくれるメリットもあるしね。
バリルートを含むので、気をつかいます。でも、地形に関しては、たっぷり観察済みです。大泉川上流部の急峻な渓谷に連続する砂防ダムや、林道詰め付近の急流の危なっかしい渡渉を避けるための絶妙な下降ラインもしっかり引いてきました。
切り立った崖の下降を予測して10m超のロープもザックに詰めてきました。加えて、雪の状況や気象条件も想定内。装備もウェアもジャストです。
<承>・・・大泉ダム登山口〜黒沢山
勝手知ったる大泉林道に車を進めます。下降ポイントに設定した橋を渡ったところに駐車。登りは、南箕輪県有林の歩道1号を利用したルートです。
大ブナや、これから狙う黒沢山に背を押されてガシガシ歩きます。歩道2号線を左手に見送ってしばらくで、経ヶ岳と黒沢山を結ぶ主稜線に届きました。アイゼンをわかんに履き替えます。
歩く道すがら、切り拓きからの展望に心を解きます。伊那盆地の向こうには、甲斐駒〜仙丈ヶ岳〜塩見岳が霞に浮かび上がっている。で、あれが八ヶ岳。コガラが透き通った声でさえずり、シジュウカラは梢で遊んでいます。
下山予定の尾根を見据え、考えてきた机上のプランを磨き直します。大泉川の左岸尾根上にある1675三角点周辺から、下山予定ラインを3本引いてきました。目視で、間違い尾根や迷い尾根をチェックします。
この尾根を選んだ理由を書いておきましょう。それはこの尾根が箕輪町と南箕輪村の町村界となっていたからです。地籍調査の手が入っていることは間違いありません。勿論、最終調査からの経過時間によっては、相当手こずるかも知れません。
レッツゴーです。ノートレースの雪面にはテンの足跡がテンテンと続いています(ん?)。黒沢山の西端に立ちました。やった〜!!
容姿端麗な乗鞍岳や槍穂。十石山とか笠ヶ岳とか燕・大天井とか、真っ白々で高貴な方々の存在感も半端ない。仏谷から坊主岳への厳かなスカイライン、それとは対照的な鉢盛山〜小鉢盛山の流れるような流線形も好きだ。
<転>・・・黒沢山〜おおやまつみのみことの石碑
黒沢山です!私と同じで、いぶし銀のような渋さに頭くらくら(意味不明)。季節風を避けて南面に陣取って、まったり過ごします。
休憩してから、下山のための東南尾根の接続点へ移動しました。間髪入れずに急斜面にドロップイン!・・・のはずだったんだけど、あっという間にフォールラインが笹の海に飲み込まれた。うーん、泣くな、オレ!
意気消沈して視線を移すと、木曽駒の左肩から、ちょこんと頭を出す白い峰!おおっ、空木岳じゃん!!途端に、あふれ出るドーパミン(笑)。ヒガラのせっかちな鳴き声に促され、ウマ並みのギャロップで攻め立てます。
1730mの岩場の展望地はマストですよ。エネルギーロスを恐れて省エネルートを辿ると、東南尾根一番の展望スポットをスルーしてしまう。振り仰ぐ黒沢山。よくぞここまで降りて来たもんだ。
歩いてみた感じでは、ヤブの切り拓きはそれなり。ただ、それをちゃんとトレースする力量は試されます。
1675三角点をやり過ごし、1590m地点の支尾根分岐で休憩。ここを下降点とします。「ヨイショ」とザックを担ぎなおして・・・たまたま背後を振り向くと「あっ!!」と声が漏れました。そこには素朴な石碑が安置されていました。『大山祇命』と書かれている。これは一体!?
<結>・・・おおやまつみのみことの石碑〜下山
下山後に謎解きです。石碑に刻まれていたのは「おおやまつみのみこと」。日本神話の「いざなぎのみこと」「いざなみのみこと」の子ども。「山を支配する神」なんですね。この石碑が人の目に触れるのは、年に幾度もあるとは思えませんよね。
有史以来、連綿と続いてきた人と山との関わり。その秘密の一つを垣間みた思いです。山を敬い怖れる心と山の恵み。自然に活かされる人の生きざま。奥深い世界だ。
最後にルート情報です。1590mの「おおやまつみの分岐」から林道出合までは、羽広生産森林組合の境界杭が打たれ、トレースは難しくないです。問題は、林道から駐車地まで。この区間は、相当わちゃわちゃしていて難儀します。
終盤、広尾根の急下降に転じ、グレード高し。ピンポイントで降りないと渡渉や崖っぷちだと承知しているので、最後は反則技ですがGPSと首っぴきでした。
ともあれ、悲願達成。達成感で山行を締めくくりました。
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ふらり








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