ムフフなハートを求めてやっとたどり着いた大長山


- GPS
- 09:22
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 1,709m
- 下り
- 1,694m
コースタイム
天候 | 曇り(下山後に雨) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小原峠から大長山への稜線沿いは、ナイフリッジや雪の急登があり難易度高めです。 |
写真
愛の告白に使うなら、積雪期の純白なハートにしましょうね。これだと表面を覆っていた雪が落ちて汚れた本心が顔を覗かせてまるで私みたいですし(笑)
感想
近くまで来てはなかなか登頂できなかった大長山にようやく登ることができました。
前回は護摩堂峠から鉢伏山経由で狙ったのですが、運悪く新雪がスキーシールのゲタ地獄となり時間切れ。今回はよく冷え込みザラメ雪の表面が軽く凍って朝はツボ足でも沈まなく、スキーもよく走ってこの時期としては申し分ない雪質であったことにも助けられました。
さて前回の時間切れの反省と、天気予報では夕方から雨ということだったので、前夜に現地入り。21:20に出発して23:50に小原(おはら)集落の林道ゲート前に到着します。まだ雲が出てなかったので、星空が結構きれいでした。
ちょっと小腹(こばら)が空いたのでパンを1個食べてから寝ます。就寝は0時過ぎだったのですが、何故か興奮して?(笑)多分1時半か2時くらいでしょうか、寝入ったのは…朝は5時にセットしたアラームにびっくりして目を覚ましました。ゲゲッ!もう明るい!しまった出遅れた〜とばかり慌てて朝食のパンをねじこみ、準備をして出発したのが5:30でした。
久しぶりの自転車登場です。去年の竜ヶ岳〜御池岳縦走で、鞍掛峠から宇賀渓まで自転車で移動して以来です。朝ごはん食べてすぐに全開の運動は結構ハード、若干気持ち悪い(笑)。それでも平坦なところは速い速い、登りでも歩きよりは2倍くらいのスピードで行けましたから、ロングな山行にはありがたいです。
林道は前回4/1ではダム取水口までが除雪されていましたが、今回はそこから先も重機が入って作業された形跡があり、融雪もあってまだまだ進めます。ただ、人工的に除雪されていない林道というのは、途中から雪がなかったり残っていたりと、どこまで自転車で行くか悩ましい限りです。今回も一度デポしたにもかかわらず、しばらくスキー登行すると雪がなくなったので悩んだ挙句また自転車を取りに行きました(笑)
結局自転車は4.7kmのところまで進んでデポしました。ただ、多少は雪の上を押していっても、もっと先まで進んだほうがいいと思います。というのは、スキーの場合は板を脱着するのにビンディングを外したりブーツを緩めたりと色々手間がかかりますが、自転車の場合は下りて押せばいいだけなので、極めてフットワークが軽いからです。
今回は斜面上の雪もだいぶなくなっており、ショートカットは殆どできませんでした。今後更に融雪が進むので、林道はかなりの部分を自転車で行くことになるでしょう。
10kmくらい歩いたところで、夏季登山口の駐車場に到着しました。もちろんまだ2mほどの雪に埋もれたままです。まだまだここまで来ると、残雪はたくさんあります。今回は大長山を目指しますので、小原峠はやや北寄りに登り、出発から約4時間で小原峠に到着しました。
時刻はまだ9:30と早く、今日は余裕を持って大長山に向かえます。で、いきなりの急登です。まずは2つのピークを乗り越える試練が待っています。2つ目のP1505は少し巻きましたが、巻けば巻いたで急斜面のトラバースで神経を使うため、素直に登っても時間的には同じでしょう。
P1530を過ぎた鞍部からは、いよいよ厳しい部分が待ち受けていました。50°を超える急斜面はクトーを効かせながらスキーを斜面に横に向けてカニ歩き、時にピックストックで確保しながら進みます。ここはツボ足(アイゼン)でキックステップが一番確実でしょうね。スキーのまま行くのは単に脱着が面倒だったのと、下手に脱いで板だけが滑り落ちるリスクを考えてのことだけです。
そしてナイフリッジ。西側は薮があり落ちても止まりますが、東側はそのまま急斜面をかなり滑落することでしょう。傾斜はどちらも60°はあります。登りはスキーのままそろりそろりと先端を歩くことができました。
最後はピーク手前の小ピークに至る稜線で、ここは途中から雪がなくなっています。歩きならそのまま稜線沿いに行けそうなので、スキーを脱ごうかなと思いましたが、兼用靴では厳しそうな斜度だったので、結局雪庇の下の平らな部分を歩きました。幸いというか、融雪が進み雪庇も安定しきっていましたが、その下の斜面は雪崩れるのにほどよい斜度だったので、この斜面が一気に崩れたら、歩いてるこの面も下に傾きながら倒れて落ちるのだろうなぁ…そうするとシールとクトーのついたスキーではうまく操作できないで巻き込まれる運命かな?ビーコンつけてるから死体は比較的早く見つけてくれるかな?なんてことを考えながら通り抜けました。
そこを通り抜けた後は、一部ササの出ている斜面をササ登行して稜線に戻り、手前の小ピークにたどり着きます。
この辺りからは噂のハートマークがけ崩れ斜面が見えてきます。確かにハートマーク!残念ながら雪も崩れ落ち、純白のハートではなく茶色のハート。まるで汚れた私のハートのよう(笑)。それはともかく一見の価値はあります。次の冬は是非純白なのを見てみたいので、2月下旬から3月上旬が勝負、取立山から行って狙って見ることにします。
そうするともう大長山はすぐそこです。よく見ると既に先客が写真撮影に興じているようでした。ピークに着くと先客お二方はまだおられ、取立山から来てこれから烏岳に寄って帰られるとのこと。
山頂で行動食を食べ、スキーシールはそのままに小原峠に戻ります。登り返しも多いのでシールを取るのはお預けです。実際、シールがないほうがスキー操作としてはやりやすく、危険箇所も勢いをつけて一気に滑って通過するという技も使えるのですが、その分ミスが命取りになりかねなません。
さきほどの雪庇の下通過は特に問題なくパス。ナイフリッジのところはちょっと勢い余って先端部から外れてブッシュ側に落ちていきます。慌てて止まって、カニ登りで先端部に戻りました。ナイフリッジはエッジの斜度が70°くらいある感じなので、一度落ちるとスキーのエッジに雪が負けて這い上がることができませんでした。
最後の難所の狭い超急斜面ですが、ここもミスをするとそのまま深い斜面を一気に下ってしまい、困難な登り返しに直面します。
なので行きの逆で横を向いてズルズルと斜滑降しますが、雪が柔らかい&超急斜面(ピーク70°くらい)&シールつけてるのでエッジの効きが悪い、と悪条件が重なり、スキー斜滑降と尻セードのコンビネーションで下る情けない下降姿でした。
それをクリアすれば、後は最後の2ピークを除いてほぼ下降なので、シールつけたまま滑り降ります。そして登り返しを2回やり、ようやく小原峠に帰ってきました。
ここで既に12:30、大長山から下ってくるだけで50分かかっています。体力もだいぶ使用したのですが、まだ時間的には余裕があるので、赤兎山に登ることにしました。
しばらく登っていると、上から3名の登山者が下りてきました。聞くと同じ小原から来られたようで、途中の自転車デポとかちゃんと目撃されていました。スキーなので途中で抜かされますね〜と話されて、では颯爽と滑る姿をご覧あれとばかり赤兎山への登りにも力が入ります。
結局赤兎山へは30分で到着。小休止を入れて、ついにシールを剥がし、あとは滑り降りるだけです。今回も山頂から標高1350mあたりまでの滑走は豪快そのもの、いつものクオーターパイプにも寄って雄叫びを上げながらの滑走です。雪質は柔らかいザラメの上が軽く凍っており、よく滑りよく削れて申し分のない雪質でした。赤兎山に登っておいてよかったとつくづく思います。
さきほどの登山者3名はいつの間にか追い抜かしてしまっていたようで、残念ながら颯爽と滑る姿(笑)を見ていただくことはできませんでした。さて林道の下りも、軽く氷の乗った状態なのでよく滑り、快調に下りていくことができます。杉林のショートカットも一部やりましたが、まぁOKでしょう。林道はところどころ雪が途切れているので、その都度板を外して担いで歩きます。それを何度も何度も繰り返し、ようやく自転車デポ地点に戻ってきました。
さて自転車にまたがると、下りは超快適!何もしなくても座って下山できるのですから!気温が低かったのもありますが、逆に寒くなりました。水が流れているところは徐行するのですが、4.7kmの道のりを16分で下山。歩きならざっと1時間15分はかかっているでしょう。
車に戻り、自転車とスキーを片付け(道具が多いので片付けるのにも時間がかかります)、帰路に着きますが、しばらくすると勝山市内でも小雨が降り出しました。おお、予想より早い雨!夕方には本降りに、早く下山できてよかった。
山スキーも今シーズンの集大成を実現できたということで、ゴールデンウイークを最後にそろそろ普通の登山に戻ろうかなと考えている今日この頃です。
コメント
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わはは! まだまだいけるじゃないですか、GWなんて早い早い!遭難記念日の海の日くらいまで頑張ろう
昨日御池岳へ行きましたがボタンブチの東側に無理矢理なら滑降できる雪渓が残っており、当日の装備にスキーは不要と書きましたが許可します。
ただ滑降のアフターは誰もできません、ゴロ谷の谷底で待ってます。
さすがに海の日まで滑ろうと思ったら、かなり遠征しないといけませんね〜。そこまで山スキーにこだわってる訳ではないので、せいぜい北陸で滑れるまでにしておきます。
ほぅ〜ボタンブチの東側にまだ雪渓が残ってましたか!あそこを滑り降りるのはちょっと興味があるんですけど、どうせ滑るならちゃんと雪のある時でないと
問題は滑り降りた後、テーブルランドにどうやって戻るかなんです。二度と這い上がれないような気がして…その気になれば直登できるもんなんでしょうけどね、ボタンブチって
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