御衣森(みそもり) 太平山東部の目立つ山へ


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,381m
- 下り
- 1,393m
コースタイム
天候 | 霧のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
御衣森(みそもり 1,000m)は太平山奥岳から北東に延びる稜線上に立つ顕著なピーク。奥岳からの登山道は昔はあったようだが、現在は藪に覆われている。 太平山奥岳への登りに使った丸舞コース(岩見三内コース)は一般ルートだが、標高800m付近から上にはまだ残雪があり、登山道が隠れていた。籠滝沢の支流源頭部をまたいで山頂直下の尾根に取り付くのだが、やや分かり辛い箇所もあり、初めてこのルートを歩く方には、6月中旬以降をお奨めしたい。今回は山頂直下の尾根には向わずに、残雪の尾根をそのまま直登して奥岳東側の主稜線に上がった。 また、北ノ又沢にかかった橋は概ね安全に渡れるが、鬼子沢と籠滝沢の合流点下にかかる橋は斜めに傾き、立って渡ることは困難な状況だった。水量の少ない時期なら、沢を渡渉する方が安全。なお、地図上では550m付近から道は尾根上に忠実にあるように記載されているが、実際には籠滝沢寄りにトラバース気味に歩く状態が多く、崩れかかっていたりして、歩き易い道ではない。 奥岳〜御衣森間は残雪の稜線歩き。尾根が細くなっている部分と御衣森への登りでは藪こぎだった。また、下山に使った南又沢右岸尾根にも登山道はなく、残雪がなくなってからは踏み跡を辿りながらの藪こぎ。最後は南又沢と北ノ又沢の合流点に下り立つ。 |
写真
感想
「みそもりって、かわいい山だなあ・・」 そんな思いが、太平山からの長い尾根を下っている時に湧き上がってきた。山に対してかわいいなんて思ったことは、これまでなかったことだ。中岳から奥岳、そして御衣森へと延びる太平山の稜線を南側から眺める機会が子供の頃からあって、このチョコンと突き出たピークに親しみを覚えていたからだろうか。
今年4月上旬に太平山奥岳に登った際、改めて奥深さを感じた白子森、大仏岳、そして大石岳へ遥かに続く稜線。本当は自分にとって未踏の白子森へ登る予定で出発した。ところが岩見ダム湖上流、井出舞沢園地の手前で林道は土砂崩れに阻まれて行き止まり。ここからの長い長い林道歩きを考えると、遅く出発した今日は無理。急遽予定を変更して、太平山の丸舞コースを辿って御衣森に向かうことにした。
丸舞コースには最近登山者が歩いた形跡があった。このコースを登るのはおそらく3回目になる。上部では残雪が登山道を覆い隠し、多少の藪こぎもあり。濃いガスに覆われているが、稜線に上がる頃には晴れるだろうと期待しながら登る。その期待通り時折ガスが消えて青空ものぞくが、主稜線に上がった時はガスの中。空身で奥岳をピストンし、しばらく様子を見た。
御衣森への尾根は明瞭だから、迷う心配はないだろう、とりあえず向かってみることにする。1054ピークから急斜面を下っていくと、紫色のビニールテープがボソボソの糸状になって小枝に付いている。残雪が消えて藪こぎになるが、どうも踏み跡、いや、昔の登山道があるようだ。草木の緑がない今の時期しか判別はつかないような、かすかな跡だ。その道の形跡は、御衣森の北側を巻くように付いているようだが、私は途中から藪につかまりながら上に登った。
本当に小さな御衣森の山頂、「来たな〜」という感慨がある。稜線南側のガスが消えるのを待って、地図を見たり、セルフ撮りに四苦八苦したりして(笑)、結局40分も長居してしまった。でも待った甲斐があった。やがて次第にガスが消え、この奥深い太平山東部の小ピークで、延々と続く稜線を眺めながら、至福のひと時を過ごすことができた。
下山には4月に登った南又沢の右岸の尾根を辿ろう。残雪があるうちはグングン下れたが、藪が現れてからは足元がよく見えないので、下山なのに足を引き上げながら進む。ヒバの新緑や倒木が行く手を遮って楽ではなかったが、日が長くなっているので焦ることはない。ただ、下山後に母の日だから花を届けに行くという家内の用事があるから、休まず歩き続けた(笑)。
御衣森は、かわいい小ピークである。だがその頂に立つのは楽ではなく、じっくり下から登ることが求められる、いい山なのだ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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奥岳の記録で私も気になっていた御衣森
ところで白子森、私も検索しちゃいましたよ。最高峰ですね。隣の大仏岳も気になりますね。夏道あるようなので一度のぼってみたいな。3月の乳頭から田沢湖の奥に見えていた山々ですね。
4月の記録で、御衣(みそ)という言葉、ハッとしたのです。歌人の大滝和子さんの、
「家々に釘の芽しずみ神御衣のごとくひろがる桜花かな」
という短歌を思い出しました。こちらは桜を神様の衣に喩えている歌ですが。
御衣森、素敵な響きです
衣の前に御という字が付くから、高貴な方の衣という意味合いがあるのでしょうか。「かわいい」なんて言ったら不謹慎かな
乳頭からだと田沢湖の奥に見える山々の連なりですね。それが遥かに太平山へ続いています。太平山はとても同定し易いですが、他はすぐには分かり辛い山々ですね。登山対象としては地味で、kiyoshiさんからすると翁山塊のような感じになるのでしょうか。山の名前が付いていないピークも多く、残雪期だけ選んで登っていたら何十年かかるかわかりません
御衣森自体は、藪をつかんでひと登り、柴倉山よりもずっと楽でした。山頂部に雪があって、木々の芽ぶきの前のこの時期が、展望のきくベストな時期だと思います
PS:先日の小滝山・白岩岳のレコに、桜が満開になった日の写真を加えましたので、よろしければご確認を
kamadamさん、結構近い所にいらっしゃったんですね
僕も何度か太平山の方向を眺めていましたよ〜
森吉は朝の早い時間から霧が晴れてクリアーな状態でしたが、そちらはなかなか雲が消えなかったみたいですね
それにしてもマイナーピークを歩かれているkamadamさん、やっぱりさすがです
そろそろ、和賀や神室のマイナールートも見れそうな予感がします
僕もそろそろ太平山歩きに行かないとですね
森吉山は朝からクリアーでしたか
1000m以下の細い稜線上は、さすがに雪が消えて藪になってきました。和賀や神室もマイナールートはちょっと厳しいでしょう。もうtooleさんの世界ですよ
和賀岳から北に延びる県境稜線なら、まだたっぷりの残雪歩きが楽しめそうですが
太平山も仁別の奥、旭又まで開通したでしょうから、いろいろルート組めますよ
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