魚谷山☆貴船・芹生の春の花咲く谷巡り(アソガ谷〜釜ヶ谷〜梯子谷〜直谷〜滝谷)

- GPS
- 06:27
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 954m
- 下り
- 950m
コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
アソガ谷は入ってしばらくすると倒木の大集中地帯あり (通行困難ですが、踏み跡を上手く辿ればなんとか通過可能です) 釜ヶ谷は谷の傾斜も緩やかで、登山道はありませんが、歩行は困難はありません 梯子谷は途中までは林業作業道と思われる踏み跡あり、上流では踏み跡は不明瞭ですが、滝や急峻な危険箇所はなし 直谷は一般登山道あり(多数の倒木で荒れています) 滝谷は急峻なトラバース地点にフィックスロープあり(ロープがかなり緩いので要注意) |
写真
感想
貴船から先の県道は昨年の大雨により長いこと通行止めとなっていたが、ようやく通行止めは解除されたらしい。貴船にさしかかると青紅葉や桂の樹の新緑が綺麗だ。貴船川の川沿いでは射干(シャガ)の群落が灰紫色の花を満開に咲かせている。
奥貴船橋のたもと、滝谷峠に向かう林道の入口の広地に車を停めると県道を歩いてアソガ谷に向かう。アソガ谷の入口では久しぶりに滝の姿を見ることが出来る。というのも、数年前の台風以来、滝の前で積み上げられた倒木が滝の姿を見るのを完全に邪魔していたからだ。かなり大変な作業だったと思うが、倒木を処理したようだ。
林道の入口には長いバズーカ砲のような望遠レンズをつけたカメラと双眼鏡を手にした男性が樹の上の方を見上げている。私たちが林道を先に進もうとすると「倒木で行けへんで、すぐそこで引き返すことになるわ」とご親切にも残念な情報を教えて下さる。「行けるところまで行ってみます」と申し上げるが、明らかに無理やろ・・・という顔をされているようだ。「そっから先も倒木だらけやと思うわ」とのこと。
林道を先に進むと沢沿いには次々と九輪草の小群落が現れる。先ほど男性の仰る通り、すぐにも夥しい数の倒木の集中地帯が現れる。倒木の中へと入ってゆく踏み跡と鋸で処理された真新しい切り口が目に入らなければ、到底、ここを越えようとは思えないほどに酷い状態だ。
踏み跡を追って倒木の中へと進んでみると、迷路のようではあるが折り重なる倒木の中を上手く進むことが出来るように踏み跡が続いている。100m近く続く倒木地帯を抜けるとそこから先は先程の倒木が嘘のように再び歩きやすい林道が続くのだった。
沢沿いには次々と九輪草の群生が現れるが、花が途端に少なくなる。どうやら花には少し早かったようだ。
林道の終点からは植林の林の中に明瞭な踏み跡が続いている。やがて谷の上流の二俣に出ると国土地理院の地図では破線は右俣に向かっているが、道は旧花背峠にダイレクトに向かう左俣へと続いているので、躊躇なく踏み跡を辿る。
家内が大きなヒルを見かけたらしい。やがて送電線巡視路と交差する。家内も単調な植林が続くことに飽きたのか、送電線巡視路が向かう左手の尾根(右岸)が自然林の尾根で快適そうだというので送電線巡視路を辿って尾根に登ることにする。
最初のうちは倒木の多い自然林の尾根だったが、まもなく尾根上に真新しい林道が現れる。林道を歩くと周囲の斜面にも多くの林道が作られている。2018年の台風による倒木を処理するために最近になって新たに作られた林道ではないだろうか。
林道を辿って旧花背峠に到着すると、祠の囲いがすっかり新調されていた。
芹生峠に向かって尾根を進むと次々と北側に気持ち良さそうな新緑の源頭が現れる。ca780mの南側は送電線鉄塔のある広場となっており・・・
急ぐ山度でもないので次のca770mのピークはパスして北側の源頭に降りてから尾根に回りこむ。再び尾根に乗ると南側の源頭に京都方面の展望が広がった。貴船川沿いの谷の彼方に見える京都市街は春霞に霞んでいる。
尾根に戻ると北側の釜ヶ谷を下降する。最初は気持ちの良い広々とした新緑の源頭が広がっているが、まもなく谷は薄暗い植林へと入ってゆく。植林が林道に出る手前ではとうに花期が終わったと思っていたミヤマカタバミの花が残っていた。
林道沿いで灰屋川の対岸に九輪草の群落が次々と現れるが、咲いている花は見られない。これらの九輪草が咲いたら一面に紅紫の絨毯が広がりそうだ。
林道を下るとまだ桜の花の残る芹生の集落に至ると、対岸に趣のある古い建物が現れる。門にはフェンスが設けられて立ち入ることが出来ないが、黒田小学校の芹生分校らしい。廃校になったのは1999でかなり以前のことらしい。建物の前では風格ある欅の大樹から新緑が芽吹いているところだった。
倉ノ谷へと入る林道で灰屋川を渡る。谷はすぐに二股に分岐し、右から合流するのが梯子谷だ。柳谷峠を目指して、梯子谷を上流へと辿る。谷はしばらく植林が続くが、源頭部に至ると途端に新緑の眩いばかりの若葉色が谷に溢れるようになる。
再び尾根に出ると、再びコバノミツバツツジの赤紫の花々が歓迎してくれる。柳谷峠から魚谷山にかけては広々とした二重尾根の間に自然林の疎林が広がり、いつ来ても気持ちの良いところだ。二重尾根の間の谷の中央には主のような山桜の大樹があるが、花は流石に終わっていた。
魚谷山の山頂の直下では、降りてくる一人の男性とすれ違う。本日、出遭った唯一の登山者の方だった。魚谷山からは柳谷峠に戻らず、南に延びる尾根を少し辿ってから小さな谷を下降する。谷は短く斜度も緩いのでさほど難しいところではないだろうと思って油断していたが、意外にもかなり急峻なV字谷で、谷の両側の斜面をトラバースすることが出来ない。落葉が深く堆積した谷の中央を下降するしかない。谷を進むとどうやら滝があるようだ。滝を避けて左岸の尾根から巻いて直谷に合流する。滝を確認しに行くと7〜8mの小さい段瀑であった。右岸から降りることはさほど難しくなさそうであった。
直谷を下降するとすぐに山芍薬の群生地が現れる。驚いたことに花はほとんど終盤であり、すでに花弁が大きく開いた状態のものが多かった。特徴的なぽこっとした丸い膨らみが未だ保たれている花株はわずかにばかだったのが残念だ。このあたりでは九輪草の花はまだ早いようだった。
山芍薬の群生地から下流の直谷は相変わらず2018年の台風の被害による倒木が多い区間だ。魚谷山からこの滝谷峠の区間は一昨年の5月の連休に、桟敷ヶ岳から貴船まで縦走した時にも通ったところだが、その時に比べると、なんとか通行出来るように処理はされてはいるが、倒木を処理することは困難なのだろう。一方、細ヶ谷から枝分かれする豆ヶ谷の倒木はかなり処理されているように思われた。
細ヶ谷を遡って滝谷峠に登り返すとここは峠の西側の自然林の新緑が綺麗なところだ。滝谷峠から貴船側は再び植林となる。峠の直下では明瞭な掘割の古道が残ってはいるものの、早速にも杉の倒木が古道を塞いでいる。
谷が斜度を増し、登山道が左岸の斜面をトラバース気味に下降するようになると右手に10mほどの段瀑が現れる。この滝谷の由来となった滝であり、小規模ながら滝の少ない京都の北山界隈では落差の大きな方だろう。
谷の出合を過ぎて、二俣が合流して水流が増えると先ほどの滝に比べると落差は少ないもののもう一つの滝が現れる。まもなく対岸に県道のガードレールが見えるようになり、最後は林道を歩いて駐車地に戻った。
貴船神社に立ち寄るとわずかに人が訪れてはいたが、例年のGWに比べると格段に人は少ないのだろう。鮮やかな青紅葉やに貴船神社の神門の朱色が映える。神社の御神木は境内の左手にある連理の杉で、連理木とは二つの樹が癒合したものを指すらしいが、この貴船神社のものは杉と楓の異なった樹が癒合しており、珍しいらしい。拝殿の脇では桂の大樹が枝先から新緑の若葉を広げていた。
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山猫
yamaizu












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