奈良岳1644mこむらがえり10連発


- GPS
- 09:45
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,325m
- 下り
- 1,316m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチ 西赤尾ー登山口は普通車通行可能。道幅狭いが全面舗装の山道。駐車場は20台以上。登り口に案内あり。 登山道 多少のガレ場あるが問題はない。 |
写真
この急傾斜の坂を降りるとまた登り返しが怖いのでためらってしまう。
今回の山行でも痙攣の恐怖と戦った場所だ。
感想
先週は福井県境の赤兎山へ紅葉を期待して登ったが期待はずれでした。
今回は富山県境の赤摩木古山を選択したが、これも残念ながらまだ1週間は待たなければいう状態だった。
私の山行目的は山座同定にあるので季節は絶対条件でもないのだ。
夜明け直後の光は山稜を際立たせてくれて納得のいく画像も得られた。
金沢では気温10度c五箇山では7度cいよいよいい季節だ。
当初はお茶2ℓのつもりだったが予想よりも寒かったので1.5ℓにした。
これが今回一番の過ちだった。
見越山山頂でリュックをデポして奈良岳に向かった。
そこで最初のこむらがえり発作。
その後十数回の発作が襲った。
それも交差の出来ない痩せ尾根が多かった。
その度に他の登山者に道を塞いでしまった。
突っ立ったまま動けないのだ。
僅か1mが移動出来ない。
準備の薬(コムレ○○)は最初に飲んで何とか効果を確認した。
しかし歩きを止めるわけにはいかない。
自力で下山にはどうしても寒くなる前には下山の必要がある。
ツェルトはあるが10度c以下の温度には自信がない。
ここでは零度の温度は覚悟が必要と思う。
痙攣の発作を一晩辛抱はできない。
自分の後ろには一人もいない。
見越山山頂にはもう誰も人影がない。
精神的には追い詰められていたがまだ一時半。
陽は傾いてはいない。
40cmの段差でも発作が起きる。
時間を掛ければクリアできる。
だけど時間との勝負で、それは延々と下山まで続いた。
10回を越える発作があって、学習してどんな状況で発作が始まるか分かる。
風のある痩せ尾根と鞍部の湿地が危ない。
体温が奪われるからだ。
滑ったり引っかかったりバランスを崩しこらえた時。
幸い両足大腿交互にきた。
実は見越山頂に着いたとき予想に反して山頂には十人近く休んでいたのだった。
しかし私は体調不良を申し出ることはしなかった。
安易な救助要請は自己責任のルールの中ではありえなかった。
山ブームの世相を世間は決して許してはいない。
遭難記事が出る度に感情的に非難される。
山ブームとはメディアが経済的な理由で(話題がほしくて)煽っているだけなのだから。
私達登山者は一歩、山に入る時は常に想定外の事態を予期するべきと思う。
それは絶対に救助を求めてはいけないのではない。
最善の努力をした結果であれば登山者同志が助け合うのは当然のことだと思う。
自分に厳しく他者に親切に、そうでなければ世間は登山者に同意してくれない。
私は休憩もそこそこに先を急いだ。
その後も発作は続いた。
ナタメ平のガレ場ではまた立ち往生。
後続のグループに迷惑を掛けた。
その中のお一人から天塩をわけて頂いた。
それもよく効いた。
確かにミネラルの不足も間違いなかった。
僅かのお茶を計画通りに分けて飲み続けたが水不足は間違いなかった。
朝と昼の気温差が私の想定外、計算違いだったのだ。
グループが去った後には若者三人が後ろにいるはずだった。
赤摩木古山頂直下のオジケ坂の登りは高い段差が連続していた。
この坂は当初から一番の障害になると覚悟していた場所だ。
しかしこの坂でコツをつかんだ。
大腿の筋肉に負担を掛けず、上体の力で登るのだ。
赤摩木古山頂はやはり一人も居なかったがこの先はもう急な登りはない。
山頂では3時半だった。日没は5時半頃。
最後尾の若者達が居るはずと思っていたのが精神の支えだった。
大門山の分岐を下ると東斜面、つるべ落としで陽が陰ってきた。
下りとはいえどその後も何度も発作がきた。
立ち往生しながら歯を食い縛っていた。
姿勢の僅かが変えられない。
水不足の為冷や汗も出ない。
周りに人が居なかったので大声を出して絶叫してみたら意外に少し楽になった。
う〜のうなり声からあ〜に変えたのだ。
他人がいたら恥ずかしくてとても出せない声だった。
闇の中の熊に聞こえているのではと想像した。
でもこの痛みがいつまで続くかという恐怖を紛らわせるには効果があった。
息が出来ないくらいの発作は多分7〜8分程度で10分は続かなかったと思う。
痛みというものは人目をはばからない現実のものだ。
この闘いを抜け登山口に着いたらやはり私の他にもう一台車が残っていた。
若者3人は程なく姿を見せた。
遅かったけれど、判らないだろうけど、本当に彼らは支えになった。
この若者達、塩をくれた人、出会った人達みんなに感謝しています。
ありがとうございました。
kumanoteさん
痙攣の下山、大変でしたね(._.)
根性で下山、山やの鏡です。
私も過去に何度か脱水で痙攣を経験していますので、アクエリ等にして、塩も持参していますが、それでも汗を大量にかいたときは少しですが痙攣します(´・ω・`)
画像どれも綺麗で解かりやすいです、最近大門には行っていませんが、行きたくなりました。
はじめまして、kumanotoさん。
恐らく奈良岳にてお会いされた方だと思いますが、そんなに酷い状態だったとは気付きませんでした。
僕も朝の気温からは予想出来なかった山頂の暑さは、飲料水の量を少な目に見積もってしまいましたが、念のため持ってきた塩あめでなんとか補えました。
でも、天気が良かったので眺望が素晴らしく思いました。
奈良岳、見越山山頂から見えた大笠山や犀奥の山々に、登ってきた大門山に、人形山とかの眺望に感動しました。
hakusanさん、sibceさん、ありがとうございます。
恐縮です。皆さんにお気遣い頂き申し訳なく思います。私の体験は誰にでもあることですし、決して稀なことでもないですね。
誰かがその状況になった時の参考になればとの思いで書きました。
納得の上で私はやまやをやっていますが、
単独登山者の立場では状況に合わせた対応が狭くて技術の蓄積が得られません。
今度から塩を小袋に詰めるとか塩飴を携帯するようにしたいと思います。
ありがたいですね。
機会があれば精神面でも教えて頂きたいと願っています。
けがさででも。
それとsibceさん山行記録がかぶって失礼しました。
先に読ませていただいていました。
お顔も覚えていますし駐車場で私の車、写っています。
又何処かで会えるといいですね。
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