マキノ・大谷山


- GPS
- 06:15
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 882m
- 下り
- 875m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
高島トレイルの大谷山に行ってきた。何処から登ろうか?と悩んだ結果、田屋城址と言う遺跡があるらしいと、山友から聞いていたので、そこから原山を越えて石庭からのコースに合流して大谷山に登ることにした。
マキノの森西という集落にある大處神社近くに駐車して、歩き始めると民家の前にヤギが1頭草を食んでいた。人が来ても何の感情もないかのように必死で草に向かっていた。
広い草原と田畑になり、耕運機の音もする長閑な片田舎である。すぐ前には植林の山が立ちはだかっている。その傍らには田屋城の説明版があって、大谷山から田屋城址や石庭集落などのハイキングコースがイラストで描かれている。山の中に入ると直ぐに、『右:田屋城址→』の標識があったが、地理院地図のコースは真っすぐに登るとなっているので廃林道風の直線路を進んだ。林道は荒れだし、傾斜も増してくると道の体は成さず急斜面のトラバース以外ないようだ。薄い踏み跡のグズグズする斜面をトラバース気味に登りきると、そこに杣道風の登山道があるではないか!先ほどの標識の道のようだ。初めからミスとは幸先が悪いな!と反省しての登りになった。そこから直ぐに310mの田屋城址の新しく小さな記念碑があって、東屋もあった。この周辺は広い台地で、マキノの景色が良く見えることから山城の意味が納得できる場所である。しかしながら、その名残の物は見当たらないのが残念である上に、台地の少し離れた所にビニルハウス等の残骸が見えてくると興覚めでもある。
杣道風の登山路はその後、林道状の幅の広い荒れた道がクネクネと傾斜がきつく高度を上げて長く継続していた。これまで稜線を進んで来たが、いつの間にか林道は登山路となっていて左の沢の上部に出たらしい。そして、沢の周辺は草付と泥の混じった地質で、靴が半分くらい沈むほどだ。何とか周囲に逃げようにも左右共に同様なので、やむを得ず足首までは浸からないであろうと泥濘の沢を進んだ。沢に藪が現れたと思ったら、泥濘が終わって沢歩きになってホッとしたものだ。沢が源頭に近づいてきたので藪を除けば楽なものであるし、もう直ぐコルであるとGPSからも確認したので、安心していた所、何時になってもGPSの現在地がコルに到着しないに上に、現地は峠状を越して僅かに下り傾向だ。変だ変だと思いながら、ゆるい下り傾斜を進んでいると目の前の斜面が急激に下がっているのである。これは本当に変だと思って周囲を見てみると、何か真っ黒なものが落ちている。かなり大きな新しい糞のようだ。じっと見てみると、これは熊の糞であることが判ると途端にぞっとして慌ててそこから離れた。それとGPSの異常を感じたので、確認するとGPSの位置情報SWがOFFとなっていることが判り、直ぐに復帰するとGPSの軌跡は一直線でコルを越えた沢に現在地を示したのだ。
私の行くべき原山は通り過ぎているので、GPSと現地と熊の気配などに注意しながら峠状のコル迄戻って、ゆっくり周囲を観察していると木の上部に『←大谷山 田屋城址→』の標識を発見した。GPSからもこの上が原山のようなので、急斜面を何でもいいからと必死で登るとそこは藪の中の原山であった。標識も何もないので、確認はGPSの現在地表示だけであるが、先ほどまで位置情報OFFで現在地がとんでもない場所を示していたので、しばらくは信じられずGPSをジーっと見ている始末であった。
GPSの異常と、コースオーバーもあって時間が予定より過ぎているが、このまま大谷山まで行くことにして、藪の中にある薄い踏み跡とGPSの地図上の尾根を充実に辿って進んだ。暫くすると、右側の展望の良い場所に出た。そこはすぐ下に集落が見え、登り始めた集落の森西やメタセコイヤの道路が良く見えではないか。時間も正午を過ぎているのでこの景色の良い場所で昼食とした。この地は第1展望台と呼ばれていることを帰宅後判ったが、なるほどいい場所である。
展望地を出ると直ぐに石庭からの登山路に合流し、大谷山に向かうものの、細い掘割の道は靴幅くらいなので歩きにくいことこの上もない。ようやく普通の登山道になると、谷コース、展望コースの分岐に出たので、躊躇わず展望コースの右に進む。展望コースという割には、それほど展望が効くわけでもないが、意外と早くススキの穂が一杯の高島トレイル稜線に出た。大谷山はすぐそこである。此処までくるとまさに展望は360度で今日の天気では何処迄でも見えるかのようだ。北の赤坂山、乗鞍岳、南西方向の大御影など、南には比良山系などが見えるが、遠景の山々は見えるものの山座同定するほどは明確には見えない。いやいや、山名が判らないのだ。この稜線はススキで全てが埋め尽くされているかのようで、今の季節が最高の景色ではないかと初めての大谷山に感謝したい気持ちになった。
下りは谷コースをとり歩き易い道のりで、谷に降りるとそこは百瀬川の源流の一つらしい。マキノの入り口の百瀬川では春先にコゴミ採取に何度も訪れた場所である。何故か、コゴミ採取と大谷山のすぐ懐が繋がっていることの不思議さが中々心の中でうまく馴染まないまま谷と尾根の合流点まで戻ってきた。山頂はススキであるが、ここまで下りてくると木々の黄葉が目立ち、日差しを受けて実に見事である。山毛欅の木がいやに曲がりくねったものもあって、冬の積雪の影響なのだろうと思われる。田屋城址との分岐を過ぎると後はただ下り一方で、何も見えるわけでもない樹林帯の中なので今日一日の事柄を思い返しながらただ歩くだけであった。
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