登り尾・三筋山


- GPS
- 06:35
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,114m
- 下り
- 1,481m
コースタイム
登り尾 10:55−11:05
新山峠 11:25
登山道合流点 12:05
東猿山 12:30−12:40
805mピーク 13:40−13:45
三筋山 14:05−14:20
伊豆稲取駅 15:55
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
河津駅 08:40−(東海バス)−09:17 登尾バス停 (帰り) 伊豆急行線 伊豆稲取駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登尾バス停 〜 登り尾 現在の登山コースは、登り始めはしばらく林道を歩くことになっています。 しかし、林道だと激しく遠回りになってしまうことと、かつて直線的なルートを描く登山道が存在していたことが分かっているので、旧登山道が歩けそうな様子ならば使おうと思っていました。 バス停付近と、林道の最初の右ヘアピンの地点では、旧登山道の残骸のようなものがある程度で、それを拾って歩くのは難しそうでしたが、2度目の右ヘアピンの地点まで来れば、林道のすぐ脇にペンキマークが続く道筋があるのが誰でも分かるような状況でした。 登山道の痕跡と言えるような明瞭な踏み跡は見られませんでしたが、所々に足跡が見られるので、稀には歩く人がいるようです。足跡とペンキマークの存在により、進路には不安がなさそうなので、そこを進んでみることにしました。 ペンキマークに沿った道筋は、かなりの急斜面を直線的に登り詰めていくので、場所によっては手を付いて這うようにしないと登れないほどの傾斜がありました。 かつて登山道だった頃はジグザグを描いていたはずですが、現在は適当な足場が直線状にしか存在しないため、強引に登り切るしかなかった状況です。 しばらくすると、最初に歩いていた林道が、大回りした後に再び接近してきたのが、旧登山道上からも良く見えました。 現在の登山口はその付近にあることになっていて、間もなくそこから始まる現行の登山道が合流してくるはず、だったのですが、何故かそれがいつまで経っても合流してきません。その後も当分の間、踏み跡の乏しい尾根を、ペンキマークやテープなどのサインを追いながら歩くしかない状況が続きました。 ようやく明瞭な道(恐らく現行の登山道)が合わさってきたのは、標高が900m近くなった頃です。 しかし、右手側から合わさるはずのその道が、左手側から合わさってきたのが不可解でした。そこまでの途中のどこかで一度、その明瞭な道を横切っていなければ、説明が付かないことになるのですが、そんな覚えは全くないのです。この謎に関しては現在も答えを持ち合わせていません。 さて一旦は明瞭になった道ですが、頂上が近付いて緩斜面が広がると再び不明瞭となります。登りなので、適当な場所を歩いてもどうにでもなるのですが、下りで登山道を追おうとした場合はテープだけが頼りでした。 このように、現行の登山道に合流したと思われる地点以降も、必ずしも道は明瞭ではありませんでしたし、途中で道標を見ることも1度もありませんでした。整備された登山道がある、と言える状況ではなかったと感じています。 「静岡県の山(山と渓谷社刊)」によれば、現行の登山道は2005年頃までに整備されたもののようですが、歩く人が少ない上にメンテナンスもされずに、登山道が荒廃しかかっている、という印象でした。 ●登り尾 〜 新山峠 普通に登山道を歩くだけの区間になるはずでしたが、落ち葉が地面を覆うという季節的な要因も手伝ってか、道はしばしば不明瞭になりました。 テープの誘導がなければ迷わずに歩けない状況でしたから、登山道としては非常に心許ない状況だったことが否めません。 なお新山峠には、「登尾循環歩道」なるものを示す標識が立っていましたが、登山道ですら満足な状態でなくなっている山ですから、当然その歩道も、明瞭な道形を見出すことはできませんでした。かつては山腹を一周する遊歩道でもあったのでしょうか。 ●新山峠 〜 三筋山遊歩道との合流点 この区間を直接結ぶ登山道はなく、尾根筋を適当に拾いながら、最短距離に近いルートを適当に歩いています。 (新山峠から、登山道だけを歩いて三筋山に向かうには、一旦寒天林道まで下ってから八丁池口経由で登り返すことになります。余計なアップダウンもさることながら、距離的にも随分と遠回りになってしまいますし、しかも歩かされるのが林道なので、どうも気が進みませんでした) 新山峠のすぐ近くにある999mピークまでは、地面のあちこちに人が歩いた痕跡が見られましたし(同じことを考えた先人がいたのでしょう)、尾根を登るだけですから比較的易しい道のりでした。 999mピークを過ぎて、短く下る区間は、人が入った気配が薄く、方角だけが頼りでした。 しかし、地形図にも破線路が描かれているルートに乗ると、そこには明瞭な道形が残されていて、そこから1085mピークの手前までは、その道形に導かれて難なくたどり着くことが可能でした。 その後、1085mピークを前にして下り始めてしまう道形と分かれて、ピークの北西側斜面をほぼ水平に巻いていくと、そこでも先人の足跡を見ることができました。 1085mピークを巻き終わり、平坦な地形を進むようになれば、間もなく前方に何やら白い物が見えてきます。それは三筋山遊歩道の案内図で、そこまで行くと登山道が現われます。 ●三筋山遊歩道(林道分岐まで) 良く整備された登山道です。むしろ過剰に整備されすぎた感があり、少しでも傾斜がある所がいちいち木段になっていたのが鬱陶しく、歩きやすかったかと言われれば、ノーと言わざるを得ませんでした。 ●三筋山遊歩道(林道分岐 〜 三筋山) この区間の稜線全体にわたって、計21基もの巨大風車(風力発電施設)を建設する工事が進行中です。 期間を定めて、登山道も通行禁止等の規制対象となっており、規制される期間が、東伊豆町のウェブで公開されているほか、もちろん現地にも掲示されています。 ただし、そこに書かれている内容が必ずしも正確ではないことが分かりました。この日(2月1日)は規制期間外のはずで、だからこそ出掛けてきたのでしたが、実際には工事が行われており、登山道の入口もロープで封鎖されていたのです。 話が違うと思ったので、構わずに工事現場を通り抜けてきましたが、よく読むと「工事の状況により予定外の通行止めが発生する場合もありますので、ご利用の際は事前にお問合せください」とも書かれていたので、こちらにも落ち度が全くなかったとは言えない状況ではありました。 さて工事の進捗ですが、現在は風車建設に備えて、工事用車両が通るための道路を整備している段階のようです。 元々あった登山道を潰して、建設中の道路があらぬ方向に伸びたり分岐したりしています。歩行者が通行可能な期間であれば、歩行者向けの道案内が出されているようですが、この日は現場では通行禁止期間と認識されていたようで、歩行者向けの案内は一部を除いてほとんどが取り外されていました。 登山道がなくなっているばかりか、本来の地形まで大きく改変されている箇所もあり、道案内がない状況では、地図とGPSを確認しながら歩かない限り、登山道があったはずの位置をトレースすることも不可能でした。もしも私にそれらの用意がなかったら、進路が分からずに戸惑っていたことでしょう。 なお、「山と高原地図」で「展望所」とされた地点、ベンチがあり展望が開けた805mピーク、それに三筋山頂上については、風車の建設地からは外されたようで、少なくともこの日の時点では、工事の魔の手が全く及んでおらず無傷でした。 また、805mピークと三筋山の間も、道路は稜線から少し外れた場所に建設されようとしており、稜線上が工事からは逃れていたため、大半の区間で登山道を歩くことができました。 ●三筋山 〜 伊豆稲取駅 登山道を歩くのは、三筋山から下り始めてほんの数分間のみ。すぐに車道に出てしまうと、それ以降の約700mに及ぶ標高差は、すべて舗装道路で下ることになります。 しかも、伊豆稲取駅まで歩くことなどあまり想定されていないのか、道案内は近くにある駐車場に向かうものばかりでした。駅までの道順は、地図などを元に各自で判断する必要があります。 |
写真
感想
この日の行先は伊豆半島です。登ってきたのはいずれも地味な山ですが、縦走の最後に訪れた三筋山は、開放的な草原状の頂上から見渡す360度の展望があって、とりわけ山と海の両方の景色を一望できるのを楽しみにしていました。
空気の澄んだこの時期を選んだにしては、特に海上の景色が霞みがちで、海の青さや伊豆大島などの島影がクリアに見られなかったのが残念でしたが、伊豆半島核心部の山々を一堂に見渡せる大きな展望や、一面にススキが茂って大らかな三筋山の斜面といった、印象的な景色を堪能できています。
その一方で、この日はいろいろと釈然としないこともある山行となりました。
登山道があるはずの登り尾で、明瞭な登山道の存在をほとんど感じなかったのが、もそのひとつです。
とにかく歩かれている様子がなかったので、このままでは近い将来、登山道が廃れてしまうのでは、という感触を持っています。
でもやはり、最も腑に落ちなかったのは、三筋山一帯で巨大風車群が建設中なのに関連して、予め工事に伴う通行規制期間を確認し、それを外して出掛けたつもりだったのに、実際の現場では通行止めの状況にあったことです。
重機が稼働中の工事現場を横目で見ながら、肩身の狭い思いをしつつ足早に通過せざるを得なかったので、その間は全く楽しめませんでした。
(帰宅後に「予定外の通行止が発生する場合があり要問合せ」という趣旨の文言があったのを発見し、こちらにも落ち度が全くなかったとは言えない状況と分かりましたが、それでもモヤモヤ感は残ったままです)
ブログの記事はこちら
(使用写真はヤマレコと同一ですが、写真の説明は少し丁寧に書いています)
http://cellist.blog.ss-blog.jp/2014-02-01
文章主体の詳細ページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2014_01_03/mt2014_01_03.html#20140201
コメント
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プチ遠征
三筋山も行きたい候補に入っているのですが・・・
そんな状況になっているんですね
伊豆は暖かいですから、南国の樹林が生え雰囲気が違うのが面白いですね
千葉も似たような雰囲気がありますよ
三筋山も行きたい候補でしたか。
風車の建設は三筋山より北側に限定されているので、南側からアクセスすれば、今後も目障りな物をほとんど見ることもなく済むはずなのですが、南側には車道歩きが長いコースしかないのが難点でしょうか。私もせめてあと1年早く歩いておきたかったと思いました。
南国といえば、確かに房総の山も植生が伊豆の山と似ていますよね。登山道とかは伊豆のほうがきちんとしていると思いますが、そのぶん房総のほうが、山の中に入った時に視界に入る人工物が少なくて、標高が低い割に山深い雰囲気が味わえる気がします。
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