猫魔ヶ岳(娘8歳)/八方台~猫石~雄国沼湿原

- GPS
- 10:49
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 757m
- 下り
- 757m
コースタイム
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
金沢峠~猫石の区間は周回する際のメジャールートではありますが、途中までは舗装されたアスファルトで、厩岳山の分岐手前あたりから人通りが少なくなり、急登で草木も生い茂り、いかにもクマがでそうな雰囲気なので個人的にはあまりオススメできません。 |
写真
金沢峠発のバスに乗って帰りたいところでしたが、八方台登山口までの直通バスではないので、タクシー代をケチって自分たちの足で歩くことにしました。
感想
福島県にある猫魔ヶ岳に行ってきました。
一番の目的はニッコウキスゲで咲き誇る雄国沼湿原。猫魔ヶ岳へアクセスする八方台登山口は、猫魔ヶ岳の他に磐梯山のメジャー登山口でもあるため、家を出発時点では猫魔ヶ岳にするか、磐梯山にするかは決めずに、現地で決めればいいかなと思って出発しました。
八方台登山口に夜22時半頃に到着。駐車場はそこそこ広いのですが、あたりは真っ暗でとにかく怖い。次回、磐梯山に行くことがあったら「道の駅ばんだい」で車中泊したいところ。
早朝になって「磐梯山とお花畑、どっちがいい❓」と娘に聞いたところ、「お花畑❗️」というので猫魔ヶ岳と雄国沼湿原を目指すことにしました。僕自身、過去に磐梯山には行ったことがあって、新鮮度という意味でも雄国沼湿原に行ってみたいなと思っていたので娘に背中を押された格好となりました。
◾️八方台登山口~猫石
八方台登山口から猫魔ヶ岳までは標高にして200mほどしかないため、あっという間に到着してしまいます。猫魔ヶ岳の山頂から眺める磐梯山と猪苗代湖はとても雄大です。
猫魔ヶ岳~猫石までは少し下って、また少し登り返す感じ。猫石からは雄国沼湿原に咲くニッコウキスゲの黄色い絨毯と、飯豊連峰の雄姿を眺めることができます。今回辿ったルートの中で、猫石から見る展望がもっとも素晴らしかったと言っても良いぐらいです。
雄国沼のニッコウキスゲは事前情報で当たり年と言われていた通り、一面にキレイに咲き誇っていました。とはいっても、間近で見ると隙間なく埋まってるといった感じではないので、少し離れた距離から中望遠気味に撮るのがもっともSNS映えします。
◾️金沢峠~猫石までの周回コース
雄国沼湿原には金沢峠からもバスでアクセスすることができるため、湿原には軽装の観光客がたくさんいます。
八方台から入った登山客は、人がたくさんいるからと言ってここで油断してのんびりし過ぎてはいけません。ピストンで戻るにしても周回で戻るにしてもここはちょうど半分地点ですから。
金沢峠からバスに乗ることも可能ですが、バス停留所から八方台登山口まではタクシーで6千円ちかくかかると言われました。
金沢峠にいた時点で13時20分。時間的に遅かったこともあり、バスに乗ってタクシー利用で八方台に戻るという選択肢もあったのですが、ここでタクシー代をけちってそのまま周回コースに行ってしまったのが全ての失敗の始まり。
金沢峠から猫石までは、しばらくはアスファルトの道を進んでいくので楽ちんですが、厩岳山 (うまやさん)の分岐に入る手前あたりから猫石への登り返しに入ります。ここから一気に草木が生い茂る獣道のようなに雰囲気に一変します。
樹林帯に入るとGPSがうまく作動しなくなり、厩岳山の分岐を左に折れなければいけないところをまっすぐに突き進んでしまいます。すでに疲労もピークにさしかかってきていた頃に無駄な登りをしてしまい、また下ってから元のルートに復帰しました。
人通りもまったくなく、クマが突然現れてもなんの不思議もありません。疲れと焦りでやや冷静さを失っているところに、ガサガサっと大きな物音が聞こえました。一瞬、僕も娘も固まってしまいました。娘と数分間見合った後、恐る恐る先に進みます。
この時、クマスプレーを持っていたにも関わらずそんなことはすっかり忘れて通り過ぎてしまいました。危険を最大限に回避するならスプレーを手に持ちながら通るべきでした。何もなかったから良かったものの、手ぶら状態で前に進んだ決断が正しかったのか否か、今でもわかりません。
◾️初めてのハンガーノック
そこからは、狭く急な登りが続き、僕の足が攣り始め、体力も限界を迎え、足が前に進まなくなる。雷も鳴り始め、早く猫石まで登りきらなければという焦りが出始めます。
完全にメンタルがやられている状態のところに渡りに船❗️僕たちの後ろから3人組の高齢パーティーが登ってきました。良かった❗️うちら以外にもここを通る人がいた安堵感❗️しかも何度も通ったことのあるベテランっぽい。
完全に疲れ果てている僕たちを見て、「きのこの山」を一袋いただきました。それを食べてからというもの、少しずつ体力が回復してきてのんびりではあるけど登る体力が復活してきました。
あとになってから考えてみると、おそらくこれが僕が初めて体験した「ハンガーノック」。体力が尽きてしまうとほんとに何もできなくなるんだなぁと実感しました。
以来、僕は体力が尽きる前に行動食を補給する癖が身につきました。
きのこの山が救いだったのか、なんとか猫石まで登り返せたあとは、もうすでに一度通った道。メジャールートなのでちょこちょと人もいるしで、一気に安心しました。
とはいえ、雷の音が徐々に大きくなって近づいてきているのがわかったので、なるべく急いで下山しました。下山後、30分ほどしたあとに大雨が降ってきてギリギリセーフでした。
◾️まとめ
今回の山行をもっと安全なものにする分岐点がいくつかありました。
その分岐点で全て間違った選択をしてしまったことにより、こういった遭難一歩手前の事態に遭遇してしまいました。
タクシー代をケチらずに金沢峠でバスに乗っていれば❓
金沢峠でピストンで戻っていれば❓
体力が尽きる前にこまめに水分と行動食を補給していれば❓
天気が悪い時に樹林帯に入るとGPSが狂うことがあることを知っていれば❓
たらればの話になりますが、顧みるべき分岐点がいくつもあったと反省しています。
僕の軽率な判断が娘を危険な状況に追い込んでしまったことは間違いのない事実なので、山においては判断ミスの連続が遭難を引き起こす原因となることを、今後の山行にしっかりと活かしていこうと心に誓いました。
◾️娘がブヨに刺される
帰宅後、娘は耳の後ろと、こめかみのあたりに2箇所ブヨに刺された跡がありました。病院でステロイドのお薬をもらいましたが、完全に跡が消えるまでに半年かかりました。
目立つ位置だったので、娘のブヨ跡を見るたびに今回の辛かった山行を思い出しては反省していました。
そして、猫魔ヶ岳以降、絶対にブヨには刺されまいと決意し、虫除けをイカリジンに変えました。それからというもの、娘はブヨに刺されなくなったどころか、山で虫に刺されること自体がなくなりました。
イカリジン、効果絶大です。登山ウェアも傷まないし、オススメ。
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