滝谷〜p822〜滝谷山〜陸地谷〜ゴリンザン☆涼を求めて北山の谷を逍遥


- GPS
- 03:32
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 571m
- 下り
- 577m
コースタイム
- 山行
- 2:39
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 2:45
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大見林道を除いて全般的に登山道なし 沢は緩やかで通常の登山靴でも歩けるが、最初に大見川を渡渉する必要あり |
写真
感想
大見湿原から流れ出す大見川は、右岸の火打谷の対岸に西から滝谷、ゴリンザン、スゴロウ谷とほぼ並行に小さな谷が並んでいる。いずれの谷にも入渓するには大見川を渡渉する必要があるが、そのせいかこれらの谷を歩いた記録が見当たらない。谷の上流にある陸地谷の左岸尾根のp822からは北西に落ちるへび谷という谷があり、こちらは大見集落の南にかかる小さな橋を渡って容易に入渓することが出来たのだった。以前に歩いたへび谷は雰囲気が良かったので、他の大見川の右岸の谷がどんなところか気になっているところであった。
百井集落を通りがかるとかつての百井分校で夏祭りが開催されており、校庭には今や珍しい土俵があり、その上では消防署の人達が集まった人達を相手に何か説明をされていた。校舎が開いていたので中を覗かせて頂く。この百井分校が休校となったのは1991年、廃校になったのは2018年らしい。
校舎の中に入ると黒板のある教室はかなり狭く感じられる。いずれの部屋にも窓際では煙突のある小さなストーブが窓からカーテン越しに差し込む淡い光を浴びていた。外の暑さとは対照的に教室の中は少しひんやりとした空気が漂い、埃っぽい空気が何とも切ないノスタルジーを漂わせていた。
スゴロ橋を渡って道路が大見川の左岸に移ったところで、道路余地に車を停めて出発する。まずはアクアシューズに履き替えて大見川をジャブジャブと渡渉する。水かさは深いところでも足首程度なので防水性能の良い登山靴であれば渡渉することが出来るかもしれない。
いずれの谷も植林に覆われているせいか、その入口がわかりにくい。まずは滝谷を目指す。滝谷というからには谷のどこかにその名称の由来となった滝があることが期待される。滝谷に入ると期待通り、すぐにも2段5mほどの滝が現れる。滝は右岸から容易に巻くことが出来る。
滝を越えると雰囲気の良い自然林の谷となる。かつての山仕事の跡なのだろう、沢沿いには微かな踏み跡がある。登山靴でも余裕で歩けそうであるが、足元の水の感触が心地よいのでアクアシューズのまま水線を辿る。
上流で水が切れたところで靴を履き替えるとイワヒメワラビの繁茂する右岸の斜面を登って稜線に出る。p822は小さなケルンがそこがピークであることを示しているばかりの地味な場所ではあるが、南西には滝谷山、南東には陸地谷の彼方に天ヶ森の展望が広がる。
P822を訪れるのみでは少々物足りないので、ついでに滝谷山と陸地谷の源頭部に足を伸ばすことにする。大見尾根に向かって複雑に蛇行する自然林の尾根を西に辿る。P822の周辺は下生えのない疎林が広がるが、残念ながら快適な尾根は長くは続かない。まもなく尾根には倒木の集中地帯や馬酔木の濃密な藪が頻繁に行手を遮るようになる。
大見尾根と合流すると、しばらくは林道歩きとなる。前方から大きなエンジン音が聞こえたかと思うとモトクロス・バイクとすれ違う。滝谷山の登山口のあたりでも数台のバイクが集まってライダー達が集合しておられた。
滝谷山の山頂から北に伸びる尾根は短い区間ではあるがなだらかな尾根に広がる自然林の疎林の雰囲気が良いところだ。この尾根上の林道がなければこの滝谷山はさぞかし魅力的な山となったことであろう。
山頂で一息つくと山頂の北東の陸地谷の源頭に下降する。源頭は完全に杉の植林となっているが、谷に降りると植林は終わり、谷の両側には自然林が広がるようになる。この陸地谷は幾度か歩いているが、自然林はこの源頭部から上流の出合までの区間のみであり、このあたりが陸地谷のハイライトといえるだろう。
炭焼き窯の跡を確認しながら谷を下降するうちにほどなく右俣との出合に至る。ここから下流は歩きやすいが、植林が続く。この陸地谷は本流よりも支流の谷が雰囲気がいいように思う。
P822から南西に落ちる谷に入ると、すぐにも自然林のなだらかな谷となる。上流の二俣に出ると谷の周囲には一面のイワヒメワラビの草原となる。二俣の間の尾根を直登すると再びp822のピークに辿り着く。
最期はゴリンザンを下降する。この谷のゴリンザンという谷の名称は何ともユニークだが、果たしてどういう字を充てるだろうか。陸地谷の左岸尾根を東に進みむと、谷の現頭部周辺は完全に植林が広がっており、味気ない雰囲気だ。
源頭の湧出点で水を汲み、谷を降り始めるとすぐにも自然林の綺麗なV字谷が広がる。滝谷と同様、微かに踏み跡がついているようであり、登山靴でも歩けそうだが、最後に大見川を渡渉する必要があるので谷の中ほどで再びアクアシューズに履き替える。その最中に背中にチクっと鋭い痛みを感じる。どうやらブヨに刺されたらしい。
谷を取り巻く自然林の緑の透過光を浴びながら谷を下降してゆく。再び前方に植林が見えてくるとまもなく大見川に辿り着く。川を渡渉すると車を停めた出発地はすぐだった。振り返ると、その奥に美しい自然林の谷が広がっているとは到底予想し得ないような単調な植林が見えるばかりだった。
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