玄倉川/モチコシ沢

- GPS
- 12:52
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 3,950m
- 下り
- 3,949m
コースタイム
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 3:04
- 合計
- 12:45
| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
玄倉林道のゲート前駐車場に駐車したが、午前7時で既に満車状態(約30台駐車)。キャンパーもいるので日曜日は厳し目だ。 |
写真
感想
平地は猛暑日の夏の一日、再び玄倉川に。モチコシ沢はハードなクライミングが要求される最上級の沢だった。
7時を目標に玄倉林道終点の駐車場に来てみると広い駐車場が既に一杯で路傍の余地にも停められている状態だった。歩き出すと樹林の中にもテントが点在しており、近隣の都県からキャンパーが多数来ているようだ。と言うことで玄倉川に来るには夏休み期間中は日曜日より土曜日が良いのかもしれない。青崩隧道までは40分程の歩き、そこから河原に下降して沢装備を整える。そしてさあ出発と言った時に1頭のカモシカが河原を横切って右岸の樹林に駆け込んで行った。丹沢でカモシカに出合うのは初めてだ。
玄倉川を15分程遡ると渓が右側に屈曲した所でモチコシ沢が出合う。ここまでの渓相は確かに美しい。大滝を見て帰るウォーターウォーキングも子どもには楽しいかもしれない。モチコシ沢の出合からもう2段60mの大滝が見える。すでに轟々とした滝音も聞こえ、威圧感を感じる。
樋状の滝を超えて行き釜を右手のスリングを頼って余り濡れずに岩に乗り移りそこに上がるともう大滝の直下。直下から見上げるとより大きく威圧的だ。トポ通りに上段は高巻きかと思ったらH薗さんはオレは上段をやりに来たと意欲満々。下段は13Kさんがリードして、上段はH薗さんがリードと言うことになった。13Kさんは左壁に取り付き1/3登った辺りで残置ハーケンでランニングを取り流芯に向かう。ここにも残置ハーケンがありランニングは取るもののホールドは総じて丸くパーミングを要する。流れの中のスタンスに右足を掛けて行くが、それ以外のスタンスも細かく厳しい。この核心部を左へ斜上すると徐々に傾斜も緩くなって落ち口に抜けることが出来る。
H薗さんがフィックス用のザイルを引きながらフォローし、抜けた後はそのまま上段に取り付いた。下段は僕がアセンダ(Tibloc)確保で、その後I久保さんが続き、最後にAki-CLさんが回収しながら登る。核心部でテンション掛けてゼェゼェしながら登りきったらもうH薗さんはほぼ終了仕掛けていて続いて行けと言う。久しぶりにパーミングしてほぼパンプしきってるんですが、今日は一体どうなることやら。
上段は下段より寝ていて、下半分は難しさは無いが浮石(岩レベルもあり)もあり気を使う。上に向かう程に寝て来るのだが逆に水流に洗われてホールド、スタンスが乏しく見た目よりもかなり厳しい。特に抜け口は際どいが、左側の大岩の裏側に格好なホールドがある。それに気が付けば何とか。
F1を登るとすぐにF2。ここは左壁のリッジを登る。F2を超えるとすぐに裸山沢との出合で左側に進む。左俣に入るとナメ床が続き、楽しい小滝が次々と現れる。だんだんと高くなっていくがいずれもフリーで登れる。2段8m滝は左壁をステミングしてからリッジに取り付いてH薗さんがリードしたが、流芯寄りにも行くことが出来た。2段4mの後の2段8m(F5-7m、括弧内は「丹沢の谷110ルート」でのFナンバー)はぬめりもあり見た目よりも嫌らしくH薗さんがハーケンを打ちランニングを取ってリードしていった。モチコシ沢は総じて滝の規模に比較して残置アンカー類が少なく感じる。上段はツルツルで結構難しく右側に移る人、左側を直登する人とそれぞれだった。
赤茶けた4m滝(F6-5m)で沢は左に曲がるがそこからまたナメが続き楽しませてくれる。樋状3段3m滝の釜で13Kさんが鹿の角を発見した。その後の6mスラブ滝は右壁をフリーで行く。CS5m滝を超えるとすぐに右側に赤茶色の垂直スラブ滝が掛かっており、これが沖の悪場の入口のようだ。時間も頃合いなので昼食休憩としたが、Aki-CLさんが僕の誕生日が近いと言うことで(と言って取り出した)パイナップル丸ごと1個をザックから取り出した。丁寧にも切り分けて頂いたパイナップルはジューシーでとても美味しかった。
H薗さんと13Kさんが何やらもぞもぞしているが、どうやらこのスラブを登るようだ。リングボルトが2つある。そこにスリングを掛けてアブミにしてA1で乗越そうと言うことだ。I久保さんはトライしたもののリーチが少し厳しいのでスラブの先から高巻いた。この高巻きも最後の泥土のトラバースが少し神経質だ。ここを越すと眼前に15m滝(F9-12m)が立ちはだかる。近すぎて全景を撮影するのが難しい位だ。スタンスは豊富にあるようだ。H薗さんがリードするが、トポとは異なり流芯沿いを指向して行き、最終的に右上に斜上するラインを取って抜けて行く。が結構抜ける所も難しい様子だ。これを見ていてI久保さんと僕は左からの高巻きを選択。木も生えているしそれなりにと思ったが予想以上にアルバイトを要した。Aki-CLさんがザイルを持って行けと言ってくれたのに大丈夫でしょうとロングのスリング数本のみを受け取って行ったがF9とF10を巻いてF10の落ち口に降りる所はゴルジュの壁の上のようで「しまった」と思った次第。2人が持っていたスリングを全部繋いで5mの壁を降りることができはしたが反省が残る。F9をクリアした3人も次のF10スラブ滝は手掛かりが乏しすぎるようでやはり左から巻いて来た。
これでもうおしまいかと思ったら最後の4m滝(F11-5m)がまたしょっぱい。上部で手掛かりが無くしかたなくH薗さんがハンマーを埋め込んでスタンスにして抜けた。
やがて水が涸れ、左に崩壊地を見た後に二俣になる。13Kさんのプランではこちらが近道になるとのこと。深いV字が刻まれた沢を登り高度を稼いで行くと稜線が見えてきた。水が無くなると途端に暑さがぶり返して来て全身汗でぐしょぐしょになる。しかも最後の登高はザレた急斜面で力がむなしく泥に吸い取られて行く感じだ。漸くの思いで稜線に出ると踏み跡がある。ここはどこ?と13Kさんが地形図とGPSで確認したが、どうも意図した所よりも1つ南西のコルに出たようだった。ここから沢を下降するかと言う選択だったが、確実性を取ってモチコシの頭から東沢乗越へのルートを選択した。小川谷まで陽のあるうちに下れれば何とかなる。モチコシの頭には1つピークを超えて下って登ることになるが、コルはどこも両側がスパッと切れ落ちていてかなり高度感がある。モチコシの頭に出ると「モチコシ沢ノ頭byヤマレコ」と書かれた標識が出迎えてくれた。有り難い。
モチコシの頭から東沢乗越までは尾根を下る。東沢乗越には古びた標識が見られたが一般ルートと思われては困る径だ。あくまでも沢屋用かな。東沢へは最初は急下降になるが、40分程で小川谷に合流した。ここで沢装備を解き、平易な(と言っても一般ルートとしてはハードですが)ルートを穴の平橋へと向かう。谷筋なので陽はもう入らず薄暗い中を進む。もうすぐと言う所で13Kさんと僕はヘッドライトを灯した。穴の平橋から全員ヘッドライトを灯して無言で歩き、40分足らずで駐車場に戻ることができた。
無事に帰着できたが計画を3時間超過して13時間近くも行動することになった。GPSのログを見ると22.5kmも歩いている。時間が掛かるのも当然だ。まあそこの所はさておき、モチコシ沢は噂に違わぬ名渓であった。今年最高の沢遊びを更新した感じがある。ヒルについてはAki-CLが小さいのを1匹見たと言うが他のメンバーは皆確認していない。カモシカに出合えたのも収穫の一つだ。
・F5-7mの登攀(動画)
帰宅翌日にヌカカに大量に刺されていることに気が付いた。
両手、のど、合計30か所ぐらいか?
ひどいのは5cmほどに腫れていた。
虫刺され薬を塗ると腫れが引いたが、1週間たっても跡が残っている。><
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13K
Aki-G3












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