「試練と憧れ」剱岳早月尾根日帰り


- GPS
- 12:47
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 2,425m
- 下り
- 2,420m
コースタイム
- 山行
- 10:57
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 12:44
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
前夜入り(21時頃到着)したが登山口に一番近い駐車場はどれも満車なので500mくらい手前の駐車場まで戻って駐車スペースを確保しました |
コース状況/ 危険箇所等 |
・序盤の平坦地(松尾平)以外は基本的にずっと急登。 ・本格的に岩場になるのは早月小屋を過ぎてから標高2,400m地点を越えてから。早月小屋までは樹林帯の急登が続く。 ・山頂直下の核心部に入ると三点保持必須の岩場が連続する。非常に高度感もあって万一滑落したらもちろんただでは済まない。落石にも注意。 ・技術的には登りより下りの方が難しいのは言うまでもないが、長くて急な早月尾根の下りは精神的体力的にも相当堪える。本当の試練は登りではなく下りだと思った。 ・登山道としてはメジャーで良く整備されたルートなので、迷いやすいところは全く無いです。 ・早月尾根の登山道には標高200m毎に標識(金属製のプレート)が設置されているが、GPSと照らし合わせてみると精度はかなりいい加減です。実際の標高±50mくらいの誤差があると考えた方が良い。 |
その他周辺情報 | 下山後、魚津市の金太郎温泉カルナの館を利用(3時間1,050円) (火山の近くでもないのにまさかの硫黄泉で凄くいいお湯でした😊) |
写真
(早月尾根の登山道は標高200m毎に標識が設置されているけど精度はかなりいい加減です…🙃)
感想
「南アルプスを代表する急登"甲斐駒ヶ岳黒戸尾根"と北アルプスを代表する急登"剱岳早月尾根"。両者の日帰りは一体どちらが辛いのか?」という話題は何故か昔からネット上でも見かけるし、酒の席でもよく話題になるが決して結論が出ることはない永遠のテーマである。
それならば、自分の足で体感してみて自分なりの結論を出してみよう。そうだ、黒戸尾根と早月尾根を二週続けて自ら歩いてみれば結論を出せるのではないか?🤔
ということで、先週末の黒戸尾根に続いて今週末は早月尾根に挑戦!ということになりました。ちなみに、黒戸尾根の方は先週を含めて過去に2回日帰りの経験がありますが、早月尾根は日帰り宿泊を問わず今回が初めての挑戦になります。
それで、黒戸尾根と早月尾根を二週続けて得られた結論。
それは「どちらも非常に辛すぎて比較ができない」であります!😇
とりあえず数値上で言えば…
歩行距離:黒戸尾根18.1km vs 早月尾根15.8km
総高低差:黒戸尾根2,477m vs 早月尾根2,425m
歩行時間:黒戸尾根10時間7分 VS 早月尾根10時間57分(休憩時間は除外)
総高低差はどちらもほぼ同じ2,400mなのに歩行距離は早月尾根の方が2kmも短く、数値上の急登度合は早月尾根の方が上ということになります。つまり、早月尾根の方が勾配がキツいわけです。
これは体感的もその通りで、黒戸尾根の方は中間地点ちょい手前の刃渡りまで急登らしい急登が現れないのに対して、早月尾根のは松尾平を除いて緩い場所がほとんど無くて序盤から急登ばかり。容赦ない急登感があるのは早月尾根の方でした。
そして休憩時間を除いた歩行時間は早月尾根の方が50分くらい余分にかかっています。そうなるとやっぱり辛いのは早月尾根の方?かと言うとそんな単純なものではなく、距離が長い分だけ黒戸尾根のダラダラ歩かされる感はやはり堪えるし、早月尾根は黒戸山のような登り返しが無くて素直に無駄なく登っている感があるので精神的にはちょっと楽に感じられたりもします。
では、早月尾根で一番辛かったことは何か?それは「下り」です。
登りはまさに"憧れ"の心で早月尾根に挑戦できる嬉しさを噛みしめながら山頂目指してガシガシ登っていけます。早月尾根に挑戦してみて本当の”試練"は下りなんだと思いました。山頂を出発して5時間半、歩いても歩いても麓に到着しない急な下り坂をひたすら下り続ける。体力的にも決して楽では無いし、岩場や急斜面では登り以上に緊張を強いられるし、ほとんど精神修行の世界です。
ただ、それでもやっぱり総合的に黒戸尾根vs早月尾根のどちらが辛いかということに関しては一言二言で結論を出せる世界ではないな、と感じました。岩場・鎖場の多さ、技術的難易度で言えば早月尾根の方が圧倒的に上なのは言うまでもないことですが、体力的に言うと結局は似たり寄ったり。足に優しいのはやっぱり黒戸尾根の方かなぁ?総合的にはうーん、どっちだどうかねぇ🤔🤔🤔
というわけで、黒戸尾根vs早月尾根の難易度話はやはり"永遠のテーマ"ということで棚上げにしたいと思います。と言うか、この話に結論を出す意味なんて最初から無いんですよ。どちらもあまりに辛くて、でも素晴らしい尾根なのですから…😇
ちなみに山そのものとは全く別問題ですが、早月尾根に関しては黒戸尾根に比べて一つ圧倒的に辛い要素があって、それは下山してからの運転。所沢から黒戸尾根は片道150kmですが、早月尾根は350〜400km。下山してからこの距離を運転してその日のうちに帰宅するのはひかえめに言っても無限地獄の世界でした😂
黒戸尾根vs早月尾根の話ばかりになってしまいましたが、最後に辛さ以外の感想を(笑)
まず、天気は一日を通して200%以上の晴天に恵まれて景色最高でした!!
とても印象的だったのは富山湾の眺めで海の青さが目に沁みました。北アルプスに登る時はいつも長野県側のルートばかりで、海を眺めながら北アルプスに登る機会は少ないので目の前に海が広がる景色はとても新鮮に感じられます(ちょうど1年前に毛勝山に登った時も同じようなことを思いました)。
そして早月尾根から見える小窓尾根の岩壁は本当に圧巻。目の前に迫る剱岳はまさに巨大な岩の塊で、以前に登った別山尾根以上に迫力あるかもです。
山頂からの眺めも本当に最高で剱岳登頂の達成感を盛り上げてくれました。
早月尾根から行く試練と憧れの剱岳、挑戦してみて本当に良かったです🤗
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