【身延】南俣川外向沢遡行・戸栗川権現島沢下降・大垈への廃道探索
- GPS
- 08:18
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,144m
- 下り
- 1,144m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・沢については遡行図と記録参照 ・権現島から大垈(おんた)への旧径路は、所々荒れているが、廃道歩きに慣れていれば問題なく通行できる。なお、現行の地理院地図では大垈集落跡ではなく大垈林道の途中に繋がるように描かれているが、誤記と思われる。 |
その他周辺情報 | 【他の記録】 ・外向沢の記録は未確認。 ・権現島沢は、「指導標 篠井山特集号」(静岡山の仲間山岳会,1961)に遡行記録がある。 【地名】 ・外向沢は、「中部山岳の渓流」(鈴野藤夫,1976)に記載のある地名。 ・権現島沢は、「指導標 篠井山特集号」に拠る。「中部山岳の渓流」では、権現沢とされている。 【廃集落について】 今回探訪した二つの廃集落「池平」「大垈」については、下記のページに詳しい。ただし、2010年当時大垈にあった神社は、既に原形を留めていない。 池平:http://www.aikis.or.jp/~kage-kan/19.Yamanashi/Nanbu_Ikedaira.html 大垈:http://www.aikis.or.jp/~kage-kan/19.Yamanashi/Nanbu_Onta.html |
写真
装備
備考 | ラバーソール適 |
---|
感想
【計画の経緯】
これまで南部町の沢を多数開拓してきたが、いずれも旧富沢町であった。旧南部町にも足を伸ばしてみようと思い、金曜の雨による増水でも大丈夫そうな外向沢〜権現島沢へ。
【記録】
○外向沢
結構急勾配の林道大垈線を登っていき、外向沢の対岸へ駐車。急だが歩いて下れる程度の斜面を下り、南俣川へ出て少し遡ると、外向沢出合。いきなり14m滝。水量も多く結構立派。この滝は激シャワーなら登れそうにも見えるが、この時期の朝一でそんなことする気はないので巻くことに。滝のすぐ脇の急斜面を木伝いに登るが、1箇所遠いところがあって少し緊張した。巻き終えるとすぐに8m滝。これは登れそうということで、滝壺に散乱する倒木を伝って取りつき、右から登攀。適度に登り応えあり、念のためS井にはお助け紐を出した。その先の3m滝を悪めのへつりで越えるとゴルジュは終了し、いったん平凡になる。
再び滝場となり、8m簾状滝、6m斜瀑と越えて振り返ると、朽ちた木橋を発見。どうやら、これが地形図に記載されている徒歩道のようである。後で時間があれば探索してみよう。
その後も断続的に滝が続き、その殆どが直登できるので遡行感は良い。後半の連瀑帯の9m滝、10m滝、11m滝と続くのもなかなか。最後に、見た目より登りにくい幅広の10m滝を登った先で水は伏流し始めたため、右岸を詰めて終了。
○権現島沢
適当に斜面を下って沢に降り立ち、少し下ると、1つ目の連瀑帯。最上流の13m滝は巻くのも結構面倒そうなので懸垂下降。以降の滝は小さく巻き、1つ目の連瀑帯は終了。
2つ目の連瀑帯までは平凡かと思ったが、面倒な倒木群があったり、割ときれいなナメがあったりと、一長一短。そして出てきた6段35m滝は、左岸を巻き下ろうと思ったがかなり大巻きになってしまいそうだったので、途中で懸垂下降。上流を振り返ると結構立派な連瀑だった。
9m滝も巻き下ると、再びナメの多い渓相となるが、やはり倒木が多く残念。拡大造林は天下の愚策である。ナメが終わるところには滝があり、何やら大きい。巻いて下って計測すると、上段は30m、下段の斜瀑も22mであることが分かり、なかなかの大滝である。集落も近いし、きっと名前のある滝ではないかと思いつつ、白山大権現と書かれた神社に出て、沢下降は終了。
権現島集落の方に聞けば滝の名前が分かるのではないかと思い、すぐに廃道へ向かうのではなく、集落へ行ってみる。すると、道路を掃除しているおば様がいらっしゃったので、早速尋ねてみると、「権現さんの滝」と呼んでいるとのこと。白山大権現の裏にあるのでさもありなんという感じの滝名ではあるが、地元での呼称が分かるのは有り難い。
○大垈への廃歩道
まだ時間はあるので、今度は大垈への廃道を探索することにする。白山大権現の脇の獣害防止柵を開けて進んでいくと、いかにも古道然とした幅2m程度の径路があり、趣深い。なお、地理院地図には温泉の記号があるが、何もなかった。かわいいサイズの切通しを抜けると集落跡のようなところに出て、今でも管理されてそうな社もある。かえって調べたところでは、「池平」という集落の跡であった。
その後しばらくは平凡な廃径路であったが、概ね明瞭で藪もなく歩きやすいのは有り難い。外向沢が見えてきたところで一ヶ所路盤が完全に落ちていたが、幸いにも木の根伝いに渡れて良かった。結局ここが最大の崩壊地であり、林道大垈線の開通から35年以上は経っていると思われるが、まだまだ歩くには問題ない径路であると言える。
何時間前かにくぐった木橋は、どう見ても腐っているので今回も渡らずに迂回して渡渉し、さらに進む。飽きてきた頃、路傍祠を発見。明治29年建立とは、結構な古さである。馬頭観音だろうか。左側の文字は読みづらかったが、水をかけて掃除したりして頑張って読んでみた。そういうのも結構面白い。
最後は冗長な感じで大垈集落の神社跡の近くに出て、廃道探索は終了。2010年には建っていたという神社もすっかり廃材の山と化していて、見る影もない。寂しげな廃村を後にして、多少の紅葉が楽しめる林道を下り、車に戻った。
【総評】
外向沢、権現島沢ともに、結構な数の滝があり、まずまず楽しめる沢だと感じた。倒木が多いのが残念である。権現さんの滝は、アプローチが至近なので、少し時間がある時にこれだけ見に来ても良いかもしれない。
【感想】
戸栗川流域の沢は初めてだったが、廃道探索も含めて丸一日楽しむことができ、充実した山行だった。たまには廃道探索も良いが、やっぱり沢の方が面白いかな。まだまだ南部町には気になる谷筋が沢山あるので、少しずつ探索を進めていきたいと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する