秋田県中央部 丹波森〜大石岳 ルートミスして長い林道歩き
秋田県
kamadam
- GPS
- --:--
- 距離
- 35.0km
- 登り
- 1,256m
- 下り
- 1,265m
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- 山行
- 13:12
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 13:42
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
沢沿いの林道以外、夏道はありません。登りの尾根と下りの尾根の下部、及び秋田市・大仙市市界上にかすかに踏み跡が感じられる程度。笹などの藪に覆われています。それでも、大石岳の広大な山頂部には、まだ多いところで1m半くらいの残雪がありました。 |
写真
ここでようやく、この林道は小又川沿いの林道であって、自分が下りてきたのは秋田市・大仙市市界稜線であったことに気付く(遅い！)
1
感想
一年前に残雪を踏んで南西側から大石岳へ登った際、秋田市・仙北市市界稜線と平行するように北方に延びる稜線が目に留まった。地図を見ると、何ともおかしな主稜線を持つ丹波森が、大石岳から分れる稜線の先に立っている。麓からも良く見え、昔から白子森などと共に登ってみたい山の一つだった。
このあたりには、三角点のある藤四郎森という山もあり、大石岳から繋いで、周回ルートにすると面白いだろう。当初は、より難しそうな藤四郎森側から登る反時計回りの周回を考えていた。
雪はだいぶ消え、長い林道を車で奥まで入れるのはいいが、大石岳や丹波森の主稜線を除き、かなり藪が出ているだろう。自分にとっては相当難儀する山行になるかもしれない。前日夜もあれこれと考え、丹波森~大石岳の往復、残雪の状況を見て可能なら時計回りの周回と決めた。
大又川沿いの林道は、車で十分に奥まで入ることができた。朝日又川沿いの道も、しばらくは川より高い位置にある、比較的安全な林道だ。朝日又川を一旦左岸へ渡渉し、すぐにまた右岸へ渡る。藪漕ぎの態勢になって、猿沢の左岸側尾根に取り付く。急登だがイワウチワが迎えてくれる。予想通り、かすかに踏み跡もあるようだ。
標高700~800あたりの酷い笹薮の急登をなんとか凌ぐと、次第に待望の雪堤が現れてくる。丹波森主稜線の一角、標高約980mのピークに立つと、大仏岳や白い森吉山が目に飛び込んできた。ここから丹波森方向も、なんとか雪堤が繋がっているようだ。
ここから丹波森山頂へのゆるやかな行程が、今回の最高のひと時だった。残雪豊富な幅広い尾根、奥深い山の雰囲気、初めて聞くような鳥の鳴き声、樹林の間から見える堂々とした白子森の姿。丹波森山頂に立つと、秋田市・仙北市市界稜線の向こうに秋田駒が見えた。
丹波森から南下する痩せ尾根は藪だったが、大石岳への幅広い尾根に変わると残雪歩きとなる。後半の行程の大変さを考えて、あまり展望の良くない大石岳山頂では休憩せず、すぐに南西のP1058へ向かう。ところが、この余裕の無さが、その後の大きなルートミスに繋がった。
秋田市・大仙市・仙北市3市の市界が交わるP1058から400mほど西へ進んだP1017で、本来なら北西側の尾根に進まなければならない。ところが私は、そのまま秋田市・大仙市市界稜線を辿ってしまったのだ。慎重に何度も地図を見てはいた。右手に残雪が見える所では、ここはP898付近だろうかと捉えた(実際には、市界稜線上のP764付近)。ところが、前方に大きく立ちはだかるはずの藤四郎森が見えてこない。これはおかしいと立ち止まり、改めて地図を見るが、実際と違っていて混乱する。先ほど越えてきた小ピークが藤四郎森だったのかと、戻ってみることにした。小ピークに戻って三角点を探してみたが見えない。三角点は埋もれているのか。予定していた、北側に延びる尾根を下りることにした。
林道に下りて初めて、この林道は小又川沿いの林道であり、自分が辿ってきたのは秋田市・大仙市市界稜線だったことに気付いた。何と云う事だろう、これから長い長い林道歩きをしなければならない。小又川林道を歩いて県道に出、家族に連絡を入れて、鵜養から今度は大又川林道を遡って、車を置いた場所に着いたのは夜8時22分だった。静かな夜、半月が林道を白く浮かび上がらせる中を、ただ黙々と歩いた。
原因は色々と考えられる。一番は、地図をよく見ていなかったことだ。ルートミスと片付けられない。バリエーションルートを歩く上では論外だ。最近、老眼が進んで、ヤマレコで2万5千図よりも拡大したものを印刷して持参していた。それはいちいちメガネをかけて見る必要がなくて重宝していたのだが、2万5千図でルートを大きく捉えることを、後半が始まるP1058できちんとしていなかった。その先のP1017が尾根の分岐点であること自体を、認識していなかったのだ。
今回、距離の感覚を意識していた。それはいいのだが、肝心の方角が間違い、コンパスで確認もしていない。樹林の間から見える尾根や沢筋の景色も、予定していたルートから見えるものと似ているかもしれない。それにしても、尾根の途中で気づきそうなものである。藤四郎森へのルートを辿っていると、自分の中で決めつけがあった。微妙に違うなという感覚を押し殺して、無理やり現在地を地図の上に当てはめようとした。藤四郎森へのルートは困難さが伴うと認識していたのに、その出だしで尾根が分岐していることを、認識していなかった。
大恥をさらすようで、ヤマレコに載せるのは正直躊躇した。読んで下さった方が他山の石としていただけたらと思う。こんなミスをするのは、私ぐらいだが。しかしさらに考えると、私は仕事でも日常生活でもミスはする。ミスはするかもしれないことを前提として、多少ミスしても大ごとにはならないようなフィールドや気象条件の下で楽しむことが大事だと、改めて考えた。
29日には改めて藤四郎森へ登った。このレコに付け足すつもりだったが、この山も登る価値はあると感じた。後日またこちらのレコも書きたいと思う。
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ルートミスしても間違いに気づく事ができるのが流石です
山を眺めるために山に登る、新たなルート開拓…やっぱり藪こぎですか (笑)
今年は雪の少なさと雪解けの速さがネックでしたね。
それに林道歩きはつらいですね〜さらに日没という追い打ちをかけるような時刻。
獣の目と翼があればひょいっと車まで戻れたのにね〜
（デビルマンか！
藤四郎森のレコお待ちしております。
※羽後朝日岳はもう夏山？…今年は諦めます
間違いに気づくのがあまりにも遅過ぎました
突き放すのが当たり前のレコなのに、お優しい言葉をありがとうございます。
そうですね、翼があればひょいっと戻れたのですが
大又川・小又川沿い林道どちらにも、入るのが初めてだったので、ショートカットがどこなのかもわかりませんでした。
来シーズン、またルート開拓したいと思います
羽後朝日岳ですか・・大荒沢岳からのルート、山頂直下は東側を辿るとなんとかまだ行けるのでは・・
楽しく充実したGWでありますように
kamadam さんらしからぬルートミスと思いますが、自分に置き換え色々学ばさせていただきました。
ルートミスとは言え、そもそもこのようなルートは恐らく熊さんも辿ることはないでしょから、ある意味贅沢なことかもしれませんね。（私は何時も思っています）
県央最深部で不明瞭なポイントを繋げぐ楽しさはいかにもkamadamさんらしく、羨ましくも感じました。続報楽しみにしています。
メッセージありがとうございます。
今回思い知らされたのは、前提を覆すことの難しさです。こちらの尾根を辿っていると決めつけると、微妙な違和感を感じているのに、地図上に自分の位置を無理やり押し付けるという・・・性格も案外頑固なんでしょうかね
丹波森主稜線を歩くのは、楽しい時間でした。おっしゃるように、贅沢そのものですね。
kamadamさん、こんばんは。
仙台に一泊出張していました。
いゃー・・・すごいヤマレコを拝見いたしました。
私もこの辺りの渓は渓流釣りなどで歩いていますから・・・
小又川から大又川の朝日又沢分岐までの距離を知っています・・・
すごいです。たいへんご苦労様でした。
このあたりのピークは白子森を除きほとんどが未踏です。
kamadamさんのヤマレコで拝見するしかありません。
一年前の協和ダムの荒木沢から大石岳へ登られたヤマレコも記憶に残っています。
いつもながらの・・・藪漕ぎの後・・・丹波森ピークまでが最高だったようですね。眺望もいいですね。
その後は大変でしたね・・・(ご苦労様でした)
地図は見づらくなりました。私も同感です。(老眼・・・)
そうですね・・・拡大したりするとよく見えますが・・
俯瞰的な関係が不明瞭になりますよね。
ときどきは俯瞰して地図を眺めることも大切なんですよね。
地図で見るのと実際の地形は・・・これも相当の観察力が必要でしょうし・・・私はちょっと自信がありません。
それに・・・やはり「予定」・「想定」外になると人間は冷静さを失い、通常よりも認識力・判断力が鈍るようです。
当然・・・人間ですから・・・ミスもします。
私も気を付けます。他山の石とさせていただきます。
35�繊�13時間・・・本当にご苦労様でした。
メッセージありがとうございます。
自業自得とは言え、長い長い林道でした
750RSさんは、やはり釣りでも入ったことがありましたか
29日には藤四郎森へ登りましたが、朝5時頃に私より前を走る車がありましたよ。
下山して林道を歩いている時には、渓流釣りをしている人を見かけました。
美しい流れですが、山の方は奥まで林業の手が入っていますね。
大石岳など以外、登山対象として捉えられることの無い山域ですが、広大で奥深さが感じられるのが魅力です。通勤途中に見える山々でもあり、またコツコツ歩こうかなと思っていますよ
老眼鏡、山へ行く時にも必携の荷物となりました
いや〜地図を見てびっくりしました
日帰りでこの距離で、しかも藪漕ぎですからね
藪山でピークから降り始める時がいつも緊張しますし、難しいですね。
360度中からただ一点だけの正解、
しかもそれは未知の方向を選ぶという思考の過程ですね。
僕も何度か心当たりのあるミスです。
あんまり他人事のようには思えません。
貴重なレコを上げてくださり、ありがとうございます。
こういうレコはkamadamさんしか書けません。
tooleさんにお礼を言われたり、なんだか褒められているようで、複雑な気分です
少しでも参考にしていただけたら幸い・・いや、こういうケースはtooleさんは無いと思うけど
ただ、正常性バイアスとか、自分の都合のいい方に解釈するとか、そういうことは多かれ少なかれ皆持っている傾向のようなので、そんなことを考えていただけたら幸いかな・・と。
明日は早立ちですね。いや、もう出発したでしょうか。どうぞお気をつけて。充実した山行でありますように
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