権現山・扇山〜最後の雪の斜面はきつかった〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,343m
- 下り
- 1,341m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:鳥沢駅 休日おでかけパスを利用(2,670円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
概ね良好。扇山の北面は滑りやすい雪の急登。 |
写真
感想
JRの休日おでかけパスは、大月や奥多摩まで乗り降り自由で2,670円。低山歩きにはお得感のある切符だ。体力作りに中央線沿線や奥多摩の山々を歩くには、もっと利用して良い切符だ。今回はJR中央線の山に注目し、九鬼山から倉岳山方面への縦走または権現山方面をターゲットにする。
山行前日、天気は良いのだが季節風がとても強く、寒さのためモチベーションが上がらない。次の日はモチベーションが上がったら山行を決行しようということで眠りにつく。当日は早朝4時半に目が覚めた。風は相変わらず強い。エイヤーと勢いで出発し、朝一番の電車に乗り込む。電車の中で行き先は権現山方面に決める。電車の中では依頼された論文の査読が進み、これだけでも出掛けた価値はあったと納得した。
上野原駅では3台のバスが待っていた。その1台の飯尾方面のバスに乗り込むとすぐの発車となり、同時に他の2台のバスも発車した。用竹で下車。8時54分。井戸端会議をしていた地元の人に権現山の登山口を教えてもらう。「山の中はまだ雪がたくさん残っているのに・・・」と言われた。山道になるとすぐに雪道となったが、日だまりの道は快適であった。寒さを覚悟したがむしろ暑く、汗だくになる前に服を調節しなければならなかった。モフモフの雪道は傾斜も緩く気分良く高度が稼げた。しかし実に長い登り坂である。明るい広葉樹林の道で好ましいが、いいかげんに飽きてきた。出発から2時間も歩くと、空腹を感じるようになり、足もふらついてきた。せめて雨降山まではと頑張る。雨降山でおにぎり1個とみかんを食べエネルギー補給。元気になり再出発。御前山直下で初めて登山者に出会う。今回の山行では結局4人しか登山者と出会わなかった。日曜というのに静かな山だ。
権現山頂到着12時20分。空は一点の雲もなく小春日和。山頂では思ったより展望が利く。特に奥秩父・奥多摩方面の展望が良い。雲取山頂稜附近の白い筋が印象的。逆光だが富士山も良く見える。ひとしきり展望を楽しんだ後、東京駅で買った崎陽軒のシュウマイ弁当とカップラーメンの昼食とする。日本酒も飲んで良い気分。日頃のストレスがスーッと消えていく。しばらくして、浅川集落からの単独の登山者が登ってきた。お互い証拠写真を撮り合ったついでに、登山道の様子を訊く。トレースはしっかりしており、凍結している場所もないとのこと。チェーンスパイクは装着しないで、13時に権現山頂を出発する。浅川峠から下るにはちと早いので、扇山まで足を伸ばしそのまま駅まで歩いてしまおう。風が強くなってきた。
ふかふかの雪を蹴散らし、快調に急な雪道を下る。あっという間に権現山の長い頂稜がはるか頭上に、逆に権現山から埋もれるように見えていた扇山が目の前に立ちはだかり、みるみるその高みを増していった。浅川峠の標高は約850メートル。扇山山頂まで標高差300メートル弱を登り返さなくてはいけない。浅川峠からの雪道のトレースは細く、段々とその勾配も増していった。北面のため、新雪の下は凍結しているようだ。ついに山頂直下の急勾配では何度もスリップし難儀した。1歩進んで2〜3歩ずり落ちる。無理な体勢になり、軽いギックリ腰になる。四つん這いになり何とか難所を突破することができた。チェーンスパイクを装着しなかったことに後悔した。
這々の体で扇山山頂に到着。14時53分。誰もいない孤独な頂上。冬の太陽は弱々しく、もうすでに夕方の風情。ボーと霞んだ富士山と寒々しい風景が広がっていた。2週間前に来たときと比べ、とても同じ場所であるとは思えないほどの淋しい雰囲気であった。少し休むと寒さを感じてきたので、長居は無用とすぐに扇山を後にした。
梨の木平方面へ下山する。歩き出すと膝に痛みを感じてきた。道も凍結している。今更チェーンスパイクを装着する気力もないので、ストックを最大限利用し、膝をかばいつつ慎重に歩を進めた。急坂をしばらく我慢していると道も歩き良くなり、同時に膝の痛みも和らいできた。梨の木平からは、舗装道を足任せに下りていく。途中、夕暮れの山里の風情や匂いに郷愁を感じた。感慨深いフィナーレ。
鳥沢駅に17時少し前に到着。今回は先日の雲取日帰り往復より歩きこたえを感じた。帰りの電車では査読をする気力もなく、ウトウトしながら最寄り駅へ戻った。少し無理をしたため、翌日まで疲労が残った。
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