妙高山はまたもや雲の中


- GPS
- --:--
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,447m
- 下り
- 1,430m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:10
天候 | 晴れ後霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登りに取った、燕登山道は途中から急登が続く。九合目の鎖場は、しっかりした鎖が設置され、足場も切ってあるので、慎重にゆっくり行けば、安全に登れる。 下りの燕新道は、沢沿いの不安定な道や、灌木の中のうっとおしい道、さらに沢の渡渉などがあり、距離も長く、やっかいなコースと感じた。 |
写真
感想
燕温泉の宿の屋根が重なる彼方、青空に突き立つように妙高の頂がくっきりと見えた。今日こそは山頂からの展望が期待できそうだ。
去年の秋、笹ヶ峰から妙高山と火打山に登った折、火打山頂は快晴で北アルプスはじめとした素晴らしい展望をほしいままにしたのだが、妙高山の頂は冷たい雨と霧に閉ざされて、何も見えなかった。
今回は、山頂からの展望と、前回、悪天候のため行きそこねた南峰に立つことを目的に燕温泉登山口を出発した。
赤倉温泉の源泉までは、コンクリートの歩道が長く、ずっと続く。本当にここでいいのかと、不安に思う頃、源泉に到着する。水場があったので、体とボトルに水を補給する。
ここから、上に称名滝を見ながら、北地獄谷の急登が始まる。沢を渡渉し、雪渓を登る。硫黄の匂いが鼻をつく。天を突くような妙高の頂が、こちらに倒れこんでくるように迫ってくる。胸突き八丁からますます登りがきつくなり、大量の汗が噴き出てきた。ズボンも腰から腿のあたりまでびっしょりと濡れるほどだ。
光善寺池を過ぎ、鎖場に差し掛かるあたりから、山頂付近に雲が湧き始め、次第に白く覆われていく。嫌な予感がする。
鎖場には、しっかりとした鎖が付けられていて、登りやすいように、階段状に足場も切られている。とはいえ、切れ落ちた断崖、緊張しながら、一歩一歩慎重に足を運ぶ。
鎖場を抜け、岩峰の頂に到着する。ここまで、3時間半、赤倉温泉源泉からは、急登の続くきついコースだった。馬にまたがった将軍地蔵が祀られている妙高の最高点、2452mの南峰に立つ。
しかし、案じていた通り、山頂のまわりは雲が湧き、展望がきかない。かろうじて、火打の山腹が一瞬姿を見せたが、すぐまた雲の中に没した。
奇岩の連なる中を、三角点のある北峰に向かう。途中、日本岩という切っ先の鋭い立派な巨岩があった。前回は、これさえも霧の中で見えなかったのだ。
北峰には、大勢の人がいた。さらに、次から次へと登ってくる。大半が笹ヶ峰から入り、昨夜、高谷池か黒沢池のヒュッテに泊まり、ここに向かった人のようだった。
食事をして、しばらく待ってみたが、いっこうに雲は晴れそうもない。展望は、あきらめて、下ることにした。
帰りは、燕新道を行くことにした。まずは、登りとは反対側の道を長助池分岐まで、急坂を下る。去年の秋、ここを下り、大倉乗越を登り返し、高谷池までようやくの思いで、たどり着いた時のきつさを、まざまざと思い出した。
長助池まで行くと、ベンチで若い男性が休んでいた。話しかけると、同じコースを歩いているところだという。この周回コースは何度か経験があるそうだ。
―とにかく、このコース長いですよ。歩いても歩いても、たどり着かないという感じです。最初は、登りと同じ時間かかりましたよ、という。
地図で見る限り、それほど急なところはなく、割と楽に下れると思っていたが、どうも違うらしい。
なるほど、歩き始めると、滑りやすい沢筋の道があるかと思えば、うっとおしい灌木のトンネルが延々と続いたり、不安定な巻道、小さなアップダウンの連続、そして沢の渡渉と、実に歩きにくい。体力と神経を消耗させられるコースだった。
特に、大倉沢の渡渉は、不安定な滑りやすい岩を、飛びながら越えなければならず、一歩間違えば、沢の中に落ちて、ずぶぬれということになるので、非常に緊張した。
先ほど会った若い人が、沢は水量が多く渡りにくいので、ポンポンという感じで、テンポ良く岩を飛んで行かないと、だめですね、といっていた。その言葉を思い出し、何とか、越えることができた。
しかし、それで心身ともに、消耗したのか、集中力が切れ、疲れも重なって、何でもないところで何度も転倒しながら、半ばよれよれの状態で、燕温泉に帰りついた。
着くか着かないうちに、にわかに空が暗くなり、雨が降りだした。幸いなことに、さほど濡れないうちに、駐車場に行きついた。
駐車場から一番近い旅館の温泉に浸かっていると、雨はますます激しくなり、雷も鳴り始めた。もう少し、遅かったら、雷雨の中を歩かなければならなかった。大倉沢だって、渡れたかどうか、湯船に浸かりながら、ほっと胸をなでおろす。
燕新道の下り、とにかく手強かった。そして、妙高山頂の展望はまたお預けとなってしまった。
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