鎌倉街道から母の白滝【街道と河口御師】

- GPS
- 02:54
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 336m
- 下り
- 348m
コースタイム
| 過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ゴール:富士急バス 河口局前バス停 河口局前からは1時間に一本程度、甲府駅行きと河口湖駅・富士山駅行きがあります。 河口湖畔まで歩くと、河口湖駅と大石公園を結ぶ河口湖周遊バスも利用可能です。こちらは15分おき。観光客で混雑していて乗れない場合がありますので注意。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
河口湖駅から、甲府と鎌倉を結ぶ旧鎌倉街道を通り、富士信仰の修行者が滝行をしたり禊をした母の白滝を目指します。街から山の入り口へ、古の人々の行き交う空気を感じられる静かなハイキングコースです。 【河口湖駅~河口浅間神社】 外国人観光客で賑わう駅前から河口湖畔を目指してスタート。鎌倉街道の入り口は住宅地の入り組んだ路地の先にあるため少しわかりにくいです。地図や小さな標識をよく見て目指しましょう。 護国神社から尾根を登ると、紫陽花やツツジが綺麗な遊歩道で天上山(カチカチ山)の山頂に行きますが、今回はそのまま舗装路を進みます。ロープウェイの下をくぐり、小曲岬上の箇所までは、石畳風の舗装がされていて雰囲気があります。舗装道路が終わって白山神社までは未舗装の林道。 白山神社からはいったん浅川(あざかわ)の住宅地に出て、親鸞聖人像のある阿弥陀堂の裏から再び山道に。土手を登るとまた舗装道路に出て、しばらくは浅川のホテル群の裏通りにあたる道を歩きます。 富士山の見晴らしが素晴らしいあたりを通り過ぎると、道は三たび山道に。馬頭観音のある峠を越えて、緩やかに下っていく道はところどころに倒木がありますが、それ以外は旧街道らしい歩きやすい山道です。 産廃処分場の裏から出た道は河口湖と甲府を結ぶ御坂みち。交通量が多いので、近くの信号から横断しましょう。ここから河口浅間神社までは畑や住宅街のなかを歩きます。 渡船場入口バス停から先は富士を目指す人々が投宿した河口御師のまち。現在も営業しているのはわずかに一軒だけですが、立ち並ぶ建物がかつての宿場町の雰囲気を伝えます。大きな鳥居が見えたら、そこが河口浅間神社です。 【河口浅間神社~母の白滝】 神社の境内を通り抜け、裏手の鳥居から出てしばらくは舗装道路を登ります。大きな砂防堰堤を登ると、そこから20分ほどの山道歩きで、母の白滝に到着です。1月~2月ごろは滝が凍ることがあり、チェーンスパイクを持参すれば、凍結した川の上を歩いて滝のすぐそばまで近づけます。 帰りは来た道を戻るのが最短ルートですが、車も通れる母の白滝林道を使うと、途中に「天空の鳥居」と呼ばれる富士山のビューポイントがあります。 トイレ:河口湖駅、護国神社、河口浅間神社 |
| その他周辺情報 | 【もみじ亭】 営業時間:10:30~19:00(不定休) 自家製味噌を使った、呑み干したくなるおいしいスープのほうとうが名物のお店。コメがあまりとれない河口地区では、昭和の初め頃までほうとうは自宅で食べる晩ごはんの一般的なメニューでした。秋の紅葉シーズンはすぐそばのもみじ回廊がライトアップされて幻想的な雰囲気に。 【旅の駅 kawaguchiko base】 営業時間:9:30~17:30(季節により変更あり) 富士北麓地域のお土産物が揃うショップ「あさま市場」やレストラン「テラスキッチン」のある複合商業施設。他では買えないオリジナル商品が多数並んでいるので、お土産探しにおすすめです。 【長崎珈琲】 河口浅間神社の参道にある、看板のない小さな自家焙煎の珈琲店。店内は6人も入ればいっぱいになってしまうほどですが、お天気がよければ外のベンチでコーヒーをいただくこともできます。日、月曜定休。 |
写真
60歳をすぎた親鸞聖人は江戸から京都へ向けて旅に出ました。途中で河口湖に立ち寄り、この地に宿泊。聖人の教えに感銘を受けた浅川の人々はこの地に堂宇を建て、浄土真宗に改宗したそうです。浅川の人々はほとんどが下吉田の如来寺の門徒で、お葬式のときなどは尾根を越えて下吉田まで向かったようです。
像のそばにある2本の大銀杏は、親鸞聖人が使った箸を差したところから成長したもの、という伝説も残っています。
ここから湖に向かって歩いた先に、かつて河口湖沿岸の集落を結んだ渡し船が出ていました。年配の人に聞くと、遠足で船に乗って船津や長浜に行った、という話が聞かれます。湖畔道路が整備される前、モータリゼーションの波が押し寄せる前の河口湖の暮らしが偲ばれます。
感想
【旧鎌倉街道】
鎌倉時代に整備された、甲府と鎌倉を結ぶ街道です。
今の御坂みちと比べて、湖面よりもかなり高い位置を通っているのに気づくと思います。これは、河口湖から流出する自然河川がないことと関係が。大雨が降ると御坂の山々から水が流れ込む河口湖は、流れ出る川がないために水位がたちまち上昇、湖畔の集落が水害に見舞われる事も少なくありませんでした。そのため、増水しても水没しない高さに道がつけられました。湖畔道路が開通するまではこの旧街道のほか、船津浜から河口や大石、長浜といった湖畔の集落を結ぶ渡し船があり、いまでも「渡船場入口」というバス停にその名を留めています。
【河口浅間神社】
864年の貞観噴火によって山梨県側の山麓地域に甚大な被害がでたことをきっかけに創建された神社。一説によると、山梨県内で最初に建てられた浅間神社だそうです。ちなみに周辺の地域ではこの浅間神社だけ、「あさま」神社と読みます。道路標識も「Asama shrine」。本殿に掲げられた「大元霊(おおもとだま)」の額は醍醐天皇の直筆とされています。
本殿は富士山の方角ではなく、やや西にそれた向きに建てられています。これは貞観噴火が起きた青木ヶ原樹海の方を向いているのだとか。
境内には杉の巨木がいくつもあり、七本杉と呼ばれています。それぞれ樹齢1,200年は超えているそうで、寄り添って立つ2本の杉は縁結びの杉とも。
【母の白滝】
河口御師の家に投宿した富士講の人々が水垢離をした場所。ここでいう母とは富士山の祭神である木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)のお母さん、栲幡千千姫(タクハタチヂヒメ)のこと。機織りの神様だったそうですので、いく筋にも拡がる滝の流れる様子を白糸に見立てたのかもしれません。大正時代の古いガイドブックには「恋の滝」と記しているものもあります。1月や2月の寒さが厳しい時期に訪れると、氷の壁になった滝を見ることができます。
お昼過ぎに訪れると滝に日の光が当たり、キラキラと水飛沫をあげる様子が楽しめます。
一段上には父の白滝と呼ばれる滝もあります。こちらは広いテラス上の場所で、眺めはありませんがのんびり休憩するのにいい場所です。
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