白倉山・笠松山・三又山・ドーム・中ノ尾根山・ヒコーキ平周回縦走


- GPS
- 15:32
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,254m
- 下り
- 2,156m
コースタイム
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 9:40
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 2:32
- 合計
- 8:53
天候 | 晴れ→雨/霧→曇→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
滑落注意箇所あり、山行日当日残雪多数、踏み抜き、道迷いその他注意 |
写真
感想
このところGW頃に自分の中では恒例となっている南アルプス深南部への山行。今年は、白倉林道の白倉権現ゲートより林道歩きを経て、GPS軌跡のような周回ルートを歩いた。三又山からヒコウキ平付近までは残雪があり、中ノ尾根山ピーク周辺は積雪深50〜60センチで最も雪が残っている。
まず白倉林道だが皆さんのレポの通り、道はゲートまで通れるとはいえ、未舗装路に入ってからは落石多数の悪路でパンクの危険性もある。ただ、戸中川林道ほどは激しくない(あの林道は経験上パンクの危険性は最上級!)。しかしながら途中で止まって石を除去したりしながら進んだ。
そして取付きだが、これもまた案外キツイ。この辺りの山域はどの尾根に取り付いてもいきなり急斜面だ。マップでは、朝日山登山口、平森山登山口、白倉山(白倉橋から)の3ルートがバリエーションルートとして記載がある。どれにしようか迷っていたが、平森山は結構危険でお勧めできないという情報があり、朝日山からにしようかと思っていたが、今回はルート上に残雪もあるとのことで時間がかかる可能性があるので、時間短縮で白倉山から入ることにした。
だが、この取付きも案外大変。いきなりロープ場で始まり、岩場を巻く急登だ。なかなかエグい登りで両手両足を使って登る。初めての自分にとってはなかなか緊張する場面だった(苦笑)。
岩場を巻いた後も急登が続き、基本的に踏み跡はほぼない。地形を見ながらひたすら登っていくしかない。登れば登るほど、足場は安定してくる。そして疎らに赤テープもあった。今回はテン泊装備で水も3L程度で総重量13.5kgぐらい。一気に登ったので体力をいきなり消費した。
このルートもどうやら一般的にはお勧めできそうにない。特に下りで使うのは。
尾根が見えてくる頃には笹薮も出始め、鹿フンだらけのトレイルとなる。稜線に上がってからは南東側にドーム〜中ノ尾根山〜黒沢山などが見えていて眺望がいい。
笠松山を越える頃には残雪が出始め、三又山の西側の斜面の急登区間では、残雪がルート上にビッシリ。そのせいかトレイルは見た目全く分からない。ここでチェンスパ装備、地図を頼りに登れる箇所を登っていく。針葉樹のブッシュを避けつつも、残雪では踏み抜き多数、気を付けないと足を痛めると思い、確実に行こうと考えて当初の予定よりだいぶ遅れた。
この頃から風が強くなってきた。その後ドームへの下りから登り返し、崩落地の脇を進むところも残雪があり危険のないところを選びながら進んだ。ドームを超えて中ノ尾根山を目の前に見れば全体的に真っ白、しっかりと雪があるのがよくわかった。標高を上げるほど残雪は踏み抜きが少なくなり、むしろ藪漕ぎしなくてすむ雪の上をキックステップで登った。
予定より1時間半ぐらい遅れて山頂に到着。山頂付近では4張のテントが張られていた。既に16時を過ぎていたので、皆さん幕内でゆったりしていた様子。
今回の泊地予定は、山頂から南へと少し下った開けた笹原。眺望がよく、少し窪地になっていて風もある程度避けられる箇所。残雪は多かったが、そこをキャンプ地とし、ツェルトを張ることにした。実はこの泊地、別ルートで前日から入山し縦走してくる知り合いと合流するポイントでもあって、ここで宴会する予定だったのだが、その方は結局到着していない様子。前日の雨で恐らく停滞しているんだろうと推測し、こちらは予定通りに待とうと決めた。
そこで、冷凍して持ってきた鳳来牛のランプ肉を焼いて、ワインのアテとして一人宴会。
風は比較的強くて寒い。早々に夕食を終え、19:30頃に横になる。
そして夜半過ぎ、詳細天気予報通り雨が降り出す。予想では時間雨量最大で2mmとなっていたが、風雨だしそれよりたくさん降っている様子。その頃からツェルトの天井が低くなっているのに気づく。ポールにしているトレッキングポールを見てみると、雪の中に沈み込んでいる。雨で雪解けが進んだのか?雪の硬いところを選んで張ったつもりだったが…。少し修正をしたが、再び沈み込む。その為出入口付近の三角部分に弛みが出てしまい、そこから次第に浸水が…(汗)
結局明け方頃まで断続的に降っていた雨だが次第に落ち着く。あまり眠れず、夜明けを迎えた。しかし外は霧が濃く、視界は悪い。予報では8:00頃には晴れてくるとのこと。そして自分の出発予定は、7:30と考えていた。どうするか?天候・視界が回復するのを待つか??しかし知り合いが南側から北上して移動してくるかもしれない。天候がいつ回復するかは難しいが、雨はとりあえず6:30頃には止んできたので、分かる範囲で撤収作業を開始し、出発することにした。
そして南下すること約10分。霧の中から知り合いの呼びかける声が聞こえた!姿は見えない。とりあえず返事をして、声の聞こえてきた方へ向かうと、出会えた!
何というタイミング。お互いの読みが一致した瞬間だった。
話を聞くと、やはり前々日の雨でペースを上げられず手前でビバークしていたとのこと。合流できてよかった。そこから一旦ヒコウキ平へ立ち寄り、再びP2214へと戻る。そこから後は中ノ尾根山登山口へ下るだけだが、霧と背の高い藪で視界は利かず、強い寒風の為なかなかスマホを出してGPSを確認することができずルートを行き過ぎて戻ったりしながら(軌跡が物語っている)下山ルートに乗せた。
カブト岩付近に到達する頃から、残雪もなくなり、笹薮も次第に背が低くなり、標高が下がって視界も開けてきた。倒木地帯でトレイルを見失わないように注意しながら下山する。途中、鹿待場辺りは、テン泊適地とも感じた。そして林道の登山口へと下るが、やはり最後は急坂で、取付きの所は半ば崩落しかけ(苦笑)。まぁこの山域はどこもそうなんだね。しかしまだマシだ。
そして登山口横にある休憩小屋を利用させてもらい、そこで昨夜できなかった宴会をして(食料は豊富にあった)、日差しもしっかり出ていたので濡れた装備品を干してゆっくりランチして、長い林道歩きで駐車場に到着、二人で車で帰途についた。
という事でいろいろと反省点も多い山行になったが、無事に下山できたことに感謝。深南部は他のメジャーな山域とはまた違う難しさがあり、そして残雪期はその時季特有の知見が必要。今回もいい経験になった。
長文を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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