岡山県西粟倉村 若杉天然林〜三国平〜峰越峠周回 森の芸術コース
兵庫県
鳥取県
岡山県
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 03:57
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 420m
- 下り
- 419m
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| 天候 | 曇り時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはありません。雨の日に傘を差しても歩けますが、若杉天然林内＜写真01〜07＞は石畳道やぬかるみがあるので登山靴がお勧めです。 若杉峠＜写真07＞から南東の1,124m峰へは地形図の破線の道がありますが、急に不明瞭になってすぐに逸れてしまいました。テープを追って南西の1,100m峰へと斜面を登りかけて引き返し、標高1,050m辺りで作業道に出合いました。ここ以外はほぼ明瞭な道です。峰越（みそぎ）峠＜写真24,25＞からゴールまでは舗装道路です。 若杉峠＜写真07＞から江浪峠＜写真16＞までは、一部道から逸れた箇所がありますが、ヤブコギではありません。 若杉峠＜写真07＞からしばらくは地形図の破線の道を辿ります。しかし、急に不明瞭になってすぐに逸れてしまいました。テープを追って南西の1,100m峰へと斜面を登りかけて引き返し、斜面を適当に東に下りました。幸い、植林帯でどこでも歩けました。標高1,050m辺りで作業道に出合い右折したら南下してしまったので引き返し、左折して尾根の一段下の作業道を進み、無事に合流できました。合流点には尾根から下りてくる道と白いプレート状の道標がありました。 江浪峠＜写真16＞北西の1,130m峰周辺は、県境沿いに道があります。どこでも歩けるので大回りしてしまいました。 |
| その他周辺情報 | あわくら温泉駅の西に湯〜とぴあ黄金泉があります。営業時間は12〜21時（最終受付20時半）、年末年始（12月31日〜1月3日）は10〜21時（最終受付20時半）、定休日は火曜日です。 |
写真
01若杉天然林駐車場前フランスギク…直径3〜4cmと少し小さめの花が2輪咲いていました。鋸歯のある葉の幅は1cm程です。ヨーロッパ原産で観賞用に持ち込まれた帰化植物なので、本来、周辺に民家のないここにはないはずです。登山靴などについた種が落ちたのかもしれません。駆除の対象ではありませんが、よく増えるので影響が出ないか見守りたいと思います。
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02ヤマボウシ…同じく駐車場前です。左右にありました。ハナミズキとは違い、花弁のように見える総苞片の先端は尖ります。中心部の黄緑色の部分は、小さな花が密集したものです。
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04苔むす石群の斜面…道の左（西）側です。今回は薄暗く肉眼ではあまりきれいに見えませんでしたが、それなりに明るく写っています。動画も撮りました。
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05散ったヤブデマリ…ムシカリ（オオカメノキ）に似ていますが、白い装飾花は1裂片だけがやたら小さいです。花はほとんど落ちていました。せせらぎと一緒に動画も撮りました。
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06石畳道…ここは岡山県と鳥取県を結ぶ道で、昔の石畳が断続的に見られます。濡れると滑りやすそうですが、登山靴なら大丈夫です。歩きながら動画も撮りました。
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08コナスビ…直径1cm少々の小さな花です。丸い実はナスではなくミニトマトに似ています。周辺は少し開けており、すぐ側の杭のような道標から細道に入りました。
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10アシウスギ並木…杉にはオモテスギとアシウスギ（ウラスギ）があり、県北ではアシウスギが一般的のようです。日本海側を中心とした寒冷地に適したスギで、枝垂れた枝が地面につくと発根するのが特徴です。そのため、枝打ちしないとこのように地面からこんもりと茂って見えます。県境尾根沿いはこのような杉並木が続いていました。歩きながら動画を撮りました。
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11タンナサワフタギ…直径1cm程の花はおしべが長く目立ちます。サワフタギによく似ていますが、葉はより丸みを帯び、先端がつまんだように細長く伸びます。また、葉の鋸歯はより粗く大きいです。鋸歯の向きはあまり参考になりません。今回見かけたのはすべてタンナサワフタギのほうでした。
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12杉大木…幹が途中で折れて手前に転がっていました。樹高はそれほどでもないのですが、横に立っている連れの幅から推測できるとおり、太さはかなりあります。なかなかの古木のようでした。
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17三国平…展望は効きませんが、開けており椅子代わりの丸太が多数転がっています。団体さんもゆっくり休憩できます。一周しながら動画を撮りました。風が強まってきましたが、ある程度しのげるのでよかったです。
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18コブのある大木…コブの幅は1m程ありそうでした。細菌やカビが入り込んだり傷ができたりすると、それを治そうと周辺の細胞が異常に増殖し、盛り上がることがあります。人間でいうと、傷口のかさぶたが異常に盛り上がるようなものです。動画も撮りました。
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19ツリガネタケ小型タイプ…大型タイプは明るい茶色と白の縞模様でサルノコシカケの仲間らしい形ですが、これは小型タイプでカサの直径は3cm前後、色は暗めで横から見るとこのように釣り鐘型に見えます。動画も撮りました。この木の折れて倒れた幹の切り口にもたくさん生えていました。
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21根元が太い倒木…道の西側に少し逸れて側まで行ってみました。根元がやたら太く、そこから幹への曲線美はなかなかでした。動画を撮り見えていない東側に回り込んでみると・・・＜写真22＞へ。
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22絡み合った倒木…東側から＜写真21＞の倒木を見たところです。なんと、根元（右）から別の木がこの木を上下に挟むように伸びていました。右奥が＜写真21＞の倒木、左手前がもう1本の木です。2本重なっていたので妙に太く見えたのでした。動画で見るとわかりやすいと思います。
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23ホウロクタケ？…カサの直径は6〜12cm、裏は管孔が迷路状になっていました。付け根周辺の厚みは太いものは5cm近くありました。色が薄いですが、カサの表側がコブ状にあっちこっち盛り上がっていることから、ホウロクタケではないかと思いました。
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24峰越峠兵庫県側より岡山県側…この少し南からゴールまで舗装道路です。峰越（みそぎ）峠は兵庫県と岡山県の県境付近にあります。兵庫県側から岡山県西粟倉村の道標を見上げてみました。
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26タンナサワフタギ＆ヤマウラギンヒョウモン…ウラギンヒョウモンは後翅裏側の付け根近くに白斑が3つ並んでいることでギンボシヒョウモンと見分けられます。ウラギンのほうは岡山県内には2種類います。前翅の先端から側面の縁のくびれがあまりきつくないので、サトウラギンヒョウモンではなくヤマウラギンヒョウモンと判断しました。動画には2頭（チョウは1頭、2頭と数えます）映っています。
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28カントウマムシグサ？…茎葉2、鋸歯がある小葉は11枚と7枚、偽茎はマムシ柄でベージュ色、舷部は透明感がありうっすら紫色を帯びた緑と白の縞模様です。舷部の色合いからするとカントウマムシグサでしょうか。
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29ツルアジサイ…イワガラミと同様に木や岩に絡みついてよじ登ります。葉は丸みを帯び、葉柄が5cm前後となかなかの長さです。装飾花の白い萼片はイワガラミは1つしかありませんが、これは4つくらいあります。また、ノリウツギとは違い、花序は円錐形にはなりません。
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30ウツギ…萼や葉裏に毛が多いです。岡山県では中部に分布するヒメウツギは葉裏に毛がなく、マルバウツギは分布していません。咲き始めの木が多かったのですが、この木は満開でした。動画も撮りました。
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31イボタノキ…全縁の葉には光沢がなく、長さ1cm程の花はまとまって枝から垂れ下がるようにつきます。きれいな対生ではない葉のつき方に少し違和感を覚えましたが、イボタノキでしょうか。動画には、蜜を吸うイカリモンガも映っています。
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33コガクウツギ…ガクウツギよりも小さな葉の長さは5cm以下です。岡山県にはガクウツギは分布していません。そろそろ花期も終わりのようで、ここだけでした。このすぐ上のヤマボウシは動画だけ撮りました。
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34シマヘビ黒化型（カラスヘビ）…ほぼ黒ですが、頭から首にかけて白い部分が多く、その下もまだらに白が入ることがあります。岡山県に多いヤマカガシの黒に近い紺色の個体に似ていますが、あごに黒い縦筋模様がなく、腹部は黄色くありません。この個体は本来胴体にある黒い筋模様がかなりはっきり見えています。全身を動画に撮り、正面からもと動いたとたんに逃げていきましたが、普通のシマヘビよりも動きが緩慢でおとなしそうでした。
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35ノムラモミジ…葉の大きさは4〜7cm、裂け目の付け根周辺が少し狭まる形からノムラモミジと判断しました。新葉が赤い品種で、緑色になりかけて遠目にはどす黒く見えました。見上げて薄日に透かすと、実物よりも妙に淡く明るい色に😅この道沿いに何本か植えられていました。秋にはバラつきなくきれいに紅葉するでしょう。
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36ツチガエル＆モリアオガエルのオタマジャクシ…小さいほうはモリアオガエルで体長1.5cm程です。泡状の卵塊が落ちており、おそらく孵化してからあまり経っていないでしょう。岡山県では絶滅危惧�粁爐覆里如∋１鴇貊蠅鷲�せました。
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37パクパクするツチガエルのオタマジャクシ…体長は2cm程です。尾などに白斑が多く、黒目を貫く黒い十字模様があります。白いお腹は内臓の一部が透けて渦巻き模様に見えます。動画を撮りました。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子（フード付き）
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
ザックカバー（防水用）
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
虫よけスプレー
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感想
【天然の森で自然が造り出す芸術鑑賞】
この日も梅雨時あるあるで出発間際まで天候が不安定でした。この春以降、岡山県北部の山にはまだ2回しか登っていないので、行けるようなら県北へと雨雲レーダーを確認し、午前中は天候が崩れないだろうと思われる西粟倉村（にしあわくらそん）を選びました。
出発点としたのは、若杉天然林（若杉原生林）です。西粟倉村の最北端、北は鳥取県智頭（ちづ）町及び若桜（わかさ）町、東は兵庫県宍粟（しそう）市に接しており、83ヘクタールにもおよぶ樹林帯にはブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなどの巨木をはじめとした199種類の樹木が立ち並ぶ中国地方でも有数の天然樹林です。昭和61年（1986年）には、県下で最初の「森林浴の森日本百選」に選ばれ、遊歩道が整備され、絶好のハイキングコースにもなっています。樹齢200年前後のブナの巨木群が繁るこの原生林では炭焼き窯の跡が発見され、200年前に一度ブナが伐採されてタタラ製鉄用の炭に利用されたことが近年判明しました。また、近くに元禄年中より稼行していた永昌山（えいしょうやま）鉄山の遺構があります。
若杉天然林駐車場からしばらくは、吉野川の源流沿いを歩きました。源流（沢）の小滝＜写真03＞や苔むす石群＜写真04＞、昔の石畳道＜写真06＞など、まるで絵画を見ているかのような美しい景観でした。
若杉峠＜写真07＞まで来ると、しばらくは地形図の破線の道を進みました。しかし、急に不明瞭になってすぐに逸れてしまいました。テープを追って南西の1,100m峰へと斜面を登りかけて引き返し、斜面を適当に東に下りました。幸い、植林帯でどこでも歩けました。標高1,050m辺りで作業道に出合い右折したら南下してしまったので引き返し、左折して尾根の一段下の作業道を進み、無事に合流できました。合流点には尾根から下りてくる道と白いプレート状の道標がありました。どこで間違えたのか不思議です。
ここからは迷いようのない細道で、根曲がり杉＜写真09＞、杉の大木＜写真12＞、倒木の根＜写真14＞、イナバウアー杉⁉＜写真15＞と、自然が造り出した芸術的な木が次々と目の前に現れました。江浪峠＜写真16＞北西の1,130m峰周辺は、県境沿いに道があります。おそらく、よく見ればテープがあったのでしょうが、木が茂ったピークを適当に巻いていたら、どこでも歩けるので大回りしてしまいました。
三国平＜写真17＞は展望は効きませんが、開けており椅子代わりの丸太が多数転がっています。風が強まってきましたが、ある程度しのげるのでよかったです。暗くなったかと思えば急に日が差したりと不安定で不思議な天候でしたが、ちょうどこの辺りからエゾハルゼミのグワーヒィー、グワーヒィー、ウィウィウィウィという鳴き声が聞こえるようになりました。彼らが鳴いているうちは雨が降らないだろうと安心して、予定通り峰越（みそぎ）峠＜写真24,25＞へと進みました。
コブでもこもこになった木＜写真18＞、ツリガネタケ小型タイプの群生が宿る木＜写真19＞、根元から幹への曲線が美しい木＜写真21＞など、ここでも自然が何十年、何百年もの歳月をかけて造り出した自然のアートを鑑賞しているようでした。この日のコースは、まさに「森の芸術コース」でした。
【舗装道路はお決まりの花ロード】
峰越（みそぎ）峠＜写真24,25＞からゴールの若杉天然林駐車場までは、舗装道路を歩きました。岡山県の舗装道路あるあるで、今回もやはり舗装道路のほうが花が多く見られました。
ウツギ＜写真30＞は咲き始めから満開までさまざまで、タンナサワフタギ＜写真11,26＞も何度も見かけました。サルナシ＜写真32＞は実物を見たのは初めてだったのでテンションが上がりました。タニウツギはほぼ終わっており、ブタナはなぜか1株ポツンとあっただけ、イワニガナやニガナは今回はスルーしました。
とにかく県北に行くことしか考えておらず、花には期待していませんでしたが、終わってみれば今回もそれなりに花がありました。これからは夏の花が増え、特に沢沿いなどはにぎやかになるかもしれません。
【小さな水たまりの命のドラマ】
今回のコース上は、天候により水たまりができる箇所がいくつかあります。場所は伏せましたが、そのうちの1つ＜写真36〜38＞が生き物だらけになっていました。
すぐに干上がりそうな浅く小さな水たまりですが、のぞき込むと体長2cm程のツチガエルのオタマジャクシと、少し小さく色が薄いオタマジャクシがいました。端のほうには薄いベージュ色の泡が。なんと、モリアオガエルのオタマジャクシでした。体長1.5cm程で、おそらく孵化してからあまり経っていないでしょう。見上げると、上に木の枝がありました。ここに産むか・・・。岡山県では絶滅危惧�粁爐忙慊蠅気譴討い泙垢�、県北では舗装道路から卵塊が見えることも多く、木の上から母親？が降ってきたこともあります。なじみがないわけではないのですが、オタマジャクシを見たのは初めてです。
よく見ると、アメンボの仲間が交尾中で、彼らもまたこの水たまりを生息場所としているようでした。帰宅後に動画を確認していると、また別の水生昆虫の姿もありました。
今はいいのですが、これから猛暑で晴れる日が続けば、この楽園は消滅してしまうかもしれません。彼らが無事に成長し一生を終えられますように。
こっそり拍手
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