向半四郎山、半四郎山、広見山（国道488号広見〜向半四郎山〜広見山、往復）【益田市、島根県】
島根県
otoh
体力度について
- GPS
- 04:39
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 897m
- 下り
- 900m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 4:18
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 4:39
広見の駐車スペース 842 ― 広見山登山口 847 ― 渡渉 858 ― 向半四郎山 942/947 ― 鞍部 955 ― 半四郎山 1008/1010 ― 休憩 1022/1030 ― 広見山 1057/1105 ― 休憩 1122/1131 ― 半四郎山 1152 ― 向半四郎山 1211 ― 昼食 1224/1237 ― 渡渉1304 ― 広見山登山口 1314 ― 広見の駐車スペース 1319
●行動時間 4:37
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
（広島家＝益田市匹見町広見） 広見―登山口―向半四郎山―広見山―向半四郎山―登山口―広見 （益田市匹見町広見＝広島家） ●登山口へのアクセス ○益田市匹見町広見、広見山登山口 ・広島県廿日市市吉和から林道「大向・長者原線」を進み、終点で国道488号へ。そのまま県境を越えて10kmくらい進むと、林道「広見線」の分岐点があり、そこから30m先に駐車スペースがある ○国道488号について ・国道488号は吉和から県境を越えて益田市に至る道だが、益田市匹見町の裏匹見峡の付近が長期通行止めとなっており、同道で益田市側から匹見町広見には行くことができない。今回のように広島県側から林道〜国道ルートで行くか、益田市から国道488号〜県道42号〜大神ヶ嶽神社〜林道〜吉和の国道488号というルートで行くかくらいしかない。なお、吉和町内の国道488号にも途中に通行止めがあるが、上記の通り林道大向・長者原線経由でその通行止めを迂回することができる ・林道〜国道488号にて県境の三坂峠を越え島根県側に入ると、狭隘な道が延々続く。途中に路肩が崩れて仮復旧したのみの区間があり、そこでは幅員が極端に絞られる。一応公称幅員は2.0mであり、今回利用した普通車は車幅が1.695mであったが、特に困るほどではなかった。 ・ただし、とりわけ島根県側では行き違いできるところが0.6kmくらいごとにしかないので、悪いタイミングで対向車が来た場合は悲惨なことになる （2025.6現在） |
| コース状況／ 危険箇所等 |
◯広見山登山口〜向半四郎山 ・登山口からはまず樹林帯の見たが一定斜度で上がっていく。目立ちにくい誘導テープがあることはある。標高900m付近から樹林帯ではあるが下草のない急斜面が始まり、ルートも踏み跡だけでは捉えにくくなる。しかしその辺りからはピンクテープによる誘導が現れるので、それが目当てになる。標高1,000mを超えると再び低層灌木や笹原のある樹林帯道になるが、山頂部が近づくと開放的な笹原を登るようになる ・文字のある案内はないが、テープが適度に設置されている ○向半四郎山〜半四郎山 ・向半四郎山からは笹原に埋もれそうな踏み跡をジグザグに下降、鞍部からは樹林の中を登る。半四郎山側は踏み跡が分かりやすいが、山頂部はどちらも笹原となっており、踏み跡を探りながらの歩行となる ・向半四郎山には山名標が残っていたが、半四郎山には山名標は見当たらなかった ○半四郎山〜広見山 ・ブナなどの樹林の中を昇降する。途中、等高線では読み取れないような小さな水流横断もある。全般に緩やかな道取り。 ・標示はないが、踏み跡は明瞭 ※広見山から北東のミチガ谷方面への道は、他の方の頁にもあるとおり上部は笹原に覆われており、ルートファインディング力と笹藪突破力が求められそうだ （いずれの記述も2025.6現在） |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアは、吉和にはデイリーヤマザキ提携の店舗があるが24h営業ではない ・飲食店は、吉和の女鹿平にあるが、営業状況は確認してから行った方が良さそうだ ●日帰り温泉 ・吉和には「女鹿平温泉クヴェーレ吉和」「潮原温泉松かわ」がある。不詳だが、日帰り入浴はできるようだ （いずれの記述も2025.6現在） |
写真
文中の道路名も表しています。
ご参考までに
広島県廿日市市側から益田市側を見ています
【国道488号三坂峠にて】
帰途撮影。ここが一番の狭小区間ですが、普通車でも通るは通れます。
養生鉄板の下が剔られかけていることが気になります
【匹見町広見の国道488号狭小区間にて】
1
ここが一番の狭小区間ですが、普通車でも通るは通れます。
養生鉄板の下が剔られかけていることが気になります
【匹見町広見の国道488号狭小区間にて】
さて、出発です
【匹見町広見の駐車場所にて】
数年前の設置のようです
【匹見町広見付近にて】
林道へと進みます
【匹見町広見付近にて】
【広見駐車場所〜広見山登山口】
かつての集落跡を示します
【広見駐車場所〜広見山登山口】
オンリーワン倶楽部設置のもの。
感謝です
【広見山登山口にて】
集落の路地ですね
【広見山登山口にて】
【広見山登山口〜向半四郎山】
旧羅漢と右端に十方山
【広見山登山口〜向半四郎山】
道が見えるような気がしませんか？
【広見山登山口〜向半四郎山】
標示はオンリーワン倶楽部さんのもの。
一面笹原です。
背後は安蔵寺山
【向半四郎山山頂にて】
前の写真の左側、南面。（帰りに撮影）左は吉和冠山から寂地山にかけて。右は大神ヶ嶽と赤谷山。右端には安蔵地山
【向半四郎山山頂にて】
左は吉和冠山から寂地山にかけて。右は大神ヶ嶽と赤谷山。右端には安蔵地山
【向半四郎山山頂にて】
左寄りに頭だけ見えているのは女鹿平山のようです
【向半四郎山山頂にて】
左に広見山、右に半四郎山。
その背後には恐羅漢山
【向半四郎山山頂にて】
【向半四郎山山頂にて】
【半四郎山にて】
【半四郎山にて】
同時に人が少ないためか、笹原もまぁまぁ卓越
【半四郎山〜広見山】
ついに広見山に着きました！
【広見山山頂にて】
かろうじて広見山だと分かります
【広見山山頂にて】
左恐羅漢、中央奥が十方山、右は旧羅漢山
【広見山山頂にて】
歩行だけではないですが遠い山でした
【半四郎山山頂にて】
【半四郎山山頂にて】
踏み跡はそれらしく踏み固められています。
慎重に歩けば見極められます
【半四郎山〜向半四郎山】
樹海の中という気がします
【向半四郎山〜広見駐車場所】
【向半四郎山〜広見駐車場所】
【向半四郎山〜広見駐車場所】
【向半四郎山〜広見駐車場所】
登山口に戻りました
【向半四郎山〜広見駐車場所】
【匹見町広見付近にて】
駐車地点の約1�卆茲任靴�
【匹見町広見の国道488号通行止め末端にて】
感想
○プロローグ
ヤマケイの「分県ガイド島根県の山」に載った山々のうち、行きにくい山の一位か二位じゃないかと思うのがこの広見山だ。
この山は何よりアプローチが悪く、メジャーな登山口「広見」には、国道488号で広島県側から寄りつくことしかできない。「広見」は島根県益田市匹見町にあり、裏匹見峡が知られた場所だが、その裏匹見峡のあたりで国道488号が通行止めとなって以来、島根県にありながらも益田市から直接行くことができなくなっている。加えて国道488号は“酷道”として有名な道で、広島県側の吉和から広見に至る19kmを走破した人からは、倒木落石がひどいうえに軽四でしか通れないほどの道幅規制があるとも聞いた。さらに吉和地内においても国道488号の通行止めが発生しており、並行する林道「大向・長者原線」を迂回するというルートを知っていない限りは県境にたどり着くことも叶わない。
また、山自体もどの程度コースが明瞭なのか不明だ。仮に広見からの登山が叶わないとなれば、旧羅漢山を超えていくコースなどがあるのだが、そちらのコースでは広見山山頂直下に笹藪が待ち構えているようだ。山に入ることができても、広見山にたどり着けないことにもなりかねない。
そうこう心配するうちに、今年の5月からヤマレコにも広見山の記録が2年ぶりに掲載されるようになり、しかもそこにはコース整備の状況についても記されている。どうやら広見から入れば向半四郎山越しに行くことができるようで、そちらのほうが無難であること、国道488号の狭小区間も軽四オンリーというほどでもなさそうなことが判り、ようやく行ってみる気になった。
そうこうしているうちに、広島へ転勤することとなった。予想もしない、一年での広島復帰だ。驚きではあるのだが、山に対しては悪いことでもない。広見山へは米子から行くよりも広島からの方が早いことは間違いない。そんなことから、広島に復帰してまず最初に行く山として広見山を選定した。
○酷道で匹見町広見へ
夏のように暑い一日が予想される中、6時台には家を出て廿日市市吉和へと向かった。吉和からは林道「大向・長者原線」に入り、終点で国道488号へと進む。三坂峠までは1.5車線のありがちな道が延びているが、峠で県境を越えると様相は一変する。
険しい山肌に摺り合わせるように付けられたくねくねの道はほぼ1車線しかなく、すれ違いができるところもせいぜい600m〜1.2kmくらいごとにしか現れない。登山道を舗装したかのようなその道を進んでいくと、やがて路肩が崩れた「狭小区間」が現れる。特に慎重を期さずとも通り抜けることができたが、あとでよくよく見ると、路面に敷かれた養生鉄板の下は剔られている。さらに崩れが進行したら、いよいよ通行不能になるかもしれない。
さらに進み、いよいよ広見林道の入口のあるU字カーブが出現、その先には近年設置された「広見」の案内標示も立っている。
そのすぐ先に駐車スペースがある。なんと今日は先行車が一台。山人か釣り人かは分からないが、先行者がいることにやや安心。
○広見山
駐車して広見山へと出発。轍道となっている広見林道を進み、ほどなく広見山登山口。益田市の梅谷憲二氏主催のオンリーワン倶楽部（＝お一人という意味らしい）が設置したおなじみの標示がよい目印だ。それにしても「匹見町のミステリースポット」とは凄い。確かにここまで来るだけでもパワーが要るので、ミステリーな場所かもしれない。
登山口からは、細い斜路を登っていく。両側にはかつて家屋があったのであろう段々の平坦地がいくつも続く。かつては70戸あまりが広見で生活していたという。この道沿いにも数軒あったのであろう。
家屋跡が切れると樹林の中を一定斜度で登り続ける道になる。概ね直線で登っていくので見失わないが、目立つマーキングもなく、しっかりとした踏み跡でもない道は心細い。手にしたGPSマップ上の地理院地図の点線道をキチンとなぞっており、それが唯一の拠だ。
標高900m付近から斜度が急に高まり、周囲も下草のない樹林帯に変わる。ますます踏み跡が発見しづらくなるが、その代わりにピンクの誘導テープが頻出するようになる。それを頼りつつ登っていく。標高1,000m付近で再び斜度が緩み、また笹原を伴う道に戻る。暫く進むと樹林を抜け、開放的な笹原を登るようになる。ほどなく向半四郎山の山頂に到着、山頂にはこれまた見慣れたオンリーワン倶楽部設置の山名標が立っている。
今日は360度の大展望が広がる。北東の広見山、半四郎山、その背後には恐羅漢山、旧羅漢山も居並び、いずれも穏やかな山容を見せている。
山名標の背後には、ちょうど大神ヶ嶽、赤谷山のあたりが見えており、その背後には安蔵寺山も確認できる。
向半四郎山からはジグザグに下降し、次の半四郎山へと進む。半四郎山への登り返しからは高山樹林帯の様相となる。それと笹原がおり混ざり、一部では道筋が分かりにくくなっている。
到着した半四郎山には山名標はないようだ。2年前はあったようなので、朽ちてしまったか。東北面に見える山並みは先ほど同様だが、旧羅漢山の背後の十方山がより明瞭に見えている。そこからはほとんど樹林帯の中の歩きとなる。ブナなど高山帯の木々も目に付く。
標高差100mほどを下り、緩やかに登り返していく。道筋を見失うほどではないが、笹も混じる道筋を注意深く進む。やがていよいよ広見山の山頂部へ。山頂からは正面に恐羅漢〜旧羅漢の山並みが見える。笹原の中の山頂部には、オンリーワンクラブ設置の山名標も残っているが、文字が剥げてしまい“広見山”と判読するのも難しくなっている。
北東のミチガ谷方面を探ってみるが、先人が書かれている通り、笹藪だらけで、道を見極めることすら叶わない。こちらへと進むことはあきらめ、当初予定通りに来た道を引き返すことにする。
帰りは来た道なのだが、ところどころ行先不安になることも。やはり不明瞭さは他よりも高い気がする。
再び半四郎山、向半四郎山のピークを過ぎるが、いずれも笹原の中を抜ける。今日の陽差しは6月とは思えないほどに強く、進むうちに気分が悪くなってくる。6月は多忙で山に行くのも久しぶりだが、あまり野外活動をしていなかった。それに加えてこの暑さだ。どうやら熱中症の初期段階のようなものだったのかもしれない。帰りの車の中では、足が攣りそうになってしまった。
向半四郎山からの下りを休み休みに進み、せせらぎの音が渓谷の轟音へと変化していくのが心地よく、それを和みにどうにか車へと戻りついた。
〇国道通行止め区間見学と帰路
リュックを車に積み、通行止め区間の末端まで入ってみようと車を反転させた。すると、突然目の前にクマが現れた。形を見ると小熊のようだ。こちらが車なので慌てて走って逃げて行ったが、まさにクマ。ちょっとぎょっとした。ツキノワグマは初めて見た。
通行止め末端までは、駐車箇所から約1�辧４莨罎丙瑤�なされており、当面開通させる気はない意志がひしひしと伝わるものだった。広見の地が無人になって久しいのであろうが、山登りや渓流釣りに訪れるにしても一方ならぬ苦労がある。完全な秘境となるのも時間の問題だと思った。
〇エピローグ
かくして、緊張感の高い山行きは終わった。自分と向き合うには最高の地だった。
果たして、もう一度この地に来ることはあるだろうか。たぶんないであろう。
いいところではあったが、そう思うほどの難儀な場所だった。
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