幌尻岳 平取(額平川)


- GPS
- 27:11
- 距離
- 31.8km
- 登り
- 2,002m
- 下り
- 1,997m
コースタイム
- 山行
- 9:09
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:39
天候 | 8/4 曇り 8/5 雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://www.town.biratori.hokkaido.jp/material/files/group/1/toyonukasansou.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
長野県の田舎人が訪れるとこんなイメージになります。 <とよぬか山荘から第2ゲートまで> シャトルバスの運行については平取町山岳会のホームページまたはLINE登録を行って下さい。 https://biratori-sangakukai.com/ <第2ゲートから北海道電力取水施設> 北電の管理道路(ダート)約8kmを歩き通します。 川沿いにあり、風通しの無い所には多くの虫が潜んでいます。 特に天気が良い程、多くのアブにたかられます。 防虫対策は必要です。 (ここまで来て感染症で炎症起こして行動不能になる事は避けたいですね。) 私は、下半身はネイビーカラーのヤッケ、上半身は白のTシャツとインナーウェアは灰色の冷感コンプレッション 長袖クルーネックを着ていました。確か自宅近所のホームセンター(農耕器具販売コーナ)やワークマンで買ったものです。 基本、黒はダメです。 髪の毛も黒なので帽子などで隠さなければなりません。(髪の毛の中にアブが潜り込んでくる) 足元のアンダータイツは黒が多いと思いますが、残念ながら自ら吸血虫を呼んでいるのと同じです。 手袋は滑り止めが付いている白い軍手です。ホームセンターやワークマンならどこにでも売られています。 つまり、普段の畑仕事用のスタイルです。 よくこの恰好で草刈り作業等を行っています。 効果あったか分かりませんが携帯用蚊取り線香を焚いていきました。 結果として、登り下りとも被害を受けませんでした。 登山の恰好は幌尻山荘からで良いです。 <北海道電力取水施設から幌尻山荘> 当日の川の水量については、8月4日の時点で平取山山岳会の公式アナウンスでも報告はアップされていませんでした。 (連絡がないという事は自己責任で入山出来る) https://biratori-sangakukai.com/ ↑LINEでお友達登録すると便利です。 長野県の自宅から持参した渡渉棒(φ20×L1500mm)を持参しました。 私の地元では川掃除や貯水池の清掃と言った水に関わる地域イベントが多いため、歩く際はこの様な棒を持って行くことがあります。 この棒で自らのバランスを取り、行く先の全ての障害物(生き物を含む)を排除して通行の安全を確保します。また相方の通行(ここでは渡渉)をフォローします。 なので軽量のストックを水の中に刺して使う事は私には考えられません。 この渡渉棒はひしゃく用木柄を使ってます。(強度があれば何で良い) 何を使ってアプローチするのかは登山者力量次第であり登山者の責任です。 今回は新日本海フェリーで小樽から上陸したので、持参する事が出来ました。 周知の通り、幌尻山荘までの4km区間は川を遡上しなければなりません。 この区間は整備された道ではなく、川の流れと深さを見極めながら進む事になります。 対岸には断片的にマーキングや登山道はありますが、あくまでも断片的です。 山荘まで川を遡上するため、歩くべき道筋が読めるなら対岸の登山道を歩く必要も無いと思います。ルートは自由にとれるという事です。 自分で考えて歩くのも良いですが、「歩き易い所」には赤テープマーカがあります。 水中に岩に藻が生えている所もあります。 フェルト底で藻を踏みつけるとは効果ないどころか、藻をフェルトにこびり付かせるので、その後のグリップ力が低下します。 (タワシで岩を擦るとタワシに藻が張り付くのと同じ) この様な岩の上に乗ってはいけません。 それは「藻」が見極められればの話です。 結論として、川歩きの経験の無い方の単独行はお勧めしません。 転んで水没したり、ストックをへし折った方も多いと思いますが、水量と流れもあるので立ち上がる事が困難な場合は致命傷になるかもしれません。 <幌尻山荘から幌尻岳山頂> よく整備されています。 ただし、山荘からカール稜線までの勾配は30度を超え、スキー場のジャンプ台を直登するイメージになります。 そこから先は山頂を左手に見ながらの素敵なカール歩きを楽しめます。 理想の行程として、 4時始発のシャトルバスで向かう場合。山荘には9〜10時到着。山頂は12〜14時までに到着。山荘まで15〜16時位に下山出来きるプランを頭でイメージ出来れば、幌尻岳を訪れても良いと思います。 |
その他周辺情報 | びらとり温泉ゆから http://www.biratori-onsen.com/ 500円@大人 |
写真
食堂にあるオニギリ2パック(1パック2個入り)を受け取りました。
その内、1パックを食堂で食べてからバスに乗り込みました。
天候は終日曇りの予報でしたが、雲量は2,3割程度でした。
全員が揃った所で出発です。
道中、多くのエゾシカが道を横切って行きました。
さながらサファリパークでした。
下車した所で荷物を受け取り、蚊取り線香を炊いて出発します。
この時、Germin etrex20の保護シリコンラバーケースをここで落としてしまいましたが気が付いていませんでした…。
その中で自分達が先陣を切りました。
直ぐ後ろから♪ちゃんとさかっちさんの2名が登って来ました。
とよぬか山荘で同じ部屋だった事もあり、長い林道でしたが退屈せずに歩き通す事が出来ました。
幸いにも刺される事はありませんでしたが、人によっては強い炎症を引き起こす事があるので、この手の山道で肌を露出させない事は大前提です。
私は普段の河川作業で使っている安全靴に切り替えました。
(靴底にフェルトのインソールをボンドで張り付けた程度)
相方のK氏はしっかりを沢靴に履き替えました。
経験的に私が先行する事にしました。
最初のの渡渉は深みから回り込みましたが…
3人共に避けた様で浅そうな所から入ったつもりですが、そういう所は流れが速くバブルで沢底が見えず逆に難易度が高いです。
折角渡ろうとしているので急流な所は私がフォローしました。
予定では2時間を想定していましたが、川の水流も落ち着いていたので早めに到着しました。ソロなら1時間20分かからなかったと思います。
管理人さん2名が外で作業をされていました。
管理人さんに姓を名乗って到着した事を伝えます。
その後、受付を済ませて食料と寝袋を小屋内の指定スペースに置いてからアタックザックへ装備を変更します。
4月14日から2人で計画してから、ここにたどり着くまでに公私共々色んなドラマがありましたが、1回の計画でたどり着けた事は奇跡だと思います。
私は幌尻岳で74座目ですが、その中でも最難関でした。
途中でツアーの方々が登って来ました。
その中の年配の女性からGPSの保護シリコンラバーケースがゲート前に落ちていたのを拾って頂き、ここまで持って来てくれました。10gもないシリコンカバーですが、ここまで持ってきて頂き改めてお礼を伝えました。
ありがとうございました。
この時点で翌日の天気は雨。
もし翌日の下山が難しいと判断される可能性があれば、この日の内に下ろうと考えていました。
ただ、K氏の体力が限界に近付いている様です。
この時の時間は15時26分。あと10分で小屋にたどり着きますが、15時半から取水口迄下るのに17時近くなります。
そこから林道を歩いても19時前になるので、バスには間に合いません。厳しい選択を考えなければならない中、不安は尽きませんでした。
無事を確認した所で宴会に誘われましたので、お付き合いする事になりました。
難易度高い山の山小屋に来ると妙な団結感が生まれるのは本当です。
楽しい時間を過ごせました。
お二人には感謝お礼申し上げます。
この時点では雨は降っていませんでした。
すでに周囲では下山準備を始めていました。
3時過ぎた頃から雨が降り始めました。
管理人の話ではこの後雨は止む方向にあるのでバスは来ますとの通達があり、我々も下山準備を始めました。
ただし、まだ外は暗いです。
日が昇って水中が目視できる4時過ぎまで我々は待機しました。
始発のバス組の中では最後尾になりましたが、私も暗闇で川を歩く気はありません。
K氏は焦っていましたが、ここは辛抱です。
その後、4時10分ごろと思います。
明るくなったので下山を始めましたが、案の定山荘から1km下山しない内に先行していたツアーを追い越しました。
そこで♪ちゃん達と再会。山歩きの経験は豊富な方なので力ずくで川を下って来たと思います。
再び私が先行で一緒に下ります。
途中に幅が極端に狭いヘツリがあったり、フォローが必要な所が多数あります。
私もそんな事をするなんて想定していなかったけど、ケガもなく安全に下ろすことが出来たので安堵しました。
4名全員で取水口まで戻る事が出来ました。
それだけ緊張した雨の川下りでした。
写真撮影している余裕はありません。
装備
個人装備 |
渡渉棒(φ20×L1500mm)
ヤッケ(下半身)
滑り止め付き軍手
畳み麦わら帽子(φ350mm)
虫よけネット
携帯用蚊取り線香
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感想
幌尻岳 74座目
2回目の百名山ツアー北海道編が始まりました。
今回は積雪期BCでいつもお世話になっているK氏と同行します。
相方は今回のツアーで百名山達成なので、気合が入っていました。
今年4月の頭時点で幌尻山荘の予約は殆ど埋まっていました。
正直、ここまで埋まっているとは考えが及んでおらず、甘い認識でした。
本土から北海道へ向かうためには公共機関の予約も必要なので、予約は早めにしなければなりませんが、肝心の山小屋の宿泊が取れませんでした。
本気で腹を括ってチロロ林道ピストンも考えましたが、50代になったばかりの我々でも厳しい山行になる事が予想されます。
平取町山岳会に問い合わせた所、折り返して平取町役場のふるさと納税担当者様からふるさと納税なら8月4日で2名の枠がありますと連絡して頂けました。
奇跡が起きたと思いました。即答で了承して手続きを行いました。
(住民税控除を受けられるので、通常予約で申し込むより2000円お得になりますが、山荘にたどり着けない場合は平取和牛肉かトマトジュースの何れかの返礼品を受け取ることになります。)
フェリーの予約等の準備を着々と進め、この日を迎えました。
登山道の状況にも記載しましたが、標高が低く川沿いの長い林道歩きが続きます。
最も湿度が高いこの時期は虫たちの活動が活発になります。
私の地元、長野県でも同じですがお盆休み前の川沿いの林道は、害虫の宝庫であり虫よけ対策が必須となります。
登山は幌尻山荘からと考えていたので、林道はいつもの畑作業で行く恰好で向かいました。虫に噛まれて炎症を起こして行動不能になる事を考えれば外見なんてどうでも良いと考えています。
現地でも風の無い所ではアブの襲来が酷かったです。
例えるなら…牧場で見る牛のお尻にハエが群がる感じでした。酷い状況です。
登頂した4日はスカッと晴れない天気でしたが、雲の間から北カールを望むことが出来きました。
ちなみに、渡渉に使った靴は力王の安全作業靴の裏にフェルトタイプのインソールをクロロプレンゴム系溶剤形接着剤(G17ボンド等)で張り付けたものです。
(製作費2000円程度)
下山の際は林道も安全作業靴でそのまま下ってゲートまで戻りました。
川や池作業すると4〜5回の利用で底がボロボロになるので登山で使うような沢靴は消耗を考えるともったいなくて私には使えません。
これで行けるか?
この判断を得るのに地元の方による荷揚げ動画が参考になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=aOZ5IotqeZ8
どこへ行っても同じですが、地元の方の情報は絶対に敵わないです。
私の装備はこの記事を読む方には役に立たないでしょう。
なので靴に関しては、万人向けの沢靴をお勧めします。
額平川は非常に綺麗な川でした。
使用後は沢登をしないのであれば中古として売却するのも有りでしょう。
<他の情報>
幌尻山荘ではスターリンクによるWiFiが利用できます。
https://yamagoya-wi2.com/
AUユーザーは無料です。
注意として、19時半には全電源を落とされるので、それまでに外部へ連絡を済ませる必要があります。
あくまでも外部連絡用として帯域を利用すべき通信と思います。
モラルある使い方をしましょう。
<川の渡渉判断>
朝2時半に管理人と麓の山岳会の方々と協議を行い、シャトルバスの運行を判断しています。
ここでNGが出されると小屋にとどまる事になります。
食料は多めに持参する事をお勧めします。
<総括>
山荘の予約から下山まで含めて、他の百名山とは違う経験が出来る山でした。
私も田舎の人間ですが、改めて北海道日高山脈の奥深さを堪能する事が出来ました。
素晴らしい山でした。
機会があれば再訪したいと思っていますが、難しいかもしれません...。
噂通り、最難関でした。
最後に、♪ちゃん様、さかっち様。
お疲れさまでした。
共に楽しい時間を過ごせた事に改めて感謝とお礼をお伝えします。
ありがとうございました。
<概要スケジュール>(忘備録として)
8/2 4:00 長野県上田市の自宅を出発
7:00 群馬県「ららん藤岡」第2駐車場にて相方K氏と待ち合わせ。
12:00 新日本海フェリー 新潟港発
8/3 4:30 小樽港到着
13:30 とよぬか山荘到着(受付は15:00〜)
8/4 4:00 幌尻岳第1便シャトルバス乗車
幌尻岳登山
8/5 9:00 幌尻岳第1便シャトルバス乗車
10:00 とよぬか山荘到着
10:40 びらとり温泉ゆから
18:00 小平町望洋台キャンプ場
8/6 11:15 ハートランドフェリー 稚内発(鴛泊港行)
12:55 鴛泊港着
14:00 利尻北麓野営場
8/7 3:40 利尻北麓野営場発
利尻山登山
11:30 利尻北麓野営場下山
16:40 ハートランドフェリー 鴛泊港発(稚内行)
20:00 ヤドカリハウス(素泊)(北海道天塩郡豊富町豊富東1条2丁目)
8/8 予備日(移動日に振り替え)
9:00 ヤドカリハウス発
観光「エスコンフィールドHOKKAIDO」
15:00 岩見沢ホテル4条(素泊)
8/9 7:30 岩見沢ホテル4条
11:00 天狗山
小樽港で観光
12:00 新日本海フェリー 小樽港発
8/10 9:15 新潟港着
13:00 ららん藤岡着 解散
16:30 長野県上田市の自宅着
<費用>
2名で行くため、フェリー費用は割り勘での概算です。
新日本海フェリー ツーリストA往復 57,500円(割り勘)
ふるさと納税(幌尻山荘宿泊権) 15,000円
幌尻岳シャトルバス往復 10,000円
とよぬか山荘 1泊2食(おにぎり2パック、夕食)8,000円
駐車場代 150円(割り勘)
びらとり温泉ゆから 500円
小平町望洋台キャンプ場 フリーサイト利用 1張 850円
ハートランドフェリー 2等客室 往復 3,590円×2 = 7,180円
利尻北麓野営場 520円
岩見沢ホテル4条 1泊素泊 8,010円
ららん藤岡第2駐車場 4,500円(500円/日)
ガソリン代+ETC料金 13,760円 (割り勘)
食費 25,000円
Pontaポイント現金還元分 -50,000円
ふるさと納税住民税控除 -13,000円
合計 87,970円(お土産代は除きます)
コメント
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この度はたまたま出発時に一緒で、渡渉までお世話していただき、本当に助かりました。改めて御礼申し上げます。お陰様で、楽しい山行で終わることが出来ました。戸蔦別岳の心残りはありますが、その稜線を見ることが出来、幌尻岳に登頂出来たので、感無量です。ありがとうございました。
その節はお疲れさまでした。
晴れていれば戸蔦別岳の周回も出来たのに残念ですが、あの時はこの選択しかなかったですね。
私が♪ちゃんの立場だったとしても同じ結論に至っています。
私も今日までに色んな方にお世話になりました。
まさか川登りでお役に立てるとは自分でも思っていませんでした。
下山日は川の水量が少し増していましたが、問題なく山行が進められたのは幸いだったと思います。
次にお会いできるタイミングは積雪期(山スキー)になるかな。
また連絡を下さい。
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