羅臼岳☆ヒグマ襲撃事故に遭遇


- GPS
- 07:07
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,562m
- 下り
- 1,254m
コースタイム
- 山行
- 5:53
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 7:08
写真
この後、下っている最中に、微かに獣臭がする場所があったので、ヒグマは見掛けないけど、いることはいるんだな、
くらいに思いながら下っていました
感想
【概要】
2025/8/14の羅臼岳ヒグマ襲撃事故に遭遇しました。
私は、襲撃事故そのものを見ていません。被害者の20分後ろを歩いていました。
登山道での待機の後、災害ヘリコプターのレスキューによる救出となりました。
私自身は、怪我無く特に問題ありません。
後日、被害者はご遺体で発見されました。
ご冥福をお祈りいたします。
【経緯】
岩尾別温泉へは多くの登山者が来ていました。車多数。
羅臼岳への入山者は、だいたい150人くらいの印象。
登りは、前後に登山者がおり、ヒグマを警戒しながらも、
出没する感覚はゼロだった。
明らかにヒグマよりも人の方が多い。前後に熊鈴が鳴り響いている。
(ヒグマが人を避けるのであれば)どう考えたって出ない。
登山の隊列を維持しながら、少しずつ速い人は前へ、
遅い人は後ろへと自然に入れ替わる流れだった。
登山道は至って普通。なぜこの山が百名山に選ばれているのか
その素晴らしさが分からないと思いつつ、歩いていた。
羅臼平に到達して、羅臼岳の岩峰を見て、百名山に相応しいと認識。
岩峰に少し手こずりながらも、特に問題なく山頂へ到達。これで百名山92座。
自分のペースは、いつもと同じか少し早いくらい。
高所恐怖症なので、山頂を早めに切り上げ下山開始。
山頂で想定した通り、羅臼平と弥三𠮷水で水分補給休憩。
下山中も、私より速い人が随時追い抜いていく。
※私より速い人は、相当山に慣れた人
ヒグマを警戒しながらも順調に下る。
遠くでサイレンの音。どこかでヒグマが出没したのだろうか。
途中、獣臭が微かに残る登山道。登りでは感じなかった。
ヒグマは見えないけど、いるにはいるのだろうなと思いつつ、順調に降下。
標高500メートル付近にある踊り場のところで、10名ほどの登山者に出くわす。
皆、私を追い抜いていった面々。
当初、ヒグマがこの先出没して待機かと思ったのだが、
既に襲撃されて安否不明の被害者が出ていることを知る。
ヒグマは下の方に行ったとのことで、登山道で待機。
皆、熊スプレーを手に持ちつつ、被害者の同行者を支援しながら救助を待つ。
13時30分頃にヘリコプターが上空到達。レスキュー開始。
私は第1便、被害者の同行者と同一グループで吊り上げ、
知床五湖フィールドハウス近くの道路上に降下となりました。
その後、フィールドハウスで連絡先の事情聴取、
バスによる送迎で岩尾別温泉に置いていた車に戻り、現地を離れました。
【雑感】
・前日までのヒグマ出没情報
全く知らなかった。
知っていれば、8/14は斜里岳を選択したと思います。
ただ、知っていても登山禁止にならない限り、
羅臼岳を登ってしまうのでしょう。
登山やる人にとって、百名山達成は大きな意義があります。
・登山者たちのプロファイル
百名山達成のために本州から遠征している人が多かった。
他の山に比べて、全員が登山に慣れている印象。
子連れの人はいなかったように思います。(精悍な中学生はいた)
ほぼ全員が熊スプレーを携帯。
・被害者と同行者について
私は、被害者については全く覚えていない。
おそらくどこかで追い抜かれているのだとは思いますが。
同行者は、事故発生後、警察や消防への連絡、
被害者の関係者への連絡など気丈に振舞っていました。
・熊スプレーについて
同行者から伺ったのですが、熊スプレーを手順通り噴射したものの
勢いよく出なかったそうです。
事前に試してなかったから、というのもあったようです。
じゃあ事前に試しておけるか、というと、難しいものがあります。
2025/08/29追記
・獣臭を感じだ場所
事故発生地点よりも少し上でした。
・ヒグマの餌となるアリ
これは確かに、大きなアリが多いなと思いつつ
登山道を下っていました。
・トレイルランニングかどうか
被害者を見ていないので分かりません。
同行者の装備は軽装でしたが、
トレイルランニングというほどでもなかったと思います。
下りで走りやすい道だとは思います。
被害者と同行者がそれぞれのペースで下りて、
距離が離れたと想像できます。
・熊スプレー
同行者のスプレーは私のとは違う製品でした。
なお、私のスプレーを再度確認しましたが、
全ての熊対応の正規品、未使用品で問題なさそうです。
お気遣いありがとうございます
ちょうど一年前に私も遭遇しました。信じられません。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7137111.html
食害目的だったのか、どうして足を狙ったのか、駆除されたのが加害個体なのか、本当にスプレーは効かないのか、分からないことだらけです。
コメントありがとうございます。
拝見いたしましたが、今年と言われても分からないくらい雰囲気が同じですね。
同行者から伺ったのですが、スプレーについては、噴射したものの勢いよく出なかった
そうです。事前に試してなかったから。というのもあったようです。
被害者は走っていたというニュースが事実なら、食害目的でもなく子連れの母グマが攻撃的になるか?という違和感は氷解します。
Reynard様とは8/11にトムラウシでスライドしたようで、本当に他人事ではないと思っていましたが、純正スプレー携行で普通に登山していれば、また違ったのではないかと今は感じます。
被害者は同行者よりも先行し、おそらく走っていたというのはあるでしょう。
しかし、私が分からないのは、ヒグマが被害者を襲った後、藪へ引きずり込んだ、ということ
なんですよね。食害目的ではないと言えるのかどうか…。
8/11にトムラウシですれ違っているんですね。トムラウシでも熊スプレーは携行していました。
ただ、トムラウシは最後の方、もう今日はヒグマは出ないと思って、熊スプレーをザックの奥に
入れているんですよね…。
熊スプレー携行するだけでなく、ヒグマを警戒して、ゆっくりとしっかりと歩くのが大切では
ないかと思います。
2022年8月4日に同じコースを熊スプレー、熊鈴持参で登りました。
登山道は当時も同じ様子、熊に対しての心境も似ています。
今年の6月の平日、栃木県の釈迦ケ岳に1人で熊鈴とホイッスルを持って登り、下山中に藪から熊の唸り声が聞こえてきてずっと追いかけてくる感じで身の危険を感じました。
今回の事故、他人事とは思えないです。
コメントありがとうございます。
事故の日もいつもと変わらない同じような登山だったんでしょうね、きっと。
それなのに事故が発生するとは痛ましいかぎりです。
釈迦ヶ岳で熊と接近があったんですね。実際に格闘すると、負けるのは目に見えていますから、
なんとかなだめてやり過ごすしかない、ってことになりそうです。
事件に遭遇されて大変な経験をされましたね。
私も秋に羅臼岳を羅臼側からピストンしたことがあり(人はそんなに居なかったです...)、ヒグマの気配は特に感じませんでしたが。
1つご教示いただきたいのですが、被害者の同行者の方に接触されたということですが、この方々ってトレラン系な感じの方なんでしょうか?被害者の方が1人だけ先行していたような報道を見て思ったのですが、熊鈴云々よりも山道を走っていたとしたら、それが熊からみて「脅威」に感じられて襲撃の要因になったのでは?と考えたからです。
私自身も登山道で足音の大小はあれど、後方でも前方でもラン系の人が来るとドキッと驚いてしまいます(遠くから見えるわけではなく、突然近くに気配が発生するからです)。
熊からしても同様で、歩いている自分たちからして、速い速度で他の動物(ランナー)が接近してくれば驚いて攻撃してしまうのでは?と思います。
ちなみに、私も見通しの悪い北アルプスのマイナー登山道でツキノワグマとの至近遭遇経験があります。
コメントありがとうございます。
ヒグマの気配、私も直前くらいまで全然感じませんでした。
被害者の方々は、トレラン系というほどでもありません、
スピードハイク系の軽装ではありましたが。
私個人の考えとしては、走ることによる急な接近よりも、単独で行動してしまったのが、
良くなかったのかなぁ、と思っています。
ヒグマは驚いて襲撃したのかもしれませんが、
一撃離脱せずに、その後、被害者を藪に引きずり込んでいること、
数日前からヒグマとの至近距離の遭遇が連続したこと、
を踏まえると、捕食したがっていたのでは、と思えます。
確かに同行者さんと一緒なら襲われなかったかもなと、ニュースを最初に見たときに思いました。
でも最初から食べたかった...わけではないのでは?と思います。
順序としては、
熊のセーフティーゾーンに(スピードが速くて)入ってしまって双方驚く(熊鈴だけでは距離感が不明瞭)
↓
(熊の判断)人間1匹なので戦おう!※2人なら熊が逃げた可能性あり
↓
噛みついてみたら鹿みたいに喰える感じやん
↓
そのままガブガブ...
ではないかと。
人間とは以前から何度も接触している個体であり、最初から捕食目的で嚙みついた...とするにはきっかけが無いように思うんですよ。
攻撃として噛みついたら味が存外イケたのでそのまま...みたいな。
いずれにしても、ソロの時は熊鈴だけではなく、手を叩くとか、大声で話すとか熊に存在を知らせないとダメで、あまり早く歩くのも考えものなのかもしれません。
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