モンゴル オルホン渓谷 馬旅

- GPS
- 26:18
- 距離
- 91.9km
- 登り
- 348m
- 下り
- 584m
コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
- 山行
- 6:47
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:47
- 山行
- 8:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:43
- 山行
- 7:28
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:28
天候 | 12日:晴れ 13日:晴れのち曇り 14日:雨のち晴れ 15日:晴れ一時雷雨 16日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
飛行機
|
写真
感想
毎年お盆時期は休暇を取って長期山行に行っているが、今年はtentyo経由でネイチャーガイドのTroさんからモンゴルでの乗馬ツアーのお誘いをいただたので、一念発起して参加することに
乗馬クラブにも通ったりして馬と触れ合う機会を増やし、いざ出国。久々の海外旅行でもあるのでテンションが上がる。果たしてどうなることやら。
11日 出国
朝一の便だったので眠い目をこすりながらりんくうタウンへ。
2年間の海外出張のときも思ったが、初めて海外遠征でネパールに行ったとき比べると出国手続は随分と楽になった。
関西から直行便がないので北京経由でウランバートルへ。便が若干遅延したものの無事チンギス・ハーン空港に降り立った。
空港でタクローさんが迎えてくれて一安心。外にでると道路を挟んで向こう側の丘に馬が駆けていてモンゴルに来たことを実感する。
関東組はもう少し後の便なので、先んじて市街地に向かうことに。
最初に乗ったタクシーが何故か駐車場から出られず、別のタクシーに日本人の方と乗り合いとなった。
北海道に一時期いた2人で見ても広大な景色の中の道を快調に進んでと思っていたが、ウランバートルの中心地は大渋滞でめっちゃ時間がかかる。ちなみに6割くらいがトヨタ車だ。
信号があったりどんどん新しいビル(マンション)が建設されていたり、カトマンズよりもだいぶ都会な感じだ。
日が長く20時くらい日没だが、結局暗くなり始めたくらいに乗り合いの人の目的である東横インに到着。ウランバートルでも東横インは東横インの外観だった。
その後、ドライバーが行先を勘違いしていこともあって宿に着いたのは20時30分くらいだった。部屋に案内してもらっているうちにタクローさんと関東組も宿に到着。
買物がてら晩御飯と街へ繰り出す。宿のすぐ近くにあるデパートでお土産選んだりして、さっそくモンゴル料理を食べるべくチェーン店っぽい店に入る。微妙に何か分からないものもあったが、水餃子や炒め物っぽいものを注文。当然羊肉だが、シンプルな味付けで美味しい。(量も多い)
そんなこんなで宿に戻り、翌朝に備えて荷物の整理をして就寝。明日は6時出発だ。
12日 長い車の旅のち馬
5時過ぎくらいに起床し昨日準備した荷物を外へ運び出す。
積み込む車はなんか映画で見たことあるっ!ていう感じのロシア製のワゴンでいざ出発。
何故かスイカを大量に積んだトラックなんかを横目にしばらくは街中を快走。昨日の大渋滞は嘘みたいに1時間もすれば広大な平原の中の道になった。ハイウェイとして整備されているので快適。
昨日はばたばたと買物して晩御飯食べてだったので、これからに日程をともにするSさん、Yさん、Tさんといろんな話をしながらの車旅。山岳会にもいろんな人がいるが、皆さん個性豊かかつアクティブでいろんな話に花が咲いて楽しい車内。途中、ドライブインっぽいところで昨日と同じ店でモンゴル料理を食いながら進んで行く。
時折遠めに信じられない規模の菜の花畑らしきものが見えたり、青々としたところが見えたりする。畑なのか何なのか恐らく栽培しているものなのだろう。
ミニゴビと呼ばれる砂砂漠が突然出てきたりもして、昨日の寝不足もあってうつらうつらしていると舗装道から外れていよいよオフロードに入る。
ほどなくして、展望台みたいなところに。ガイド板を見るとオルホン渓谷周辺の国立公園に入ったようだ。
改めて外に出て、平原とそこに流れるオルホン渓谷を見下ろす。本当に広大だ。オルホン川はモンゴルで一番長い河川で、あとで調べて分かったがロシアのバイカル湖に注いでいるらしい。
のんびり眺めていたいが、時間も押しているみたいなので急かされながら車に乗り込む。
ばかすか揺れたり、川を渡ったり、ふと外を見ると大きなワシがいたりと、変化に富んだ道を進んで行き、ようやっとゴールにたどり着く。車から降りると数件のゲルがあって、中で休憩。おおよそ10時間くらいの車の旅だった。それでもまだ明るいから時間間隔が狂う。
これから毎日飲むことになるモンゴルティーをいただいたりして一休みして、いよいよこれからお世話になるガイドと馬たちの下へ。
このエリアでの馬ツアーをお父さんと一緒に立ち上げたというバーダ、そしてアシスタントの若い2人ティムチとタワ。そして10頭の馬たちがそこにいた。
サラブレッドやアラブ種よりかは小さいが、木曾馬なんかよりは一回り大きいというサイズ感だ。またがるのに脚立はギリいらないくらい。
長い車旅と標高が高いところに(1,800mくらい)きた影響でお疲れのTさんは車移動となり他5名で馬に跨って、出発。時間にして17時30分くらい。
最初のうちはそれぞれ引き綱を持ってもらってのスタート。モンゴルでは手綱はなんと片手持ち。でも基本の操作は一緒。引けば止まるし、頭をその方向に向ければ曲がってくれる。ただ、体が小さい分、日本の乗った馬たちよりピッチは速い感じだ。
そんなこんなで進んで行くと大きな滝に辿り着く。観光名所のようでジップラインで楽しんでいる人たちもいる。そこで一旦馬をおり、我々も滝見学。
まぁまぁ急な岩場を降りて滝にアプローチ。河畔にはフウロソウなど日本でも見慣れた花があったりもした。火山活動でできたかのような岩場に大きな滝が注ぎ込んでいて迫力がある。みんなで記念撮影をして、まだ先に進むのでそそくさと馬のところに戻り、再び草原を進む。
慣れてきた人から引き綱を放してもらう。自分が乗っていた鬣モヒカン君は元気が良すぎるのかすぐに速歩になってしまい、抑えるのが大変な感じ。そんなこんなで進んで行って大分日が地平に近くなったなと思ったところで今日の行程は終了。
ほどなく車もやってきたTさんも合流。
テントを立てて、ほどなく晩御飯。羊肉にはいったあっさりラーメン。陽が沈みかけるころには気温も結構さがりダウンが必要なくらい。対岸で家畜を追い立てていたり、どこからかイヌがやってきたり、見渡す限りの大平原なのに、必ずどこかに人に営むが見えるのが不思議だ。
どこまでも見えるので西の空がいつまでも明るくなかなか星が見えてこなかったが22時くらいには満天の星空。随分高くなった北極星を見て地球の北の方きたことを実感する。北海道に行くことが決まった時に高校の顧問が北極星が高くなるぞと言われたことを改めて思い出しながら床についた。
13日 馬旅本格的に開始
日の出は6時過ぎくらいだが4時くらいから東の空が明るくなってくる。
全体的に朝はのんびりめで8時過ぎくらいにお茶ができた時に起こしてくれて、朝ごはんを食べて10時出発という感じだ。
あまりにも元気が良すぎたのかモヒカン君はタクローさんと交代となり、栗毛の前髪おされ君がお手馬となった。
出発して1時間くらいしてゲルで休憩。入口の天井でチーズみたいなのを乾燥させている。中ではバターなんかをいただいたり、泡立てた乳の上澄みを乾燥させたものをいただいたり、家畜の乳を余すことなく使ったさまざまなもので小腹を満たす。
モヒカン君は今日も元気いっぱいでかかりまくっていたのだが、どうやら腹帯がすれて傷ができていたことが原因だったようだ。腹帯というか腹紐くらいの細さなので養生テープみたいなのですれないように加工。すると大分おちついたようだ。
今日も今日とて広大な平原を概ね川沿いに進んで行く感じ。
昨日からイナゴみたいなバッタをよく見ていたが、それよりも一回り大きいバッタ、羽音を立てながら飛んでいる。滞空時間も長くて後脚も赤い。花はノギクが中心で、良い香りのするヨモギみたいなのが生えていたりする。
そんなに歩かないうちに川に近いところへお昼ご飯を食べることに。どこからともなく車がやってきて、イスと机が準備され即席カフェが完成。めっちゃ快適で気持ちが良い。
お昼ご飯は野菜と肉をポトフみたいに煮込んで味付けをしたものとマカロニを和えたもの。肉は羊とヤク。そういえば羊やヤギに合わせてヤクをよく見る。ネパール以外にもいるのを実は知らなかった。
お昼ご飯に舌鼓を打っていると足元からツバメが飛び出していく。はてと思って川岸に下りて見返すと、泥壁に無数の穴が。イワツバメの巣があってまるでマンションみたいな感じだ。時折やってくる猛禽(タカ?)がいない隙をみては活発に飛び回っている。
そんなこんなで再出発。モンゴル式の乗り方にも少し慣れてきて、軽速足のときも立つ座るだけではなく、上半身というか両肩を上げ下げすることで振動を逃がすような形で対応したりできるようになってきた。
後半は川が大きな岩山に沿って流れているところを進んで行く。山自体の標高はめっちゃ高いわけではないが、スケールは大きく迫力がある。
川にはカワウがいたりもするが、遠めに真っ白い鳥が。どうやらハクチョウだ。なるほどロシアもほど近いので、日本に冬鳥としてやってくるハクチョウは夏はこのあたりですごしていることになる。
ちょいちょい休憩を交えながら進んでいる中、タクローさんより今日の泊りをゲルにできるけどどうする?と提案いただきほぼ二つ返事でオーケーする。
ほどなくすると目的地にゲルに到着し行動終了。お疲れのバター茶で歓迎を受ける。ほのかに甘みと塩味が混在するモンゴルティーが早くもクセになってきた。
お茶に加えて乳を発酵させたであろう酸っぱい飲み物をいただく。これがいわゆるアイラグ(馬乳酒)のようだ。夏しか飲めないらしいので飲めてうれしい。というより美味しい。これを蒸留させたのがモンゴルウォッカみたいな話をしていると、そっちも出てきた。
今日は時間もあるので一休みして、若い2人に連れられて馬で遊びに行くことに。
のびのびと歩かせるのかと思いきや。軽速歩でどんどん進んでいき、2人のかけ声やペースにつられるようにキャンターに入ってちょっとびっくり。
でもうまいことリズムを合わせられると、下手ながらもこれが人馬一体!?みたいな感じでテンションがあがる。けどリズムを外したとたんに、アブミも外れてしまってバランスを崩してあわやというところまでいったが、何とか止めて持ち直す。
始めは鞍の取っ手をもたなければいけなかったようだ。
そんなこんなで行きに車で遠めに見た馬のモニュメントがあるところへ。
囲われたところに入ると真ん中に派手でちょっとコミカルな阿修羅像がいた。どうやら寺院でもあるようだ。
馬のモニュメントは比較的新しいようで、おそらくナーダムで優勝した馬たちのようだった。みんなで記念撮影して馬に乗って来た道を戻る。
帰りもどんどんペースを上げていきキャンターへ。取っ手を持っていたら当然安定していい感じでリズムを合わせて駆けていける。モンゴルの大平原を馬で駆ける、絵に描いたようなシチュエーションで本当に気持ちよく帰ってくることができた。
馬を思いっきりよしよしして今日はお終い。
晩御飯までちょっとあったのでなんか岩がゴロゴロしているところや川の近くまで散策してみる。マツムシソウなんかがあったりしてもう秋が近いことを感じたり、白いカワゲラがたくさん飛んでいるのを眺めたりと思い思いにす過ごす。
今日お世話になるゲルに住んでる子どもたちは時点とかに夢中なようで、元気いっぱいで駆けまわっている。この子たちもやはり、馬も上手に乗るんだろう。
晩御飯は昼と同じ味付けの肉・ジャガイモ・ニンジンが入ったチャーハン。うまい。
モンゴルでのお酒を飲むお作法を教わったりしてモンゴルウォッカを飲んだりする。
ご飯を食べながら馬乗りについても各々の悩みの相談会。明日はもっと上手く乗れるようになりたい。
なにやら酔っぱらった3人組が絡んでくるようなトラブル?もあったが、今日は就寝。ゲルでは暗くなったら昼のうちに太陽光で蓄電したバッテリーで明かりを灯す。
伝統と技術の融合だなぁなんて思いながら眠りについた。
14日 今日も今日とて大平原を行く
朝はのんびりといえども目が覚めてしまうのはしょうがないので、外でのんびり。
朝から牛の乳しぼりをしているところを見学したり、地リスが穴掘っているのを観察したりする。オオワシにも近いサイズの猛禽を見かけることもあった。
朝御飯はパン。ウルムなのだろうか、ゲルで休憩するたびにいただくバターを塗りたぐって食べる。うまい。お茶にもこれが入っているのだろうか。
今日は天気が崩れそうなのもあって雨具を着用でスタート。
車でアプローチしていた時に渡らずに見送った立派な橋を渡って、丘陵地帯に入っていく。
少し標高を下ろしたのもあるのか草も青々していて気持ちがいいが、バーダの予想通り少し雲行きが怪しく雨がパラついてくる。雨具上下羽織ったりしながら進むんで行くと大きく崩れることはなく晴れ間が広がって一安心だ。
2日目ともなると何となく前髪くんの感じも分かってくる。他の馬の軽速歩に釣られたりしないように我慢させたり、自分の合図で歩く速度を上げてもらうようにしたりと色んなコミュニケーションを試してみるのも楽しくなってきた。
いくつかの丘を登ったり降りたりして進んでいく。少し高いところから平原を見下ろすのもなかなか気持ちがいい。
一際大きい丘を越えた小川のほとりが今日のお昼休みスポット。朝から休憩無しだったので結構長丁場だった。
今回もどこからともなく車がやって来てお馴染みとなった即席カフェが完成。昼寝なんかを交えてのんびりする。
小川のほとりなのでトンボがいたりもする。暇なので近くの丘に登ってみるといい眺め。紫色のオキナグサのような花があったり、まあまあでかい羽根なしキリギリスを捕まえて見たりする。羽は小さくなっているが擦り合わせて鳴く機能は残っている。その後メスも見かけたがオスよりさらに一回りデカかった。
そのうちお昼ご飯が完成。今日はチョウメン(焼きそば)みたいなやつ。青空の下のんびりランチだ。
お腹を満たしてひとしきり休憩して午後の行程へ。
丘陵地から再び平原の中を進む感じ。
途中、先導するバーダの馬の速度が次第に上がっていのに従い他の馬たちも色めきだって来る。
雰囲気というかエンジンが温まってきたのを感じて「チョーッ!」の掛け声をかけるとキャンターへ。
駆ける駆ける平原を馬で駆ける。昨日よりも安定して乗れている感じもするが、右左の制御はまだぎこちない感じでトロットに戻ってしまう。でも駆けている時は本当に人馬一体というのをその身で実感する。
何回か早足と駆け足を繰り返して結構な距離を稼いだ。
そんなこんなで休憩するゲルへ到着。馬から降りるやいなや番犬に吠えられてりしながら転がり込む。(あとから車で追いついたTさんにあたっては結構襲われそうになるくらいだったみたい)
今日も今日とてモンゴルティやアイラグをいただく。あとチーズケーキみたいなやつ。めっちゃ上手い。乳製品全部もって帰りたくなる。
ずっと車を運転してくれている方もお疲れのようで、ボディワーカーもしているYさんがほぐしてあげていた。
今日の宿泊地用にモンゴルウォッカもいただいて再出発。
少し岩がゴロゴロするようなところを進んでいく。そういえば地リスの穴がたくさんある。よく見るとちょいちょい出入りしているのも見える。ただ馬から足を取られる事もあるので要注意だ。
ほどなくちょうど川が合流するところへたどり着く。片方は滝になって合流していて迫力がある。
そういえば、平原の中を大きな川が流れているのだが、平原から急に落ち込む渓谷になっているので近づくまで川があるのか分からない感じだ。
滝を見物して渓谷沿いに進んで、今日のキャンプ地へ到着。
渓谷の断崖を眺めていると、タクローさんが一昨日車でのアプローチの最中に立ち寄った展望台から見下ろしていたところだということに気がつく。そんなところまで戻ってきたのかと感慨深くなる。
今日も今日とて一息ついたら馬乗りに遊びに行く。
先ほどと同じくどんどん速さを上げていって掛け声とともにキャンターへ。キャンターに入れるための合図と掛け声もきちんと伝わるようになり、なんとなくではなく明確に走るぞっという感じで入れるようになってリズムも取れるようになった。
ちょっと手すりも話してみたり、視線を先に向けることで曲がるのもさっきより上手くできるようになった気がする。
でもやっぱり必死な感じは変わらず、もっと上手くなたーいという感じだ。
キャンプ地に戻ってきてからは焚き火の薪を集めたり、のんびりしたりする。
ふとティムチとタワがバーダム(モンゴル相撲)を取り始める。
おーおー、と眺めているとバーダからお前らも取れとけしかけられる。
samoaが辛うじてタワには勝つもののティムチには誰も勝てず。馬乗りが上手いのだけあって体幹もめっちゃ強かった。
ちなみにバーダは競馬のバーダムで優勝したことがあるらしい。凄い。40〜50kmくらいを競走するらしい。
ひとしきり遊んだあとに2人が薪を組み始める。大きな木を気軸にどんどん組んでいって背丈より高くなった。
ご飯を食べてモンゴルウォッカを飲みながら、色々な話をしていたのだが、まだ焚き火に着火もしていないのにお酒が切れてしまった。仕方がないのでタクローさんとバーダが馬に乗って最後に休憩したゲルに調達に行くことに。
西日差す中、馬で平原に消えていく2人の姿はとても美しかった。酒買いに行っただけやけど…
少し羨ましくなって、西日差す草原を散歩しに出かける。一段高い所にいくと本当に遠い地平近くの山に日が近づいていく。北海道では日本ではなかなか見ることの出来ない光景。ふと足元から伸びる影をみると今まで見たことない長さになっている。
タクローさんもお酒を持って帰ってきたのでみんなで並んで影の写真を撮る。
さて暗くなってきたので焚き火に着火。よく乾いているのであっという間に炎が大きくなる。なかなかのキャンプファイアでテンションが上がる。
そのうち燃えすぎて組木が崩れて倒れる。なかなかの遠赤で暖かい。めっちゃいい焚き火なのにマシュマロやウインナーとか炙るものが無いのは痛恨だったが、Sさんがもっていた干し芋を炙って食べる。甘味がまして上手い。
煌々と燃える焚き火を眺めながら色んな話をしていると、気がつけば満天の星空が広がる。天の川に夏の大三角、たまに流れ星。本当にいい夜すぎるので、テントの中のシュラフとマットを引っ張り出し、焚き火の暖かさを頼りに外で寝ることに。本当に落ちて来そうな星空の下、眠りに落ちた。
15日 夕立の洗礼
ときおり肌寒くなって薪をくべる事もあったが、概ね快眠。最後にもうひと点火して暖を取りながら朝ごはん。今日の朝ご飯はエッグトースト。
朝露で濡れたテントが乾いたくらいで畳んで出発。
今日もいい天気でスタート。昨日散歩の時に見渡した方に向かって進んでいく。
相変わらずたくさん地リスの穴があるが朝方はあんまり姿を見ない。
たまに見かける家畜が死んで朽ちた骨なんかもだいぶ見慣れてきた。
これまでずっとそうだが、どこまで見渡せるような広大な平原でも、目をこらせばどこかにゲルがあったり家畜がいたり、人の営みがあるのがおもしろい。
遠目に見える山の稜線とかに道は無さそうだが、中腹くらいには小屋みたいなのがあって、あの辺まではヤクとかが上がっていくのかなという感じだ。
川沿いを進んでいくと、少し水が豊富なのか背丈の高い草が生えているようなところに差しかかる。
ヤクに紛れてツルがいるのが目に入る。その時もなんとなくそうじゃないかと思って帰国してからちゃんと調べるとやはりアネハヅルだった。学生時代のヒマラヤ遠征のときに知ったヒマラヤ山脈を越えて渡りをするツルだ。見ることが出来てちょっと感動しているとちょうどこの辺りでお昼休憩とのこと。
昨日の小川とは違い大きな川のほとりで椅子とテーブルを出してのんびり。最高だ。
ここつくちょっと前からバーダもジェスチャーで示していてくれていたが、泳いでもいいみたい。
パツイチになっていざモンゴル1番の川へ身を沈める。
そんな深くはないが水の冷たさは沢始めくらいの水温でまあまあ冷たい。でも、ずっとお風呂に入っていない、昨日焚き火で灰まみれになったのもあってめっちゃ気持ちいい。(対岸や下流にたくさんヤクがいたりするのはこの際ご愛嬌)
サッパリしてからは日光浴にながら昼食を待つ、いい感じだ。バーダやティムチ、タワもガッツリ体を洗っていた。
4日目にもなってくるとバーダの動きを見ているとどのタイミングでキャンターするのかも分かってくる。それにしてもバーダの馬は常歩なのにときおり軽速歩いれないと離されたり、軽速歩なのにキャンターと同じくらいの速さを出したりと、馬も凄ければ馬を操る技術もすごいだろうなという感じだ。
そうこうしているうちに、遠くにあった黒雲がどんどん近づいてきていた。雷雨に捕まりそうなので、雨具を着込んで先を急ぐ。
近づいてきて大平原では山以上に落雷のリスクが高いこと気づく。
時折駆け足も交えて逃げていたが、川を渡らなというところで捕まってしまう。
馬力に任せて川を渡ったのはよかったのだが、後を追いかけてきた車が渡ってる途中でエンストしてしまう。
なかなかエンジンがかからなくて心配して駆け寄ろうかというところで息を吹き返して無事渡ることが出来た。
というところで風雨が本格化、ヒョウかとおもうくらい叩きつけるよう雨が吹き付け、遠くには雷がなっている。
我々は車の影に、ティムチとタワなんかは馬の下に入ったりしながら凌いでいると西の空から明るくなってきて風雨も弱まってきた。
なんか大変だったが、モンゴルの自然のダイナミクスを感じる一幕でもあった。
一息ついて少し進んだ高台が今日の泊地。
テントを建ててお茶を飲みながら明日の確認。
バーダはおうちの都合で今日街に帰らなければいけないので、旅程は今日まででおしまい、明日ティムチとタワに連れられて2時間くらい馬乗りに出かけて、車でウランバートルに戻ることにする。
休憩もほどほどに今日も〆の馬乗りに出かける。
雨は止んだもののすっきりとは晴れていないが遠目に虹が出ている。
もうすっかりキャンターに入るまではスムーズになったが、キャンター中はなかなか必死。左手で鞍の取ってを持っているのもあってなかなか脱力できてないし、アブミへの体重も不安定だったりと色々とあるのだけれど、文句も言わず一生懸命に走ってくれる。
虹かかるモンゴルの大平原を馬で駆ける。これ以上ないシチュエーションだ。
明日もあるけど乗り慣れた前髪くんともお別れが近いと思うと寂しくなってくる。存分によしよしして労う。
キャンプ地に戻ってきて、近くのチョルテンなんかを見に行ったりしていると晩御飯が完成。今日は同じみのラム肉・ジャガイモ・ニンジンのソース?が御飯にかけたもの。おいしい。
バーダは今日でお別れ。実はこのあたりでの乗馬ツアーをお父さんと一緒に始めた第一人者だそうで、親族か交友関係からゲルでの休憩などいろんなことに気を遣って調整しながらツアーを組み立てているたようだ。温泉を目指すツアーなんかもあるみたいだ。
本当に楽しくそれでいて安全なツアーを組んでくれて感謝しかない。みんなでお礼をいってお別れとなった。
もう宵闇が近づいてきているが、明日で最後なのもあり川まで散歩してみる。
なんか陽が沈んだほうには青と赤の明かりが空に向かって伸びていて不思議な感じ。
今日までずっとそうだが、モンゴルの景色は自分の距離感の認識外のようで、実際に歩いてみると見た目の距離感ほどかからないことが多く、遠くに聞こえる犬の鳴き声にちょっと気をつけながら、30分もあるかないうちに川についた。
暮れなずむ川のほとりに座って何をしゃべるでもなくぼーっとする。
ぼーっとしすぎて大分暗くなってしまったので、そそくさと帰ってテントにもぐりこんで就寝。Takuroさんは今日も外で寝るらしい。
16日 旅の終わり
夜半に雨がまた降ってきて外で寝ていたTakuroさんはテントに逃れたようだが、結構熟睡していてなんとなしの雨音くらいしか覚えていなかった。
6時半くらいに目が覚めてしまったので、今日までお世話になった馬の写真をゆっくり撮ったりして過ごす。一頭一頭特徴も雰囲気も違って面白い。前髪君は近づくと鼻を摺りつけてくれて本当にかわいい。
全部で10頭のはずなのに、9頭しかいないぞなんて思いながら、まだ時間があるので散歩にでかける。
昨日とは違う方向に歩いていくと随分と早く川のほとりに出ることができる。川に近づくと小型のカモの群れがいたようで、一目散に逃げていく。なぜか飛ぶことはなくずっと泳いで逃げて行ったのだがなんだったのだろう。
写真を撮ったりして歩いていると、遠くから犬の鳴き声が聞こえてきて、目を凝らすと遠くに姿も見える。
これは・・・、もしかしてこっちに来てる?半信半疑だったが駆け足でテント場のある高台に上がって振り返ると、さっきまでいたところに2匹の犬が駆けてきた。こっちの様子をみているが、追いかけてきそうな気配もあったので慌ててテントのあることころまで戻る。朝から危ない?ところだった。
戻るとちょうどティムチとタワが起きてきて馬の様子を確認している。何やらちょっと遠くに馬の群れを指さしていると思ったら、群れの中から一頭馬を引きはがしている。さっきに9頭の真相は、どこからともなくやってきた馬の群れに一頭まぎれてついていってしまっていたからだったようだった。
そんなこんなで盛りだくさんの朝を過ごしていつもより少し早めの朝ごはん。今日は明宝ハムみたいな厚切りハムとパン。大平原の食事も今日がラスト。
生乾きのテントを撤収し諸々の荷物を車に詰め込んだあと最後の馬乗りに出かける。
ティムチとタワは何故か裸馬、最終日にして2人が使っていたしっかりした鞍が回ってきて不思議な感じ。
昨日散歩に行った方へ歩いていく。
今日も今日とて天気がよくて最高。噛み締めるように大平原をのんびり歩く。
1時間歩いてから引き返し。最後にちょこっとだけ走ってもらったりもしておしまい。本当にいい子だった。
下馬したあとは各々乗っていた馬と記念撮影。5日間もお世話になったので本当に名護惜しい。ひとしきり別れを惜しんで今度はティムチとタワともお別れ。チップと一緒にカラビナとかも渡す。使ってくれるかな?
10頭の馬を従え最初の地点まで戻るらしい。なんというか逞しいし、あんな風に馬と付き合えるようになりたい。ありがとう。
我々は車に乗り込んで行きと同じ道を引き返す。
大分戻ってきていたので、未舗装とはいえかなり綺麗な道。程なく舗装道になった。
行きに寄ったドライブインでお昼ご飯を食べながら、長い車旅だが、旅の振り返りやタクローさんの他のツアーのお話だったり、いろいろな話に花が咲き退屈しない。
ウランバートル市街地に近づくとやはり、大渋滞に捕まり時間がかかり、さすがに乗りくたびれたが、無事ゴールデンゴビに到着。
今日の運転も含めて、ツアーを陰日向で支えていただいたゴールデンゴビのスタッフにも労いと感謝を伝える。
本当にありがとうございました。
そんなこんなで部屋に荷物をそそくさと運び込んで、慰労会に繰り出す。マルシェ見たいなら通りを抜け、目星を付けていたgustoというイタリアンっぽい店に入る。
プレートに肉がもりっ出てくるやつとモンゴリアンっぽいやつを頼む。少し中身が被ったりもしたがガッツリでうまい。
それにしても5日間このメンバーで馬乗りのことから仕事のことから色んな話をして本当に楽しかった。今回が初めましてだったのに昔からの知り合いみたいに和気あいあいと、5日間を過ごすことが出来た。本当に感謝。
宿に戻って久方ぶりのシャワーを浴びて就寝。
17日 旅の終わり
関東へ帰るTさんとYさんは朝早い便なので3時くらいに宿を出る。それを見送って、ちょっと寝たら今度は自分たちが送り出される番。
Sさんはもうひとツアーに参加し、そのあとも滞在するとのこと。そのパワフルさを含めてうらやましい。
ラッシュ時のグリッド渋滞が嘘のようにスムーズに空港に到着。結構時間があったので朝食に最後のモンゴリアンフード。モンゴルティーも飲み納め。
関空行きの便が遅れたため、北京でもジャージャー麺に舌鼓を打つ。結局トータルでカロリーオーバーな気がする。
1週間ぶりの日本もとい大阪はやはり、夜なのに暑くてしょうがない。早くもモンゴルが恋しい。りんくうタウンに停めていた車に乗りこんで家路につく。また海外へ、また乗馬へ、いろんな夢が広がった。実現していきたいな〜。
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