竜神ダムから入る猿渡沢。渇水期限定ルート、奥久慈


天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
ーーーおことわりーーー いろいろと不具合があり、写真とGPSルートは掲載できません。 ーーー 沢としては初心者レベルですが、登はん要素の多いバリエーションルートです。 筆者はこの沢をやるのは昨年(山行記録未公開)に続いて2回目です。そのときは竜神峡Hピーク(筆者勝手に命名)を乗越して沢に取り付きました。しかし今回は竜神ダムの渇水期を狙って、亀ヶ淵から竜神峡を下降して猿渡沢の入り口を目指しました。このアプローチルートはは満水期には湖の底です。 猿渡沢入り口の目標は右岸(川上から川下を見たときの右側)の猿渡橋です。橋の下から入渓します。橋は地面(水があれば湖底)から10mくらいの高さにあるので、見落とさないようにします。ちなみに猿渡橋は左岸の林道より遥か下にあり、林道からは見ることはできません。竜神ダムから亀ヶ淵にかけて林道を歩いた際にヤマレコのコース記録で猿渡橋と出るのは不正確です。ちなみに林道を歩いていると似たような場所で橋を渡りますが、それは猿渡橋ではなく、元湯橋であることは橋の欄干を見れば一目瞭然です。 入渓後は滝、ナメ、釜、砂地、巨岩帯、廊下と、小ぶりながらもこれだけの要素が詰まっているのかと驚かされます。筆者が昨年始めてここを訪れたときは驚くというよりも恐怖しました。その恐怖が堪らなくて山やっているところは否定できませんけれど。 今回の課題は滝の直登でしたがほとんど果たせませんでした。普通の滝は当然として、落差1mほどのナメ滝でも、滝つぼの深さが背丈以上あると足を掛ける場所が無く(滝つぼの中がオーバーハングになっている箇所も複数ありました)、泳いで滝に取り付き、ハンドホールドを取り、体を引き上げようとするも、最後に滝に体を乗せることができず撤退し、泳いで戻って高巻きということが何度もありました。最後は握力がほとんど失われたことが、スマホを操作する指が震え続けていたことでわかりました。 沢から抜けるのに、筆者は明山山頂へ続くバリエーションルートを利用しました。 明山山頂から南東へ続く尾根に自然に乗って高度を上げれば良いのですが、GPSを使わないと取り付き箇所を見極めるのはかなり難しいと思います。ひとつの目印は枝沢との出合いですが。ここから登るよりももう少し先(確かそのあたりがおかめ山へ続くバリエーションルートの渡渉点だったような気がします。不正確な記憶ですが。)から取り付くほうが、登はん要素無しにすんなり高度を稼げると思います。 明山からの下山には巻き道を利用したのですが、巻き道の入り口がわかりにくいのと、別方向へ降りる踏み跡もできているので用心します。このことは事前に知っていたのですが、それでも一度で通過できずに何度か右往左往しました。 少し時間に余裕があれば、明山は目指さず、そのまま沢を詰めるのが楽ですし、コンプリート感が増すでしょう。筆者が沢を抜けたところから上流には釜が少々あるだけで、沢の装備であればらくらく歩けます。筆者が去年やったときはハイキングシューズでも靴濡れ無しでいけました。沢は小川になり、やがて大久保集落へ出ます。そこからハイキングコースを使って三葉峠経由で亀ヶ淵へ戻ることができます。武生山方面の林道を使って武生側から亀ヶ淵に戻ることもできます。 去年筆者は人生初マダニの洗礼を受けました。肌の露出は極力避けます。 |
装備
備考 | スパイク足袋(沢および明山バリエーションルート用。ホームセンターで購入)、ヤッケ上下(ホームセンターで購入。藪こぎおよび沢用)、ゴーグル(ホームセンターで購入。藪こぎ用)、水泳用ゴーグル(沢で長い距離を泳ぐ必要が出た時用、出番なし)、ヘルメット、ピッケル、登はん具(ハーネス、ザイル30mを1本、ダイニーマ製スリング50cm2本、110cm2本、ナイロン製テープスリング120cm2本、ワイヤゲート式カラビナ数枚、ロックゲートつきカラビナ3枚、エイト環)ゴム引き軍手(商品名「タフレッド」)、日焼け止めという虫除けクリーム、虫除けスプレー、防虫ネット、タオル、目出し帽、スマホGPS、行動食、水2L 滝の高巻きではハンドホールドの取れない土の急斜面をよじるので、夏でもピッケル必携です。 フェルトソールの沢靴は持っているのですが、もう10年履いていないのと、高巻きではフェルトソールは不利なので、今回はスパイク足袋をホームセンターで購入して使用しました。急登におけるグリップは土付きでも岩でもさすがだなと思いましたが、90度近い角度の登はんでの立ち込みは、自分の実力では無理でした。また、こけが生えているつるつるの岩でも同様にグリップはほとんど利きませんでした。むしろナイロンヤッケを履いた太もものほうが多少は引っかかったようです。それが奏功したことは結局ありませんでしたが。 登はん具は今回は出番がありませんでしたが、高巻きのルート次第では懸垂下降を必要とすることがあります。筆者が昨年猿渡橋に行った際には沢から橋へ登はん後、30mザイルをフルに使って橋から沢に降りました。またスリングを潅木に巻いてお助け紐(帰りに回収)にするなどの場面もありました。 ブユがまだ多発してました。林道では防虫ネットが、沢ではゴーグルが役に立ちました。 コース情報に書いたとおり、マダニがいるので肌の露出を避けます。沢をやるときは自然とそうなるとは思いますが。 日暮れ前に車に戻ったものの、ヘッドランプを忘れたのは不覚でした。 |
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感想
ーーー以下、自分のためのメモーーー
先日、竜神峡をハイキングしていたときのことだ。いつもの定点観測地点で、渇水した竜神峡を眺めていた。これって雨不足なのではなくて、農業用水等で取水量が多いことと、雷雲の巣である奥久慈だから、夏場の豪雨に備えて余力を残しているんだろうな。などと考えていた。
そして、あの左に見える山が筆者が勝手に竜神峡Hピークと名づけている無名峰で、あれを乗越して猿渡沢(さっとがさわ)に降りるんだよなあ。などと昨年の山行を思い出していた(山行記録は下書き中)。
そのとき、面白いアイデアがひらめいた。もしもあれだけ渇水しているのなら、猿渡沢の入り口に亀ヶ淵からダムの底を歩いていけるではないか。そうすれば猿渡沢を入り口から歩けるかもしれない。
猿渡沢は、3回に分けて、竜神峡への出口、猿渡橋から、本当に最初の一滴とも言うべき源流まで歩きとおしていた(山行記録は下書き中)。その経験から、沢の入り口から核心部分を一度に歩ききることは、今年夏の夢だった。しかし昨年は2回に分けて、しかもそれぞれ散々な目にあっていたことと、猿渡橋に直接行くためにはかなりの登はんやクライムダウンが予想されること、そして何よりも、今年に入ってから余りやる気が湧かなかったせいで見送っていた。しかし、このアイデアに久しぶりに血が逆流した。
思えば、ばかばかしいと思っていても時間が有るときには短くても良いから山を歩いておこうと心を入れ替えて、週末は、自宅周りなどのランニングではなくて、山行そのもので体作りをしようと決めたのが決め手だった。竜神峡の定点観測を何度かしなければ、こんなアイデア浮かぶものではなかった。
今回もしょっぱい遡行だった。滝の直登はほとんどできなかった。けれどもハイキングとして歩いた前回に比べると、水を避ける必要はほとんど無かった。水際を歩くくらいならばむしろ川底をざぶざぶ歩いた。おかげで体力の消耗を防げたし、高巻きに伴うルートファインディングの難しさ、滑落の危険さからずいぶん解放された。そして何よりもアプローチにおけるHピーク(筆者勝手に命名)の乗越しなしに、ほとんど平地を歩いて沢の入り口にたどり着けたことが、2回分の沢歩きを一日で済ませてしまうことができた原因だろう。
帰宅後は、遡行の成功を祝い、炊きたてのご飯(滝)、なめこの味噌汁(ナメ)、釜揚げしらす(釜)をいただき、レモンサワー(沢)で乾杯した。
下山の翌日も両腕両脚の筋肉痛が抜けない。それにも増して困ったのはわき腹の痛み(ぶつけたか、無理な動きのせいか)で、荷物を持つときなどはヒリヒリと痛んで平行した。ヒリヒリとは普通皮膚の傷に使う表現だろうが、このわき腹の痛みは浅いところで発生しているような筋肉痛なので、ヒリヒリという感覚が近い気がしている。
実はこの沢、大久保集落の生活排水、農業排水が流れ込んでいるので、見た目ほどきれいではない。帰宅後の洗濯(ザック、ヘルメット、ハーネス、ザイル他登はん具に至るまで)が結構大変だった。
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