貧脚の丹沢主脈縦走挑戦記 蛭ヶ岳→焼山登山口は人が稀


- GPS
- 19:42
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 2,265m
- 下り
- 2,212m
コースタイム
- 山行
- 1:18
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:18
- 山行
- 12:00
- 休憩
- 2:18
- 合計
- 14:18
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
神奈中バスが相模原市緑区で路線廃止との事で、乗合タクシーに変わる前に丹沢主脈縦走に挑戦する事に。南から北か、北から南か。公共交通機関のみの私の場合、
・大倉登山口は拙宅からアクセスが良く馴染みがある
・大倉高原テントサイトに泊まれば早朝から登山開始できる
・バカ尾根ならヘッデンで登れる
ために大倉→焼山としました。
○食糧計画
昼は渋沢駅周辺でしっかり食べ、夜はキャンプサイトでパスタ、朝はオートミール、山中では行動食、昼はありつけたら蛭ヶ岳の山小屋でカレー、夜はラーメン、タンパク質は茹で卵と魚ソー。非常食にカロリーメイト2箱。
○渋沢駅で食事と食糧調達
登山には遅い時間なので電車は混雑しておらずリュックを担いでも邪魔にならない。駅周辺の食事処に寄ろうかとも考えたが、Odakyu OX で買い物もできるのでそちらで済ます。開いていない時間ならローソン100が好都合ではないかと。
バスに乗ると懐かしい気分に。大倉のビジターセンターに着く。ここは何度も来ているが、店が開いてる時間に来たのは初めて。登山開始。暑い。「大倉の清水」で水道水を汲む。「今から登山ですか!?」と下山中の人にびっくりされる。「今日はすぐ近くの大倉高原テントサイトで泊まるだけなので。明日は3時から登ります」と答える。
テントサイトは鹿がいた。湧き水を引いた蛇口からは水が1秒に1滴くらい。カップを流しに置いて水を溜める。少し水量が増えてラッキーと煮沸してお茶を飲む。今回は初の試みとしてゴミが出ない事を期待しキャンドゥで買った抹茶にしてみた。パスタの夕食。
2時過ぎに起きてオートミールの朝食。そして白湯を飲む。抹茶だとカップを沢の水で洗わないといけないが不便。白湯なら洗う必要が無く、カップが熱いのでほぼ乾く。
やはりテントサイトは、大倉の清水で汲んで来れるルートなら、湧き水はアテにせず、畳める水入れなどで余分に担いで来る方が無難だった。
3:45にヘッデンを手に出発。予定より45分遅れてしまった。パッキングの練習をしないと。バカ尾根は慣れてるので暗くても登れるが、景色が全然見えないとつまらないなぁ。
塔ノ岳に着く。45分遅れは取り返せていない。機内モードOFF。auは辛うじて繋がる。いまココで自分の位置が塔ノ岳山頂にある事を確認、仲間に「先に進む。以降は圏外」とLINEし、機内モードをON。
富士山はよく見えるが寒風が吹き付け、たちまち体温を奪われフリースを出して着る。10m/sはありそう。風を遮る木の陰に身を潜める。
塔ノ岳から丹沢山への道に入ると雰囲気が変わる。観光地から山になった…は言い過ぎか。草木の葉が「これ朝露ではなく雨が降ったのでは」と感じる濡れ具合。この先は地形の関係で余計に風が強いだろうと思うと、低体温症で死ぬかもとビビる。幸い風は弱かった。不思議である。日が差し、むしろ暑い。
○不動の峰休憩所の北側の水場
水道水が1.5L位あるので、ここで汲む必要は無いのだが、今後の参考のために休憩所に荷物を置き見に行く。しかし甘く考え擦り傷防止の長袖を着ず、ヘルメットも置いてきたのが失敗。バラ科?の植物の棘で腕に線画が刻まれ悪役ヒーローみたいに。「滑り台か!」「登り返せるのか?」みたいな場所で来たのを後悔。ルートを間違えたから大変だったのかもしれないが、積極的にお勧めできる根拠がない。行くなら覚悟を決めて。トレッキングポールは無駄。手袋必須。3点支持なら何とかなるかな。予定より遅れてるのに時間をロスしただけだった。
○蛭トンしてる人が多い
YouTuber でもやる人が少い大倉⇆蛭ヶ岳の日帰りピストンですが、結構居ますね。女性も2人、見かけました。速いなぁ。でも驚いたのは、完全に手ぶらで水すら持ってない人が。山小屋で買うのかな?
○蛭カレー
腹が減っていたのと、やや食糧が心許なかったので千円のカレーを2杯。山中でしっかりした食事ができるのは有り難い。しかし口渇感が。そういえばレトルトカレーの場合、ひと袋で3.6gとか大盛だと4.9gの塩分が。蛭カレーはどうなのか判らないが、2杯食べたのと、そもそも食事を消化するには水が要る。早朝にテントサイトで白湯をガブ飲みしてからは喉も乾かず少ししか水を飲んでいなかったが、飲まずにいられなくなり600ml位、一気に減った。
○蛭ヶ岳→焼山へ
完ソロ(ソロで登山している私以外に誰も居ない)でした。大倉登山口→蛭ヶ岳までは良く整備され分かりやすい登山道でしたが、蛭ヶ岳から姫次方面に向かうと別世界! 標識は乏しく、登山道だか藪漕ぎしてるのだか分からないような所が多い。ヤマレコが無ければ遭難必至。道も整備されておらず歩き難い上に疲れも出てきてペースがガタ落ちに。
この差は「百名山か否か」かな。丹沢山を含む稜線からの景観が見事なので、そこへのルートとなれば大倉尾根が普通だろう。だから丹沢主脈のうち大倉→蛭ヶ岳までは良く整備されている。いっぽう蛭ヶ岳から先は、東海自然道になっているだけまだ良いのだろうが、整備のされていない里山に似ている。一応、丹沢大山国定公園の範囲には含まれているのだが。
○黍殻山避難小屋
焼山登山口に辿り着けなかったら利用するかも、と思った避難小屋だが、この辺りは地形の関係…というか山道が稜線に「M」の字状に付いているのでまだ4時頃なのに足元が薄暗い。若者と違い夜目が効かないのか、疲れて目が霞んでいるのか。ヘッデンを出すも、初めて来た事もありバカ尾根みたいには歩けない。これでは登山口までなんて無理と観念し、避難小屋で朝まで過ごす事に。小屋は誰も居なかった。ヤマレコは登山中断の操作をしてスマホの電源を切る。
○ビバーク作戦
この先に水場があるのだが、不動の峰休憩所の北側の水場で懲りている、及び、食事をすると消化に水分が必要。今は残り800cc位。暗いがリスクを冒して水を汲みに行くか、今日は諦め明日にするか。水は枯れてないか。最悪の事態を避けるために
・今夜は夕食抜きで寝る。
・明朝、水を汲みに行く。
・水が無ければ調理はせず残った水とパンで青根方面へエスケープ。
とした。昼に蛭カレーを2杯食べてるから夕食は我慢できる。貴重な水道水を少量、口に含み、歯ブラシで口内を磨き、その水は飲む。さらに少量の水で口内をすすぐようにして飲む。
避難小屋は個室状態。ラジオは丹沢の南側とは異なり横浜方面からのFMは入らない。代わりにAMが入るのでNHKを聴く。ラジオとアナログ時計で過ごす夜。どことも繋がっておらず、昔の時代みたいだ。
○即席の道具で水汲みに
朝。明るくなった。水を汲まないといけない。水を運ぶバケツの類は無いが、何度も水場に行けないので、700mlの空きペットボトルに加え、ポリ袋をレジ袋に入れた物を即席の水入れとする。覚悟を決めてリュックから要らない物だけ小屋に置き、転げ落ちる可能性ありの前提でヘルメット・長袖・手袋を装着。避難小屋から大平分岐、さらに少し進むと「水場」の標識。ここは不動の峰休憩所の水場よりハードだった。水場に着いて気が緩んだか、数歩移動しただけで崩れ落ちるように五体投地。うううと起きて「渡河失敗に比べればマシ」と言い聞かせ、泥だらけの手を洗い水汲み再開。また五体投地して嫌気が差すも、気合でまた手を湧き水で奇麗にして水を汲む。カップを窪みに押し付けてすこしだけ水が汲めるのだが、砂や分解した木の葉の破片も入るので、上澄みをチョロチョロと空きペットボトルそしてポリ袋に注いではカップに残ったゴミを洗い流す根気の要る作業。登り返すのも大変だった。昨日の暗い時間に水場に行かなくて正解だった。
○朝食
汲んだ水でラーメン。「山でラーメンって、贅沢なんだな。水は要るし塩分が多くて喉は乾くし」と思った。それで粉末スープは少しだけ。麺を食べてからオートミールを投入し加熱して麦粥に。そして煮沸消毒した白湯を飲む。
大便をし、手を川の水で洗い、残った水を煮沸消毒。口に含んで歯を磨き、その辺の地面に吐き出す。白湯は飲む。さらに湯冷ましを600ccほど作る。煮沸消毒したが量が多いのでなかなか冷めないが、まぁ80℃位には下がっただろうとペットボトルに上澄みを注ぐ。時間がかかったが出発だ。
○焼山へ
7時を過ぎているのに、木々や地形の関係で足元が暗い。道はところどころ消えて藪になっていて「東海自然道というのは、道が倒壊して自然に還ってる途上の道って意味では?」と思う。あるいは「崩壊自然道」か。こんな調子かつ昨日の疲れもあるのか歩みは遅い。これは13:16のバスに間に合うか怪しいな。
○焼山
周囲の方が高いという不思議な山頂標識。木のベンチやテーブルがある。展望塔は昭和40年代の建設と思われるが銘板も錆びついて判読困難。
○焼山→焼山登山口
YouTuber 達から悪評で、とりわけ下山はしたくないとか…標識が乏しく、どこが道かとキョロキョロ脇見してたら滑って尻もちを突いた。滑り易い急斜面のジグザグの道が続き、ロープが張られている。土に腐葉土をたっぷり鋤きこんで耕しました、みたいな足元がいつ崩れるか分からない蟻地獄か滑り台か、な感じ。トレッキングポールはズボッと刺さるしロープに掴まる必要もあるので仕舞う。長い。バカ尾根より辛い感じ。13時頃に昨日の蛭ヶ岳以来、初めて人に合い、石を落とすなと怒られる。今から登ってどこに行くのだろう。いっぽう抜かされたのは2人。
「混まない山が良い」と言う人も多いですが、平日とはいえここまで登山者が少ないと登山道が荒廃してしまう。昭和の頃は今より登山する人が多くて賑わっていたのだろうか。
○下山
やっとゴール。16:21のバスまで1時間半あるが、周囲を散策する余力無し。東屋商店さんの自販機でコーラ500ml 140円を地面に座って飲む。まだ飲み足りなかったので店内を訪れ、タンパク質補給に豆乳1Lを購入。今度は飲み切れず、余りは持ち帰る。
結局、丹沢主脈縦走の挑戦は、これで成功したと言えるのか…微妙だな。
○次は?
蛭トンより丹沢主脈縦走の方が標準コースタイム的には短いのだが…蛭ヶ岳から焼山登山口までが見晴らしゼロの樹林帯かつ迷いやすい悪路なので楽しくなくて登山というより苦行みたい。樹林帯なら焼山登山口⇆蛭ヶ岳でなくても行き易い所はあるし。しかし蛭トンは、私ではトレーニングしても無理だな。泊まるかな。
○猛暑の期間のジムトレーニングの成果は?
7月25日に富士山に行ってから、酷暑で登山も近所でのトレーニングも厳しい期間に、スポーツジムでなるべく登山に似た運動をして、久しぶりの登山だったが、大雑把に
山で鍛える > ジムで鍛える > 部屋でゴロゴロしてる
だろうと思う。体力UPという程ではないが、衰えはしなかった、という所か。
○東屋商店
焼山登山口のバス停すぐ近くに「東屋商店」さんがあります。食料品と和洋酒。昔ながらの商店でコンビニのように多種な品揃えではありませんが、登山口に店があるのは有り難い。特に定休日は無し。開店は9時半頃だが都合で10時位になる事も。閉店は夜7時半頃。昔は登山者も多く来ていたがバイパスが出来てから客が減り、いつまで店を続けるか分からないとの事。レシートに記載の電話番号とYahooのマップを紹介します。042-787-0012
https://map.yahoo.co.jp/v3/place/NTZpUJb_2wo
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