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記録ID: 8859953
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ハイキング
東海

貝月山の妖精

2025年10月25日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
4.2km
登り
449m
下り
449m
天候 濃霧
過去天気図(気象庁) 2025年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
旧坂内ゲレンデレストハウスから日越峠経由
コース状況/
危険箇所等
危険個所等特に無し
その他周辺情報 下山後久瀬温泉竜神の湯露店風呂(450円)
登り始めは押っ取り刀で熊がひょっこり現れそうな杉林。
2025年10月25日 10:41撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 10:41
登り始めは押っ取り刀で熊がひょっこり現れそうな杉林。
日越峠。標高1000m。雨が降っていたらここから引き帰えそうと考えていたのだが、ここまで登って来たら上まで行くしかない。
2025年10月25日 11:10撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 11:10
日越峠。標高1000m。雨が降っていたらここから引き帰えそうと考えていたのだが、ここまで登って来たら上まで行くしかない。
孤高の大木。まだ葉は青々としている。
2025年10月25日 11:15撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 11:15
孤高の大木。まだ葉は青々としている。
いつもの「一服処」。晴れていればここから、能郷白山、蕎麦粒、小津権現、金糞の奥美濃絶景が広がっているのだが、今日は視界20m。熊と出くわしても気づかない。
2025年10月25日 11:23撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 11:23
いつもの「一服処」。晴れていればここから、能郷白山、蕎麦粒、小津権現、金糞の奥美濃絶景が広がっているのだが、今日は視界20m。熊と出くわしても気づかない。
それにしても、霧の山には音が無い。わたしの落ち葉を踏む音と、ゼ―ゼ―と喘ぐ音しか聞こえない。このトンネルを抜けると最後の尾根に出て視界が広がる。伊吹も濃尾平野、琵琶湖も何も見えないだろうが。
2025年10月25日 11:32撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 11:32
それにしても、霧の山には音が無い。わたしの落ち葉を踏む音と、ゼ―ゼ―と喘ぐ音しか聞こえない。このトンネルを抜けると最後の尾根に出て視界が広がる。伊吹も濃尾平野、琵琶湖も何も見えないだろうが。
予定通りキッチリ12時前に頂上。区切りの良い1234m。この広場はわたしのテント場。テント、寝袋を持たずにここに来たのは何年ぶりだろうか。ことしの夏ここに寝た時もたしか濃い霧だったような。霧でも雨でもこの山での目覚めは経験した者にしか分からない。
2025年10月25日 11:52撮影 by  F-51B, FCNT
10/25 11:52
予定通りキッチリ12時前に頂上。区切りの良い1234m。この広場はわたしのテント場。テント、寝袋を持たずにここに来たのは何年ぶりだろうか。ことしの夏ここに寝た時もたしか濃い霧だったような。霧でも雨でもこの山での目覚めは経験した者にしか分からない。
エストロゲン治療の副作用で、ぶくぶく太ってしまった。この山はいつも地下足袋で登って来たのだが、足首にも脂肪が付いてしまって、コハゼが嵌らなくなってしまった。今現在病気前に比べて7キロの体重超過。高校のころから50年間、体重変動はプラマイ2キロが自慢だったのだが。。医師からは頑張って体重を落としましょうと言われているのだが、、。これでは雪の能郷白山は無理かも知れない。歳老いてからの病気は何とも厄介だ。
でも、ここまで来れたのだから「ヨシ!」としておこう。山の頂上に立つと、濃霧だろうが吹雪だろうが、いつも良い日に思えてくるから不思議だ。
2025年10月25日 12:04撮影 by  F-51B, FCNT
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10/25 12:04
エストロゲン治療の副作用で、ぶくぶく太ってしまった。この山はいつも地下足袋で登って来たのだが、足首にも脂肪が付いてしまって、コハゼが嵌らなくなってしまった。今現在病気前に比べて7キロの体重超過。高校のころから50年間、体重変動はプラマイ2キロが自慢だったのだが。。医師からは頑張って体重を落としましょうと言われているのだが、、。これでは雪の能郷白山は無理かも知れない。歳老いてからの病気は何とも厄介だ。
でも、ここまで来れたのだから「ヨシ!」としておこう。山の頂上に立つと、濃霧だろうが吹雪だろうが、いつも良い日に思えてくるから不思議だ。
アケボノ草。かつてこの山にはアケボノソウの一大群生地があったのだが、今は探さなければ見つけられない。
登山道を外れた沢沿いに僅かに残った数株が、森の妖精のようにひっそりと咲いていた。
人為的に刃物で切られた跡が痛々しいが、いっそのこと「岐阜・花の百名山」にでも選ばれていたら、こんなことにはならなかったかも知れない。
熊や鹿なら切実に喰えるか食えないかで判断するが、人間は「あらッ、可愛い」だけで後先を考えない。困ったものだ。
2025年10月25日 12:40撮影 by  F-51B, FCNT
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10/25 12:40
アケボノ草。かつてこの山にはアケボノソウの一大群生地があったのだが、今は探さなければ見つけられない。
登山道を外れた沢沿いに僅かに残った数株が、森の妖精のようにひっそりと咲いていた。
人為的に刃物で切られた跡が痛々しいが、いっそのこと「岐阜・花の百名山」にでも選ばれていたら、こんなことにはならなかったかも知れない。
熊や鹿なら切実に喰えるか食えないかで判断するが、人間は「あらッ、可愛い」だけで後先を考えない。困ったものだ。
撮影機器:

感想

「山の気」
 無性に山の気を感じたくなって揖斐川沿いに車を走らせた。実のところ揖斐川町の街に入るまで、どの山に登るかを決めかねていた。9時という遅い時間に家を出るのだから、登れる山は限られていて、小津権現、冠山は距離があるから体力的にもむつかしい。花房でブナシメジ、クリタケ、マイタケを探すのも一考だが頂上に登って降りてくる頃には真っ暗だろう。半中や徳山富士のブナの森は熊に出会いそうで、いまいち気分が乗らない。徳山会館から上谷、鏡山はヤブがうっとおしそうだ。そうなると一番手ごろな山は貝月山しかないか。
 揖斐に1000mに満たない山はゴマンとあるが、そのどれもが手強いことを知っている。低いという理由だけで登山者に敬遠されて道が無いのだ。登山において「藪漕ぎ」ほど後ろめたさを感じて情けなくなるものはない。かつてはそんな山々に魅力を感じてせっせと通ったこともあったが、それは体力を持て余した者だけの「傲り」のようなものだったのだろう。
 貝月山は岐阜百山のひとつで二等三角点。標高1234mだが車を降りてから頂上まで、金華山と比べても汗をかく量はさほど変わらない(但し坂内ゲレンデコースのみで、他のルートは本格的な登山となる)。気軽に歩けるコースだから、雪や霧、雨の日にはもってこいで、特に頂上テント泊は一度やったらやめられない。

 カラヤン指揮ベルリンフィルの「展覧会の絵」(ラベル編曲)のCDを掛けて家を出たのだが、揖斐高原日坂村を過ぎてもこの大曲は第10楽章「死せる言葉による死者への呼びかけ」が終わったばかりだった。この先登山道を歩きながら、この、どんどんドンドン歩かざるを得ないメロデイーは頂上までずっと頭から離れられないのだろう。
 
 今にも雨が落ちてきそうな天気で、これから歩く道も霧でぼんやり霞んでいて「こんな景色も何も無い山路を歩くなんて”アホ”と違うか。」と思われそうだが、それでも「キエフの大門」のメロデイーを呟きながら、どんどんドンドン登った。
 いつもの「一服処」で何かの気配を感じてふと振り返ると、そこに夢の中のような薄ぼんやりした景色が広がっていた。これが「山の気」なのかも知れない。大勢でわいわいガヤガヤ登っていては、こんなものに出くわすはずがないだろう。
 
 

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コメント

私も昨日、ソレ考えていました。山というのはたった一人きりになれる極めて貴重な場、なのだと。体重減るとイイですね。
2025/10/26 14:08
まっちゃンさん
きのう貝月の帰り、露天風呂(450円)に1時間浸かって、腹減ったのでラーメン屋に寄って、さらにコンビニでアイスクリームを買った。家に帰ってタニタの体重計に乗ったら、昨晩に比べて500グラム増えていた。「山の気」は人の健康など何も考えて呉れないのだと悟った。
きょうは朝から国勢調査の調査票回収と「まとめ」で頭を使っているが、こんなもので体重が減るとは考えずらい。それでは、また。
2025/10/26 14:48
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