蓼科山

- GPS
 - 32:00
 - 距離
 - 12.9km
 - 登り
 - 1,258m
 - 下り
 - 1,258m
 
| 天候 | 晴れ | 
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 | 
| アクセス | 
												 利用交通機関: 
								
																																								自家用車										
																																																 
						 | 
			
| コース状況/ 危険箇所等  | 
					将軍平と天祥寺原の間は、登る場合はガレ沢の本流から左の枝沢に入る所、下る場合はガレ沢の本流から左に樹林に入る所を見落とさないよう注意が必要。 | 
写真
感想
					10月27日(月) 七合目登山口10:40〜将軍平12:20/12:30〜蓼科山13:13
天気:晴れ
 7月以降諸事情で山から遠ざかっており、久し振りの山行である。蓼科山を八ヶ岳連峰に含めるとすると、蓼科山頂から双子池までが主稜線の未踏部分となっており、赤線つなぎを目的に計画した。どうせならこれも未踏の七合目からの経路で登りたいとあれこれ考えたが、バス便がどうにも不便で、車を使い周回するために、終盤に400mの登り返しといういささか面倒なコースになってしまった。
 蓼科高原の黄葉を愛でながら走り、順調に登山口駐車場に到着。月曜日というのに八割方は埋まっている。寒気が流入するという予報のとおり、もう冷たい風が吹き始めている。入口の看板を見ていたらハッと気付く。COMPASSに計画書を提出するのを忘れていた。久し振りでやはり呆けている。スマホで提出してやっと歩き出す。静かな針葉樹の森を気持ち良く歩く。天狗の露地という標識を見て寄り道してみると、露岩帯の上から黄色くなった霧ケ峰や、美ヶ原方面の遠景が望めた。登りを続けると、傾斜が増して幅の広い石のガレ斜面となる。踏まれているところはジグザグを切っており急ではないが、石が安定していないので要注意だ。頑張ってこれを越すと将軍平。洗濯物のようにTシャツなどを吊るしているのはいただけない。もう降りてくる人がポツポツいる。
 さて本峰への登りにかかる。すぐに、この地域らしい岩塁帯の一本登りとなり、運動不足の身には堪える。後ろには前掛山のゆったりした隆起が黒木に覆われて見下せる。ようやく道が左トラバース気味になると、ヒュッテの前に飛び出した。先に頂上に向かう。昨年3月に来ているのであまり新鮮味はない。頂上は寒風が吹きすさび、中央アルプスがかろうじて青いシルエットになっているが、南北のアルプスと八ヶ岳は上部が雲に覆われていた。両神山の特徴ある山容が意外に近く、その周囲に奥秩父や御座山がこれも青く連なっている。一瞬だけ北アの雲の切れ目から穂高が白くなっているのが見えた。岩を伝って、前回半周だけになっていたお鉢廻りを一周して頂上神社に詣で、ヒュッテに退散した。この日は私一人の貸し切り。オーディオセットがあり、CD持参のお客さんもいるとのこと。夕刻に再度頂上に行ってみたが雲の状況は変わらなかった。夕食時にはたまたま好きなブラームスをかけてくれた。
 
10月28日(火) 蓼科山7:15〜大河原峠9:00/9:10〜双子池10:15/10:35〜亀甲池11:18/11:42〜天祥寺原分岐12:27〜将軍平14:01/14:15〜七合目登山口15:27
天気:晴れ 
 前夜からガスが流れていたが、明ければ霧氷が岩や建物に貼り付いていた。頂上に行ってみると、青空に白く霜をまとった岩々はきれいだが、頭上近くを雲の塊りが流れ過ぎ、遠景は前日と同じ感じだった。岩塁帯を、霜で足を滑らせないよう慎重に下る。
 将軍平からはなだらかな散歩道だが、道はぬかるみや丸太を敷いたところもある。振り返ると蓼科山は冠雪したように白い。すれ違う人もおり、こういう経路も取れるのだなと思う。想像より大きく下って大河原峠に着く。カラマツの黄葉が陽光に明るく気分も上がる場所だ。笹ヤブを抜けて広々とした双子山に着いた。出発してきた、そしてここを見下ろしていた蓼科山のヒュッテが遠くなった。再び針葉樹の森を下ると意外に早く双子池ヒュッテの前に出た。定休日なので静かだ。透き通った雄池はさざ波が陽光を反射して美しい。風が抜けると池畔のカラマツの落葉が飛んで水面に落ちる。山口耀久の名文を思い出す。雌池は緑色に濁り、これはこれで山湖の趣きがある。雌池沿いはキャンプ指定地になっており踏み跡とテープが錯綜して迷うが、結局池畔沿いの道の突き当たりから右へ森に入ることになる。道標が欲しい所だ。池からは何十年前かに竜源橋まで歩いているが、ほとんど記憶はない。小さな峠に登り着くまでの沢状の区間は、両脇の岩にも樹の根にも苔がびっしりと貼りつき、苔の城とでも呼びたい鬱蒼とした雰囲気が漂っていた。下ればあっけなく亀甲池に着く。風も当たらない窪地なのでコーヒーを淹れてしばし休憩。
 ここからはパラダイスのハイキングだ。黄葉のカラマツと針葉樹の疎林の中を緩く下っていけば、蓼科山が正面に端正な姿で聳える。この時間になっても頂上の一部の霧氷が残っている。右手には400mの登り返しをこなさなければならない将軍平の鞍部が優美な曲線を描いている。穏やかな陽に照らされ、秋の雰囲気に浸りながらの漫歩が楽しい。水が流れる爽やかな分岐で一息入れ、ここだけは励みにとヤマレコを起動して、いよいよ難関の登りにとりかかった。
 最初は針葉樹林の落ち着いた登りだったが、左手のガレ沢を2回渡り返したあげく、沢の中を行くようになる。水は流れていない。しばらくで左に枝沢が分かれる箇所でマーキングがあり、入ると枝沢の先は樹の枝が覆いかぶさり狭い。ここで沢筋を離れるのかと左側の斜面を探ると明らかな踏み跡があったのでそれに入った。しかし、それまでの道と比べると心細く、ログも左へと離れていく。よりによって、この登り返しの途中で道迷いかと、ゲンナリかつ不安になる。やはり確かめようと枝沢に戻り進んでみると、かなり先でテープを見つけ、正しいルートと分かった。この部分は下から登ると分かりにくい。(地図のとおり標高2130m付近の屈曲する所。)道というより沢を詰めているようなガレを登っていくと、次第にこの地域の(石ガラガラの)登山道らしくなってくる。降りてくる人もいたのでホッとした。いい加減脚も重くなってきたが、急な分標高はどんどん上がって、道が右斜めになると樹林を透かして空が見え、ようやく将軍平の鞍部に辿り着いた。不安要因が無事に終わり、帰れる目処が付いて安堵した。後は消化試合だ。疲れた脚で怪我をしないようガレ場をゆっくり下り、静かな樹林の秋の情緒を味わいながら石の多い道を辿った。
					
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