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記録ID: 9064361
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沢登り
京都・北摂

【京都北山】佐々里川支流・小野倉谷(100m?連瀑帯との出会い)

2025年12月14日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.5km
登り
906m
下り
902m

コースタイム

全体で7時間ほどの山行でした。
天候 小雨のち晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
小野倉谷出合付近にある府道の路肩に駐車。小野倉谷沿いの小野倉林道は入り口にチェーンがあり、車での進入不可。
コース状況/
危険箇所等
・ 小野倉谷沿いの小野倉林道は500mほどですぐ終わってしまい、そのあとは流れに沿って歩くことになる。地形図では北側の民ヶ谷へと越える点線路(峠越えの古道?)が描かれているが、それらしい道はほとんど残っていない。小野倉谷本流は坦々とした平流で、ほぼ植林が続くが、流れ自体は小綺麗な感じで気持ちよく歩ける。ただ、奥へ行くほど倒木が多くなり、荒れた感じになるのが残念。
・ 今回は事前の読図で目を付けていた3本の枝谷に入った(A〜B谷は写真欄No.1の概念図に対応)。A谷は平凡だが、標高600m付近の等高線が詰まったあたりに唯一のミニゴルジュがあり、3mCS滝の突破が難しく、右岸を巻くことになるが急峻な地形で予想外に大きく巻かされる。B谷も平凡で、源頭部でようやく小滝が出てくるがあまり見どころはない。C谷は右岸にかなり高い岩壁がそそり立ち、谷中には10段以上、100mほどの連瀑帯が現れる(落差はあくまで目測による推定。「大体それくらいあるかも?」程度だとお考え下さい)。逆層の斜滝が連続し直登は難しく、右岸を巻いたが、峻険な地形が続く。
今回入った枝谷を仮にA〜B谷としています。青丸はC谷で遭遇した100m連瀑帯のだいたいの位置。
※クリックで拡大可能
今回入った枝谷を仮にA〜B谷としています。青丸はC谷で遭遇した100m連瀑帯のだいたいの位置。
※クリックで拡大可能
小野倉林道へ
林道入ってすぐ、謎の山荘
林道入ってすぐ、謎の山荘
これは…?
大岩の上には仏様が。手前の金属製の観音様はともかく、奥の石仏2体はかなり古いもののように見える。地形図に描かれている小野倉谷沿いの古道?の通行人の安全を願って、古い時代に安置されたものだろうか。
大岩の上には仏様が。手前の金属製の観音様はともかく、奥の石仏2体はかなり古いもののように見える。地形図に描かれている小野倉谷沿いの古道?の通行人の安全を願って、古い時代に安置されたものだろうか。
意外なことに、林道はすぐに終了。
意外なことに、林道はすぐに終了。
そのあとは谷沿いに渡渉を繰り返しながら歩いて行く。植林が続くが、流れ自体は端正なので嫌な感じはしない。(地形図に描かれている点線路の古道?はほとんど残っていないようで、確認できず)
そのあとは谷沿いに渡渉を繰り返しながら歩いて行く。植林が続くが、流れ自体は端正なので嫌な感じはしない。(地形図に描かれている点線路の古道?はほとんど残っていないようで、確認できず)
でも奥に行くほど倒木が目立つようになり、やや荒れてくるのが残念。
でも奥に行くほど倒木が目立つようになり、やや荒れてくるのが残念。
【A谷】事前に目を付けていた枝谷の一本目であるA谷に入る。平凡な細流が続くが…
【A谷】事前に目を付けていた枝谷の一本目であるA谷に入る。平凡な細流が続くが…
標高600mあたりで唐突に両岸に岩壁が迫り、強烈なミニゴルジュが出現。
標高600mあたりで唐突に両岸に岩壁が迫り、強烈なミニゴルジュが出現。
この倒木の刺さった3mCS滝が越えられず、戻って右岸から巻いたが、なかなか急峻な地形で大きく巻かされる。
この倒木の刺さった3mCS滝が越えられず、戻って右岸から巻いたが、なかなか急峻な地形で大きく巻かされる。
巻きながら、ミニゴルジュ内は2〜3m程度の滝が数個連なる程度であることを確認。そのあとは平凡そうなので、引き返す。
巻きながら、ミニゴルジュ内は2〜3m程度の滝が数個連なる程度であることを確認。そのあとは平凡そうなので、引き返す。
【B谷】お次のB谷は、まあ平凡でした。でもこの頃には晴れてきて、陽だまりが気持ちいいのでおヒルごはんを食べる。
【B谷】お次のB谷は、まあ平凡でした。でもこの頃には晴れてきて、陽だまりが気持ちいいのでおヒルごはんを食べる。
【C谷】そしてC谷。出合から自然林で小滝が続き、何となく引き締まった渓相に期待が高まる。
【C谷】そしてC谷。出合から自然林で小滝が続き、何となく引き締まった渓相に期待が高まる。
右岸には高い壁が屹立。
右岸には高い壁が屹立。
そしてようやく現れた、それなりの4段30mほどの斜滝。
そしてようやく現れた、それなりの4段30mほどの斜滝。
左岸から巻いていく。巻きながら3段目と4段目を見下ろす。
左岸から巻いていく。巻きながら3段目と4段目を見下ろす。
4段目の滝上に降り立つ。
4段目の滝上に降り立つ。
右岸側の壁がとにかく高い。70〜80mくらいはあるのではないだろうか。京都北山でこれほど高い側壁はめずらしい。
右岸側の壁がとにかく高い。70〜80mくらいはあるのではないだろうか。京都北山でこれほど高い側壁はめずらしい。
そして上流側を眺めてびっくり。まだ滝が何段も続いとるやん!
そして上流側を眺めてびっくり。まだ滝が何段も続いとるやん!
さきほど4段30mと書いたが、訂正です。これは全部ひっくるめると10段以上、100mくらいはありそうだ。
さきほど4段30mと書いたが、訂正です。これは全部ひっくるめると10段以上、100mくらいはありそうだ。
右岸の岩がちな急斜面を慎重に巻きつつ、上流側の滝を眺める。1枚の写真に納まりきらないくらい滝が連なっている。
右岸の岩がちな急斜面を慎重に巻きつつ、上流側の滝を眺める。1枚の写真に納まりきらないくらい滝が連なっている。
下から見えていた限りでの最上段、末広がりの斜滝。なかなか美しい。
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下から見えていた限りでの最上段、末広がりの斜滝。なかなか美しい。
や、すみません、まだでした。まだ上にも滝が続いてた…
や、すみません、まだでした。まだ上にも滝が続いてた…
5m斜。ここらへんからはさすがに直登できる。
5m斜。ここらへんからはさすがに直登できる。
3mほどの滝が2連続。これでようやく打ち止め。
3mほどの滝が2連続。これでようやく打ち止め。
連瀑帯は一旦終わったものの、結局詰めまで小滝が連続し、本当に無事稜線に出られるのか心配になるくらいだった。
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連瀑帯は一旦終わったものの、結局詰めまで小滝が連続し、本当に無事稜線に出られるのか心配になるくらいだった。
オークラノ尾(大倉谷山)山頂。ちょっとだけ雪が残っていた。
オークラノ尾(大倉谷山)山頂。ちょっとだけ雪が残っていた。
南東尾根を辿って下山。踏み跡やマーキングはなく、ところどころ藪っぽい箇所もあるが、特に問題なく歩ける。(やや雑然とした雑木林的な植生であり、それほど魅力ある尾根ではない)
南東尾根を辿って下山。踏み跡やマーキングはなく、ところどころ藪っぽい箇所もあるが、特に問題なく歩ける。(やや雑然とした雑木林的な植生であり、それほど魅力ある尾根ではない)
小野倉谷出合付近にドンピシャで降りた。林道に這い上がり、車の元へ。
小野倉谷出合付近にドンピシャで降りた。林道に這い上がり、車の元へ。

装備

備考 ・ フェルトソール沢足袋使用
・ 20m補助ロープのみ携行(使用機会なし)

感想

 今週はあまり時間がなくて遠出ができず、また近隣の山は今のところ積雪不足で雪山としても微妙なため、近場での沢登りを継続。以前から気になってはいたが何となく入らずにいた佐々里川支流の小野倉谷を歩いてみることにした。この近辺には、オークラノ尾(大倉谷山)のカラオ谷やツキノキ谷、オクノタン(奥ノ谷山)の奥ノ谷など、京都北山にしては滝の多い谷が点在しており、もしかしたら小野倉谷の枝谷にも面白い谷が隠れているかもしれない。
 小野倉谷の本流は、地形図に点線路(おそらく由良川沿いの府道が開かれる前に使われていた峠越えの古道だろう)が描かれているだけあって穏やかな平流であり、事前に目星を付けていたいくつかの枝谷もほとんどは特筆すべきこともない平凡な谷だった。しかし、最後に入ったC谷で現れた連瀑帯には驚かされた。源頭に近いので水量は少なめとはいえ、段数は10段以上、全体の落差はおそらく100m近くはあるのではないだろうか(まあ、実際に100mあるかどうか測ったわけではないのだが、とにかくそれくらいあるのでは、と思ってしまうくらいに滝が連なっている)。右岸にそそり立つ垂壁も素晴らしい。これほどの規模の連瀑帯は、京都北山では他にちょっと思いつかない。唯一匹敵するかと思われるのは八ヶ峰の権現谷にある女滝(雌滝)100mくらいだが、あれはさらに水量が乏しく、滝姿もそれほど美しいものではないので、風格の点で劣る。さすが京都北山のホットスポットの一つであるオークラノ尾、最後の最後にいいものを見せてくれた。

 ところで、例年のことだが、12月に入ってもなかなか雪山に移行するタイミングを掴めず、ズルズルと沢登りを続けてしまう悪い癖が出ている。もちろん雪山も好きだが、それと同じくらい(ある意味それ以上に?)沢登りが好きなので、雪が降ってくるとせっかく沢で楽しんでいるところに「水を差された」ように感じてしまうのだ。まあ、こんなことを言いながら、一度でも冬靴を履いてふかふかの新雪を踏んでしまえば、沢のことなんか来年の春まですっかり忘れてしまうのだけれど。

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