城山・熊倉山・弟富士山


- GPS
- 05:29
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,385m
- 下り
- 1,400m
コースタイム
城山 09:55-10:00
熊倉山登山口 10:05 (城山コース登山口)
熊倉山 11:50-12:05
熊倉山登山口 13:15 (日野コース登山口)
弟富士山 13:55-14:05
武州日野駅 14:15
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
秩父鉄道 白久駅 (帰り) 秩父鉄道 武州日野駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白久駅から城山を経て熊倉山の城山コース登山口までの間は、特に問題ありません。傾斜が急な箇所はほとんど木段になっています。 城山コース登山口から熊倉山の頂上までは、とにかく急登が続き、手を使ってよじ登るような箇所や不明瞭な箇所もあります。道を外さない限りは危険というほどの箇所はありませんが、道を外したりすれば一気に危険度が高まりそうなので要注意です。 一方、下りに選んだ日野コースは、ほとんど急な傾斜もなく、概ね歩きやすい道です。道案内のピンクテープも目立っていて、安心して歩くことができました。 弟富士山の周辺も問題なく歩ける道ですが、案内は少なかったので、進行方向などは歩く人自身できっちり見極める必要がありそうです。 ※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。 |
感想
熊倉山は秩父エリアの中では最も厳しいという評判がある山で、実際に割と高い頻度で遭難騒ぎが起こったりもしています。
「山と高原地図」でも「上級者向き」とされていますが、コース中に危険個所の記述はないので、道迷いに対する慎重さを持って歩けば問題なさそうです。
また、白久駅と熊倉山を目指す途中には城山があり、「山と高原地図」では登山道が書かれていないものの、「埼玉県の山」(山と溪谷社刊)ではきちんとルートが紹介されており、「日野白久自然探求路」として整備されている様子なので、この2山を結ぶルートで歩いてみることにしました。
結果的には、城山コースでの熊倉山への登りが予想以上に苦しく、木段の急登が多かった城山から続けて登ったことで、体力の消耗度は今年登った山の中でもかなり上位に入りそうでした。
それでも懲りることなく、行きがけの駄賃として、最後には弟富士山という超低山にも寄っています。「埼玉県の山」で取り上げられている山なので、近くを通りながら素通りはできなかったものなのですが、こちらはその本にもある通り、取るに足らない山だったのでした。
白久駅から武州日野駅方向に戻る形で少し車道を歩き、民宿「しらかわ」の近くを過ぎた先で、「日野白久自然探求路」の標識と右に上がる細い分岐道を見て、そこを入ります。
踏切を渡り、何軒かの民家の脇を通るとすぐに道は細くなって、次第に山の斜面に取り付いていきます。なぜかしばらくは車の轍も見られますが、それが消えてしまうと、やがて木段が始まりました。
稜線に上がるとTV中継所があって、ここで滅多に使わない熊鈴を付けていくことにしました。この道を歩く人は少ないはずで、今日も私以外に歩く人がいるのか定かではありません。しかもその先に続く山の名前がそもそも物騒なので、用心に越したことはないでしょう。
TV中継所から先では、かなり急な登り下りを小刻みに繰り返していきます。その大半は木段となっていて、もし木段がなければ、少しコンディションが悪いだけで難儀してしまうそうな急斜面でした。
「埼玉県の山」によれば、城山までの間でP1〜P5までの5つのピークを越えていくことになっていますが、小さなコブを入れればピークの数は8つくらいあったように思えて、どれがP1〜P5だったのかはハッキリとしませんでした。
ピークが連続して登下降に忙しかった区間を抜けると、穏やかなで歩きやすい斜面になって、道も遊歩道のような体裁に変わります。
ほどなく杉林の中に入って傾斜が緩めば、もうその一帯が熊倉城跡でもある城山の山頂。ただし杉木立が広がるばかりで、城の痕跡はちょっと目には全く分かりません。広い山頂部の中央付近に、自然探求路から少し外れる形で熊倉城の解説板などが立っているだけでした。
見所がない上に薄暗い山頂を後にして、緩く下るとすぐに林道に出ます。林道を横断した向かい側が、熊倉山の城山コースの入口となっていました。
コースの入口には、「装備は万全ですか?」「行先を誰かに伝えて来ましたか?」などと注意を促す看板が立てられていて、遭難事故の多い様子が窺える光景でした。
熊倉山への登山道に入ると、すぐに急登が始まりました。良くもまぁ道を付けたものだと呆れるほどの急斜面です。当然、道はジグザグを描いて傾斜を緩和してはいますが、そのジグザグ道でも急登になっているという、とんでもない急斜面。
しかも1時間近く、全く何の変化もないまま退屈なジグザグが延々と繰り返されるので、ほとんど苦行としか言いようがありません。
そんな中、地形図にある996m標高点を過ぎて明瞭な尾根に乗ったあたりで、ようやく今日初めて会う単独行の男性とすれ違いました。
尾根を進むようになっても急登は相変わらずですが、様々な局面が次々と現れて対応を迫られるので、少なくとも退屈ではなくなります。
木の根を掴んで登るような急なヤセ尾根があったり、岩によじ登って小突起を越えていったり、ロープの下がる岩場を短く下ったりと、少々難しい箇所も中には出てきます。か細い道でそんな所を次々と結んでいくので、雰囲気はもう一般登山道のそれではなく、バリエーションルートにでも入ったかのようです。
普通の土の地面の箇所でも、積もった落ち葉で道の凹凸が見えなかったり、落ち葉自体が滑ったりするので、傾斜が急なだけに油断できず、ずっと緊張しながらの登りが続きました。
いよいよ頂上が近付いてくると、いっそうの急登に変わります。晴天続きで道の状況が良いのが幸いしましたが、土が湿っていたりすれば厄介そうな箇所もありました。
そして落ち葉の影響もあって道が不明瞭になっていきます。不慣れな人がこの急斜面で道を外して窮地に陥れば、事故が起こっても不思議ではないと感じました。
それでも、下山に使う予定の日野コースへの分岐点を過ぎれば、頂上まではあとひと息。最後に、岩を迂回するように付けられた道を慎重に見定めて、ようやく頂上に到着です。
熊倉山の頂上には、色彩といい文字といい、ちょっとおどろおどろしい標識が立てられていました。
その標識を行き過ぎた所には小さな祠があり、さらに奥へ進むと少し展望が良くなって、その向こうには酉谷山へのバリルートが続いています(「道迷い多発」と大書きした注意看板がいくつも出ています)。
着いた時には誰もいない頂上でしたが、5分もすると林道コースからひとりの男性が登って来て、今日2人目にして、結果的に最後に会ったハイカーとなります。でもその方は、私とはかなり離れた場所で休んでいたようで、ほとんど1人で過ごしているかのような雰囲気はその後も保たれました。
頂上を後にして、先程通った分岐点までは急斜面を短く下って戻ります。そして日野コースに入ると、その先ではほとんど急な傾斜もなく、概ね歩きやすい道が続いていました。
短い間隔で丹念に付けられた道案内のピンクテープも目立っていて、安心して歩いていくことができ、こちらのコースでは遭難などの心配はなさそうです。
下りの途中で一旦傾斜が緩んで平坦地に出ると、「笹平」の標識が立っていました。「山と高原地図」の小冊子で「広々とした草原」と書かれている地点ですが、こんな時期だからかほとんど茶色一色で、寒々とした印象の場所でした。
さらに「官舎跡」や「三ッ又」といった標識の地点を通過していくと、ほどなく沢沿いの道となって、木橋で頻繁に対岸に渡り返しつつ進むようになります。
やがて対岸(左岸)に林道が見えてくると、一ノ橋で右岸から左岸に渡ります。橋を渡った先では、沢沿いに続く道はやや細くなってあまり目立たず、むしろ林道に上がる階段のほうが存在感があったので、ここで林道に上がってしまう人が多いのかもしれません。
林道には向かわずにさらに沢筋を進んでみましたが、この先では特別な見所はなく、道もやや荒れ気味でした。林道よりもかなり近道にはなりますが、歩きにくさでは、この山道のほうが上だと思われます。
やがて幅広の道に変わった先で、舗装された林道に出た地点が、日野コースの登山口でした。
ここから武州日野駅方面へは少々長い林道歩きになります。最後に弟富士山にも寄って行きたいので、寺沢集落から先では、辻々にある矢通反隧道への案内標識に従って進んでいきます。
矢通反隧道の手前まで来て、弟富士山遊歩道の標識を見て階段を上がっていくと、低い山だけにすぐ上でもう稜線に出てしまいました。稜線上の小さな登り下りを経て進めば、ほどなく弟富士山の頂上に到着です。そこには所狭しと神社が建っているだけで、樹木で展望がない上に薄暗く、全く人気(ひとけ)のない場所でした。
人里近くの裏山だけに、地元の人が散策がてら登ってくるような山というのを想像していたのですが、落ち着いて過ごせる雰囲気もなく、普段から良く登られている感じではなさそうに思われました。
弟富士山の頂上には、来た道以外に2本の道が通じていましたが、このうち北東側の道を選んで下っていくと、すぐに浅間神社の前に出ました(「山と高原地図」で描かれているルート)。
ここからは先は、「山と高原地図」のように線路を渡らなくても、線路沿いの細い道を進んでいけば、ホームの手前で踏切を渡って駅に出られるようになっていました。
電車の時刻を確認すると、少し待てば乗れる電車もあったのですが、それを見送れば次は西武線直通の池袋行き。その直通を使うことにして、1時間近くの空き時間で少し離れた場所にある道の駅「あらかわ」などを回って、ゆっくり過ごしていきました。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_10_12/mt2009_10_12.html#20091107
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