槍ヶ岳〜シーズン最後の氷壁(?)


- GPS
- 31:37
- 距離
- 41.1km
- 登り
- 1,965m
- 下り
- 1,961m
コースタイム
- 山行
- 9:29
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:59
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 7:01
天候 | 14日:晴れ〜霧(雪) 15日:霧〜晴れ(雨) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【全般】 今年は昨年の様な少雪ではなく「普通に」積もっています。この時期の槍沢はまだ雪崩の危険が有りますので注意して登って下さい。 槍沢ロッジから先は全て雪道です、槍沢は上に行くほど傾斜がきつくなりますので早めにアイゼンを付けるのをお勧めします。 槍の穂先は、部分的に夏道が出ている所も有りますが、ハシゴは使えますが鎖は埋まっている所が多く基本的にアイゼン・ピッケルを駆使して登ることになります。 滑落すると命に関わる所ばかりですので、初心者の方は必ず熟達者と同行して下さい。 【上高地〜横尾】 平坦な遊歩道です。雪はありません。先が長いのでここで飛ばして体力の消耗は避けたいところです。 【横尾〜槍沢ロッジ】 山道になり残雪が出始めますが基本的に夏道です。一部踏み抜きが有りますので注意してください。 【槍沢ロッジ〜槍ヶ岳山荘】 槍沢ロッジから先は全て雪道です。ここからアイゼンを付けても良いと思います。 ババ平まではほぼ夏道通りに進みます、途中特に危険箇所はありません。 ババ平の昨年新設されたきれいなトイレは雪を掘って使える状態になっています。水場は出ていません。 ババ平から先は夏道ではなく、槍沢に沿って槍の肩まで直登になります。 途中左右の壁から多数の雪崩が有りますが、この日は全て落ちた後の様で危険を感じることは有りませんでした。 当然ですが、落石や雪崩の可能性は十分ありますので、周囲に気を配りながら登って下さい。特に休憩の場合は安全な場所をよく選んで下さい。 最初の急登を終えるとグリーンバンドです。ここは一部雪が消えてハイマツが出ている場所があります。槍の穂先が見えますがまだまだ先は長いので、気を緩めることは出来ません。 グリーンバンドから先は傾斜が更にきつくなりますので、ここから先はアイゼンを付けた方が無難です。 殺生ヒュッテはまだ営業しておらず、雪の中に屋根だけ出ています。 テント設営も雪崩の危険が有りますのでお勧めできません。 殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘(槍の肩)まで一直線に登ります、中間部分が相当急傾斜ですので念のためピッケルを用意した方が良いと思います。 登り着いた槍の肩から左(南)に進むとすぐに槍ヶ岳山荘が有ります。 【槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳】 この時期槍の穂はまだ雪と氷に覆われています。前爪のあるアイゼン、ピッケルが必要です。ヘルメットやセルフビレイ用のハーネスも有った方が安心です。パーティーに初心者がいる場合はロープも必要になると思います。 滑落したら命に関わる所ばかりですので、決して安易に取り付かないで下さい。 但し、慎重に登れば夏とはひと味もふた味も違い楽しめます、登頂の達成感も大きいと思います。 ルートは基本的に夏道と同じです。最後の長いハシゴに出る前が難所でピッケルアイゼンで氷壁を登る感じになります。 この場所の下りがもっとも難易度が高いと思います。 山頂は積雪も少なく岩が出ています。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
霧が深く何も見えませんが、小屋の方が目印のポールを設置してくれていますので安全に下山できます。本当に助かります。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
ヘルメット
|
---|
感想
ゴールデンウイークはどこに行っても混むので、例年GWは山に行かずGW開けの週末に登る事にしています。
今年はどこに行こうか迷ったのですが、去年のアルプス納めで槍・穂に行ったので、今年の本格的なアルプス初めも槍ヶ岳にすることにしました。
当初の予定では土曜日に横尾か槍沢ロッジまで入り日曜日にゆっくり槍沢を詰め槍ヶ岳山荘泊まり、翌日下山の2泊3日を予定しておりましたが、土曜日の天気が相当悪そうで雨の中登るのが面倒になってしまい、「まあ何とかなるだろう」との軽い気持ちで1泊の行程に変更しました。
始発のバスに乗って上高地を6時半に出発すれば、10時間ほどで槍ヶ岳山荘まで登り16時半には着く目論見でした。
当日は最高の天気で気分も最高で快調に進みましたが、槍沢に入ると暑さにやられ雪が緩んで歩きにくくなり一気にペースダウン。
上高地からほぼ一緒のペースで歩いてきたテント泊装備の若者にどんどん引き離されてしまいました。
ここでムキになって追いかけていったら途中でバテてしまうのは必至。
冷静になって確実に槍ヶ岳山荘に到着できる様ペースを落とすことにしました。
幸いdocomoの電波は来ていましたので早速小屋に電話を入れ到着が遅れる旨連絡し、後はのんびり疲れないペースで登りました。
途中、殺生ヒュッテから先でガスにまかれ涼しくなった事も幸いし予定を大幅に遅れることなく17時過ぎには山荘に到着しました。
バテずに普通に到着しましたが、さすがに上高地から20Kmの道程は私には厳しかったです。
山荘は予想通り宿泊客も極端に少なく、広々したスペースで快適に過ごせました。
翌朝、元気いっぱいに目覚めて外を見ると何とガスに雪!そんなこと聞いてないよ〜と叫びたくなりました。
ガスは濃く視界は10m以下、すぐそこの槍の穂も全く見えません。小屋の前にも新雪が2,3センチ積もっていました。
朝食を食べてしばらく待っていればガスも晴れるだろうと期待したのですが、全くその様子は無し。
前日に槍の穂に登った人が多いのか、誰も槍の穂に向かう人は居ませんでした。
このまま下山しても良いかな?との気にもなったのですが、根が貧乏性なのでせっかくここまで来てアタックもせずに帰るのはもったいないと思い、取りあえず登れるかどうか行くだけ行って見ることにしました。
自分の登攀技術はわかっていますので危ないと思ったらすぐに引き返すことで出発しました。
槍の穂に取り付くまではガスが濃くて全く見えないためちょっと心配しましたが、取り付いてみると若干のトレースも残っており、何より気温が低い(手元の温度計で-5℃位)ので、アイゼンやピッケルがよく効き快適に登れました。天気が良くても雪が緩んでいたら相当難易度は高くなると思います。
最後の長いハシゴに取り付く前が比較的長い「壁」になっており、ここはピッケルとアイゼンの前爪を駆使して慎重に登り無事山頂に立ちました。
結局ガスは薄くならず山頂からの展望は無し。それでも私が今日一番の登頂で新雪を払って三角点にタッチして達成感に浸り大満足しました。
昨日途中まで一緒に登った若者も後から登って来たので、写真を撮りあったりして談笑しました。
下山は「壁」のクライムダウンが緊張しましたが、特に困難はなく無事下山できました。
途中、韓国人(?)の団体が登って来て、見ているとちょっと危なっかしい人も居たので、心配になりましたが特に事故はなかった様で安心しました。
槍沢の下山もガスが濃くて何も見えないため、しばらく様子を見ましたが若干ガスが薄くなり目印のポールが見える様になったので下山しました。
ガスの濃さはギリギリ次のポールが見える位なので、一気に駆け下ろうと思っていた目論見が大きく外れてしまいました。
慎重に次のポールを見極めながら下山すると徐々にガスが薄くなり、グリーンバンドの下でついにガスから脱出しました。
視界が開けると雪道の下りは本当に楽々で、昨日苦労しながら一歩一歩這う様に登った所を今日は飛ぶ様に下りました。
槍沢ロッジ付近で一時雨に降られましたが横尾に着く前に雨は止み、ガスが引き始めた明神岳を眺めながら楽しかった槍ヶ岳山行を振り返りながら上高地に下山しました。
いよいよ本格的なアルプスシーズンになりました、さあ次はどこに行きましょうか。
yamayaさん、お疲れさまです。
夕方になってレコがアップされているかなと思い、ヤマレコを開いたらやっぱりありました
やっぱりすごいですyamayaさん、1泊でサラッと槍ヶ岳まで行ってしまうなんてここ最近の私の行動からすると2泊は必要で無理かと...。
初日は残雪期の楽しむ最高の天気でしたね、山頂ではガスで展望が得られなかったけど感想からすると今回も充実感一杯の山頂アタックだったのではないでしょうか
私たちも今回の候補で槍ヶ岳も検討しましたが、「1泊じゃウチらのペースでは、ちょっと無理でしょ」で立山に決めましたが、結局天気の関係で燕にしましたが体力的に正解だったようです。やっぱり継続的に山を歩いていないとダメなんだなと今回の燕で思い知らされました。
遅くなりましたが、槍ヶ岳お疲れさまでした。そして今回もナイスな写真を一杯ですね!
yamayaさんは次の山はどこでしょう?
私も少しでも近づけるよう頑張って歩かねば
opiroさんこんばんは!
雨の中を歩きたくない、と横着をしたばかりに痛い目に遭いました。
やはり1日で槍の肩まで登るのは厳しいですね
途中で体力の限界を悟ってペースを落としましたので何とか登れました。
槍ヶ岳山荘に電話を入れて遅くなると伝えた時に、気をつけて登って来てくださいと、優しく言って貰えたので精神的に随分ゆとりが出来ました。(怒られるかと思ってドキドキで電話しました)
2日目に登った山頂は展望は有りませんでしたが、寒さで雪が締まって登りやすかったので助かりました。
もし初日に登っていたら、雪が緩んでいて相当苦労したと思います。
負け惜しみの様ですが、良い日に登りました。(やはり負け惜しみです
opiroさんも合戦尾根で苦労したようですが、この冬はスキーでしっかり足腰を鍛えたので、山の勘を取り戻せばすぐにいつものペースで楽々登れる様になりますね
次のレコを楽しみに待っています
いつもコメントありがとうございます。
yamayaさん、こんにちは(・ω・)ノ
残雪の槍ヶ岳とは!
1日で登り終えるとは、ハードでしたね!
自分も秋にテン泊で登った時は苦しい思いをしました。残雪の緩んだ雪と暑さの中だと、それ以上だったことでしょうね!
最近のyamayaさんは無謀者…もとい、勢いがあって良いですね!(`・∀・´)
それにしても、1日目は槍が見えるまであんな良い天気だったのに、急に天気が悪化して翌日まで登頂に難を強いられるほどになるとは、予想外でしたね!
今思えば土曜に強行して、日曜の天気が良い時に上での展望を楽しんでの下山が良かったかもですね!
nurupoさんこんばんは。
いや〜今回は土曜の雨を嫌がったばかりに大変な目に遭いました。
元々土曜日は槍沢までの予定だったので、雨でも全く問題なく行けました。
もし土曜日に行っていたら、日曜日の好天をフルに活用できましたね。
行く前の天気予報では月曜日はもっと良い天気だったのですが・・・
まあ予定通り行かないのが人生ですから、などと大きな事を言ってごまかしています
このところの山行は、どうも去年の夏の黒部源流山行がターニングポイントだったようで、あの時頑張れたから今度も頑張れる、そんな気がして登っています
まあ還暦過ぎて年寄り扱いされるのが嫌で頑張っているのかも知れませんが・・・。
これからもガンガン行きますよ〜
nurupoさんのレコも楽しみに待っています
コメントありがとうございました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する