霧氷の比叡山へ☆天子山~天ヶ丸尾根↑松尾坂尾根↓


- GPS
- 04:49
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 959m
- 下り
- 906m
コースタイム
- 山行
- 4:28
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 4:49
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
下山は叡山電鉄八瀬駅まで |
写真
感想
京都は雪の予報であったが、起きてみるとすっかり晴れている。前日からの雪のせいで比叡山が真っ白である。昨年度は冠雪した比叡山を訪れる機会を窺っていたものの、比叡山の冠雪と私の休日が噛み合わず、結局、一度もその機会が得られなかったので、今年の登り納めは比叡山に向かうことにしよう。
バスを修学院で下車すると鷺森神社に向かう。ゆるい坂道の凍結したアスファルトに下って来られる人は滑って転びそうである。鷺森神社の桜並木に差し掛かると瓜生山の稜線の上から朝陽が射し込む。桜の樹に降り積もった雪に黄金色を帯びた光があたって花が咲いたかのように輝くのであった。
曼殊院の門前を右手に向かい、林道の入り口に差し掛かると、右手の武田薬品の植物園の方から大きな話し声がする。数人がマウンテン・バイクが集まって歓談しているところであった。皆一様に自転車は市街の方に向いている・・ということは、山から降りてきたところだろう。厭な予感がする。
天子(テンコ)山へと向かう古道に入るのだが、登山路は尾根のすぐ右手を登ってゆく。薄く雪が積もった登山路にマウンテンバイクのタイヤの痕がついているのを見た瞬間、予感が的中したことを知る。このマイナーな道をよくぞ知っていたものだと云いたいが、登山者のあまり通らない道だからこそ、この道を選んで早朝に走ったのかもしれない。タイヤの痕のついた登山道を辿ることに嫌気がさして、尾根に上がってみると尾根上には薄い踏み跡がついていた。下部から尾根上を歩けばよかったと後悔する。
天子山のあたりになると自転車のタイヤの痕は見当たらなくなるが、尾根を辿って石鳥居に出ると再び自転車のタイヤのトレースを目にする。自転車のトレースもここでお別れである。
ここからは斜面を下り、池ケ谷に下ると、音羽川を渡渉して天が丸尾根に取り付く。尾根を辿るとすぐにも掘割式の古道が現れる。古道は荒れていて歩きにくいが、右に左にそれながら尾根を辿る踏み跡が続いてゆく。
尾根上の標高点527mの小さなピークが天ヶ丸と思われる。展望が開けているわけではないが、ピーク直下の南側の斜面からは遠く大阪のあべのハルカスまで遠望することが出来る。
尾根の上部で勾配が増したところで四明岳南斜面の植林地の最下部に出た。植林地には多数の倒木が見られるが、西側斜面の尾根程ではない。作業道を辿り斜面を上がると、千種忠顕碑から登ってくる行者道に合流する。登山路には一人分の足跡がついている。
道の上部では倒木のため通行止めのロープが張られていた。まずは展望地に出る。ケーブル比叡の駅へと林道を歩くと樹々には霧氷がついている。ケーブル山上駅の手前でも崩落のため通行止めとある。わずかに林道の縁が崩れただけで、通行には全く支障がないように思われてならないが。
ケーブル比叡の駅に出ると駅の待合室にはかすかに石油の匂いがする。有り難いことに石油ストーブが炊かれているのであった。ストーブに温まりながら、サーモスタットに入れてきたお湯をカップ麺に注ぎ入れる。
ここからはかつてのスキー場跡の下を歩き、四明岳の北西斜面をトラバースする林道に入る。このあたりからは積雪が多くなるが、再び全くのノートレースである。比叡山にしては樹々は見事な霧氷を纏っている。樹々に見惚れていると向こうからソロの男性が来られた。坂本から登られて、西塔を周ってこられたらしい。
根本中堂からの道との合流地点に来ると、根本中堂の方から1人の男性が歩いて来られ、比叡山ドライブウェイの上に架けられた歩道橋を渡るところで丁度一緒になった。スウェットに靴はスニーカーというスタイルは雪の比叡山を歩くにはかなりの軽装に思われるが、坂本からケーブルカーで上がって来られたらしい。
西塔の参道は既に綺麗に雪かきされている。僧侶達が早朝から雪かきをされたのだろう。参道はドライブウェイを車で来られた観光客が数名おられるが、境内はかなり静かである。常行堂と法華堂の間を潜り、凛とした雰囲気の釈迦堂に至る。
西塔からは来た道を往復するのも面白くないので、駐車場のところでトライブウェイを渡り、尾根の西側をトラバースする道を辿って、鎮護国家の碑のある場所に出る。再びケーブル比叡駅に向かう林道に出るが、先程とは異なり雪の上には既に多くの足跡がついている。
下山のルートは松尾坂へと下りる尾根を選択する。この尾根と両側の谷の名称がわからないのだが、尾根の下部では松尾坂と呼ばれる八瀬から比叡山に登る古道に合流するので仮に松尾坂尾根と呼称しておこう。まずはスキー場跡地の北西の端から尾根を下る。すぐに明瞭な登山路になる。登山路は西側が伐採された展望地に至るが、ここは比叡山から夕陽を眺めるには最もいい場所だろう。
展望地を過ぎるとすぐに杉の植林地となるが、ここで登山路を左手に折れて尾根を下る。植林地が終わると途端に踏み跡もなにもない藪が待っていた。比叡山の尾根は大概は人が歩いたあるのだが、この尾根は人はおろか鹿道すら見当たらない。いきなり藪漕ぎ度数の高い尾根だ。藪はことごとく雪を被っているのだが、あたりの藪を払うと雪の中から黄色いものが目についた。さらに雪を払ってみると小さな淡黄色の花であった。シキミの花に思われたが、先週の師走とは思えぬ陽気に早すぎる花を咲かせてしまったのだろうか。
潅木の間に身体を割り込ませて入ると、待っていましたとばかりに軀體に絡みつくのはサルトリイバラの蔓であった。しかも尾根芯には多数の倒木。最悪の尾根だ。尾根が急斜面でないのが唯一の救いではあるが、ところどころ尾根筋が不明瞭で幾度か左手の斜面に迷い込む。尾根の下部で再び杉の植林地が現れるとようやく歩きやすくなり、間もなく右手の斜面からの本来の松尾坂の古道と合流する。
以前、登山路の右手には歩きやすい階段が現れたので、階段を下っていくとグランドの法面の上に出てしまう。残念なことに法面の下のグランドに降りるすべがない。よくぞこんなところに階段を作ったものだ。仕方がないので再び階段を登り返し、松尾坂の古道に戻る。
ケーブル八瀬駅に近づくとあたりの樹々からはいつしかすっかり雪が落ちていることに気がつく。八瀬に降りたのは冠雪した蓮華寺の美しい庭園に立ち寄ることを期待してのことだったのだが、この分では庭園の雪は期待できそうもない。雪の庭園を訪れるのはまた別の機会を窺うことにしよう。
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