硫黄岳・大人の休日倶楽部♪(夏沢鉱泉〜美濃戸口)


- GPS
- 38:55
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,014m
- 下り
- 1,415m
コースタイム
- 山行
- 0:25
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:25
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 6:52
天候 | 1/18晴れ・1/19晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
経験の少ない山域、しかも厳冬期ということでコメントする資格はありませんが、全体的に特に問題はなかったように思います。鳥海山もそうですが今年は雪が少ないようだし、トレースもしっかりありました。ただ、雪煙が大きく夏沢峠からの稜線の風が強い場合は、例年なら無理だが今の降雪状況からひょっとしたらオーレン小屋から赤岩の頭へのコースも選択肢の一つと小屋の方からアドバイスいただきましたが止めました。確かに硫黄岳爆裂火口跡沿いの登りは強風で、山頂から赤岩の頭への下りもピッケルを使って思わず三点指示で飛ばされないよう確保する場面もちょっとだけありました。赤岳鉱泉から美濃戸まではチェーンスパイクが有効です。12本爪アイゼンとチェーンスパイクの両方持って行って正解でした。 |
その他周辺情報 | 茅野から一駅の上諏訪温泉は電車移動の場合利用する温泉として便利。今回は油屋旅館に宿泊。途中下車した長野では、駅から往復、牛ならぬレトロな巡回バスで善光寺詣り、駅前の石井スポーツ長野店に立ち寄り登山道具を購入、同じビルの「油や」で「戸隠おろし蕎麦」をいただきました。 |
予約できる山小屋 |
オーレン小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
12本爪アイゼン
チェーンスパイク
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
常備薬
携帯
時計
ゴーグル
サングラス
タオル
カメラ
ヘルメット
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感想
学生時代に「仙台欅山岳会」に入れてもらい、ヘルメットやハーネス、札幌・門田製のアイゼンとピッケルなど揃え、蔵王山での雪上訓練に参加したり、雪の富士山に登ったり経験することができました。卒業後、東北の日本海側、鳥海山の麓・酒田に戻り、いつの間にか冬山はタブーになっていました。でも好きな山は続け40代に百名山を完踏、還暦を過ぎ、再び百名山に挑戦中なのですが、ヤマレコから得られる様々な情報から冬山の条件が日本海側と関東などの地域と思っていたより違うことに気づかされ、自分でも行ける山があるなら冬も楽しみたいと思うようになりました。単独ということもありマイカーではなく、大人の休日俱楽部パスを使って冬の八ヶ岳を目指すことにしました。
初日に泊まった夏沢鉱泉は、これまでの常識を超えた山小屋でした。小屋というより温泉宿?温泉は勿論、食事も凄いし、スタッフの皆さんも大変親切。何といっても茅野駅からの宿泊者限定の無料送迎は非常にありがたいサービスです。平日とあって同料金で個室利用でき、ゆっくり寝ることができたのも良かったです。
70代と思われる女性の方は一人で4泊目だとか。「あまり上までは歩けないけど気に入って」とおっしゃっていました。夕食時、隣の席で色々お話させていただいた男性のお二人。前日も一泊し、今日は硫黄岳往復、明日は天狗岳往復するのだとか。何かと不安な自分にとって様々アドバイスしていただきありがたかったです。先日は、戸台口から入山、北沢峠のこもれび荘に泊まって仙丈ヶ岳に登って来たとのこと。学生時代から10年位やった山を退職してから復活、こうして登っているのだとか。
驚いたことに、その方は、自分のものと同じ「札幌の門田」製のピッケルを持っていました。最新のものと重さが変わらなかったので門田製の古いアイゼンを持ってきましたが、ピッケルは少しでも軽いものと新調。しかし、実際、強風の硫黄岳付近では昔の記憶から門田製のピッケルの方が安定感があるような気がしました。古くても本物を愛用する姿勢に脱帽です。
※札幌・門田 http://www.nirayama.com/~suwabe/Pickel/Kadota/K1.htm
翌日、自宅で練習はして来たものの40年のブランクもあって、アイゼンなど身支度に時間がかかり、予定より遅い出発になってしまったが、幸い天候に恵まれ、夏沢峠までは順調に到着。昨年、10月に登った浅間山の眺めに感激するのもつかの間、バラクラバを被らず出発、すぐに強風と低温で自ずと「忘れていること」に気づき、ここでも無駄な時間を費やすことになり思わず冬山の経験不足を嘆いてしまいました。
森林限界を超え、爆裂火口沿いに登っていくと感動的な絶景が現れる一方、風も寒さも更に強まり、空気も薄くなってきて厳冬期ならではの素晴らしさと厳しさの両方を実感しながら必死に登りました。そして、硫黄岳山頂に立った時、“八ヶ岳ブルー”に包まれた360度の贅沢な眺めが広がり、言葉では表せないほどの感動を味わうことか出来、心は達成感で満タンでしたが、ここに立てたのも運と素晴らしいこの天気のお陰だと自分に言い聞かせました。
実は、二巡目の百名山を目指す自分としては、恐ろしいことに条件が合えば、赤岳まで行けたらと頭の片隅にあったもの本音でした。しかし、硫黄岳山頂は風も強く、物凄く寒い。とてもグローブを脱いでスマホを操作できる状態でもありません。当然、ゆっくり座って景色を楽しむ感じでもありません。しばし立ったまま絶景を満喫させてもらい、迷わず赤岳鉱泉を目指し下山を開始。もし赤岳目指していれば、大変な事態を招いていたかも知れません⁈「無事帰るまでが登山!!」ですね( ^ω^)
赤岩の頭から下の樹林帯は例年と比較できる経験はなののですが、今回は北国では普通の雪道でした。硫黄岳、大同心、横岳、赤岳、阿弥陀岳の山々を眺めながらどんどん高度を下げ、赤岳鉱泉に到着。人工の氷瀑・アイスキャンディで訓練している人たち。山小屋とは思えない豪華な食堂、夕食にステーキが出てくるとか。冬というのにテントもいっぱいです。下手な観光地より賑わいのある場所でした。
自分も十分な食料を背負っているにもかかわらず、食堂で温かいメニューを注文しました。下界と変わらぬ通年を通し便利な山の空間がそこにあり、常に上天気なわけは無いのにここは一つのオアシスの様に映りました。直ぐ上には厳しい世界があるというのに・・・。そしてバスの時間もあり、そこそこに美濃戸口を目指しました。週末とあって、次から次と登ってくる登山者とすれ違い、改めて八ヶ岳の人気のほどを実感させられつつ無事下山。
茅野駅に着くと、夏沢鉱泉で出会ったお二人に再びお会いすることができ、硫黄岳に無事登って来たことを喜んでくれました。最後なので聞けば、67歳とのこと。少し先輩ですがこれからの目標となりました!!
今回の山行は、生の現地情報を伝えてくれてるヤマレコの山行記録があってこそ立案実行できました。また40年前、22歳の時、富士山5合目の佐藤小屋で涙した時以来の感動を再び味わうことができました。吉田大沢の8合目付近をアンザイレンで登山中、9合目付近で滑落した登山者が直ぐ脇を流れ落ちて行き、結局、佐藤小屋で夕食中にその方は運ばれて行きました。自分が登頂できた一方で亡くなる方がいる厳しい現実に自分は何でここにいるのかと自問自答しながら、経験したことの無い感動を覚える自分がそこにいました。「無事帰るまでが登山」を肝に銘じながら、これからも身の丈に合った山(冬山を含め)を楽しんで行きたいと思います。
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