三頭山・笹尾根(備忘録)


- GPS
- --:--
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 1,297m
- 下り
- 1,600m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
落ち葉の敷き詰められた優しい山道 |
写真
感想
1986年の学生時代の山行日記
当時の記述をそのまま再録します。
奥秩父から派生した2000メートル級の尾根が南北に連なる大菩薩連嶺。
そこから石丸峠付近で、ほぼ直角に派生する通称牛ノ根通りと呼ばれる尾根は、鶴峠でかなりの高度を失うが、
再び三頭山で隆起し、1500メートルの高度に回復する。
そしてこの山で、通称奥多摩縦走路と呼ばれる御前山、大岳山に続く尾根に別れ、
もう一方は笹尾根と呼ばれる尾根に別れ、さらにその名を変え、陣馬山、高尾山まで続いている。
これらの尾根の特徴は、茅戸と明るい雑木林帯で、高さの割には展望が良いことである。
従って今山行は、冬の寒い日だったにもかかわらず、終日おだやかな日だまりハイクを堪能することができた。
【数馬から三頭山】
五日市の駅から1時間バスに揺られ、東京の最奥の集落数馬に到着。
朝の空気が清々しい。
数馬出発8時50分。
車通りの激しい道を僅かに行き、九頭竜神社の前で自動車道と分かれ正面の道をとる。
両側の民宿を横目で見ながら進むと、間もなく先ほどの車道に出る。
やっと山道らしくなったが、道を間違えたらしく有料道路に出てしまった。
仕方がないので、このまま有料道路を進むことにしよう。
10分くらいで三頭山の近道を見出す。
急斜面をひと登りで、またまた有料道路に出る。
傍らの工事現場が煩わしい。
ここを過ぎると沢沿いの好ましい道となる。
途中、休憩所を過ぎ、ちょっとした急坂をひと頑張りで鞘口峠。
数馬から1時間10分。
峠というより小さな鞍部という感じだが、雰囲気は良い。
鞘口峠から三頭山までは急登の連続。
尾根の北側を巻いたり南側を巻いたりしながら高度を稼いでいく。
北側を巻く時はかなりの残雪があり、その滑りやすさに苦労した。
所々広がる展望に慰めながら、しばしの登りをひたすら我慢。
山頂に近づくと、痩せていた尾根が急に広がり、
非常に雰囲気の良い雑木林帯になった。
ここは、野鳥の宝庫になっていた。
三角点のある三頭山東峰(厳密には中央峰)は南に巻いて、
奥多摩湖への道を右に分け、わずかな登りで三頭山中央峰(西峰)に到着。11時10分。
赤土の小広い山頂で、北側と南側の展望が素晴らしい。
北側は、奥多摩の山々、特に石尾根の展望が良い。
奥秩父の山々も見えるが、核心部はやぶのためあまりよくない。
南側は、丹沢道志の山々、富士山、大菩薩連嶺と広がっている。
ここで、昼食を兼ねた大休止を取ることにする。
日だまりの茅戸の中に佇むと、非常に心地が良い。
しかし、2月の風が吹くと、たちまち震え上がってしまう。
標高、1528メートルもある山だが、公園の一角にいるように感じるから、
同じ程度の標高である丹沢あたりと比べると、深山性を感じない。
今日は人がいないからよいが、シーズン中の休日などは本当に街の公園のようになってしまうのだろう。
【三頭山から西原峠】
三頭山頂出発、12時ちょうど。
今日はこれからがハイライトだ。
急坂をわずかに下り、朽ちかけた避難小屋を左に見て、わずかに登り返して大沢山。
快晴無風で、ジャンバーを着ていると暑いくらいだ。
所々滑りやすい箇所もあるが、概して歩きやすい下り坂だ。
30分弱下ると、道は平坦となった。
やがて西側が開け、大菩薩が良く見える。
北側には国師岳も見える。
1つ2つピークを巻いて、わずかに登ったら槇寄山到着。13時。
南側が開けた広い頂上で、休むには適したところ。
10分ほどの小休止を取る。
三頭山で眺めた時と比べ、富士山には少し雲がかかり始めた。
槇寄山からほんの数分下ると西原峠。
小さな峠だが、茅戸が広がり展望も良いので、ここも休むには適したところだ。
【笹尾根縦走】
更に、笹尾根の方に進む。
西原峠からは尾根の北側を巻いていく。
残雪量も案じていたほどでもなく、「キュッキュッ」という踏み音が耳に心地よい。
10分も歩くと北側が開け、奥多摩の山々が良く見える。
笹ヶ峰峠は、知らぬ間に通り過ぎるほどの小さな峠。
ここからは、明るい雰囲気のカラマツ林の雑木林帯になる。
落葉の降り積りるった尾根を「カサコソ」と小気味よい音を立てて歩く心地よさ。
自然と鼻歌が出てくるような楽しい雰囲気。
これが低山歩きの醍醐味だ。
道は途中で直角に曲がり、ちょっと急な下りをわずかで笛吹峠。
笛吹峠も林の中の小さな峠。10分休憩。
自然石の古い道標がぽつんと置かれ、わびしさを感じる。
今日はここまでの予定だったが、時刻を見たらまだ14時。
バスの時間にはまだ早いので、予定を変更してこのまま尾根を縦走することにする。
道は丸山の北側を巻いていく。
鬱蒼とした樹林帯になり、道も今までと比べ歩きにくくなったが、
小棡峠を過ぎるあたりから、また明るい尾根道となる。
やがて道が登り坂になると、ほどなく土俵岳に到着。
南側が開け、特に権現山の長い稜線が印象的。
茅戸が広がっており休むには良い所。
15分も下りると日原峠。
この先ちょっとやぶのうるさい所があったが、踏み跡はしっかりしていた。
疲れがそろそろ出てきたので、途中のピークを越えるのがえらくこたえる。
ピークを登り切ってしまうと、笹尾根でも特に雰囲気の良い雑木林の道となった。
浅間峠は今山行のフィナーレにふさわしい雰囲気の良い峠。
右に生藤山。陣馬山への道を分け笹尾根から外れる。
最初はなだらかな下りだが、そのうちジグザグの少し急な下り坂となる。
400メートルの高度差を30分余りで駈け下りた。
上川乗バス停に着いたときは、まだバスの時刻に余裕があったので、
バス賃を少しでも浮かそうと、バス道を少し歩く。
下川乗でバスを拾い、夕闇の武蔵五日市駅に戻った。
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