下の廊下
富山県
satoo
体力度について
- GPS
- 26:21
- 距離
- 50.8km
- 登り
- 8,568m
- 下り
- 8,575m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 5:01
- 山行
- 12:11
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 12:47
| 天候 | 晴れ⇒雨⇒晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
日電歩道はとても歩きやすい道だった。 雲切新道はとても辛かった。初心者は行かない方が良い。よほど登りに自身がある人だけ。 |
| 予約できる山小屋 |
仙人池ヒュッテ
|
写真
拍手
こんなところを整備してくださりホントに感謝です
濡れたくないからすばやく抜けようとすると滑る危険性が…
見せたら嫌われそうな急登（笑
オーナが出迎えてくれました。
ありがとうございます！！！！
感想
2019.09.05-07
下の廊下へ。
毎年行きたいと思いつつもなんだかんだで後回しになっていた下の廊下。
今年は整備も終了していて、近く北方稜線にも行きたいので、取付きや状況の確認を兼ねて
黒部湖→下の廊下→池の平→黒部湖と周回するコースを2泊で考えてみた。
核心は2日目 阿曽原温泉から池の平までの登りである。
阿曽原温泉の標高が800m 池の平の標高が2100m位で1300m位上げる。途中にアップダウンもあるだろうから
都合1500mあげる事になる。CTで7Hほどになっていて果たして辿り着く事が出来るか。これが一番の核心であった…
2019.09.05
昨年、下の廊下に欅平から入ったメンバは、テン場の確保がやっとだったと聞く。
欅平からの方がアクセスも道も楽なので、条件の悪い黒部湖から行き、テン場の確保をする為には、朝一のバスが必須である。
また、過去に黒部湖から行った事のある友人の話を聞くと、前日にロッヂくろよんに泊まり、バスの走り出す前（5:00）に歩きだす人も
いた。実際直前のFBの書き込みなどにも同じようにくろよんから出発されている方も居た。
今年は幸いに直前に台風が通過して週末の天候が良くない。
天候が悪い所に行っても仕方が無いので自分も直前まで迷ったが、5，6日とそこまで悪い予報が出なかったので決行することに。
案の定前夜や当日の朝の扇沢の渋滞は、それほどでは無かった。
バスを降り、日電歩道行きの出口を通り外へ。 昨年は、途中からダムに入ったが今年はちゃんとしたルートだ(笑)
水は沢山あるところではあるが、水を取るのは難しいだろうから給水をして出発。
既に数名の登山者が歩き始めていた。黒部ダム下まで歩き渡渉。いよいよ下の廊下だ。内蔵助出合までは昨年歩いていて知った道である。
出合を過ぎて下の廊下へ入る。道はとても整備されており歩きやすい。昔の方々が少しずつ開拓をしてくれたおかげである。
これだけの道を作るのに一体どの位の時間がかかったのか。想像に苦しむ。
日電歩道（水平歩道）は基本崖の所に、無理やり道を切り開いて作っている。黒部ダムを造る為の作業道である。昔の方はここを資材を背負って
歩いたという。20Kg位の自分荷物だけで手いっぱいの自分にはとても真似できない技である。先人の偉大さを感じる。
鳴沢小沢を過ぎた辺りから切り立ってくる。新越沢合流点から白竜峡を経て、十字峡までが核心と言ったところだろうか。（結果すべてが核心であったが）
道幅は広い所で60�冂�度無い所は両足を置ける位だろうか。落ちれば10m程度は滑落をして、落ちたら道に戻るのは難しい。
基本導線が張られているが、一部末端処理がされておらずワイヤーを通しているだけになる。そんなところで足を滑らせ、ワイヤーを掴もうものなら
文字通り奈落の底に落ちる事になる。落ちたら流され戻るのは難しい。
一歩一歩、一手一手、慎重に進んで行くが、仙人谷ダムまでの約16キロを進むにはとても神経を使う。
慣れて来ると歩きも確保も適当になる為、当然滑落のリスクが増える。定期的に気持ちを切り替えて、とにかく時間は気にせず集中して進んで行く
白竜峡辺りがやはり核心であった。見ごたえはあるがのんびり景色をという訳に行かないところである。
白竜峡を過ぎると十字峡。立派な橋がかかっており、渡った所で一本立てる。ここからは少しは良くなるかなと思ったが以前変わらずであった。
眼前に大きな人工物が見えて来る。S字峡である。S字峡を過ぎると沢床が広くなり流れも穏やかになる。東谷吊橋を越えると仙人谷ダムである。
これで何とか阿曽原温泉に着けると、ホッと一息。 ダムはダム施設内を迷路に様に進み抜ける。
途中昔のトロッコ跡があったり、猛烈な蒸気のサウナの場所があったりと施設内の探検は楽しい。今なお、薬莢のにおいが漂う場所もあり、当時の開発の
凄さを感じるところもあった。ダムを過ぎると登り返す。この登りが意外とキツイ?
想定外の登りと遠くでミンミンゼミの鳴き声が聞こえる気温にようよう登り返す。後は阿曽原温泉に降りて行くだけだ。150m程下ると人気のにおいがする。
小屋が近くだろう。とすぐに眼下に小屋が見えた。テン場にはまだ誰も居らず、小屋にもお客さんは居なかった。
小屋の主人にどっから来た？と聞かれて扇沢と答えるとかなり早いなと驚かれた。丁度小屋に着いたのが12時であったが、温泉の時間を14時まで男性にしてくれ、
しばらくは貸切のテン場と温泉を堪能した。 温泉に入り飲んびり景色を見ながらビールを頂く。至福の一時である。この頃になるとポツポツと登山者が到着する。
昼寝をして体力の回復をはかる。夕方には10張位のテントとなった。
夕方から前線の通過で雨予報であったが、翌朝までは雨は降らなかった。
2019.09.06
この日は、阿曽原温泉から欅平まで空身でピストンをして雲切新道を池の平まで登るという超ハードスケジュールである。
雲切新道登りは最低6時間はかかるだろうと考え、ヘッデンで何とかつけるぎりぎりの時間18時にテン場着とすると、12時には、阿曽原温泉を出ないと行けない。
その為には、3時に起きて、片道4.5Hで往復をしないと行けない計算になる。前日に欅平から来たガイドさんに話を聞くと、お客さんを連れてゆっくり歩いて6時間程度
で来た。との事で4時間あれば行ける算段が付いた。よって2時起床。3時出発で行動する。小屋のおじさんからは、クマに気を付けてヘッデンと熊鈴は忘れずにといわれた。
3時出発 まだまだ暗い。近隣のテントは寝静まっている為、静かに行動する。沢を渡り尾根を越えた所で鈴をセットする。
暗闇の中をひたすら歩く。初めのうちは樹林帯歩きの為、安心である。オリオ谷は小さな坑道を抜けて行く。
大太鼓を過ぎると、志合谷になる。大太鼓の辺りは崖なのだろう。真っ暗なので何も見えないが、落ちてはいけない事だけは判る。(笑) 志合谷は、なかなか雰囲気があった。外も暗かったのであまり変わらないが(笑)、前半は水が結構溜まっているので濡れないように歩くが、後半は水切りがされているので、快調に歩けた。志合谷を過ぎて来た頃から明るみを増してきた。
順調に欅平上部に着く後は欅平に降りるだけ。3時間程度でつけた。とその時、右手の藪の奥でガサゴソって音がする。
ヤバい熊か？と思い太い木を背に音のする方を向く。ブヒーともブルっともするような音を立てて、音は消えて行った。
ホッとする…。こんなところでこんな時間に熊にあったらアウトだろう…
6時15分位か？丁度3時間ちょっとで欅平に着く。が…人気が無い。 そしてちょうどこのころから雨が降り始めた。
軒で大休憩を取る。とその時、駅が空いた。駅の中を見学させていただく。始発電車は、9:30頃である。まだ3時間程度ある。(笑)
見学もそこそこに阿曽原に戻る。本当はコーラでもと思ったが、財布をテン場に起きて来たので文無しである…。
熊に気を付けながら阿曽原に向かう。霧雨であるが視界はハッキリしており、朝見る事が出来なかった地形を見る事が出来た。
途中、下山途中の登山者ともすれ違う。すれ違いも十分出来て、道幅も広い。
阿曽原には、10時に戻る事が出来た。帰りは3時間20分位。当然のことながら、テン場にはテントは無く、自分のテントがポツンと残されていた。(笑)
小屋により、帰着の連絡と念願のコーラを購入する。300円であった。
コーラを飲み、食事を取りテントの撤収を行う。もう一泊したいくらいの好天である。とはいえ先に進まないと行けないので、池の平を目指し出発する。仙人谷ダムまで戻り、雲切新道への道を探す。 登山者にはあわないだろうと思っていたが意外と沢山の登山者が降りて来る。（登りは無し）みんな仙人池か池の平からである。4時間程度かけて降りてきている。中には、仙人温泉小屋手前すれ違う人も。彼らの阿曽原温泉到着が心配になる。途中ふと足元を見るとマムシが張っていた。こちらには気づいていないのか藪の中に消えて行った。雲切新道はとにかくキツイ道である。急登になり途中全く休める所が無い。所々に階段も出てきて足を休ませる暇がない。予め厳しい道なのは判っていたので、欅平で見つけた木の棒を手にダブルストックで登っていく。十数年ぶりである。
ダブルストックの威力は絶大で、高度をグングンあげて行った。（最後にはバテバテでヨロヨロであったが。(笑)）
仙人温泉小屋で一本立てようかと思ったが、9/30で営業を終了していた。下山者によると仙人温泉までの道が悪く時間がかかったと話していた。確かにここからは沢を登る形になり、沢慣れしない人だと苦労するだろうし、ここも意外と急登である。
さすがにかなりバテが入り歩きも怪しく成ってくる(笑)。
すすめど、すすめど、終わりが見えない。あそこかな？ってポイントを見つけるが二俣になり、別の方角へ(笑)
そんなのを何回か繰り返しようやく沢から離れいよいよ頂上か？という所で、仙人池ヒュッテが。 入り口にはオーナが来訪者を待っていたのか暖かく迎えてくれました。 ここではこの旅唯一のバッヂを購入。もう少しお話をしたかったですが、時間も押してきたので池の平小屋へ。ヨロヨロになりながら峠に向かう。峠からは下る。こんなに下って平気なのか？ 道を間違えたのではないか？と不安になる頃に池の平小屋が見えてきます。
テントが3張。日曜日のこんなに天気が悪いのにテン泊の人が居る事にビックリ…（自分もだが）
無事に受付をして、ビールを500ml 1缶積んでいたが、消費期限切れのビールを飲めもしないのに買ってしまい、テントにこもり暖をとりました。22時位まではガスでしたが、夜中にはガスが取れ星がキレイに瞬いて翌朝の好天を約束してくれました。おかげで翌朝もゆっくりしようと気持ちに…
累積標高差2400m。距離30Kmの核心の1日を終える事が出来ました☆
2019.09.07
今日は下山のみになるのと、モルゲンに映る劔を見たいのでゆっくりと起床。
紅葉が始まっているが、そこまで寒くは無い朝であった。テントを開けると眼前に劔の雄姿が目に飛び込んでくる。
食事をしながら太陽に照らされていく剱岳をみる。
前日の疲れも取れたようで体調も悪くない。日があがるのを待って下山を開始する。峠の辺りは、草紅葉が見事である。
仙人池ヒュッテに寄ろうかと思ったが、そこまでの元気も無く写真だけ撮りまくって下山する。下から登山者が上がってくる。挨拶をすると、熊が出たんですね！と( ゜Д゜)。先行者が登山道で熊に出くわした様だ。すぐ下では慌てて熊鈴を着けてる登山者も居た。
自分はハシゴ段乗越の取付き迄は大丈夫だろう通りていく。それにしても沢山の登山者が上がってくる。平日なのに。このエリアの人気が伺い知れる。真砂沢に泊まりピストンという方も居た。600m程下ると真砂沢に出る。ここからは登り返しになる。ところどころ足場の悪い所もあるが、テープがしっかり付いているので迷うことは無かった。
ハシゴ段乗越と真砂沢ロッヂとの分岐の所で先行者に追いつく。ここから先は昨年歩いているので安心である。
渡渉をした所で一本立ててハシゴ段乗越に取付く。200m程あげる。昨年は、五色からの歩きで4日目だったので体力的にもきつかったが今日はまだ朝一だったので、意外と楽にのっこせた。剱岳や真砂沢に別れを告げて、内蔵助を望む。
内蔵助谷を降りて先行のご夫婦に挨拶をして内蔵助谷出合に到着。ここでも1名の先行者に追いつく。
2回目なので慣れているのかここまでも短く感じる。後は内蔵助谷出合まで高度を降ろせば、ダムに着ける。
1名の登山者が上がってくる。こんなに悪い道は無い！下りでも使いたくないと悪態をついていた。
確かに大変な道ではあるが、剱岳行くには通るしかない…
そうこうしているうちに出合に到着！これで周回は完了。後はダムまで戻るだけだ。
出合で一本立てる黒部渓谷の削られた岩壁に光が当たり神々しい景色が広がる。
ダムでは観光放水が実施されていた。最後の150m程度の登りも、覚悟して取付いたが意外と楽に登る事が出来た。
バス停に着くと同時にバスの改札が始まったので、同乗させてもらう。
ようやく扇沢に戻って来れた。
3日間 50Km 累積標高差4000m であったが数字以上に苦労をした旅であったが、とても充実した3日間であった。
黒部の山や渓谷に感謝の旅であった。
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