記録ID: 2062888
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無雪期ピークハント／縦走
槍・穂高・乗鞍
8峰から往く前穂高北尾根
2025年09月27日(土) [日帰り]
長野県
Tatsu0
- GPS
- 10:17
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,847m
- 下り
- 1,852m
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標高グラフを拡大コースタイム
日帰り
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 2:13
- 合計
- 10:18
距離 20.3km
登り 1,847m
下り 1,852m
6:36
1分
スタート地点
16:54
ゴール地点
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
〇上高地〜屏風のコル パノラマルート。トラバース路が若干悪いため、足元注意。 〇屏風のコル〜8峰 8峰の取り付きが藪で分かりにくいが藪を除けるとある程度のトレースがついているため、トレースを辿りながら覆いかぶさる藪を除けて行くのが通常運転。 〇8峰〜7峰 ハイマツ帯が多くなってくるため、ハイマツ漕ぎ必須。両手両足でハイマツをどかしたり、乗り上げたりしながら進むため、突破に時間がかかる。ルーファイはトレースを探しながら進む方が時間的にも体力的にも楽。一部岩登攀があり、一部下降用に古い残置スリングが残っているが、懸垂無し下降可能。 〇7峰〜6峰 ハイマツ帯相変わらず健在。6峰の登りに本格的な岩登攀が絡んでくる。浮石、グラ石が目立ってくるため、ホールド選定時は確認推奨。残置支点やハーケン等がそれなりにある。 〇6峰〜5-6のコル ハイマツ帯の間隙を縫ったトレースもといガレ沿いに下降。コルに人がいる場合は下降時の落石に注意。ここが終わると晴れてハイマツ漕ぎから解放。 〇5-6のコル〜5峰 ここから有名な北尾根の始まり。トレースがはっきりとしているので、トレース沿いに進む。 〇5峰〜4峰 4峰の登りが若干登攀気味になってくる。登攀難易度は低いが浮石、グラ石が結構多いのが厄介。 〇4峰〜3峰 核心の3峰は他情報でもルート攻略・解説に取り上げられるだけに残置支点、ハーケンが使えるもの使えないもの含めて沢山残されているため、前情報を抑えておかないとルート取りに試行錯誤するかもしれない。この区間も相変わらず浮石、グラ石が多い。登攀していて最も高度感を感じる区間。 〇3峰〜2峰 低難度の登攀が続く。ここも浮石、グラ石に注意。もはや北尾根自体が浮石の巣窟。 〇2峰〜山頂 2峰からの下降用として残置懸垂支点（カラビナ3個付き）あり。高さは5m程度。 〇山頂〜上高地 一般登山道。重太郎新道の急下りが地味にしんどい。 |
写真
約1年ぶりにここに訪れるパノラマルート入口。過去に3度も敗退して早3年ぶりに再チャレンジのチャンスが訪れる。このコンディションで無理だったらもうやめた方がいいと覚悟を決めていざ出発。
拍手9/27 8:01
約1年ぶりにここに訪れるパノラマルート入口。過去に3度も敗退して早3年ぶりに再チャレンジのチャンスが訪れる。このコンディションで無理だったらもうやめた方がいいと覚悟を決めていざ出発。
今日は風も無く良い天候です。天候不良で2度敗退した自身としてはこれは絶好のチャンス。
屏風のコル。既に何人か休憩していたので、8峰取り付きの手前で休憩することにしました。
涸沢カール。一部紅葉しているとの話ですが、遠目からはまだまだ緑。
8峰取り付き。一昨年に偵察したときに序盤トレースは既に確認済。藪がかなり鬱陶しいですが。
背丈の小さい石楠花や低木が行く手を阻んでくるものの、この辺りは全体通してまだまだ優しい方。まだハイマツという面倒な障害物が奥に控えています。
9/27 9:48
背丈の小さい石楠花や低木が行く手を阻んでくるものの、この辺りは全体通してまだまだ優しい方。まだハイマツという面倒な障害物が奥に控えています。
先人の残トレースを有効活用させて頂きました。今回の藪漕ぎで唯一の救い。
終わりが全く見えない藪漕ぎ。ピーク以外の9割型はこんな感じです。
まずは念願の8峰。1張くらいなら野営できそうなスペースがありました。
前穂高岳は左奥に捉えていますが、まだまだ先は長い。お次は7峰。
7峰。ここも1張いけるかと。右に8峰。その左隣に屏風の頭。左に奥に見えるとんがりが槍。
6峰の登り返しの際にスマホを落とすという大惨事に見舞われ、周辺一帯と通ってきた道を必死に探してなんとか回収。この時は正直生きた心地がしませんでした。本山行の大反省点。
9/27 11:56
6峰の登り返しの際にスマホを落とすという大惨事に見舞われ、周辺一帯と通ってきた道を必死に探してなんとか回収。この時は正直生きた心地がしませんでした。本山行の大反省点。
この辺りから岩登攀がちらほら目立つようなる。岩が普通に動いたり剥がれたりするものがあるので、細心の注意を払いました。先ほどのスマホ紛失未遂があったため、ここからは撮影は最低限になりました。
9/27 12:00
この辺りから岩登攀がちらほら目立つようなる。岩が普通に動いたり剥がれたりするものがあるので、細心の注意を払いました。先ほどのスマホ紛失未遂があったため、ここからは撮影は最低限になりました。
ようやく6峰。長かったハイマツ漕ぎもここを下れば解放されると思うとやり切った感がありました。
5峰付近。藪漕ぎから解放されたのでサクサク進めるようになりました。
4峰登り中。ここから登攀っぽくなってきましたが、浮石とグラ石がそれなりにあるので、低難度でも油断はできないです。
4峰まであと少し。トレースも微妙に分かりづらいため、登りやすいところから登りました。
写真で見た程度の3峰ですが、いざ現地で見てみると普通に壁！って感じでした。
下部の難易度が�掘↓犬�2通りの登り方ができるようですが、迷わず�掘�生き残りを最優先です（笑）
下部ほどの難易度でないものの、中盤以降も浮石やグラ石が多いため、油断禁物でした。
3峰がどこだったか分からぬまま、2峰に到達。2つ目の先行パーティに追いつく。この先のピークが前穂高岳。
身体が随分疲弊していたので、2峰の下りは懸垂下降。もはやクライムダウンを試みる元気はありませんでした。
距離はそれほどではなかった気がしますが、色々あり過ぎて疲労感タップリの8峰からの北尾根でした。ハイマツ漕ぎはもうお腹一杯すぎて来シーズンまではもうやりたくないです。
9/27 14:08
距離はそれほどではなかった気がしますが、色々あり過ぎて疲労感タップリの8峰からの北尾根でした。ハイマツ漕ぎはもうお腹一杯すぎて来シーズンまではもうやりたくないです。
前穂高の道標。ここからはもう安全ですって言ってくれるような存在感でした。
面倒な下りを終えて、次の藪山ターゲットの一つである六百山。霞沢岳との区間の藪がヤバいとのことですが、また来シーズン以降。
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
ライター
地図（地形図）
コンパス
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
ツェルト
ナイフ
ヘルメット
30mロープ
カラビナ
スリング
下降器
捨縄
藪漕ぎ用グローブ
|
|---|
感想
3年前から3度にわたって敗退し続けた8峰から往く前穂高北尾根をようやく踏破してきました。踏破する計画を立てる際に初見の北尾根（5峰からの岩ルート未踏）であることから、日帰りで突破するのにどれくらいの時間を要するか、核心3峰に苦戦しないか、藪漕ぎがどの程度のレベルか、不確定かつ不安要素が多いながらも現地判断の手探り状態でやらなくてはならないのが、この踏破チャレンジの辛いところでした。スマホ紛失未遂による時間ロスのリカバリーも相まって山頂に到達する頃には満身創痍の状態・・・。今回一番やらかしたは間違いなくスマホ紛失未遂。
そんなおかげで山頂まで登り切った時には、感極まって「よし、やった！」って両手をグーにして思わずガッツポーズが出る有様（笑）。こんなに充実した登山は初見ソロで踏破した北鎌尾根以来で、自分自身に対して良い感動が貰えました。
踏破するまでに3年かかりましたが、その間に積み重ねてきた様々な経験（登攀、藪漕ぎ、ルーファイ等々）が活かされた部分も多かったので、3年前の自分ではやり切れてなかったかもと思うと3年かけた意味は確かにあったと思いました。
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