暁の武奈ヶ岳から早朝の八雲ヶ原湿原へ


- GPS
- 04:33
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,072m
- 下り
- 1,066m
コースタイム
- 山行
- 3:57
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 4:34
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
久しぶりに武奈ヶ岳に登ることを考える。前回、武奈ヶ岳を訪れたのは正月にうりさんと共に訪れた時だったか。先日は武奈ヶ岳と迷った挙句、釈迦岳にしたのだが、武奈ヶ岳は完全に雲の中であった。この日の朝は比良の山の上に雲がかかることはなさそうであり、朝は快晴が約束されそうだ。
前日は京都の気温は38℃以上であり、この日も同様の酷暑が予想される。朝、家を出ると夜とは思えぬ暑さが漂う。電光掲示板は27℃を示しているが、車の車外温度は29℃を示している。しかし、花折峠を過ぎると空気がガラリと代わり、急に気温が低くなるのを感じる。電光掲示板の温度は22℃まで下がる。
坊村の駐車場の奥の水神社でペットボトルに水を満たすといざ出発である。植林地の中は風はなく、早速にも汗をかく。植林地を抜けて稜線に出るとようやく涼気を感じるようになる。
すぐに御殿山の無雪期コースと積雪期コーストの分岐に出る。無雪期コースを辿り再び積雪期コースと合流すると小さな広場となっている。頭上に星空を見上げる。今日は新月なのだろう。月あかりがないせいで星がよく見える。東の空にをオリオン座が昇ってゆく。
御殿山の山頂にかけて樹々の高さが低くなってゆく。御殿山からは夜空を背景に西南稜から武奈ヶ岳山頂のシルエットが浮かび上がっている。オリオン座は確認することが出来るが、すでに多くの星が姿を消している。
わさび峠を越えて西南稜に向かうと空が白み始める。樹林を抜けたところでライトの明かりを落とす。草原状の稜線の上はアルプスの稜線を歩くような爽快感がある。
武奈ヶ岳の山頂にたどり着くと東の空から徐々に明るくなってゆく。ご来光まではまだまだ時間がありそうだが、心地よい風に吹かれながら空が明るくなってゆくのを待つことにしよう。すぐに私の周りに小さな虫が集まり始める。まもなくアブと思われうるブンブンという嫌らしい音が聞こえ始める。
前回の釈迦岳と違ってこの日はしっかりと虫除けのスプレーを持参しているので、スプレーを全身にふりかける。どうやらアブを避けるには効いたようだ。ブンブンという羽音は聞こえなくなった。しかし、ブヨと思われる小さな虫は一向に減る様子がない。
太陽が登ると思われる方向には薄曇りの雲がかかっている。雲が紅く光っているので日の出が近いこと予想されるがなかなか太陽が顔を出す気配がない。わずかにリトル比良の上に雲が起こったかと思うとみるみるうちに雲が広がってゆく。
上唇のあたりに違和感を感じると、急速に腫れ上がっていく。どうやらブヨに噛まれたのだろう。顔にも虫除けスプレーは吹き付けていたのだが、スプレーのかかっていない箇所を狙狙われたようだ。
虫に辟易して山頂を去ろうかという段になってようやく釈迦岳の上からゆっくりと真っ赤な太陽が昇り始めた。光芒が全く放たれないのは広範囲に薄曇りの空が広がっているからだろう。
武奈ヶ岳の山頂を後にすると八雲ヶ原に向かう。コヤマノ岳は立ち寄らずにスキー場跡に向かおうかと思ったが、山頂のあたりが明るく朝陽を浴びている様子を見て自然と山頂に足が向かった。コヤマノ岳は朝陽を見るのに意外といい場所であった。釈迦岳の上に昇ってゆく朝陽を正面に望む。もっと早い時間にここに移動してくれば良かったと後悔する。
かつてのリフトトップに出ると登山道の南側の谷を下る。ヤクモ池のすぐ西側に流れ込む渓流があるので、その源流がどうなっているのか気になっていたのである。かつてのゲレンデの跡と思われる草地を下ると右手に谷が見える。沢沿いには踏み跡があり、池の西側の杉の大樹にたどり着く。
この日は池の周りはテントは一つもなかった。空が白く見えるせいだろうか、この日の池はモノトーンの世界が広がっている。八雲ヶ原湿原には朝靄が漂い、夏の朝らしい雰囲気だ。相変わらず湿原の木道の板は薄く、薄氷を踏むようだ。いつ板が割れてもおかしくないだろう。
木道を進むとすぐに周囲に小さな鳥が舞うかのような白い花が咲いているのが目に入る。鷺草である。朝露に濡れた白い花はなんとも綺麗だ。今回の朝の山行の一番の目的は、前回の山行で見落としたこの鷺草の姿を確かめることにあったのだ。
まるで集まってきたかのように木道の周囲によく咲いている。前回訪れた時にどうしてこれらの花が目に入らなかったのだろうか恥ずかしい限りではあるが、木道の板を割らないように歩く子ことに集中していたからという他ないだろう。
鷺草の姿をいくつかカメラに収めると下山の途につく。北比良峠への分岐を過ぎると沢沿いには数多くの人がキャンプしておられた。中にはブルーシートの上にそのまま寝袋で寝ておられる人も多い。どうやら何かの団体なのだろう。テントなしで寝て果たして夜露や虫は大丈夫だったのだろうかと余計な心配をしてしまう。
金糞峠への分岐までキャンプの方が連綿と続く。大橋の手前に来ると比良の銘水「スリバチの水」で喉を潤し、ペットボトルを再び満タンにする。この道はこのスリバチの水といい、明王谷林道の覚照水といい美味しい水が汲める水場があるのが嬉しいところだ。
大橋で右岸に渡渉するとここは様々な形の台杉が目を惹く。再び沢を渡って再び左岸に入ると登山道は沢を離れ、トラバース道に入る。ここは何故か距離が長く感じられるところだ。沢を離れて緩やかな登りが続くからだろうか。それでも8時前に坊村に帰り着くことが出来るので、自宅からのテレワークの開始時間には十分に間に合う時間に帰り着くことが出来るのだった。
ブヨに噛まれた上唇の腫れは夕方になってますます酷いことになる。先週に引き続き、比良の早朝登山は三回連続で虫に噛まれて残念な思いをすることになる。夏の比良は虫対策が最大の課題だ。(※翌朝も唇の腫れはさらに酷くなるが顔面用のステロイド剤(ロコイド軟膏)を塗布するとようやく腫れも少し治まるのだった。)
こんばんは。
白い鷺の花、朝露に濡れて一層優雅で綺麗ですね!
この花が八雲の湿原に咲くことは私も昨年初めて知ったのでしたが、気になって数年前のネット情報を見てみましたら当然ながら以前から咲いていたようでした。
ちなみに8年前の情報では、夏に八雲の池にスイレンの仲間のヒツジグサが。またノハナノショウブが咲いている画像も出てきました。
これらを私は八雲で見た事がありませんが、見落としているだけなのか、はたまたもう姿を消してしまったのか・・比良に詳しいyosiokaさんやHBさんならご存知なのかも知れませんね。
うりさん コメント有難うございます。
うりさんに教えていただいて、小さな白い鷺が木道の周りを舞っていることに気がつきました。何とヒツジグサやノハナショウブまで咲いていたのですか!果たして環境の変化なのか、たまたま見過ごしているのか・・・環境の変化のせいでこれらの花が見られなくなってしまったとしたら何とも寂しいことです。
湿原の木道もいよいよ危ないので、崩壊が進むと入れなくなるかもしれませんね。
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