白馬岳(猿倉から栂池へ)



- GPS
- 30:36
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 2,067m
- 下り
- 1,441m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 7:25
天候 | 晴れ時々ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪渓は短かく、アイゼン未使用でした。 ただ、滑ると危ないので気をつけて登りました。 |
その他周辺情報 | 下山後、栂池の湯モンベル割で500円。 ただ、8月31日で閉店するそうです。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
食器
地図(地形図)
ヘッドランプ
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
|
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感想
北アルプスデビューは、あの有名な大雪渓へ!
いつもの仲間との企画ですが、何度も登っているという一人は栂池から入り白馬大池でのテン泊を楽しむとのことで、二手にわかれてということになりました。
わたしを含めた三人を猿倉の駐車場で下ろしてもらい、猿倉荘脇のトイレを借りていざ出発。
その前に登山届けを出しに行くと、係りの人が丁寧に道の状況を説明してくれました。
アイゼンはいらないほど雪渓は少なく、脇の道はもろいので落石に注意とのアドバイスでした。
赤い屋根がかわいい猿倉荘の脇に伸びる林道から歩き出します。
ゆるやかで登っている感じは全くありませんでした。
正面にそびえるお山の名前もわからず、でもアルプスなんだろうなとそれだけで感激。
強い日差しに汗をかきながら進むと、やっと少し登りはじめます。
そしてほどなく、「ようこそ大雪渓へ」の文字が見えてきました。
開けた場所なので谷がよくみえました。
なのに雪渓は見えませんでした。
猿倉荘の係員さんの言うとおり、雪はないようです。
そのまま谷の左側に伸びる夏道を登っていきます。
傾斜がついてきて、息がきれてきました。
道は細く脆いので、慎重に進みます。
登るにつれて、谷に雪がちらほら見えてくるようになりました。
吹く風も何となく涼しいような気がします。
ひたすら前を見て登り続けると、やっと雪渓が見えてきました。
下りてみて雪渓の谷から見上げる山の迫力!
自然が生み出す絶景が待っていました。
雪はゆるく、たしかにアイゼンはいりません。
ストックを使いながら一歩ずつ歩きました。
振り返ると、雪からの白い冷気がとても幻想的。
雪渓が終わってしまうのがもったいなくて、なかなか進めませんでした。
雪渓をわたり谷の右側へ進むと、再びコースは夏道に入っていきます。
すでに疲れきっていたので、登ったところでお昼休憩。
おにぎりとゼリーを口しました。
再び登り始めますが、やはり高山で体が重くて一歩ずつがつらくなってきました。
いつものことですが、吐き気も出てきちゃって休み休みになりました。
ひたすらの急登がつづきますが、地図を見ても進んでいません。
次のスポットは岩室跡ですが、いつまでたっても到着しませんでした。
雪渓の終わりあたりから、吐き気がひどくなり嘔吐。
高山病がとうとう出始めたかと、憂鬱な気持ちになりました。
結局地図上の岩室がわからないまま、急坂が続いていきます。
気づけばあたりはガスガスでした。
休みながら進み、ようやく避難小屋が見えてきました。
からだがいうことをきかなくなっていたので、避難小屋に停滞したい気持ちでいっぱいでした。
でも、あけてのぞいた小屋は暗くちょっと怖い雰囲気(^o^;)。ここに泊まる勇気は持てませんでした。
避難小屋の先からは、少しだけ傾斜が緩みお花畑が続きます。
とはいえ、こんな状態なのでそれでもつらい登りでした。
止まっては休み、を繰り返し、とうとう見つけたベンチで横になってしまいました。
仲間が励ます声をききながら、荒い呼吸を繰り返していました。
すると、わたしがおろしたザックを持ち進み出す仲間。
「空身でゆっくりきな」と、優しい言葉も(TT)。
身軽になったので、再びゆっくり歩き出すもそこからは再びの急坂で、また休み休みの歩行でした。
休んでいるあいだに、二組くらいに抜かれていきました。
頂上宿舎がゆっくり近づいてきました。
苦しみながらやっと宿舎へ。
待っていてくれた仲間が、「山荘見えてるよ!」と声をかけ出迎えてくれました。
でもこのとき、あたりはガスに覆われて風も強く、とても山荘は見えませんでした。
「寒いから止まっちゃダメ」と仲間にげきを飛ばされ、一歩ずつ歩きます。
一山抜けるとゆるやかな稜線歩き。でも疲れすぎていて、見えてきた山荘に近付くのが困難でした。
そしてやっとのことで、山荘へ!
受付の小屋の中は温かく、今にも倒れそうになるのをこらえて受付をすませます。
売店にいくという仲間とわかれて、わたしは一人小屋へ入りました。
部屋は3階で、最後に階段がつらすぎました。
シーツを敷いて、カバーをかけたら着替えます。
吐き気はまだおさまりそうにありませんでした。
そのまま横になり、休んでいると仲間の二人の元気な足音がしました。
それをききながらうつらうつらしていると、5時の食事の時間を告げる放送が流れました。
すぐに動くことができなかったわたしは、遅れて食堂へいきました。
でも食欲もなく、くだものとハンバーグに手をつけたぐらいで食事を終わらせました。
食後、売店へと出掛けましたがこれというものはなく、そのまま7時には眠りに着きました。
夜中にふとんが固くて目を覚まし、うとうとしているうちにまた寝てしまったようです。
物音で目を覚ましたら、ちょうど4時半でした。
顔を洗いがてら外へ出ると、朝焼け色の空がひろがっていて、目の前に北アルプスの名峰たちが。
正面に劔岳、遠く槍ヶ岳、富士山も雲の上に見えました。
振り返れば白馬岳の向こうの空が明るくなって、新しい1日がはじまろうとしていました。
朝食は5時からで、空腹だったのでわりと食べることができました。
準備をして小屋を出たのは6時半。
まずは白馬岳のピークを目指して歩きます。
本調子ではなく、スローペース。それでも、一歩ずつ進むのみ。
すると先をいく仲間が二人とも立ち止まってしまいました。
追いついてみると、なんと草むらに雷鳥さんがいると!
目を凝らすと、たしかに岩と同化するようにたたずむ雷鳥さんがいました!
毛繕いをしたりして、かわいいのなんの(///ω///)♪
雷鳥さんにあえてこれほどうれしいことはありませんでした。
元気をもらって山頂へ!晴天の下山頂に立てた喜びは、なににも変えがたいものでした。
山頂標識はなぜか手書きで、ちゃんとしたものがプチプチに巻かれて横たわっていました。
そのうちさしかわるのでしょうか。
山頂からの眺望はいうことなく、広がるパノラマに言葉を失うばかりでした。
これから向かう稜線の眺めも、アルプスだからこその連なり。
がんばってここまで来た甲斐がありました。
山頂での感動を噛み締め、いざ縦走ルートへと向かいます。
ガレた稜線を三国境まで一気に下ります。
途中で滑ってしりもち。すれ違った方が心配して声をかけてくださいました。
それにしても気持ちのいい稜線天国♪
下りなので体調の悪化もなく、スローペースにしていれば問題ありませんでした。
しかしながら、小蓮華山までは登り返します。
ここがきつかった(*_*)。やっぱり体調は万全ではないので、登りでは息が切れ切れ苦しくなってしまいます。
あたりがガスっていて、暑くないのが救いでしたが、それでも三回くらい休憩を挟みました。
小蓮華山へ着くやいなや、座り込んでしまいました。
大きく深呼吸をして息を整えていると、ちょうどガスが晴れてきました。
すると、眼下に白馬大池が見えました。
ぽっかりと天空に浮かぶ池。不思議な景色に心を奪われるばかりでした。
と同時に、まだまだ先は長いことを知りました。
白馬大池までの下りも稜線歩き。ただ、ガスが濃くて景色は見えていませんでした。
下る途中で、白馬大池に泊まった仲間が迎えに来てくれました!
優しい仲間がわたしのザックを持ってくれたので、まあまたわたしは身軽になることができました。
それでも、船越の頭までの登り返しはまたもやきつくて休み休みでした。
船越の頭を過ぎて、ハイマツが茂る雷鳥坂へ。
ガスっていて、いかにも雷鳥さんに会えそうな雰囲気でしたが、会うことは叶いませんでした。
白馬大池へ下り立ち、ベンチで昼食タイム。
わたしは食欲があまりなかったので、仲間がくれたゼリー飲料だけ口にしました。
再び歩き出し、まずは白馬乗鞍岳目指して池の横の岩場を登っていきます。
岩登りのほうがなんとなく疲れにくいのはなぜでしょうか。
あたりがガスで少し涼しいのも理由のひとつかもしれません。
30分ほど登るとガスの向こうにケルンが見えてきます。
ただっぴろい山頂にケルンと標識がなければ山頂と気付かないようなところです。
そして、ここからの下りルートがとても大変でした。。。
岩ゴロの道で歩きづらく、滑るのです。
慎重に下りすぎて、非常に気を使いました。
しかもかなり長い区間下ったような気がします。
仲間に遅れながら、安全第一で進みました。
木道が現れたときには、ほっとしました。
ワタスゲが揺れる湿原が、やさしく私を迎えてくれたかのようでした。
湿原が終わると、再び下りの登山道へ。
時折岩があるものの、傾斜もゆるんで歩きやすい道になりました。
途中の水場で冷やしタオルをつくり、蒸し暑い中を下りていきます。
気付けば、標高が下がったせいなのか息苦しさもなくなったような気がしました。
木々の隙間に建物らしきものがみえてくると、栂池はすぐそこでした。
先に着いた仲間がベンチで待っていてくれました。
暑さで火照った体をクールダウンさせるべく、さるなしソフトをいただきました。
もっさりとしたソフトクリームに酸味が加わった、おいしいソフトクリームでした。
ロープウェイ駅で片道切符をかって、一気に標高を下げていきます。
ロープウェイは一回乗り継ぎがあり、乗り継ぎの駅同士が離れていてつらかったです。
それでも登りの苦労はなんだったのかと思うほど、あっという間に下りていき、無事に下山できました。
2日間の汗にまみれた体は、栂池の湯でさっぱり。
すっかり食欲も戻ったので、帰りは寄り道。
セブンイレブンの唐揚げ棒を食べたり、諏訪サービスエリアでラーメンを食べて帰りました。
はじめての北アルプス2日間は、思い出たくさんの旅となりました。
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