厳冬期に八ヶ岳の主峰、赤岳に望む


- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,458m
- 下り
- 1,458m
コースタイム
20日 7:30赤岳鉱泉ー8:05中山乗越ー8:15行者小屋ー10:20御小屋尾根分岐
−11:00赤岳山頂ー13:40赤岳鉱泉ー15:30美濃戸小屋ー16:50美濃戸口
天候 | 一日目ー雪 二日目ー晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
1日500円 二日間1000円支払う |
コース状況/ 危険箇所等 |
<赤岳山荘ー赤岳鉱泉> 昨年の今頃より積雪は多かったです。アイゼンは堰堤広場までは、無くても大丈夫な気がしますが、山道に入り、2か所くらい凍結個所あり、アイゼン着けたほうが無難です。堰堤広場に行く途中のショートカットの道は凍結しています。 <赤岳鉱泉ー行者小屋> 中山乗越までパウダースノーで気持ちよく歩けます 下山に尻セードのあとがありました。登りのトレースと間違えると、急登を上る事になります <行者小屋ー御小屋尾根分岐> 文三郎尾根の取り付きからかなりの積雪量です。 先行者のトレースに感謝しつつ一生懸命登ります。 鎖場と階段はかろうじて、見えますが、無いと等しいです。登ってきたところを振り返ると、かなりの高度感があります。 御小屋尾根の標識が近づくにつれて、風が強くなります。ピッケルを刺し一歩一歩確実に登りました。突風に体が持っていかれそうな感じです。気を抜いたら、転倒してしまうので、御小屋尾根分岐の少し手前がふんばりところです。 <御小屋尾根分岐ー赤岳山頂> 稜線に出たら雪は少なくなりますが、風は強くなります。 凍結個所と岩のミックスです。鎖場は出ていますので、使えますがアイゼンワークとピッケルで、鎖は補助に使いました。 山頂直下の梯子は雪で隠れていますが、ザイルが結んであり すごくありがたかったです。 |
写真
感想
2007年から夫婦で登山を始めて、色々な山を登るようになり、雪山にも魅力を感じてしまうようになり、アイゼンとピッケルも購入。とりあえずの夫婦の目標は厳冬期の「赤岳」にしました。
今までの雪山の経験は、硫黄岳、三つ頭、4月の蝶が岳、鳳凰三山で、まだまだ経験不足な感じがしており、厳冬期に天狗岳や蓼科山などの経験もしてから、主峰に挑戦するつもりで、今回はとりあえず、行けるところまで行って、天候が崩れそうな場合や、少しでも恐怖感を感じた場合は引き返そうと話し合っており、文三郎尾根の取り付きから御小屋尾根分岐の標識がかすかに見えましたので、欲張らずに、本日の自分たちの山頂はこの分岐にしました。
森林限界から上は、ピッケルの杭を打ち、右足左足を順番に出し、次にまたピッケルを打ち右足左足を凍結した雪面にアイゼンを蹴りこみ一歩一歩確実に行きました。
高度を稼ぐにしたがって、天候も上々で、右を見ると阿弥陀岳。
後ろを振り返ると、朝日に輝いた純白の硫黄岳がすごくまぶしく見え、さらにその後ろには、北アルプスの名峰にも視界に入り、正直もうこれで充分な感じもしておりました。
御小屋尾根分岐に近づくと今まで感じたことのない風が我々を襲いかかってきました。
強い風が納まったら進み、また風が来たら耐風体制になり、傾斜もゆるくなったところですぐに御小屋尾根分岐につきました。
突風も待ち構えておりましたが、甲斐駒や仙丈ケ岳も待ち構えてくれました。
幸せ以上の幸せです。
さて一応本日の目標である、「御小屋尾根分岐」に着きました。
これからどうするか、、、
引き返すか、あともう少しで山頂ですが、無理はしない、、、、。
パートナーの体力は大丈夫そう。天気も良い。
文三郎尾根の途中から一緒だった三人のパーティもそばにいましたので、安堵感もあり、山頂まで頑張ることにしました。
さて再びふんどしを締めなおして、山頂にアタックです。
鎖場はほとんど出ています。補助的に鎖を使い、ピッケルとアイゼンワークに気を使いながら、ゆっくりゆっくり一歩一歩確実に行きます。ほとんど一緒に登った三人のパーティのリーダーの方が危険なところでは、ステップを作ってくださり感激です。
鎖場、凍結の急登。またまた雪斜面の繰り返しで、とうとう山頂に手が届くところに来ました。
「キレット」との分岐のところで、下山の方とすれ違い、「もう少しだよ」と励まされました。「本当にもう少しなんだなー。雪山に行くようになり、目標である赤岳にこんなに早く登頂できるなんて、本当に夢のようでありました。
夢にしては、あまりにも寒い。体は冷たい。この寒さと冷たさは夢ではない。」
とパートナーに言おうとして、奥さんの顔を見ると自分と同じ気持ちでいるみたいな表情をしておりました。
山頂直下の梯子を登るともうそこは山頂です。
梯子は雪で覆われており、使えませんがザイルが結ばれており、簡単に登れました。このザイルにも感謝です。
最後の力を振り絞り、雪で覆われた「赤岳」の山頂の標識を見た瞬間は感無量です。奥さんの目から光るものが見えそうです。
滅多に山頂で奥さんと握手なんてしませんが、気が付いた時には凍ったまつ毛の顔を見合わせながら、しっかり右手を握っておりました。山頂で写真をたくさん撮りたいのですが、寒さでカメラの電源が入りにくく二枚しか撮れませんでした。
さて下山です。せっかくここまで無事に来れて、下山で滑落なんてシャレになりません。
先頭は自分が10m位おり後ろの奥さんに合図を送り、自分のところまで降りたら、また自分が降り、この繰り返しでゆっくりゆっくり降りました。
雪山には自分が奥さんを誘ったのですが、回を重ねるごとに、奥さんも雪山の虜になりつつあるみたいですが、ここまで付き合ってくれた奥さんに感謝です。
山頂に登頂できた達成感、真っ白な雪山を「いいねぇ、きれいだね」と共感してもらったり、普段はあまり運動らしい事はしていないのに、3000m近い雪山に登れる体力があったり、奥さんには脱帽です。
とりあえず今回は目標は達成できましたが登山はこれでおしまいではないと考えております。「このすばらしい人生のパートナーとも一緒に、この先ずっとザイルを組んで行きたい」
と心の中で思いながら、一時間の長い美濃戸までの林道を下りました
ありがとう。うちの奥さん
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