熊鷹山・根本山・氷室山（関東北辺の山・安蘇山地の核心部）
栃木県
群馬県
tanno1967
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,487m
- 下り
- 1,230m
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| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2013年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
復路は徒歩でわたらせ渓谷鉄道の沢入駅に出た。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
蓬山ログヴィレッジから西沢口、三滝方面の林道は、蓬莱山トンネルの2�劼曚廟茲破〔綿�落のため通行止めの表示が出ており、工事関係者以外立ち入り禁止となっていたが、地元の男性によれば、事故があるといけないので念のため禁止にしているだけだ、とのことだったので通らせていただいた。特に危険があるとは思えなかった。 西沢口から熊鷹山への道は、西沢口の少し上でわかれる林道に入り、途中指導標に従って右手の登山道に入った。ネットでのルート図などでは、標高700m付近まで西沢を登り、そこから緩やかに山腹を戻り気味に横切る形で尾根に出るように紹介されているものがあるが、この道はもっと低いところから山腹に取り付き、ジグザグを切って700m少しの標高で尾根に出る。後は尾根を忠実に登る。 熊鷹山から根本山は問題なし。十二山から先の道は雪の上にトレースはあったものの、尾根が屈曲しており、登山道は尾根をからんでいく個所も多いのでややわかりにくい。ただ、尾根を忠実に辿らずに巻いていく分だけ時間と体力は節約できる。 根本山の北、1103mピークから椀名条山方面の尾根は、ルートは尾根伝いなのでそれほどわかりにくくはないが、意外と上り下りが激しい。椀名条山までは下りではなく縦走路だと思っておいた方がいい。椀名条山からの最後の下りは多少登りがあっても尾根通しを心がけ、最後まで尾根通しに降りるとジグザグに切られた林道状の道に出て、材木置き場に飛び出す。 沢入駅までの車道は雪が踏み固められて凍りついているところが多く、滑りやすかった。ソフトバンクの携帯は、沢入駅のすぐ近くまで入らなかった。 寒い日が続いており、天気の崩れた日もあったのでかなり雪のあることを予想して、スキーストックのほか、ワカンにアイゼンを持って行ったが、思いのほか雪は少なく（最大でふくらはぎ程度）ストックを使っただけだった。ただ、雪が少ない分一度溶けた雪が凍り付いている箇所はあったので、軽アイゼンくらいはあると安心かもしれない。 わたらせ渓谷鉄道の本数は少ないが、私が乗った列車は、沢入から相老まで乗客は私一人だけだった。このままでは早晩廃線になりかねない。乗るなら今のうちだ。 |
写真
群馬県館林市付近の東武佐野線から遠望する八ヶ岳。中央に赤岳、その右に横岳、硫黄岳、天狗岳あたりが見えている。左には両神山が見える。
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民家のような田沼駅。旧田沼町は現在佐野市に吸収されてしまったが、江戸時代の田沼意次の家系は、この土地の出身だというから由緒のある土地だ。
氷室山山頂付近の氷室山神社。小さな祠には「正一位氷室大神」とあったが、本当に朝廷がそんな高い位を地方の山の神に贈ったとは思えない（追記参照）。
感想
関東平野を取り巻く山々のうち、西側の奥武蔵、奥多摩、西南の丹沢は良く歩かれていますが、平野の北辺を画する山々はあまり歩かれていません。栃木県の南西から群馬県の南東にかけて広がるこの山地は渡良瀬川を境にして西側の比較的高い足尾の山々（1500-2000m圏）と、東側に広がる安蘇の山々（500-1300m圏）に分かれます。
今回、この安蘇山地の核心部をなす熊鷹山、根本山、氷室山を歩いてみたのは、せっかく千葉県に住んでいるうちに、東武線を使って東京の西側からはやや行きにくいこの山地を歩いてみよう、という考えからでした。
ただ、車を使えばともかく、公共交通機関でのアプローチは必ずしも楽ではありません。東武線を使えばこの山地の入口に当たる鹿沼や栃木、佐野や桐生には簡単に行けますが、この山地の核心部には、そこからバスを使わないと近づきがたいものがあります。ところがこのバスが過疎化の影響で本数が少なく、使いにくいのです。
今回は色々と考えて、田沼からバスで蓬山ログヴィレッジまで入りましたが、登山口まではいきなり7�劼曚匹領啼司發�となり、降りてきた黒坂石キャンプ村からも沢入駅まで5�劼曚品發�ことになりました。
安蘇山地の大きな魅力の一つは、春にアカヤシオがきれいなことのようですが、この季節は冬枯れと寒風と多少の雪ばかりで、私の辿ったコースでは展望台のある熊鷹山を除いてこれといった眺めもなく、とにかく渋いコースでした。やはり4月から5月にかけて辿るのがいいコースかもしれません。
なお、熊鷹山から根本山の間でスイスアーミーナイフを落としました。万一拾われた方はご連絡いただければ幸いです。
安蘇の山々についてはいつも「山とんぼ」さんのサイト「安蘇の山懐から」を参照させていただいています。
http://www.kimurass.co.jp/asoindex.htm
追記:氷室山神社の写真のところで、朝廷が地方の山の神社にそんな高い位を贈ったはずがない、という趣旨のことを書きましたが、調べてみると以下のような記述に出会いました。長文ですが、以下、地元の楚巒山岳会、桐生山野研究会さんのページからの引用です。
http://akanekopn.web.fc2.com/yama/sanyaken/sanyaken92.html
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氷室山について安蘇郡誌（明治四二年）には以下のとおり記載されている。（一部略字体に訂正）
氷室村大字秋山に在り、海面より直立四千七百尺、大山祇命を祀る、弘化四（1847）年十二月十七日正一位宣旨あり、遠近崇敬の社として、参拝者殊に多し、神體は赤色の天狗、故に赤色兵衛といふ、又秋山黄いら原と永野村百川境に、尾出山あり、黄色兵衛と称す、上州澤入り黒ざかしの塞蟲山神は、青平なり、作原白岩山に白平あり、上州桐生の奥山地と、飛駒根本山の黒平とを合して、五つの山神、五色兵衛とも又五色天狗ともいふ
氷室山は火防の神として尊崇されており、葛生の氷室山神社里宮から参拝路が通じていた。氷室山神社には赤部天狗の伝説がある。それによると江戸の大火の際、下野国の江戸屋敷の火消しに大活躍した大男が安蘇の赤部と名乗って立ち去った。それが氷室山の赤部天狗ということが判り、朝廷に上申して氷室山神社に正一位の称号を贈られたという話である。この話は井伊家江戸屋敷を大火から救い、下野の黒弊と名乗って立ち去ったという根本山の黒弊天狗伝説と全く同じである。隣接する山に同じ天狗の伝説があり、赤部（赤兵衛）と黒弊（黒兵衛）と称しているのが興味深い。また、周辺には安蘇郡誌にあるように黄色兵衛、白兵衛、青兵衛の天狗を祀った山神があることから江戸時代末頃に四神思想と天狗を結び付けた信仰がこの地域で流行ったことも考えられる。残馬山にも白弊（白兵衛）宮が祀られている。
「氷室」とは冬の氷を貯蔵しておくための室又は山陰の穴を指し、氷室があったことから氷室山と名付けられた例があり、榛名山にも氷室を語源とする氷室山がある。この氷室山では氷室の存在は寡聞にして知らない。異なる語義のヒムロの発音に氷室を宛てただけかもしれない。
なお、氷室山とは氷室山神社のことであり、氷室山という頂はない。以前の地形図では宝生山（1154�叩砲防梗嫉海筏�載されていたが、現在は訂正されている。神社の裏山を山頂としている人がいるが、氷室山の山頂は存在しない。南にある十二山も同じで十二山神社を指しており、十二山という頂もない。
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朝廷から位が贈られた日付まであるのですから事実なのでしょうが、正一位といえば神様に贈られる位階としても最高の部類です。当時の朝廷の文書でも見てみないと今一つ釈然としない感じも残ります。
それはともかく、火除けといえば、この近くの古峯神社も火除けの霊験があるとの信仰で有名です。秩父の宝登山の宝登山神社（ほどさん、火処山か）も火除け信仰があります。上州ではありませんが、北関東はからっ風で火事が多いからでしょうか。
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yurimuko さん
tanno1967さん こんばんわ！
この山域は全くノーマークでした
しかも電車＆バスでアクセスできるとは
鉄板コースを無難に歩くのも楽しいですが、
未知の山域にも惹かれますよね
今回は少し期待ハズレだったようですが、
語れる山がひとつ増えたというのは素敵なことだと思います
ベストはアカヤシオの季節なのですね
doppo634さん、こんにちは。
>この山域は全くノーマークでした
しかも電車＆バスでアクセスできるとは
そうなんですよ〜 地味な山域なので、私も3年前に行ったっきりでした。ただ、東武線を使うと入口になる駅までは意外と近くて、常磐線沿いの私の最寄駅からだと、奥多摩までは2時間30分かかるのに、今回の山では2時間かかりませんでした。池袋からでも2時間10分位みたいです。ヤシオツツジの季節に行けるかどうかわかりませんが、また色々とコースを考えて行ってみようと思っています。でも今回この山域を歩いてみて、東京のすぐ近くに奥武蔵に奥多摩、丹沢があるって幸せなことだな〜と思いました。
またdoppo634さんのレコ、楽しみにしています。
情報提供ありがとうございました。太田金山八王子トレイルもよろしくお願いします。
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