猪子山〜繖山〜箕作山〜太郎坊宮☆名残りのササユリ


- GPS
- 03:39
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,001m
- 下り
- 954m
コースタイム
天候 | 曇り一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
猪子山〜地獄越は「猪子山・地獄越の山道をよくする会」により整備されている https://www.natsuhara-g.com/archives/activity/4916 清水山(北箕作山)への取り付きは今回歩いたルートは防獣柵のゲートの通過が煩瑣なので、東の林道から入った方が良い |
写真
感想
この日から福岡に出張の予定がある。本来は始発の新幹線で福岡に向かい、出張の前に英彦山(ひこさん)にしか咲かない希少な英彦山姫沙羅を見に行きたかったのだが、福岡のあたりは早朝から雨の予報であり、さすがに雨の中を英彦山まで登る気にはなれない。京都や滋賀では夕方からの雨の予報なので、出張の前の短い山行に猪子山から繖山を経て箕作山への縦走を考える。
京都駅で野洲行きの新快速に乗ると野洲から先には乗り継ぎがあるものかと思っていたが、能登川に向かうには何と新快速まで待たねばならない。地下鉄が京都駅に到着するわずかな時間差が大きな時間差となるのだった。
能登川の駅の周辺は古風な建物の並ぶノスタルジックな雰囲気の漂う街並みとなっている。しかし、駅前の交差点の角は趣のある旧家の一階が白い壁で覆われている。エステサロンになっているらしいが違和感を覚えるのは私だけではないだろう。
駅前の交差点を右折して猪子山に向かう。登山道は整備された木製の階段が続く。山腹には立派な神社が現れる。右手の尾根伝いに登山道があるが、神社に立ち寄ってみる。神社の前から山頂の北向岩屋十一面観音へと向かう登山道を辿る。
観音堂からは能登川の市街の好展望が広がる。観音堂には次々と登って来られる人がいる。ここは地元の人たちに愛されている場所なのだろう。観音堂のすぐ前には歌の刻まれた石碑がある。「頂の見晴らしの佳き岩屋より我が町眺めて心やわらぐ」
猪子山の山頂から先も真新しい木製の階段が整備されている。木材は真新しく、どうやらつい最近、整備されたもののようだ。「猪子山・地獄越の山道をよくする会」が整備されておられるらしい。
登山道の傍らに咲いているササユリの花にふた株ほど出遭う。そのすぐ傍には既に花期が終わって萎れた花もあった。
雨宮龍神社が近づくとここでも大きな岩の前で一株のササユリが咲いていた。雨宮龍神社は山中にあるのが意外なほど立派な神社だ。その名前から推測されるように雨乞いの神社だ。
地獄越を過ぎると尾根は突然、草原状となり、両側に展望が開ける。nakato932さんの以前のレコによると山火事の跡らしい。
繖山の山頂に到着するとご夫婦と思しき二人が休憩されておられるところだった。安土から登って来られたらしい。ご主人によると昨年の同じ時期にここに登った時には山頂の周辺にはかなりの数のササユリが咲いていたが、今年はどういう訳か全く見かけない。登山道で数株のササユリを見かけただけであったとのこと。奥様が綺麗なササユリが二株並んで咲いている写真を見せて下さる。
ササユリを求めて安土に下るということも考えられたが、時間的にも余裕があるので箕作山に周回することにする。
尾根を辿ると古そうな石垣が現れる。ここもかつての山城の城址なのだろう。観音正寺の参道の林道に出るとすぐに右手の清水谷へと下降する細い道がある。谷沿いの急下降を下る。檜の植林の緩やかな道になると、忽然と小さな祠の前に出る。神社の前から左手に延びる踏み跡を辿るとすぐに舗装路に出た。
箕作山に向かうにはまずその北にある清水山を越える必要がある。国道8号線を横断し、新幹線の高架の下を潜ったところで、田圃の奥にピンクテープがあることに気がつき、防獣柵の扉を開けて林の中を辿るが、一つ東側の道から入った方が容易にアプローチ出来たことに気がつく。
再び防獣柵の扉を開けて林道の奥へと入ると斜面にはいく筋もの林道が刻まれているが、その間の谷に沿って見覚えのあるプラスチック製の階段がつけられているのが目に入る。階段を登るとすぐに傾斜も緩くあり、歩きやすい尾根となった。
送電線鉄塔のある清水山のピークは見晴らしがよく、辿ってきた猪子山から繖山の稜線を望むことが出来る。ここは北箕作山とも呼ばれ、かつて箕作城があったところらしいが、城壁の類やかつての城址を偲ばせるものは見当たらなかった。ここでポツポツと小雨が降り始める。
少し急ぎ足で箕作山へと向かう。箕作山との鞍部は腰越と呼ばれるところで、舗装路が越えていた。いよいよ箕作山の登りにとりかかる。檜の樹林の中の空気は妙に蒸し暑く、重苦しく感じられる。
箕作山の山頂は太郎坊山への分岐から吊尾根で西に向かったところにある。箕作山の山頂からはわずかに南に展望が開けており、太郎坊山の鋭鋒が目に入る。
太郎坊山へは険しい登り返しがあることが予想されたが登山道がうまくつけられているお陰か意外にも難なくピークの上に立つことが出来る。目の前には近江平野の展望が大きく広がり、南西の方角には雪の季節に縦走した瓶割山と雪野山が見える。
太郎坊宮に至ると先ほどから降り続いていた小雨はようやく止んだらしい。神の力によって開かれたという夫婦岩の間はおよそ80cmというが、丁度、人一人が通り抜けるだけのギリギリの隙間であるのが神秘的だ。狭い岩の間を通り抜けた先からは再び近江平野の展望が広がる。
長い石段を下りると近江鉄道の駅まで参道が続いている。駅に近づくと丁度、踏切の警報が鳴り、列車が来るところだった。
わずかながらもササユリに出遭えたお陰で山行の印象が華やかなものとなったが、繖山のササユリがいつまでも咲いていて欲しいと願うばかりだ。
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