甲斐駒、憧れの黒戸尾根へ、日帰りにて


- GPS
- 14:06
- 距離
- 26.8km
- 登り
- 2,995m
- 下り
- 2,990m
コースタイム
天候 | 晴れ、ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません。コースはずすようなところもありません。しかしコースとしては、かなりハードです。特に8合目から山頂の岩場がハードです。鎖も最小限。また、刃渡りまでのアプローチが長いです。登り3時間強、下り2時間半。日帰りでは、この登りで時間が費やされ、下りで足にダメージが蓄積され限界を超えました。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
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写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ、LEDランプ 1
GPS NV-U37、USBバッテリー 1
地図、手持ちコピー 1
コンパス、笛 1
バンドエイド、湿布、テープ 1
エマージェンシーシート 1
保険証、jRO会員証 1
高度計 1
カッパ、ザックカバー、ゴム手袋 1
軍手、予備軍手 2
ストック 1
水 3L
おにぎり 6
カメラ、予備バッテリー 1
非常食 1 チョコ、おつまみ等
ゴミ袋 1
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感想
●初めに
3年前に登山を始めました。最初1年は地元の八ヶ岳周辺で、西岳、編笠、ニュウ、守屋山、入笠山等、初心者向けの山を中心に冬も含め歩いていました。近場に見える南アルプスの甲斐駒ケ岳は行くならバスで日帰り、尖ったオベリスクが見える鳳凰三山は日帰りは無理なので行けないかな、と思ってました。家族の手前、私は日帰り登山のみです。
2年前、ヤマレコに登録しレコを見ていると、青木鉱泉からの鳳凰三山の日帰り、甲斐駒黒戸尾根からの日帰り、が可能なことがわかりました。それから、この2つはいつかは歩いてみたいと思った憧れのコースとなりました。
2年前は、八ヶ岳の鎖場のある中級レベルの山々で経験をつみました。去年はさらにコースタイム12−14時間のロングコースを何度も歩きました。憧れの1つ、オベリスクのある鳳凰三山の日帰りは去年8月に成し遂げました。いよいよ今年は、甲斐駒黒戸尾根への挑戦です。私の山登りの到達点の1つです。去年の鳳凰三山への日帰りは、余裕を持って達成できました。黒戸尾根も余裕をもって達成したいところです。
● 出発、アプローチ
でも、黒戸尾根往復は登り9時間半、下り5時間40分、計15時間10分のコースタイムは、いままで最長です。コースタイムで歩いても、19時に下山できるよう、朝は4時出発とします。家は3時半前には出発、起床は3時前。おにぎりを前日作ると手間がかかり、また、この暑い時期は危ないので、コンビニおにぎりとします。登山届けも作成し自宅と登山ポストに入れます。
4時10分スタート。標高750m程度。昨日、甲府は6年ぶりで40℃越えの暑い日で、山の中とはいえ、今朝も暑いです。なかなか高度があがらないのがじれったいです。1時間程度歩いて自宅をすこし超えた1100m、2時間歩いても1500m程度。3時間強で2000m。八ヶ岳では1500m−2000mに登山口が集中しているので、片道2−3時間程度アプローチが違うわけですね。こんなところで、普段登っている八ヶ岳のありがたみを実感。
● 刃渡り、五合目、七丈小屋、八合目、そして頂上へ
・ 3時間強で、刃渡りに到着。まったく怖くないです。
・ +20分で刃利天狗神社到着。直前にハシゴと鎖とロープの3段攻撃あり。
・ +30分で5合目に到着。ここまでは、普通の尾根道。
・ ここから、ハシゴのオンパレードが始まります。親切めではありますが、やはりハシゴがないと登れないような場所だらけです。
・ +50分で七丈小屋到着。周りに、そこそこ花がありました。
・ 七丈小屋から八合目まで45分で到着。そこまでハシゴは2箇所あるが、急な山道がメインです。
・ 八合目から頂上まで、+1時間15分で到着。ここは急な岩場だらけだが鎖は最小限。かなりハードなコースでした。ここは私の技術ではギリギリな感じでした。
山頂からは、八ヶ岳、鳳凰三山の姿は、ガスに囲まれ見れませんでしたが、北岳、仙丈、鋸岳はよく見えました。青空も広がり、よい登山日和でした。11時40分に到着し12時10分に下山開始しました。13時を下山するデッドエンドタイムと考えていたので1時間弱の余裕があります。頂上では、”いいペースで登れた、13時まで余裕があるな、ちょっと鋸岳へ下見に行くか?”とよからぬことを考えましたが、あとでそんなことをしなくて良かったと思い知ることになります。
● 忍耐の下山
八合目までの下山でさっそく思い知ります。上りに苦労した急な岩場は、下りではさらに苦労しました。2本剣の岩の手前では、岩をずり落ち擦り傷を作りました。標準コースタイムより時間がかかり、かつ、かなり消耗。七丈小屋に着いたときは、もう十分と思いました。本当は、七丈小屋で泊まるのが正解です。
のこり4時間強は、歩くのがどんどん苦痛となって行きました。5合目までハシゴオンパレードを下り、5合目から刃渡りまで来て残り2時間半。足の裏の皮がすりむけたような感覚まで始まり完全苦痛状態です。トレランの方3名に軽やかに追い越されましたが、私は足が限界なのをだましだまし忍耐で下るだけです。
6時10分、暗くなる前に車に着け、もう歩かなくてよいことにほっとしました。時間的な余裕はなし、体力的な余裕もなし、足裏のダメージ蓄積著しく、最後2時間は忍耐のみでした。八合目から上のコースは技術的な余裕もなし。私にとり、ぎりぎりなコースでした。
下りはコースタイム程度の速度に抑えると、通常筋肉痛の発生もないのですが、今回はあまりにも下りが長すぎます。翌日、生活に支障がない程度の筋肉痛が発生し、足の指と裏がかなりのダメージを受けていることがわかりました。足裏ダメージに関しては限界を超えてました。
●その他
黒戸尾根は、なかなか人気の登山道に見えました。軽やかなトレランの方々、仲間同士のハイキング的な楽しげな方々、夏休みで親子連れの方々、私のような単独の方々、上りも、下りも、結構な人に会いました。ハシゴでのすれ違い待ちも結構ありました。八ヶ岳銀座にはかないませんが、そこそこ人通りは多かったです。
水は、七丈小屋まで2L、頂上に行って七丈小屋に戻るまで2L、登山口まで2L、計6Lの水を消費しました。おにぎりはコンビニで6個。朝食は別途お腹いっぱいでスタート。その他、塩気のつよいBIGコーンをおやつで。予備食のチョコレートは念のため手をつけず。
七丈小屋まで花はあまりなかったですが、小屋から上はそこそこいろいろな花が楽しめました。シナノオトギリがハンサムになった感じのハイオトギリ?(名前に自信なし)に会えたのは収穫です。
ゴミは、キャンディの包み紙2枚、おにぎりの包み紙1枚、拾いました。キャンディの包み紙1枚は登りではなく下りであったので、本日のだれかです。
●まとめ
今年の目標であり2年前からの憧れである黒戸尾根を歩きました。
コースの難易度(八合目から上)は高く、下山で苦労し足の限界を超えた感があります。
それでも初の甲斐駒ケ岳にて憧れの黒戸尾根ということで、足の限界前はとても楽しく歩けました。
甲斐駒、黒戸尾根、ありがとう。下山の最後で自分の限界を超えた感はあったが、天気もよく、安全に、とても楽しく歩けたよ!!!
トトロさん、おはようございます。と言うには早すぎますか?
午前二時ですから。目が覚め、山レコ。
トトロさんのレコが!!!!
感想をじっくり読ませていただきました。感想から、登り下りの凄さが感じられるます。最後の写真二枚の感想がそれを物語っています。
鳳凰三山、黒戸尾根。
さて、次なる目標は何処なんでしょうか?
totoroさん、おはようございます〜
黒戸尾根、先を越されてしまいました
無事に下山されてなによりです
やっぱりなかなかキツそうですね
最近、山ではやっぱりノンビリ
コメントありがとうございます。予定通り、行ってきました。
コースの難易度、コースの長さと高低差、ともに予想より上でした。特に下りのダメージ蓄積は予想以上でした。日本三大急登といわれるだけあると実感しました。それでもなんとか安全に下山することができ、ほっとしています。
正直、マラソン等で体を鍛えない限りは、これより上のレベルを目指すのは無理と思っていますので、これが到達上限です。このレベルを上限として、やれそうなことで行きたいところとして、北岳日帰り、穂高日帰り、できれば剣岳早月尾根日帰り、このぐらいをゆくゆくはやりたいなと感じています。
でも、あわてず、のんびりと、やれる範囲で、年単位で。
フレさんも黒戸尾根狙ってますか?
お気をつけて、是非行ってらっしゃい。
でも、私のように普段体を鍛えていない、月2回程度の休日ハイカーにとり、ここの日帰りは、がんばってやれる限界の境目をちょっと越えている、と感じました。
そのような一般登山客にとり、甲斐駒を苦痛ではなく、楽しく終わらせるには、七丈小屋での一泊をお奨めします。
夢を実現されましたね
じっくり感想読ませていただきました。去年の9月に登った時の実感が蘇りました(笑)。
頂上まではそこそこ行けるんですが、下りの長さが異様に感じられますね。5合目からの登り返しも辛い・・・。
最後にtotoroさんのレコの黒戸の往復距離が26kmになってますね。私のレコは16kmなんです。どう考えても26kmが正しいように思います。いくら標高差があっても往復16kmなら大したことないと思うのですが・・・???
夢を実現しました。チャレンジングな山登りは、一旦これでゴールです。これ以上は無理。もちろん山は続けますが。
頂上までは余裕だったのですが、異様に長くしかもずっと続くきつい下りに足を削られました。きつく長い下りが鬼門です。これがゆるい下りであれば、余裕で終えれたと思います。つり橋の直前まで、きつい下りが続くのが辛かったです。
今までのレコと比べても、往復距離は26kmで正しいと感じます。単純歩行としては、多分、今までで最高記録ですが、そのぐらい歩きました。GPSがジグザグの部分を正確に計測してくれていると思います。
黒戸尾根からの甲斐駒登頂おめでとうございます。
往復14時間! 体力と気力の限界を振り絞って登られた様子が良くわかります。
6リッターの水消費量もすごい。
このルートはもちろん多くの方が登られる「有名コース」ですが、totoro_san様のこのレコのように詳しい写真をアップされている方は少ないと思います。
ハシゴの様子、岩の形、花の咲き具合まで。おかげで、まだ歩いたことのない私にもどんなコースなのか手に取るように解りました。
最後まで拝見してまるで自分が登ってきたかのような気になるほど・・・。
一面のハイマツ世界から雲海を見下ろしたら、本当にラピュタの上のようでしょうね。
「マラソン等で体を鍛えない限りは、これより上のレベルを目指すのは無理と思っていますので、これが到達上限です。」の言葉に足がすくみますが、私もいつかここを歩くという夢は持ち続け、実現したいと思っています。
その時はこのレコをもう一度じっくり読み直して出かけたいです。
甲斐駒は我が家からも美しく見えます。是非、我が家の真正面から黒戸尾根で登りたいという思いで、いつも甲斐駒を眺めていました。でも、難易度、高低差、コースタイムとも、休日日帰りハイカーから見ると最高ランク、憧れのコースです。ここ2週間ほど、行く気持ちを高め、踏ん切りをつけて出発しました。体力と気力の限界を振り絞り登りました。
気温が高いことも相まって6Lの水は最高記録です。というか、いままでの最高記録は2.5L程度でしたのでダントツです。139枚の写真のアップも最高記録です。撮った写真の1枚1枚にこのコースへの思いが詰まっており、削ることが困難でした。また、まわりを雲がどんどん流れてゆく甲斐駒をくだってゆくと、木の茂るラピュタを歩いているような幻想を抱きました。
今回わかったのは、15時間のコースタイムそのものはなんとか行けるレベルだが、急な下りがずっと連続すると足が削られて限界を超える、ということでした。こんな自分なりの知見/ルールを今後の山行にも生かしたいと思っています。
pasocomさんも是非、黒戸尾根へ。いろんな手ごたえが満載なコースと思います。
トトロさん はじめまして。
黒戸尾根日帰りおめでとうござます。 山頂の写真が「やったぜ!!」と物語っています
何度か黒戸尾根を何度かやっていますが、もういいやっ という気分です。
足腰が悪くなりそうで
56番のお花はトリアシショウマでしょうか。 お花はあまり詳しくないので自信なしです。
inoyasu
トリアシショウマですね。検索して確認しましたが、多分これかと思います。ありがとうございます!
inoyasuさんは、何度も黒戸尾根登られ、前回は9時間程度で往復ですね、さすが早いです。私は14時間で目一杯です。それでも、上りは問題なく頂上についたときはまだまだ余裕で”やったぜ”と言えました。でも下り終わった時には、”もう十分すぎ、当面いいや”状態でした。
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