錦雲渓〜愛宕山〜明智越☆空也の滝・ひぐらしの滝を巡って


- GPS
- 05:59
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 1,316m
- 下り
- 1,389m
コースタイム
- 山行
- 4:58
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 5:58
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は亀岡駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
空也の滝から大杉谷の登山道への登りは登山道なし ヒグラシの滝への下降も登山道のない急斜面を下降、滝からの登りのルートは明瞭な踏み跡あり |
写真
感想
前日は用事があり久々に深夜の帰宅となったこともあり、朝は大きく出遅れる。この日も日中はかなり暑そうである。家内が娘を連れて車で出かける用事があるので、公共の交通機関を利用してアプローチ出来るところに限られる。京都の近郊で少しでも標高が高いところがいいだろうと考え、久しぶりに愛宕山に出かけることにした。
バスの時間を確かめずに阪急嵐山から清滝へのバスの接続が悪いことが判明したので、二条駅に向かい、JRバスに乗って高雄に向かうことにする。立命館大学を過ぎるとバスの車内の乗客も疎らととなるが、高雄のバス停で乗客の半数以上が下車する。バスから降りると当然ではあるが街中に比べると暑さはかなりマシである。
高雄から清滝川のほとりに降りると川沿いの駐車場には多くの車が停められており、河原では多くの人達が水遊びをしている。昼食の時間が近いせいだろう、川沿いの川床には敷紙と箸が並べられている席が目に付く。
しばらく歩くと小さなダムが現れる。ダムの下を対岸に渡るとしばらくは林道が続く。水は碧いが濁っているのが残念だ。
再び対岸に渡る小さな橋が現れると、大人数のパーティーがおられた。後ろの人が気をきかせてくれて「人が通るので避けてくださーい」と叫んでくれるが、お喋りに夢中になっておられるご婦人方の耳にはその声はなかなか届かない。
橋を渡るといよいよ幅の狭い遊歩道が右岸に沿って続いている。岩壁を見上げると上の方にイワタバコが多く咲いていた。狭隘な谷は両岸が迫り、渓谷美が続く。
右岸から堂承川と合流するあたりになると、ここでも多くの若者達が川遊びをしている。清滝に車を停めて川遊びに来られているのだろう。ここで遊歩道はしばらくは清滝川を離れ、堂承川に沿って進む。
堂承川の沢沿いに道があるので辿りかけるが、道は多くの倒木で荒れており、すぐに道は不明瞭となる。再び遊歩道に戻り、清滝方面に向かうと大杉谷の出合に向かう舗装林道と合流する。林道を歩くとすぐに左手の沢と合流するところで林道脇に水場があり、蛇口からは冷たい清水が勢いよく流れ出ている。ここで二本のペットボトルを満タンにすることが出来る。
大杉谷の登山道を見送り、谷の出合までたどり着くと空也の滝に向かう。大杉谷に沿って整備された遊歩道が続いている。谷沿いには一気に深い緑の世界が広がり、心地よい緑の透過光を浴びながら鬱蒼とした谷を辿る。
やがて鳥居と住居のような建物が現れる。空也の滝を管理される方のものらしい。車が入るわけではないので、建築資材をここまで運びあげるのはさぞかし大変だったことだろうと思われる。
建物を過ぎて谷奥の朱い鳥居を目指して登って行くと、忽然と目の前に滝が現れる。小さな落ち口から幾つにも分岐しながら落ちる様は何とも優美だ。滝前は涼しく、しばしの間、心地よい涼気に浸る。滝の右手の斜面を見るとイワタバコの大群落が咲いているが、残念ながら近づくのが難しい。滝の前ではご夫婦と思われる清掃をされておられた。ご苦労様ですとお声をかけるとにこりを微笑まれてお辞儀をされる。
空也の滝を後にすると大杉谷の登山道を目指す。国土地理院の地図では建物のあたりから斜面を登る破線がついているが、そのような踏み跡は見当たらない。登山道との分岐はかなり手前である。右岸に渡って羊歯の繁茂する斜面に取り付くが、足元の見えない羊歯藪の急斜面は登るのも容易ではない。正面に大きな岩が現れたので直登は危険と判断して左の檜の植林にトラバースする。檜林の林床は羊歯は疎らであり急に歩きやすくなる。九十九折に斜面を登るうちに大杉谷の登山道と合流することが出来た。
快適な登山道ではあるが何とも蒸し暑い。ヒグラシの滝が近いと思われるあたりで谷に向かって斜面を下る。谷に下降するが滝音も聞こえない。沢を歩き、再び檜の植林の中へと沢が入ると、薄暗い植林の中に幻影のように一筋の直瀑が現れる。
滝の前からは右岸の斜面に明瞭な踏み跡が続いている。踏み跡を辿り、トラバース気味に斜面を登ると難なく登山道に復帰することが出来る。谷に下降した地点からわずかに進んだところだった。
登山道を進むとベンチのある好展望地となり、大杉谷の彼方に京都市内を展望することが出来る。谷を離れて植林地の中の九十九折に登るようになると、風もなく、暑さが堪える。
月輪寺からの登山道と合流すると尾根には風が出て、ようやく涼しさが感じられるようになる。上から数名のパーティーが降りてこられる。「お風呂に入って打ち上げせな」「宴会はあかんやろけど反省会やからな」・・・と通りすがりに楽しそうな会話が聞こえてくる。
尾根上部の好展望地で京都市街を眺望すると、林道を歩いて愛宕山の山頂の神社に向う。標高が高いせいだろうか、山頂のあたりはやはり涼しい。
この時点で下山のルートを決めていなかった。梨の木谷から再び高雄に向うかツツジ尾根を降って保津峡に向うという選択肢も考えられたが、愛宕山から尾根を西に辿り、明智越に向かうことにする。
林道を辿るとすぐにも比叡山から比良の山々への好展望が広がる。尾根が西向きに転じると北側には桟敷ヶ岳から天童山に至る城丹国境尾根も眺望も視界に入る。愛宕山は表参道の往復のみでは眺望があまり得られないので、勿体ないところだ。
林道を辿ると、南側には広い伐採斜面となり、右手に牛松山、その左には神明峠を経て明智越へと続く、これから辿る予定の長い尾根が眼下に見える。かなり標高が低く感じられるが、蒸し暑さが心配だ。
神明峠へと下る尾根の分岐には有刺鉄線の囲いの中に首のないお地蔵様の石仏があった。果たして何故、有刺鉄線で囲わなければならないのだろうか、お地蔵様が動くことはないだろうが石仏が窮屈に思われた。
植林の中を下降してゆく。尾根には深い掘割の古道が続いている。道が尾根の西側に移ると、伐採地からはすぐ西側に牛松山へと続く尾根の展望が広がる。遠くで遠来の音が聞こえるが、どうやら西の方角から聞こえるようだ。尾根の正面のあたりは晴れており、雲は南から北へと流れているように思われるので、雨の心配は少ないと踏むが、先を急ぐことにしよう。
神明峠からはp484にかけてわずかに登り返しがあるが、尾根はすぐにもアップダウンのほとんどない自然林の若木の尾根となる。p484のピークと思しきあたりに立ち寄って見るが、樹に白いテープが巻かれた目印があるだけの殺風景なところだった。
p484を南下すると次の鞍部から西側に谷筋を下降して、西側の尾根に乗り換えることになる。
尾根からは随所に東側に愛宕山や京都市街の展望が開ける。雲の色はそれほど濃いわけではないが、頭上からゴロゴロと雷鳴が聞こえ始めた。尾根の西側に展望が開けると、北の方は空は真っ暗であり、かなり激しく雨が降っている気配がある。
p400では明智越のハイキング・コースと合流する。ここで亀岡に向かうか保津峡に向かうか選択肢となるが、明智越を西に辿って亀岡に行く方が下山までの時間が早いだろうと読む。確かに明智越のハイキング・コースに入ると歩きやすい快適な登山道が続いており、飛ばし気味に先を急ぐ。
有難いことに急に西側から涼しい風が吹いてくるようになるが、おそらくは西側で雨を降らせている積乱雲からの下降流による冷たい風のせいだろう。明智越から降りて亀岡盆地の市街を歩くと北西のあたりは景色が白く霞んでおり、激しく雨が降っている気配だ。
亀岡駅の北口のあたりは京セラによるサンガ・スタジアムによって雰囲気が一変している。再開発のせいで付近には駅前のホテルの他は建物は一切なく、異様な雰囲気だ。駅に向かうべくスタジアムの前を通り過ぎると、何かのイベントの準備のためだろう大勢のスタッフ達が慌ただしく準備に勤しんでいるようだった。
亀岡駅では京都行きの列車が出発したところではあったがすぐに次の快速が来る。列車に乗ろうとすると扉付近は激しく濡れている。前の駅で車内に雨が降りこんだようだ。列車が京都市内に戻ると京都も北山のあたりでは雨が降っているようだった。この日は愛宕山を選んで正解だったような気がする。
暑くてもお元気ですね
愛宕山 長い間お邪魔していません
<お喋りに夢中になっておられるご婦人方>
はどこにもいらっしゃいますね
暑い中での登りは流石に辛いものがありますが、愛宕山の上の方は意外にも涼しかったです。
>>お喋りに・・
こういう時は熊鈴があれば良かったのかもしれません。
偶然にも昨日、高雄やイワタバコ、大杉谷を考えていました!
でも、2回目のワクチン以後、なんとなく調子が上がらないので、気が乗らずやめてしまいましたが・・・。
それにしても、暑い中、この距離、流石だなぁと思います。
でも、山猫さんと愛宕山、ちょっと意外な組み合わせに思いました。
イワタバコ、まだキレイならやっぱり見に行こうかな〜と思ってます(^^)
山中でお遭い出来なかったのは残念ではありますが、ワクチンの2回目の接種の後は何かとトラブルが生じうるのでお大事にされるのが賢明でしょう。
愛宕山から神明峠を経て明智越に至る尾根は初めて歩きましたが、ここは距離は長いのですが、アップダウンも緩やかで歩きやすかったです。とはいえ、やはり標高が下がると急に暑さが感じられるようになるのですが、後半は積乱雲からの冷たい風に助けられました。
イワタバコはまだしばらくは綺麗でしょう。空也の滝の右岸の大群落は見事でした。
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