冬季百名山42座目:立山


- GPS
- 23:26
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 818m
- 下り
- 813m
コースタイム
天候 | 晴→曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
感想
【Day.1】
今年も雪と戯れる季節がやってきた。
一発目は雪山入門クラスではありつつもなんだかんだ行けていなかった立山。
雪がしっかり積もるまでアルペンルート最終日まで我慢した。
だが朝の扇沢は曇り・・・
室堂までは往復約1万と高額なため絶対に外したくなく躊躇したが
ここまで来た旅費も無駄にできず突撃することに。
黒部ダムについたもののやはり空は冴えない。
だが湖面の向こうに赤牛岳と水晶岳は見えている。
まぁ・・青空は無くてもそこそこ山は見えるだろうと
なんとか自分を鼓舞する( ´Д`)
諦めムードで室堂に降り立った瞬間、
青空に映える真っ白な立山が姿を現した!
よし!!お天道様との賭けに勝ったぞ!
室堂臨時のテント村に不要装備をデポし
大雪原への一歩を踏み出した!
まずは未踏の浄土山に向けて歩き出す。
振り返ると大日岳、毛勝三山、剱岳。
目の前には爆風が創り出す風紋。
数々の登ってきた名山が新たな姿で降臨する。
やっぱり雪山は最高だ!!
浄土山へ登る前に室堂山展望台へ。
槍ヶ岳・鷲羽・黒部五郎・薬師!
白に染まった懐かしの山逹。
いつかその姿をまま頂点立つから行くから待ってろよ〜
景色を楽しんだ後は浄土山に向けて駆け上がる。
あまり人が来ない山だから思いのほか雪が深く
トレースがあるのに手足が埋まって全然進まない😭
ソロで先行していたアイゼンのおじさんは
諦めて斜面を転がり落ちていった笑
丁度後ろに居た2人組が
スノーシュー装備だったので先行してもらうことに。
俺もワカンに履き替えてトレース泥棒。
でも若干沈むので楽ではない( ´Д`)
けどこういった現場での協調も冬山の楽しみのひとつだ。
2人に道を切り拓いてもらいやっと登りの難所を抜ける。
山頂付近の平坦部に出ると
烈風による雪の芸術に覆われた世界。
尾根の切れ間からは針木岳&スバリ岳。
さらにその向こうに噴煙吹き上げる浅間山。
正面には聳え立つ岩塊の龍王岳。
苦労して来た価値のある絶景が広がっていた!
山頂標識が見つけられなかったので
多分ここ?と思われる所で一緒に記念撮影。
名も知らぬお二人さん、ありがとう!
.
更に後から登って来た学生さんとも苦労を分かちあう。
『自分山岳部なんですけど那須雪崩事故の影響で
冬山活動一切なくなっちゃったんで必死で
バイトして金貯めてやっと来れたんですヨォ!
マジで晴れて良かったです😭』
と、鼻水垂らしながら熱弁してくれたw
マジでいいなぁ。
気温は寒いけど心はアツくなるんだよ🔥
次は浄土山から一ノ越へと向かう。
深雪で時間を消費してしまい山荘に着いたのは15時近く。
立山三山縦走するつもりだったけど
雲行きが怪しくなってきたな・・・
リアルに空の雲行きも怪しい☁️
とりあえず雄山までは行くべしと急登に取り付く。
今年初冬山&初アルプス&初3000m峰と
悪い条件が揃いまくっていたため登りで想像以上に体力を消耗する。
クッ・・・辛い時は周囲を見渡すんだ、絶景が俺に力をくれる。
餓鬼、燕、大天井の常念山脈。
ジュウソウシタナー
奥大日、大日と室堂平。
ヨカッタワー
そして雲海へと沈みゆく太陽・・
ってこれはちょっとまずいぞ、登頂間に合うのか?😱
息も絶え絶えになりながらどうにか雄山神社へ到達。
時刻は16時過ぎ。気温は-10℃まで下がり風も強まる。
次第に指先の感覚が遠のいてゆくのを感じる。
精神的に追い込まれながらも立った山頂からは
五竜へと連なる白き後立山連峰、
そしてアーベントロードに染まる
別山尾根が最高の祝福をしてくれた。
「うーわ最高だぁ、頑張ってよかったああ・・・!😭
でも・・・ここで帰っていいのか?」
状況的にどう考えてもここで引き返すべきだろう。
しかしピークハンターの悪い癖が、
その先へと足を進ませてしまったのだ。
最高峰の大汝山へ向けて縦走開始。
雄山から先はノートレースだった。
冬はここから先行く人居ないのか?
それとも吹雪でトレースが消えちまったのか?
振り返ると雄山神社の向こう側に太陽が消えてゆく。
進む先には風紋の刻まれたナイフリッジが
冷たい月光に照らされている。
👼「やばくない?・・やめとけって。」
😈「迷ってる暇あったら進め!真っ暗になるぞ。」
脳内で天使と悪魔が戦い続けるが悪魔優勢。
脚は前へと進み続けた。
暗くてサングラスが視界を遮るようになったので
取ったはいいが今度は顔面に粉雪が叩きつけられ
まともに目が開けれない・・・どうしろと(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
それでも心は折れることなく風の隙を見つけながら前に進み続けた。
激闘すること1時間弱。
死に物狂いで大汝山頂へと辿り着いた。
別山へと続く青白い尾根、
そして富山方面の淡い夜景が霞んだ視界に入った😭
薄暗くて景色はそこまで楽しめなかったけど
ここまで来た過程に意味がある。自分を信じて良かった。
当初の計画では富士の折立も取るつもりだったが
この状況だと死にかねん。てか寒すぎて限界🥶
山頂滞在数分で大人しく来た道を引き返した。
戻りはトレース辿れば楽勝と思ってたけど
半分以上が粉雪で消えていた・・・
再びルーファイしながら雄山まで戻る羽目になり
冬山経験値が加算される。
薄明時間ギリギリでなんとか雄山に帰還でき心底安堵。
あとはひたすら暗闇の雪原を歩き続けた。
19時丁度にテント村に無事帰還。
降ろしたザックは完全に凍り付いている😨
山頂がいかに過酷な環境であったことを物語っていた🧊
早く寒さから身を守る結界を展開しなければ・・・
雪面はキッチリ整地!
周囲はスノーブロックで防風!
楽しい冬キャンの始まりだ!٩( 'ω' )و
・・・そんな元気あるわけねぇじゃん('A`)
隣の整地済みエリアを使わせてもらいました←
中に潜り込みバーナー点火。
温かいカップメシを流し込む・・・
生き返るぅぅうあああ(´;ω;`)
登山中パワージェル以外殆ど食ってなかった反動で
その後も本能のまま貪り続けて気絶した🐷
【Day.2】
風雪がテントを叩く音で目を覚ます。
テントから這い出ると外は真っ白。
立山は長い冬に閉ざされてしまったようだ。
晴れてたら奥大日とか行きたかったんだが残念。
荷物を纏めてホテル立山へ向かった。
この日はアルペンルート最終日。
それを示す掲示物、販売を終えた自販機、
人のまばらな構内。いつもは賑わうこのエリアが
閑寂に包まれる様はとても新鮮に映る。
飲み物買えなくて辛かったが←
長いアルペンルートを辿り扇沢へ帰還。
定番のダムカレーを喰らい旅にピリオドを打った。
やらかし気味の工程ではあったけど
立山の今年最後の輝きを共にできたのは
かけがえのない経験値だ。
今年初の冬山として最高のトレーニング環境だった。
この経験を糧に、更なる高みを目指していくぞ!
冬季百名山42座目・踏破!
★ルートレビュー★
難易度:B
室堂〜雄山までのメインルートはアイゼンの使える中級者でも登れますが
雄山〜大汝山の稜線は完全に上級者向け。
粉雪でトレースが消えやすく常にルートg¥ファインディング状態。
雄山の裏側は凍結気味かつ急斜面のトラバースとなっており
確実なピッケル&アイゼンワークが求められます。
体力度:B
標高3015m 標高差583m 平均斜度8.0°登り3:28(4.2km) 下り1:57(2.9km)
メインルート以外は登山者が少なく積雪状態で消耗度合いがかなり変わります。
浄土山への登りの雪は深くスノーシューが無いと厳しめ。
雄山への登りも急勾配かつ酸素が薄く体力の消耗が激しいため
登頂は2日に分けるかどちらかのみに絞るのがおすすめです。
展望:S
室堂の正面にそびえる奥大日岳と立山から始まり、
浄土山からは雲ノ平エリアの山々と穂高連峰&常念山脈。
雄山からは後立山連峰と剱岳への稜線。
そのすべてが雪化粧を纏い圧倒的な存在感を持って
心に突き刺さる絶景を楽しませてくれます。
総評:A
この白き世界を誰でも味わえてしまう所が
立山黒部アルペンルートの凄い所。
登らずとも冬キャンプで鍋を囲んだり、滑ったり、観光したりと
冬山での無限の楽しみ方を教えてくれるのが最大の魅力です。
★ルートレビューリスト(冬季百名山)
https://wp.me/PcUql6-1aj
★Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCLUg39_QesgFceFL_ECKLUw
★百名山登山記ブログ
http://furaiki.xsrv.jp/
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