百里ヶ岳〜三国峠☆ブナの回廊とパノラマの尾根を周回
福井県
滋賀県
京都府
山猫
体力度について
- GPS
- 06:49
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 1,405m
- 下り
- 1,393m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:50
| 天候 | 曇り時々雪 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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若狭駒ヶ岳（左）から池原山（右）へと続く稜線
中には歩くことが出来るほどの空洞が出来ていた
左手にのびる江若国境稜線を望んで
右手は多田ヶ岳とその彼方に小浜湾に面する久須夜ヶ岳
その先には針畑川源流の谷と比良山系の絶好のパノラマ
あそこまで登り返さなければならないかと思うと(◎_◎;)
・・・あとでつけを払うことになるのだが
雪が降ってきたが、気にせずトレイルを進ことに
尾根から北東に百里ヶ岳からの稜線を振り返って
ブナノキ峠を望んで
トレースの主に遭わなくて良かった
百里ヶ岳（中央）のあたりは雪が降っているようだ
感想
この日は緩い冬型の気圧配置である。日本海から雲がかかるだろうが、雲の高さが高い可能性がある。この数日は新たに雪が降っていないものと思われるが、そのせいで雪が締まっていることが期待される。もしも雲が高ければ百里ヶ岳から三国峠までの縦走を考える。この区間は無雪期の縦走は難しくないが、過去には積雪期のレコが見当たらない。アップダウンが激しいので積雪期は雪の状態次第では非常に難しいコースになるだろう。
R367を北上し、葛川の中村を過ぎると、安曇川沿いの谷の向こうに野坂山地の武奈ヶ嶽、三重獄が白い山々の姿を見て、雲の高さを確信する。当初の思惑通り、百里ヶ岳に向かうことにする。坊村からは武奈ヶ岳に向かって多くの登山者が出発しようとしているが、おそらく武奈ヶ岳の山頂部も今日は雲の下だろう。
梅ノ木でR367を左折し、久多から針畑川の流域に入ると空が明るくなり、白い雲の間には浅葱色が混じる。雲が薄い箇所があるのだろう。平良を過ぎると周囲の積雪が一段と増えるようだ。古屋に差し掛かると無雪期には広がる針畑川沿いのかやとの原は一面の広々とした雪原になっている。写真を撮るために橋の上に立ち止まると折しも背後から雲を通してうっすらと光が差し込み、雪を淡い黄金色に染めてゆく。
生杉の山帰来は休業しているようだが、その前の駐車場は広く除雪されており、車20台ほどはゆうにスペースはありそうだ。一台の車が停められており、若い男女三人のパーティーが出発の準備をされているところであった。ご挨拶ついでに行き先をお伺いすると百里新道から百里ヶ岳に登られるとのこと。駐車場には数台の車が入ってくる。携帯がなり「もっと奥まで」との連絡が入ったようだ。車は三国峠に向かって慌ただしく出発していった。
小入谷からスノーシューを履いて峠越えの古道へと入る。峠が近づくと先に出発された三人が目に入る。どうやらワカンを装着しようとしておられるようだ。峠越えの古道からは峠を向かわず直接、尾根に取り付く別の古道の痕跡があるので、一足先に尾根へと登らせて頂く。
この百里新道は植林が少ないのが嬉しいところだが、そのせいもあり雪が深い。雪が締まっていないせいか20cm近く沈み込む。
シンボリックなブナの大樹が聳えるca720mのピークを過ぎると、尾根は早速にもブナの立ち並ぶ樹林となる。標高が高くなったせいか、雪が締まり急に沈み込みが少なくった。
シチグレ峠の手前はわずかな区間ではあるが両側が急峻な痩せ尾根となる。雪庇を踏みぬかないように緊張が強いられるところではあるが、東側に大きく展望が開け、蛇谷ヶ峰から武奈ヶ岳、蓬莱山に至るまで冠雪した比良の山々が綺麗に見えている。正面には百里ヶ岳の山頂部が大きく姿を現す。
シチグレ峠を過ぎておにゅう峠から続く尾根とのジャンクション・ピークを過ぎると広々とした尾根に出る。以前、地蔵谷峰からの縦走で積雪期にここを通過している筈ではあるが、果たしてここにこんなに広い尾根があったっけ？と訝しく思う。尾根が広いのは東側に張り出した雪庇のせいだろう、西側の樹林に近いところを歩く。尾根からは麻生川の南谷の広々とした谷の景色の先で若狭駒ヶ岳から池原山へと続く国境稜線が見える。
百里ヶ岳の山頂直下の手前は小さな岩場があり、ちょっとした雪の壁となっている。直登は無理なので西側から杉の樹を掴んで捲き上る。岩場を過ぎると山頂直下はブナの大樹が立ち並ぶ急登だ。
百里ヶ岳の山頂には驚いたことに大きな山名標が見当たらない。完全に雪に埋もれているようだ。その近くに掛けられている筈のkitayamawalkさんの小さな木製の山名プレートも見当たらなかった。山頂には東側から登ってきた数名分ののワカンによるトレースの跡があった。山頂の北側には桜谷山から東へと続く国境稜線の彼方に綺麗に三十三間山から三重獄、大御影山といった野坂山地西部の山々が綺麗に見えている。
山頂を後に再び尾根を下る。先ほどの広い尾根を歩いていると突然、足元が崩れ、陥穽に落ち込む。一瞬、何が起こったのかわからなかったが、いわゆるヒドゥン・クレヴァスに落ちたらしい。深さは私の身長ほどある。下は完全に地面が露出しており、中は屈んだら中を歩けそうな空洞が出来ていた。登りに辿ったトレースよりもわずかに雪庇の側を歩いただけであったが、見込みが甘かった。
クレヴァスの壁にスノーシューを押し当ててなんとか這い上がると、慎重に樹林の端を歩いておにゅう峠へと向かうジャンクション・ピークに戻る。先ほどの3名のパーティーと出遭うかと思ったが、パーティーが尾根を登ってくる気配はなかった。トレースのない江若国境を西に向かう。
根来峠を越えたp871はピークの周囲はリョウブの低木が密生しているところだが、低木はすっかり雪の下に隠れているようだ。ここは無雪期にも展望は良いところではあるが、おにゅう峠の先には蛇行する尾根の先に遠敷端の高（おにゅうばなのたか）が見える。
p871のピークから西側に下るとおにゅう峠を越える林道に出る。林道からは南側に経ヶ岳から三国岳を経て三国峠へと続く江丹国境尾根の稜線の展望が広がる。林道の上は斜面から落ちてきたデブリで雑然としており、中には大きな岩ほどの雪の塊もある。右手の斜面を見上げると今にも崩れ落ちそうな雪庇がなんとも不気味だ。
おにゅう峠の先、ジャンクション・ピークca850mからは北西に伸びる尾根の先にはp820にかけては素晴らしいブナの樹林が続いているのだが、この日はまだまだ先が長いので寄り道する余裕はない。
ピークから杉林の中を南下すると唐突に小さな雪原に飛び出し、広い針畑川の源流の谷の彼方に比良山系と琵琶湖を望む壮大な景色が広がった。ここからは鞍部に向かって下降する尾根には樹木がないために、パノラマうを見ながら爽快に下降することになる。しかし、この爽快感には後から払うべきつけが待っている。
右手に見える三国峠までの中間のピークp803との間の鞍部はこんなに下るのかと思うほどに深い。実際、標高差にして200m近いアップダウンであり、鞍部からの登り返しがこのコースにおける最大の正念場といえるだろう。
p803のへ登り返しの北斜面は林相が良ければ愉しめるのだろうが、植林が多く辛抱の登りが続く。よくよく考えてみると今回のコースは自然林がほとんどで、植林はこことナベクボ峠のあたりにわずかにあるばかりだ。
p803のピークが近づくと雪が降り始める。p803尾根筋からわずかに東に逸れたところにあるのだがピークから東に続く尾根は北斜面の植林とは対照的にブナの樹林が続いている。
ここからは生杉に向かってダイレクトに下降してゆく尾根があり、格好のエスケープ・ルートとなる。この尾根上にはユズリハの濃密な藪が通行を困難なものにしているが、今年の雪ではユズリハの藪も雪の下に隠れているだろう。生杉に向かってこのルートを下ることも脳裏をかすめたが、まだ時間も早いこともあり、初志貫徹して三国峠に向かうことにする。
p803から三国峠にかけてリョウブを主体とする低木の樹林が多い。小さなアップダウンを繰り返すことになる。左手に見える三国岳の景色も雪に霞んでいる。
三国峠への登りに差し掛かると雪は止んで、雲の間から光が射し始めた。山頂の手前では東の尾根から登ってくるスノーシューのトレースがある。朝の駐車場で遭遇した大パーティーだろう。山頂周囲にはかなりの数のトレースが刻まれ、山頂直下の斜面にはいくつものヒップソリの跡がつけられている。
山頂に到達すると辿ってきた江若国境稜線の彼方に百里ヶ岳が見える。高島トレイルの山名標が記された標柱は綺麗に掘られていた。周囲の積雪の高さは標柱よりも50cmほど上にあるようだ。
本日の目的とするピークはここでない。国境稜線を西に進むことにする。
三国峠から西に伸びる尾根にはさすがにトレースはない。ブナの樹林を辿るとすぐに尾根の先にはca800m峰が見えてくる。標高点すらないピークではあるが、このあたりでは一際目立つピークだ。彼方から眺めると三国峠よりもこちらのピークの明らかに標高が高く、むしろ三国峠は同定が困難なことが多い。
ca770m峰から鞍部に向かって下降すると、標高点のあるp767に登り返す。尾根を進むと雪の上には見慣れない足跡がある。人のものよりは小さいが鹿のものよりは明らかに大きく、人の手ほどの大きさだ。足跡は雪の中を20cmほど沈んでいるのではないかと思う。大型動物のトレースは明らかにca800m峰に向かって進んでいる。
ピークの手前では大きく張り出した雪庇が尾根上に立ちはだかるが、トレースは雪庇をうまく交わして尾根に登っている。ca800mに達すると丁度、雪が降ってきた。西側に広がる芦生演習林の光景は瞬く間に雪に霞んでゆく。足跡の主はca800mから西に伸びる尾根を下っているようだ。
引き返して三国峠に戻ると、先ほど三国峠にたどり着いてから1時間ほどしか時間は経っておらず、気温もそれほど変化したとは思えないが雪が急速に腐り始めた。同じ箇所を歩いてもスノーシューの沈み込みがまるで異なる。しかし、この時間まで雪があまり腐らなかったというこの日のコンディションがむしろ恵まれていたと考えるべきかもしれない。
下山は三国峠から東に伸びる尾根を直進する。尾根上にはスノーシューの集団のトレースが続いていた。夏道が下降してゆく南側斜面は生杉のブナの原生林として知られるところだが、尾根上にはところどころにブナの大樹は見かけるもののブナの回廊と呼べるほどの木立はないように思われた。雪は止んではいたが、左手に広がる江若国境稜線の先の百里ヶ岳は雪に霞んでいるようだった。
若走路谷の入口で林道に着地し、林道を歩くとほどなく除雪終了地点に達する。朝のスノーシューの集団はここまで車で入ってきたようだ。
林道を歩くと林の中に軽自動車があり、林の中から男性が現れる。林の向こうには住んでいる人がおられ、宅急便を届けに来られたらしい。雪がなければ家の前まで車で入れるらしいが、この雪深い時には「本当に大変！」と嘆息交じりに仰られる。
生杉の集落に戻ると正面の山が夕陽に照らされている。三国峠のシルエットの背後には黄金色に輝く空が広がっていた。駐車場に戻ると朝にお遭いした三人組の車はまだ停められていた。どのようなコース取りで歩かれているのかわからないが、この時間にまだ戻っておられないというのは少し心配だ。ご無事の帰還を祈るほかない。
京都に戻ると大原の西側、金毘羅山の陰に夕陽が沈んだところであり、空には綺麗な夕空が広がっている。明日の山行の好天を期待しながら帰路を急ぐのだった。
こっそり拍手
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taka4kun さん
雪のコースなのに長距離、高速で😲
雪の上では29�僂詫�利に作用するのでしょうか
足跡の主は？ クマさんは冬眠しているはずですね
有利・・・の筈がありません。
終始、スノーシューを履いておりますし
足跡の主は私にはクマにしか思えませんでしたが・・・
しかも足の大きさや沈み込みの深さからするとかなり大きな個体の
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