阿弥陀岳への道・リベンジ編

- GPS
- --:--
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 1,248m
- 下り
- 521m
コースタイム
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
3日前に敗退した阿弥陀岳のリベンジ。
当初はこの日バースデイ登山で西穂高を予定していたがここをパスするのは何とも心苦しい。
「そんなに西穂は甘くないだろー」
という山の神の声?も降りてきてリベンジ登山となった。
前回の仮眠失敗を反省して目覚ましアラームはMAX音量。
「♦♫♦・*:..。♦♫♦*゜¨゜゜・*:..。♦」
その甲斐もあって予定通り美濃戸に7時前到着。
平日なので駐車場はガラガラ。出会った登山者も数名。
パンとバナナで朝食を済ませ出発!
快晴、無風の絶好の登山日和。これから登る阿弥陀もよく見える。
そうそう、忘れずに雪焼け止めも塗らないと…。
コースはいつものように南沢。
数日前に歩いばかりなので写真も撮らず淡々と歩いて行者小屋に到着。
テン場はひと張りだけ。平日だからね。
登山者が少ないから何かあった時のリスクは高くなる。
自己責任の世界だけど人様に迷惑を掛けてしまうのは免れない。
ちなみに行者小屋を出てから戻ってくるまで誰とも会わず。
カレーパン(アタック直前の定番メシ)とバナナ(本日2本目)で充電完了!
ストックをピッケルに持ち替え文三郎尾根へ向かう。
ここ最近の登りは地蔵尾根を使っていたので久しぶりである。
取り付きから急登が続く。雪は締まっているので歩きやすい。
森林限界を過ぎると視界が一気に開けて緊張感が増す。
尾根は狭くはないが何かの拍子に滑ったらそのまま谷底まで一直線。
息を整えるための立ち止まっての休憩も気を抜けない。
風が強かったら途中撤退していたかもしれない。
無風男(自称)の面目躍如といったところか。
文三郎尾根を登り詰め分岐の道標に到着。
振り返ると行者小屋が小さく見える。
左手に目を向けると中岳の背後に阿弥陀岳が大きく待ち構えている。
中岳に向け一旦下降してから登り返す。
このあたりは雪が少なく岩稜が剥き出し。
風が強くて飛ばされてしまうのか、それとも気温が高く解けてしまうためか。
文三郎尾根で体力を消耗したためペースが上がらずシンドい。
なかなかギアが上がってくれないな。
中岳から阿弥陀間のナイフリッジがなかなかスリリングで面白い。
発達した雪庇に緊張が続く。踏み抜かないようにトレースにそって慎重に歩く。
ようやく核心部の阿弥陀岳へ取り付く。
遠くから見ても分かるようにエグい斜面が3,40m続いている。
「壁だなこりゃ」
昼が近づきあたためられた雪面はシャーベットというよりかき氷に近い粗さ。
一歩登ってはズルズル、登ってはズルズル…。
ピッケルを刺してアイゼンを蹴り込む、これを何度も繰り返す。
(同じ場所を戻って下山している時に足下が崩れて5,6m滑落。幸い雪が柔らかく
止まったがヒヤリとした一瞬だった)
単調作業を繰り返すこと30分あまり、ようやくズルズル斜面を突破。
体力はすでに使い果たした。ヘロヘロだ。あとは気力だけで山頂へ向かう。
青空が広がって来た。山頂は近い。
より大きなステップを越えると平坦なエリアにひょこっと出た。
誰もいない静かなエリア、雪に埋れ頭を少し覗かせた木標、そして360度全開の素晴らしい景色。
阿弥陀岳(2805m)、われ登頂せり。
色んな感情が一気に押し寄せてグッとこみ上げてくるものがある。
節目のこの日に阿弥陀岳に登ることになったのは何かの縁だろう。
この体験をさせるために導かれたのかもしれない。
Thanks、阿弥陀岳。
またこの場所に帰ってくることを誓って山頂をあとにする。
いつも快く山に送り出してくれる家族に、
健康なカラダに育ててくれた今は亡き両親に、
いつも温かく接してくれる友人達に
そしていつでも大きく迎えてくれる山々に
感謝します。
コメント
この記録に関連する登山ルート
hiratsuka













素敵な阿弥陀岳登頂でしたね。
おめでとうございます!
夏に登った阿弥陀岳思い出されます。
夏とは違う阿弥陀岳も一度挑戦したいです。
厳冬期は、無理ですが…。
下山時の滑落…。
本当に無事で何よりです。
この時期の雪は滑りやすいですから
下山時要注意ですよね。
私落ち着きがないから気をつけないとっ!
また、ゆっくり写真拝見させていただきます。♪( ´▽`)
chibikoさん
コメントありがとうございます。
夏の阿弥陀岳もいいでしょうね。
登山中のケガには人一倍気をつけているつもりですが
今回ばかりはヒヤリとしました。
お互い気をつけて楽しみましょう。
ところどころ非常に緊張感を持って読ませていただきました。
多くの山の経験、知識を持つ方にしか許されない山行だと思いました。
さすがhiratsukaさん、リベンジ達成は有言実行ですね
また素敵な誕生日を迎えられたこと、おめでとうございます
cocoronさん
コメントありがとうございます。
雪山におけるリスクマネジメントは考え過ぎるということはないですよね。
装備、トレーニング、状況把握等々。なかなか難しいですが。。。
おかげさまで記憶に残る1日になりました。
いいねした人
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