北ア・蓮華岳（慎み深く鎮座する 標高 2,799m）
富山県
長野県
やす爺
その他2人 - GPS
- 56:00
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,588m
- 下り
- 1,579m
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- 山行
- 1:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:30
- 山行
- 7:06
- 休憩
- 4:18
- 合計
- 11:24
- 山行
- 1:46
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 2:25
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
自宅⇆駐車場の往復走行距離は529.2km 今回の走行で発生したCO2は推定83.35�坩焚� （以下としたのは、高速走行の距離が多く燃費向上したと考えて） 2022年度（1月〜）累計では 合計走行距離1105.64km CO2発生量174.1�� |
| コース状況／ 危険箇所等 |
針ノ木雪渓の登下降では滑落のリスクがあるのでアイゼン着用が求められる。 |
写真
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花は小さくて見えない
花も葉もない地面下に
根が張り巡らしている
踏み込んではいけない
装備
| 共同装備 |
8ｍｍｘ15mロープ
シュリンゲ３（簡易安全帯用）
カラビナ3
|
|---|
感想
梅雨明け早々にテント泊山行を考えていたところ、なんと想定外の6月下旬に梅雨明け宣言があった。行先も考えていなかった。また諸々の都合を合わせるのもままならず、今年は夏日が続くと勝手に考えていたら、予想に反して晴れの日が続かなかった。好天が続かないと障害者を連れてのテント泊はとても厳しい。また小屋泊まりは周りの人も含め皆のストレスが高じてしまうので避けている。このままでは夏が終わってしまうという焦りが出始めたころ、降水確率が10％と低い確率が2日間続く予報が出た8月10日に出発することにした。
1日目は扇沢から大沢小屋のテント場までの行程で、登山道を歩く道と作業道を歩く道がある。登山道には渡渉箇所（赤沢）があるので、ペーター（障害者）が初日から靴を没水するリスクを避け作業道を選択した。案の定、梯子や仮設橋もあるがアップダウンもなくなだらかな登りで楽だった。大沢小屋には素敵な女性スタッフにテント泊の受付をしていただいた。「重度自閉症で重度知的障害者がいるので奇声などある、、、」と伝えると、「気にしないでください」と快く受け入れてくれた。ありがたい。さらに小屋のコーヒーは美味しかったな。
2日目は電灯無しで歩ける時を待って出発した。30分ほど歩き左岸から右岸に渡る広々とした河原で朝食を摂っていたら急に雨が降り出してきた。驟雨というものと思うが、激しく降ってきたので雨具を着た。朝の雨は体験的には一時的な雨となることも多いが、我々は濡れることを極力避けた。他のパーティーは一時的な雨と判断して雨具を付けていなかった。雪渓末端のアイゼン装着地点に着いた頃には雨が上がっていて、どうやらにわか雨だった。チェーンスパイクなどをワンタッチ装着して次々と追い越されていく中、ペーターへのX型アイゼン装着などで時間がかかった。布製軽登山靴は柔らかくバンドで固定し難いため、結束バンドを利用して締め付けた。それはとても効果的で完璧に固定された。またハイジへ10本爪アイゼンの一本締めするやり方をon the job training。私はペーターをコンテニュアスビレイをするので12本爪アイゼンを履きピッケルを手に持った。雨具を脱いだりシュリンゲで簡易的な安全バンドを身につけさせたり等々、小一時間を費やした。夏山一般道ではあまり見ない重装備だが、ペーターは予測不能の行動をするので安全は最重要であり、想定外は事故の言い訳にはならない。何しろ登山靴の紐も自分では結べない。普通の人は滑落したら自然に停める反応をするが、ペーターは反応しないと思う。滑落したら両腕を万歳しながら滑っていってしまうだろう。そのペーターは2度ほど躓いたがコンテなので心配なく雪渓の登行は30分程で終わってしまった。その後の夏道は大きな段差や急登で雪渓よりよっぽど疲れる登行だった。針ノ木峠から蓮華岳への道は緩やかな登りと考えていたが、それまでの疲労や酸素濃度の薄いためなのか、忍耐が必要だった。しかし、広々と大きな山容に遠望で眺める山々は爽快感を与えてくれた。遠くの雲間に槍ヶ岳や剣岳も時折雄姿を拝めた。蓮華岳では風が強く、記念写真を撮影して早々に下山することにした。P2754の近くで昼食を摂り、さらに針ノ木峠の小屋が見える辺りで、黒部立山の見納めにと小休憩をとった。どっしりと大きな薬師岳、穂先の鋭い槍ヶ岳、顕著な雪渓を残す岩山・剣岳、その他黒部の山々は壮大な景観だが、私はそれらの頂より、山に食い込んだ急峻で荒々しい谷やその谷になだれ込むように刻まれた崩壊など山の土台に魅了される。私だけの感情かもしれないが、それらは言葉でも写真でも絵画でもあるがままの姿を表しきれないだろう。それらでは山の土台の躍動感、立体感など表せない、残念なことに平面的な表現では伝わるものではない思う。小休憩後、「最終水場」まで一気に下った。飲用水を空いたペットボトルに補給して、登りと逆の行程を淡々と降った。16時11分テント場に帰着、予想外に時間がかかった。やはり障害者を伴う登山は心身ともに2倍以上の労力を要することがある。2泊目は隣に針ノ木から種池方面に縦走するという若者がテントを張っていた。大沢小屋のスタッフがぺーター（障害者）のことを説明してくれていたとのこと。山の怖い話で盛り上がった。その夜、ペーターが度々奇声を発したが、気に留めないでいてくれた。穏やかな優しい青年で良かった。
3日目、最終日は赤沢渡渉で滑って没水して濡れても問題ないので登山道経由で下山した。後ろ髪を引かれて時折振り返りながら、やがて登山道は舗装道路と交差した。そこは登山道より眺めの良い車道を選択して下山した。
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蓮華岳の登頂、おめでとうございます
2泊３日のテン泊は、私の燕岳と比べられないような、きつさがあったと推察いたします。大沢小屋の女性スタッフさんはご理解があり、優しい方で良かったですね。山頂でのご家族の写真には登り切った幸福感が伝わってきます。息子さんもさぞご満悦だったのではないでしょうか。槍も剣も展望され、また崩壊地の登りに高山の魅力が味わえて良かったと思います。とても私の体力では届かない山地に羨ましく拝見させていただきました。「対面の針ノ木岳」の写真は私のお気に入りです。満を持しての山行、やり尽くした感があるのではないでしょうか。
お疲れ様でした。ごゆっくりなさってください。
コメントありがとうございます。
どうしてか、夏は心がざわつき北アルプスに行きたくなります。
今年も残雪と高山帯に呼び寄せられるように蓮華岳に登りました。
これで夏の思い出がまた一つ増え、そして今年の夏休みの宿題を終えたようです。
さて宿題を終えても夏は続きます。これからの行く夏と終わりを惜しむことも楽しいものと思います。
蓮華岳、コマクサ多く咲く素敵な山の様ですね。三人で登頂された過程を知り、登山の重みは人それぞれと感慨を深くして記録を拝読しました。成程、結束バンドを使うのはいいアイデアですね。私も今度早速やってみます。
コメントありがとうございます。
準備と実行はとても面倒ですが、それでも現場（山）に行ってしまえば楽しむしかありません。
結束バンド（100均で購入）でのアイゼン固定について補足します。
・25cmと30cmの長さの結束バンドを使用
・Ｘ型には固定する輪っかが前後に2個づつ、計4個（片足分）
・登山靴を履くのと同じような感じで、靴の踵にアイゼンを密着させる
・30cmのもの3本を繋いで、後ろの踵部の左右2個の輪っかに通して結び締める
・25cmのもの２本を繫いで、前の左右2個の輪っかに通して結び締める
。なお結束バンドは環境を配慮して使い捨てず再利用します
（幅の小さな平べったいもので結束バンドの爪を浮かすと外れます）
私は刃が一つの最もシンプルなスイスのアーミーナイフの刃先を使用
高瀬川上流の沢登りの記録を拝見しました。夏は渓歩きが爽快で最高ですね。
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