荒神山〜曽根沼☆可憐な花と内湖を訪ねて


- GPS
- 01:37
- 距離
- 4.8km
- 登り
- 232m
- 下り
- 230m
コースタイム
- 山行
- 1:28
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 1:32
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備されたハイキング・コース https://biwako-outdoor.com/hikone-koujinyama/ ウォーキング・マップ https://kojinyama.org/wp-content/uploads/2020/05/KojinyamaWalkingMap.pdf |
その他周辺情報 | レンタサイクル ¥300/3.5H https://www.hikoneshi.com/megrinko/ |
写真
感想
8月も終わろうというのに今年はお盆休みが天候不良で遠出を諦めたこともあって8月は全く山行に出かけていないことに思い当たる。明日は久しぶりに長距離を歩くことになりそうだが、脚の調子を確かめるべく短い山行に出かけることにする。
荒神山は彦根の手前で東海道線を東に向かうと彦根が近づいたあたりで、車窓から琵琶湖の側に見える存在感のある独立峰だ。米原から近いので出張の帰り道にでも寄り道しようと思っているうちにコロナ禍のせいもあって東の方への出張がほとんどなくなり、ここを訪れる機会を逸していたのだった。以前にuriuri4211さんにこの山にミヤマウズラが咲くことを教えていただいたので、この花が咲く季節にと思っていたところでもあり、丁度、この花の季節だろう。
この日は高気圧に挟まれた気圧の谷のせいて朝からどんよりとした曇り空が広がっている。
東海道線は山崎のあたりで踏切内に人が入ったらしく、そのせいで京都駅で列車の到着を大幅に待つことになる。かなり遅れてきた新快速は野洲駅からは各駅停車となるが、そのお陰で本来は普通列車しか停まらない河瀬駅に降り立つことが出来る。野洲から米原の間の東海道線のダイヤは非常に不規則で、列車の間隔が非常に長いことが多い。
河瀬駅の周りには商店もなく、寂れた雰囲気だが、駅の北口の駐車場の中にレンタサイクルがある。ここで自転車を借りて荒神山に向かうと、荒神山の山麓のあたりには多くの消防車が集まっており、ヘリコプターも飛来している。だが火災が起きているようでもなさそうだ。
荒神山の東麓を流れる宇曽川にかかる橋を渡って荒神山公園に近づいてみると、どうやら大掛かりな防災訓練が行われているらしい。公園には多くの車も集まっているが、ほとんどが消防関係者のようだ。公園の北側にある建物は彦根市のこどもセンターのものらしいが、建物の脇の駐輪場に自転車を止めて出発する。
公園の北側からは尾根の末端にある唐崎神社に上がる道がある。神社を訪れてみると意外にも(といったら失礼ではあるが)立派な社殿のある神社だった。琵琶湖の南西にも湖上に突き出した唐崎(からさき)神社という有名な神社があるので、ここも何らかの関係があるのかと思えば、こちらは「とうざき」と読むようだ。
神社を背に防獣柵の扉を開けて尾根に乗ると、尾根には樹高の高い自然林の間に広々とした道が続いている。山頂の神社に参拝するための道の一つなのだろう。しかし、すぐ南側の荒神山公園からはひっきりなしに拡声器からの人の声に時折サイレンの音も混ざり、かなり騒々しい。
所々で琵琶湖側の展望が広がる。晴れていれば対岸の比良山系を綺麗に眺望することが出来るのであろうが、山麓のあたりまで白く霞んだ空気に覆われている。
山頂に向かう舗装林道を通り過ぎると尾根が平坦になったあたりで登山道の周囲に多くのミヤマウズラの花が現れる。花期に無事に間に合ったようだ。
山頂に至ると唐突に大きな神社の境内に入る。神社とはいえ、そのつくりは明らかに寺院のものだ。歴史を紐解いてみると、以前は奥山寺と呼ばれる天台宗の寺院だったそうだ。かつては大寺院だったようだが、天台寺院であったために織田信長の侵攻により焼き討ちされ、そのほとんどが灰燼に帰す。徳川時代には井伊彦根藩の庇護を受けるも明治になって神仏分離令により荒神山神社となったらしい。
山麓から神社に通じる舗装林道を下ると登って来られる人が多いことに驚く。林道の脇の小さな小山に登ると、そこから尾根伝いに下降する道が続いている。すぐにも琵琶湖の好展望が広がり、尾根の左手には奥島山と沖島の景色が広がった。
荒神山のハイキング・コースのAコースらしく、道は良好に整備されているのだが、何しろオニグモの巣が多い。棒切れで巣を払いながら降って行くのだが、油断すると顔や服に巣がまとわりつく。尾根を降りて車道に出ると蜘蛛の巣の多い登山道から解放されてようやくホッと一息つくのだった。
車道を歩くとすぐに曽根沼の公園の駐車場と綺麗なトイレがある。公園の駐車場には意外にも車が多く停められているのだが、すぐにその理由を知ることになる。沼沿いは芝生と綺麗な遊歩道が整備されており、所々でテントを張ったキャンパーがいる。ここはキャンプの穴場らしい。穴場と言ってもこういう情報はネットで急速に拡散するものなので、綺麗に整備された芝生の広場も数年後には無惨な状態になることが懸念されるところではあるが。
大きな樹木の周りにはニョキニョキとした奇妙な形の気根が多数出ている。この気根は神戸の六甲山の森林植物園の長谷池の周りで見かけたことを思いだす。沼杉とも呼ばれる落羽松(ラクウショウ)のものだ。よくよくみると沼の周辺に生えている樹木はいずれもこの落羽松であった。
この樹は乾いた土地では地中の根から酸素を吸収することが出来るが、湿地においては地面から酸素を吸収することが出来なくなるので、呼吸根を地上に出すらしい。この樹木は北米原産のものであり、おそらくはこの湖岸の公園が整備された際に植樹されたものなのだろう。
沼沿いを歩くと随所で内湖の幻想的な景色が広がる。曽根沼はほぼ典型的な琵琶湖の内湖である。内湖とは「琵琶湖周辺の内陸部に独立して存在するが、琵琶湖と何らかの形で接続されている水面形態をもつ湖沼」と定義されるらしい。
沼はその西側が道路で不自然に寸断されたような形状をしている。かつては96haと現在の20haのおよそ5倍ほどの面積のある大きな内湖であったようだ。昭和の初期までは琵琶湖の周辺に37もの内湖があり、その総面積は2900ha以上あったらしいが、戦後の食糧増産の政策によりその多くが干拓されて、現在は23ヶ所、その総面積も425haと大幅に減少してしまったらしい。琵琶湖に生息する魚にとっては重要な産卵場所でもあるらしいが、おそらく盛んに干拓していた時代にはそういった生態系のことは理解されていなかったのだろう。
曽根沼の東端まで来ると、再びハイキング・コースの案内に従って、登りにたどった尾根に乗る。唐崎神社が近づくと多くのヤブランの花が咲いている。境内には多くの白い花を見かけたが、ヤブミョウガの花であることをirekunさんのレコのお陰で知る。
登り始めてから1時間半近くが経過してところだったが、防災訓練は終わったらしく、公園には人影はほとんどなくなっていた。こどもセンターの駐輪場に戻ると他の自転車も無くなっていた。
下山後、近くのラーメンの有名店「にっこう」を訪れるが、食べログでも高得点がついているせいか、開店して30分と経っていない筈だがなんと既に12組待ちの状態であった。交差点を挟んて南東の角にある「江陽軒」も気になるところだったのだが、こちらは二組が待っているのみだったのでこちらを訪れるが、十分に美味であった。
帰宅後に改めてヤマレコをみると、ここを二日前に訪れられたchurabanaさんのレコで、曽根沼のすぐ近くに彦根麦酒の醸造場があったことを知る。また改めてここを訪れたいものだ。
コメント
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昨日は8時頃から荒神山のアスファルト道をランニング🏃してました。ニアミス、残念です😢
伊豆の家族旅行のレコを拝見し、最後に家族で出かけたのは?と思い出したら、中1の伊吹山のナイトハイクでした。。。
母と妹と3人では出かけますが、父も一緒は無かったりします。
元気なうちにと計画しましたが第7波で、もう少し落ち着いたら行きたいです😰
ステキなレコ、ありがとうごさいました😌
本日はuriuriさんと一緒に若越国境を縦走しておりました。
ニアミス
荒神山のハイキング・コースを辿りながらkoumamaさんやkou君はこのあたりは歩き尽くしておられるのだろうな〜などと思っておりましたが、一週間前にもお二人で訪れておられましたね。
曽根沼の湖畔の緑地がとても綺麗なところで、また機会を見つけて訪れてみたいと思うところでした。
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