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Yamareco

記録ID: 469984
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

奥丸山経由 槍ヶ岳方面

2014年04月30日(水) 〜 2014年05月02日(金)
情報量の目安: S
都道府県 長野県 岐阜県
 - 拍手
GPS
56:00
距離
16.4km
登り
1,894m
下り
1,013m

コースタイム

【1日目】
新穂高ロープウェイ駅→(40分)→穂高平小屋→(40分)→白出沢→(70分)→滝谷避難小屋→(80分)→槍平冬季小屋(奥丸山尾根偵察後戻る)

【2日目】
槍平冬季小屋→(220分)→奥丸山稜線→(20分)→奥丸山→(120分)→2360mビバーク地点

【3日目】
2360mビバーク地点→(30分)→飛騨沢からの合流点→(210分)→千丈乗越→(60分)→槍平冬季避難小屋→(200分)→新穂高ロープウェイ駅
天候 1日目:雨  2日目:曇りのち吹雪 3日目:晴天
過去天気図(気象庁) 2014年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
新宿←→(バス)→平湯温泉(野営)(バス)←→新穂高温泉
コース状況/
危険箇所等
【1日目】
新穂高ロープウェイ駅からは、夏道を通って槍平へ。
白出沢まで夏道が除雪されていました。
そこから先はそれほど多くはない踏み跡とGPS、赤テープを頼りに雪残る森の中を歩いていきました。
途中から川沿いに下降し、そこからは川沿いまたは、川の上の雪を歩く。

滝谷付近からは谷がデブリで埋まるような状態。
滝谷には小さな橋が出ていました。そのちょっと上流にはスノーブリッジがあり。

槍平までは完全にデブリの上を歩いて登っていきます。
槍平小屋は雪で半分埋まっていました。冬季避難小屋は出入口は出ていました。

【2日目】
1日日は沢沿いの中腹まで登りましたが、2日目は下部から尾根に取りつきました。
奥丸山東尾根の森の中は、大量に雪が残っていました。
2100m以降からは左右の切れ落ちた場所が数か所。

2200m付近では、木々に支えられた雪の壁が現れました。
自分の身長を超えた雪壁で2〜3m以上ありました。

奥丸山までの東尾根はそれ以降は斜度のきついところもあるものの、難しいところはありません。

【3日目】
30分ほどで飛騨沢から稜線に取りつく踏み跡がありました。2460m付近。
千丈乗越手前の雪面から急斜面になってきます。
雪面表面に薄くついた氷の層、その下は何だか堅いような緩いような雪。
予約できる山小屋
槍平小屋
新穂高ロープウェイ前

まだ始まってません。
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新穂高ロープウェイ前

まだ始まってません。
北アルプス(飛騨側)概念図
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北アルプス(飛騨側)概念図
白出沢(奥穂高登山口)
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白出沢(奥穂高登山口)
まだ橋が架かる前でした
まだ橋が架かる前でした
雪面林間
あちらこちらにデブリ
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あちらこちらにデブリ
滝谷避難小屋前デブリ
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滝谷避難小屋前デブリ
滝谷避難小屋内部
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滝谷避難小屋内部
滝谷避難小屋前の細い橋
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滝谷避難小屋前の細い橋
槍平への登り ここもデブリ
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槍平への登り ここもデブリ
槍平冬季小屋
槍平冬季小屋内部
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槍平冬季小屋内部
奥丸山尾根左沢
奥丸山尾根 雪たっぷり
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奥丸山尾根 雪たっぷり
ちょっと天候が・・・
ちょっと天候が・・・
なーんだ、すぐじゃん・・・これがこんなことになろうとは
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なーんだ、すぐじゃん・・・これがこんなことになろうとは
両側が切れ落ちている箇所が何か所か
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両側が切れ落ちている箇所が何か所か
奥丸山東尾根完登
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奥丸山東尾根完登
吹雪になってしまい、あえなくビバーク
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吹雪になってしまい、あえなくビバーク
穂高の朝
飛騨沢からの合流点
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飛騨沢からの合流点
槍の向こうから日の出
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槍の向こうから日の出
飛騨沢上部(私は稜線から)
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飛騨沢上部(私は稜線から)
中崎から西鎌へ
右谷全景
乗越手前雪面、大人数で登ると崩れそう・・・岩場を経由して登る
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乗越手前雪面、大人数で登ると崩れそう・・・岩場を経由して登る
二日前よりデブリ増えてない・・・?
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二日前よりデブリ増えてない・・・?

感想

将来的に槍の厳冬期登頂を目指して、今回は残雪期ではほとんど人の通らないルートである中崎尾根経由の槍ヶ岳を目指しました。
結果的には新穂高周辺の中崎尾根取りつき地点、滝谷避難小屋の対岸付近からの中崎尾根取り付き地点は見つかったものの、今回は槍平からの取りつき(夏道)となりました。

滝谷付近からは谷がデブリで埋まるような状態になっています。
この時期だからよいものの、厳冬期にはとても近づく気にはなれません。

槍平冬季小屋の場所を確認、一度休憩してから奥丸山へ取りつきました。
最初、沢沿いを直登していくと、上から細かいスノーボールがポロポロと転がってくる状況。
雪自体はサクサクと登っていける状態でしたが、途中から斜度が上がってきます。
すでにあった薄い踏み跡も沢からすぐに尾根に取りついて行っているようでした。
雨の天候と雪の状態から、「明るいうちに稜線に取りつくのは難しいかもしれない」と判断し、明日は小屋前から尾根沿い(夏道沿い)に登ることを決定。
1日は冬季避難小屋に泊まることにしました。

2日目は朝からガスがかかっていました。
奥丸山尾根に取りつきます。
1日日は沢沿いの中腹まで登りましたが、2日目は下部から尾根に取りつきました。
奥丸山東尾根の森の中は、大量に雪が残っていました。
比較的斜面の急な尾根の下部、春山のグズグズ雪に足を取られ、ほとんどスピードが出ません。
2100m以降からは左右の切れ落ちた場所が数か所。

2200m付近では、木々に支えられた雪の壁が現れました。
自分の身長を超えた雪壁で2〜3m以上ありました。
もっと冬季の雪の多い締った時期であればその壁も直登することもできそうでしたが、温度と雨によってその雪もグズグズ。下手に無理をすると滑落もありそう・・・。
木を伝って壁を越えようとしたり、壁を崩しながら越えようとしたり、さまざまなことを試しましたが全て失敗に。
結局、右に大きく巻いて急斜度の雪面を登ることにしました。
ここの壁の対処で時間をロスしました。

奥丸山までの東尾根はそれ以降は斜度のきついところもあるものの、難しいところはありませんでした。
最後に雪庇を乗り越えるように。4時間近くもかかってしまいました。

ここからは稜線上を歩いて槍を目指すだけです。
アップダウンはあるものの難しいものはありません。
ガスが多く、真っ白でした。そしてみぞれが降り始め、雪になり吹雪へ。
真っ白な中槍の稜線に取りつくのは危ないと判断。
2360m付近の大木の前に壁を作ってビバークしました。

【3日目】
3000m級の白い山々が目の前で出迎えてくれました。
見事な晴れです。
時間的に槍登頂は無理かもしれない・・・。
出発前の時間計算でそう出ていました。とりあえず行けるところまで。

稜線歩きは快適の一言です。
踏み抜きや雪庇など数多くあるものの、ピークに向かってつながる稜線が見えているので苦がありませんでした。

千丈乗越手前の雪面から急斜面になってきます。
雪面表面に薄くついた氷の層、その下は何だか堅いような緩いような雪。
歩く毎に、左右に大きくヒビが入っていきました。
何とか崩れずに岩場に取りつき、そこから右に巻いて千丈乗越へ到達。

しかしながらここでタイムアウト。惜しみながらも撤退することに。
千丈乗越から一気にシリセードで下りました。
ピッケル制動かけながらも楽しい滑りでした。

そこからは来た道を戻るだけ。
何だか雨と雪のせいか、二日前よりもデブリが多い気がしました。

今回は総じて行動計画がすべて遅れてずれたのが問題だったかもしれません。
初日に奥丸山の稜線に到達できていれば、2日目に一気に槍へと辿り着けたと思います。
奥丸山東尾根は下部が猛烈に雪だまりになっており、これを避け、中腹から一気に取りつくと時間をカットできるかと思います。
雪や天候の状態によっては沢を一気に登ってもいいかもしれません。

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コメント

いやはや・・・
M2999さん、こんばんは〜happy01

早速読ませていただきましたよ!
これがあの「今、稜線上で水造ってます」って言ってた
山行だったんですね!

それにしても、凄い規模のデブリや雪壁、そして取り付きの詳細な状況
などなど、私の雪山レベルではとても経験したことがない
状況のものばかりで、かなり興奮して見させていただきました

あと、北アの飛騨側って、4月末で、しかもこの低標高でもまだまだ
これだけの雪が残っているんですね・・・snowcoldsweats02
この時期だと、上高地側はほとんど雪無しなんですけど・・・
チョッとビックリでした

私も5/17.18.19で上高地〜横尾〜涸沢から奥穂へ登って、
大快晴の残雪の北ア大絶景を堪能しましたが、
Mさんの3日目の大快晴もこの上ないくらいの
雪の北ア大絶景でしたね!!happy02shine

素晴らしい山行(厳冬期・槍登頂の為の下見? )と
千丈乗越からの美しい雪の北アのお写真
見させていただき、ありがとうございましたwink
また今度、お話し伺わせてくださいflairhappy01
2014/6/27 23:12
時間さえあれば・・・
lifter175さん、こんばんは〜

ご訪問ありがとうございます。

私なんて大したことないレベルですよ〜。
でも、雪山こそ、ノーマルルートを外れる価値があると思います!

自分でルートを探し、危険はないか、他にもっと良いルートはないか、それこそが山登りの神髄ではないかと思います。
         ・・・夏は暑いし、藪漕ぎはチョットネー

春の槍ヶ岳も、飛騨沢沿いに行けばそれほど苦も無く登れるかと思います。
スキー担いで帰りは滑りでいかがでしょうか?

奥穂記録も見させていただきました!いいですね!
私の初の「雪の付いた3000m峰登頂」もGWの奥穂でした。
今考えると、雪山デビュー後2回目でGW奥穂とは、当時の私も無茶をしたものです

また遊びに来てくださいね。
今度はどこかご一緒に登りに行けるといいですね!
2014/6/28 22:00
プロフィール画像
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体力レベル
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