ヤケオ山〜武奈ヶ岳〜コヤマノ岳〜正面谷☆新雪と霧氷の比良へ

- GPS
- 06:36
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 1,573m
- 下り
- 1,538m
コースタイム
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 6:57
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は比良トピアへ 比良トピアから比良駅は無料送迎バスで (14時〜17時の毎時55分に) |
| コース状況/ 危険箇所等 |
ヤケオ山の南東尾根は中井新道と呼ばれる登山道があらが今回は登山道から離れて尾根を直登し 八雲ヶ原〜広谷は積雪期は難路でありお薦め出来ない 特にイブルギのコバから広谷の下降は谷筋は狭隘であり、右岸の尾根を下降する方がいいかも |
| その他周辺情報 | 比良トピア |
写真
感想
この日は寒波の後の好天が予想されていたので、先週のうちから有給休暇を確保していた。車で出かけるつもりであったが、数日前に娘が課外活動で骨折する。家内が娘を車で学校に送迎するために公共の交通機関を使っての山行を余儀なくされる。
朝、起きてみると既に外が明るい。家内が目覚ましをかけてくれるものと期待していたが目論見が甘かったようだ。滋賀県の北の山に出かけるつもりであったが、この時間からでは間に合わないので行き先を急遽、比良に変更する。
湖西線が滋賀県に入ると比叡山の東側斜面は着雪でかなり白くなっている。堅田を過ぎて権現山から蓬莱山にかけての南比良の稜線はさらに白く、稜線の上の方は霧氷が付いているようだ。一昨日に降った雪のせいだろう。
北の方はさらに雪が降ったことだろうと期待したが、破面に雪が見られるのは南比良のみで、それより北では雪はほとんど見られない。比良の稜線が壁となってこちら側にはあまり雪が降らなかったようだ。
湖西線を走る新快速は近江高島からのバスに丁度、接続するはずであったが、駅前にはバスの姿が見当たらない。時刻表を見直すと4月以降の無雪期限定のバス出会った。次の湖西線を北上する列車は近江今津止まりである。この近江高島からはリトル比良の岳山や鳥越峰に登ることが出来るが、周囲の山肌にはほとんど雪はなくせっかく携行したスノーシューの出番はなさそうだ。
仕方がないので次の上りの湖西線を待って、近江舞子まで移動してヤケオ山に登ることにする。
近江舞子駅を出ると正面はヤケオ山から釈迦岳にかけての稜線が目の前に大きく聳える。釈迦岳の山頂部がキラキラと白銀に煌めいているのは霧氷のせいだろう。近江舞子からは釈迦岳に登る雄松山荘道という古道があるが、ワンゲル道と合流してからイチョウガレと呼ばれうる岩場があり、この時期の登攀は危険が大きい。
湖西道路の下をくぐってその西側に出ると樹林の中に時折、瀟洒な建物がところどころで現れる。このあたりは別荘地なのだろう。やがて道は大堂川の左岸に沿って、上流の堰堤工事のためと思われる古い林道を辿る。堰堤の手前から左岸の尾根に登る中井新道と呼ばれる道があるのだが、明瞭な道を歩いているつもりではあったが、やがて道は不明瞭になる。GPSで位置を確認すると左手の急斜面に入り込んでいた。
登るのに困難な斜面ではなく、斜面は雑木林で積雪も十分にありそうだ。中井新道は諦めてスノーシューを履いて斜面を直登することにする。早速にも新雪の踏む感触が心地よい。尾根に辿り着けば中井新道と合流するだろう。ca450mほどで右手から登ってくる尾根と合流すると中井新道の明瞭な道が現れる。
中井新道はca500mあたりから尾根をトラバース気味に右手の斜面を登ってゆくことになるが、尾根上の疎林はどこでも登れそうなので再び中井新道と別れて尾根を直登する。p761でヤケオ山から南東に伸びる尾根に乗ると途端に緩やかな斜度の尾根となる。
Ca800mは草原となっており、東側には琵琶湖、北には比良北部の大展望が広がる。琵琶湖の好展望を眺めながらヤケオ山までは雪庇の発達した尾根をひと登りだ。ヤケオ山には真新しいワカンのトレースがあった。フジハゲの方に向かって進むとすぐに先を進むワカンのトレースの主に追いつく。
フジハゲのあたりは無雪期は極めて細い尾根だが、尾根に発達した雪庇を踏み抜くと大変なことになるので、北側の樹林の端を慎重に通過する。
釈迦岳に到着すると、確かに山頂部の樹々には霧氷が付いているが、急速に霧氷は落下しつつある。山頂の北斜面からは好展望が広がるが、左手に見える武奈ヶ岳とその手前のコヤマノ岳には霧氷がびっしりと発達しているのが目に入る。
折しも単独行のツボ足の男性がカラ岳の方から来られた。正面谷から来られたらしい。時間はまだ12時前だ。武奈ヶ岳にまで行く時間の余裕はあるだろう。いつしか空には青空は消え、雲が低く垂れ込めている。
釈迦岳からカラ岳に向かうと、先ほどの男性のツボ足の跡とは別に先を進むMSRのスノーしゅーの跡がある。ツボ足は膝下あたりまで沈んでいるところが多いようだ。
比良ロッジ跡から正面に武奈ヶ岳の山頂を仰ぎながら八雲ヶ原に下降する。武奈ヶ岳の山頂には数名の人影が見える。かつてのゲレンデ跡をコヤマノ岳に向かうコースには多くのトレースが刻まれている。武奈ヶ岳の北稜を目指すべく広谷に回り込むことにする。
この時期は広谷へのコースを歩く人は滅多にいないだろう。流石にトレースはなかった。台杉を見上げながらイブルキのコバに向かってトラバース道をゆく。雪に埋もれた夏道を判別するのはそう難しくはない。問題はイブルキのコバから広谷への下降だ。谷が狭隘なので、斜面のトラバースが困難だ。水に落ちないように気をつけながら沢を下降する。
広谷に至ると渡渉を繰り返しながら細川越えに向かって広々とした谷を進む。なだらかな河岸段丘を快適に進むことが出来る。細川越の手前で北稜から派生する支尾根に取り付き、すぐに北稜に乗ることが出来る。北稜にはやはり西側斜面のブナ林にはびっしりと霧氷がついている。先日、二週間前に訪れた時よりも明らかにこの日の方が霧氷が発達している。
雲の切れ目から太陽が再び姿を現すと、周囲の霧氷を一斉に明るく輝かせる。右手の霧氷のブナ林と左手の雪庇に見惚れながら北稜を辿ると尾根の登りが短く感じられた。武奈ヶ岳の山頂には平日だというのにひっきりなしに人が訪れているようだ。西南稜のトレースは既にガチガチに踏み固められている。
コヤマノ岳のブナ林を覆う霧氷もまだ十分に残っている。ブナ林に向かうと陽光が樹冠の霧氷を明るく輝かせてくれるので、まるで樹林の中に照明がついているかのようだ。コヤマノ岳にも多くの人が訪れたようだが、既に人の気配はない。霧氷の樹々に囲まれた山頂で眼下に琵琶湖を眺めながら行動食で一休みする。
下山は金糞峠を経るルートを選択する。尾根上には一本の踏み固められたトレースが出来ていた。ツボ足で歩かれた方が多いようで、スノーシューでは歩きにくい。金糞峠でスノーシューを脱ぐ。青ガレは踏み固められたトレースは滑りやすいので緊張を強いられるが、経アイゼンを使用することなく堰堤まで下降する。
堰堤の上を渡渉して久しぶりに金糞滝を見に行く。水量は少なめだと思われるが雪の中の滝は独特の風情がある。あとは谷の右岸の緩やかな道を下降する。林道に出ると雪は少なくなり、すぐにも地面が露出する。駐車場には車が2台ほど残っていた。最後は比良トピアに寄り道する。温泉から上がると丁度いい時間に無料送迎バスがあり、比良駅まで送っていただく。駅前から見上げると広々とした畑の彼方で釈迦岳の山頂部が夕陽を浴びていた。
山猫


















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