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Yamareco

記録ID: 527804
全員に公開
ハイキング
赤城・榛名・荒船

旧中山道から碓氷峠越え(横川駅→軽井沢駅)

2014年10月11日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 群馬県 長野県
 - 拍手
もっち その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
05:27
距離
16.7km
登り
926m
下り
358m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:08
休憩
0:20
合計
5:28
距離 16.7km 登り 926m 下り 368m
9:05
242
スタート地点
13:07
13:27
66
14:33
ゴール地点
天候 概ね晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
【往路】
 ↓(上信越自動車道)
松井田妙義IC
 ↓(R18)
横川駅

Pは駅南側の鉄道文化むら向かいのバスロータリ内に約20台。無料。

【復路】
軽井沢駅
 ↓(JRバス)
横川駅
http://www.jrbuskanto.co.jp/bus_etc/cntimep01.cfm?pa=1&pb=1&pc=j0460021&pd=1&st=1
片道510円。
コース状況/
危険箇所等
若干ガレている箇所はありますが、取り立てて危険個所はありません。
R18から尾根に取り付くまでは少し急ですが、そこからはユルユル。
その他周辺情報 お約束の峠の釜めしを食いました。
http://www.oginoya.co.jp/
横川駅の目の前に見える裏妙義の山々。あそこへ戻るにはもう少し時間が必要です。
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横川駅の目の前に見える裏妙義の山々。あそこへ戻るにはもう少し時間が必要です。
横川駅からスタートです。いい天気。
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横川駅からスタートです。いい天気。
碓氷峠への関所。
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碓氷峠への関所。
東海道に比べると、こうした看板類は少ない上にどれも簡素です。東海道歩きほどメジャーじゃないんですね。
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東海道に比べると、こうした看板類は少ない上にどれも簡素です。東海道歩きほどメジャーじゃないんですね。
坂本宿は江戸から碓氷峠へ向かう手前の最後の宿場町だったので、中山道としては比較的規模が大きく、最盛期は40もの旅籠があったそうです。
坂本宿は江戸から碓氷峠へ向かう手前の最後の宿場町だったので、中山道としては比較的規模が大きく、最盛期は40もの旅籠があったそうです。
車で走ってもなかなかの難所である碓氷峠、昔の人はどんな心持でこの峠を越えていったのでしょう・・・。こういう想像をするのも、むかし道歩きの面白さ。
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車で走ってもなかなかの難所である碓氷峠、昔の人はどんな心持でこの峠を越えていったのでしょう・・・。こういう想像をするのも、むかし道歩きの面白さ。
旧信越本線の線路跡に遊歩道を造り、横川駅から眼鏡橋まで歩いて行けるようになりました。今回は通りませんでしたが、別の機会に歩いてみたいと思います。
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旧信越本線の線路跡に遊歩道を造り、横川駅から眼鏡橋まで歩いて行けるようになりました。今回は通りませんでしたが、別の機会に歩いてみたいと思います。
表妙義山塊の険しくも美しいシルエット。感慨深い気持ちで眺めます。
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表妙義山塊の険しくも美しいシルエット。感慨深い気持ちで眺めます。
さあ、むかし道に入ります。某TVの女子アナ(帰国子女)が、これを「いちにちじゅうやまみち」と読んだらしいですけどね(笑)
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さあ、むかし道に入ります。某TVの女子アナ(帰国子女)が、これを「いちにちじゅうやまみち」と読んだらしいですけどね(笑)
石垣跡。昔はもっと広い道だったことを伺わせます。そしてその下にはいつからおいてあるかわからないほどに朽ちた看板。もちろん文字は読めません。
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石垣跡。昔はもっと広い道だったことを伺わせます。そしてその下にはいつからおいてあるかわからないほどに朽ちた看板。もちろん文字は読めません。
柱状節理の大岩。妙義のそれに比べれば小さいですが、目を見張る立派さです。
妙義の柱状節理:http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=189236&pid=a7f1572ccfa7b1f199e7edc0331f9f95
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柱状節理の大岩。妙義のそれに比べれば小さいですが、目を見張る立派さです。
妙義の柱状節理:http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=189236&pid=a7f1572ccfa7b1f199e7edc0331f9f95
横から。若干オーバハングしているのが分かります。
横から。若干オーバハングしているのが分かります。
「覗(のぞき)」。ここから坂本宿が見下ろせます。碓氷峠越え唯一の眺望スポットで、江戸時代には小林一茶がここで一句を残している名所です。真ん中を横切る上信越道ができたこと以外は、昔とあまり変わらない光景なのかもしれません。
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「覗(のぞき)」。ここから坂本宿が見下ろせます。碓氷峠越え唯一の眺望スポットで、江戸時代には小林一茶がここで一句を残している名所です。真ん中を横切る上信越道ができたこと以外は、昔とあまり変わらない光景なのかもしれません。
小林一茶が残した俳句が書かれています。「坂本や 袂の下の 夕ひばり」。彼は信州出身なので、何度もこの峠を越えたそうです。
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小林一茶が残した俳句が書かれています。「坂本や 袂の下の 夕ひばり」。彼は信州出身なので、何度もこの峠を越えたそうです。
杉の植林のために跡地の面影は薄いですが、奥にある石垣がそれを表しています。
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杉の植林のために跡地の面影は薄いですが、奥にある石垣がそれを表しています。
「おるまい とるまい」という看板をわざわざ折ったり取ったりする輩・・・残念です。
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「おるまい とるまい」という看板をわざわざ折ったり取ったりする輩・・・残念です。
広々と平らな道。木漏れ陽に癒されながら楽しく歩きます。
広々と平らな道。木漏れ陽に癒されながら楽しく歩きます。
山・中学校 ではなく、 山中・学校跡。かつて(明治時代)ここに学校があったというのは驚くべきことです。後のプレハブがその学校・・・だったわけではありません(笑)。なんだろ。
山・中学校 ではなく、 山中・学校跡。かつて(明治時代)ここに学校があったというのは驚くべきことです。後のプレハブがその学校・・・だったわけではありません(笑)。なんだろ。
碓氷峠の近くではかつて車が入っていたようで、何十年前かの旧いバスが打ち棄てられていました。
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碓氷峠の近くではかつて車が入っていたようで、何十年前かの旧いバスが打ち棄てられていました。
内容が簡潔なだけに不気味な看板・・・。
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内容が簡潔なだけに不気味な看板・・・。
ここから林道へ。やはり以前は車が通っていたようです。
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ここから林道へ。やはり以前は車が通っていたようです。
舗装路に出ました。ここから信州側は交通機関でアクセス可能なので、観光地化しています。
舗装路に出ました。ここから信州側は交通機関でアクセス可能なので、観光地化しています。
一方の上州側は、この通り。
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一方の上州側は、この通り。
碓氷峠着。何と店まで上州と信州で別。
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碓氷峠着。何と店まで上州と信州で別。
県境を表す石ですが、ほとんど信州に牛耳られています。
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県境を表す石ですが、ほとんど信州に牛耳られています。
熊野神社(上州)/熊野皇大神社(信州)の境内へ。ここも上州と信州で2つの神社があり、社務所も別。ネタなのか・・・?
熊野神社(上州)/熊野皇大神社(信州)の境内へ。ここも上州と信州で2つの神社があり、社務所も別。ネタなのか・・・?
「信州」の天然記念物であるシナノキ。樹齢800年(推定)だそうです。
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「信州」の天然記念物であるシナノキ。樹齢800年(推定)だそうです。
ご覧の通り、神社の社も2つ。木柱の熊野神社と石柱の熊野皇大神社の各標柱。
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ご覧の通り、神社の社も2つ。木柱の熊野神社と石柱の熊野皇大神社の各標柱。
何だか微妙なお知らせ・・・。群馬側が虐げられている気が・・・。
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何だか微妙なお知らせ・・・。群馬側が虐げられている気が・・・。
さ、軽井沢へ下りにかかります。見ての通り、観光地です。
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さ、軽井沢へ下りにかかります。見ての通り、観光地です。
旧軽へ。まるで原宿のよう。上州側とのあまりのギャップに、大いに戸惑います。
旧軽へ。まるで原宿のよう。上州側とのあまりのギャップに、大いに戸惑います。
かつて、多くの旅人のドラマがあった旧軽井沢駅にゴール。今ではその面影を伺うことができるものはほんの僅かです。
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かつて、多くの旅人のドラマがあった旧軽井沢駅にゴール。今ではその面影を伺うことができるものはほんの僅かです。
信州側は、軽井沢から篠ノ井までを結ぶしなの鉄道の線路が伸びていますが・・・、
信州側は、軽井沢から篠ノ井までを結ぶしなの鉄道の線路が伸びていますが・・・、
翻ると、上州側はもはや朽ちてしまっているホームと、横川からの線路が見えます。
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翻ると、上州側はもはや朽ちてしまっているホームと、横川からの線路が見えます。
軽井沢駅からバスで横川駅へ帰ってきました。かつて、旧「あさま」などを2連結で牽引した碓氷峠越え専用機関車、EF63の動輪です。
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軽井沢駅からバスで横川駅へ帰ってきました。かつて、旧「あさま」などを2連結で牽引した碓氷峠越え専用機関車、EF63の動輪です。
そして〆はやはりコレ!!
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そして〆はやはりコレ!!

感想

3年かけて東海道を完歩した友人が、
かねてから碓氷峠を歩こうと誘ってくれていたこともあり、
たまたま予定が空いていた3連休の初日、
台風直撃前の穏やかな朝を選びました。

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「古き面影」

松井田妙義ICが近づくと、妙義の険しくも美しいシルエットが目に入る。
4月に滑落した場所も、すぐそこにはっきりと見ることができる。

車窓の外を見つめながら、
またあの岩に取り付くことができるのか?としばし自問自答。
自分の身体が訴える声に耳を傾けてみると、
まだそこに行ってはいけない、との答えが聞こえる

そうか、わかった。
その声に大人しく従い、友人の運転する車の助手席の背もたれに深く寄りかかった。

横川駅の駐車場に車を停めると、
迫る妙義の岩稜を背にして、今回の目的である碓氷峠方面へと歩を進める。
ここにきて、妙義に入らない自分が不思議でもあり、新鮮でもあった。

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東海道と違い旧中山道歩きは一般的ではない。
某女性アナウンサー(帰国子女)が、
旧中山道のことを「いちにちじゅうやまみち」などと読んだ笑い話があるほどだ。
看板も、東海道のようにごてごてと飾られてはおらず、あくまで簡素である。

国道18号から入る旧中山道は、
歴史を物語る看板は随所にあるものの、
それなりのハイキング装備の持参を要求されるルートだ。

かつて、上信往還道として賑わいを見せていた旧中山道の面影は、
茶屋跡や学校跡などから伺える。
しかし、人はほとんどおらず、静かなお山歩きができる。
ブームと言っても、人々の目は人々の目につくところに向くことが専らのようで、
特に眺望にも優れず、目的地を設けるような道でもないこのルートは、
昔日の面影を色濃く感じることをできる。
こういうところにいると、タイムトリップしたような気持ちになる。

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碓氷峠に達すると、唐突に自動販売機や店が現れ、
自動車が往来するようになる。
上州側からやってきたぼくたちは、その落差に驚くが、
考えてみれば碓氷峠の向こうは軽井沢なのだから、
当然のことかも知れない。

峠の県境にある神社は、境内を一にするものの、
社から社務所、果ては下の茶屋まで上信を別っている。
商業戦略的に分けたのか、あるいは宮司同士の諍いによって分かれたのか、
そのあたりは知る由もないけれども、
崇め祀る神をわざわざ分ける必要などあるのだろうか。

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碓氷峠からは舗装路を淡々と下る。
そこには旧道を感じさせるものは何一つない。
やがて、別荘地が立ち並ぶようになる。
確かに、軽井沢町は財政が潤沢な自治体であり、
新幹線があることで首都圏のアクセスも程よく、気候は涼しく、空気もよい。
別荘としても、あるいは居住するにも適した場所なのかもしれない。

しかし、別荘地を抜けて旧軽井沢の街に下りてくると、
そのような気持ちは一辺に吹き飛んでしまった。
まるで原宿のような街並みだったからだ。

ぼくは、わざわざここにこのような街並みを作る理由が分からなかった。
また、そこに喜んで集まってくる人々の心理も分からなかった。
いや、分からなくはなかったけれども、自分はそうしようと思わなかった。
敢えてここを目的地にして出かけることは、きっとあるまいな。

道路脇のアイスクリーム屋でアイスクリームを買い、
なめながら軽井沢駅へと歩いて行った。

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バスに乗って横川駅に戻ると、
軽井沢とほんの10数kmしか離れていないとは思えないほどに静かだった。
駅の向こうに見える妙義のお山は、相変わらず美しかった。

ぼくたちは、近くの高名な釜飯を売っているドライブインに入り、腹拵えをした。
ぼくという者は、軽井沢よりも横川という街に悦びを感じる人間であり、
どちらかというとマイノリティであることに改めて思い至った。

色々な意味で、とても実のあるハイキングだった。

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